岐阜県に在る魚道というクライミングジムのオーナーであるJOE氏がこんな事を呟いていた。
本来、クライマーはリスクを愛する冒険的な人々が大半であったし、リスクがあるからこそ己を鍛えたし、
岩ならなおさらだけど。
クライマー気質が薄らぐのはつまらん。
同感である。最近のボルダージムの隆盛と共に急激に増加した外岩ボルダラーに対しても、全くそう思う。
クラッシュパッド無しではボルダリングをしない、いや出来ない。でいて、小生には真似の出来ない位い物凄いリスキーな事を平気でやってしまう。それをリスクとは考えもしないで。
小生には未だ経験は無いが、御岳でクラッシュパッド無しにボルダリングをしようとすると、危険だからパッド無しでは登るなと叱責されてしまうらしい。小生が御岳でボルダリングを始めた頃は、クラッシュパッドなんてものは存在しなかった。マットと言えばクライミングシューズのソールを綺麗にするための足拭きマットくらいしか無かった。暫くして、プッシャーというブランドのスポットというパッドが出現したが、使っている人は珍しかった。そんな時代だった。それがいつの間にか。
その理由は分かる。その厚さが3cm有るか無いかのスポットを初めて使った時、それまで怖くて出来なかった、4m位の高さのマントルが直ぐに返せたのだから。でもねぇー。
現在日本国内で広く行われている段級式グレーディングだが、このグレーディングは、本来は、パッド無しで、忍者返し、またはエイハブ船長という課題を登る時の難しさを1級としているのである。また、その難しさにはその課題を登る時の怖さ、つまり、リスクもグレードとして考慮されているのである。少なくとも室井氏による「黒本」のグレードはそうなっている筈である。
しかし、今、JOE氏も言うように、そんなことを言う人はほとんどいないらしい。で、小生も言わせてもらおう。
クライマー気質が薄らぐのはつまらん。
と。