最近、仲間が新しく出した外岩でのビデオをきっかけに、久し振りに他人の外岩でのボルダリングのビデオを何本か見る機会を得た。そこで思った事を書いてみることにする。
小生が外岩に行き始めた頃はまだ三段を登る人は多くはなかった。御岳の虫等は誰々が第何登したとか、報告されていたものだ。当然四段を登る人は殆どいなかった。また、四段とする課題も殆どなかった。しかし最近では、三段の課題は普通に登られているように思えるし、四段でも登っている人は何人もいるように思える。そして、五段とする課題ですら大分増えてきている感じだ。現在の国内における最難課題も既に六段になっているし。
小生が外で登り始めた頃、というかボルダリングを始めた頃は日本における最難課題は確か四段だった。小川山の「冬の日」だったと思う。初段を登ると「有段者」という称号を与えられる時代であった。
スポーツに限らず、記録は日に日に塗り替えられてゆくというのが世の常だ。ボルダリングも当然その範疇だ。四段が五段、六段と最難課題の段数が上がって行くのは当然のことである。
まぁ、一般論はそれ位にして、小生が少々違和感を覚えた事がある。それはクラッシュパッドの使用方法に関してだ。 一時はクラッシュパッドを使うか使わないかとの議論もあったようだが、今ではクラッシュパッドを使わない人は異端と言われる位の時代になってしまったから、クラッシュパッドを使う前提での違和感だ。
そもそも、ボルダリングにおけるクラッシュパッドの使用は、リードクライミングにおけるロープの使用に当る。即ち、登攀時にク
ラッシュパッドを直接使用する事はいかがなものかということである。具体的に言うと、結構多くの人達がクラッシュパッドの上から離陸していることである。
小生がクラッシュパッドを使い始めた頃、先輩から、パッド上からは離陸しない方がよいと教わった。で、小生がパッドを使用するときはパッドの上からの離陸はしなかった。クラッシュパッドは岩から幾らか離れた場所、自分が落下するであろう場所に置き、スタートには足拭き用の小さな布切れを使用していた。厳密
にいえば薄い布切れでも人工物は人工物だから使ってはならないのかもしれないが、靴やチョーク等の様に足拭きマットについても最低限の使用として認められる物との判断から使用していた訳である。
現在のクラッシュパッドの使用状況を見ると、何枚かのパッドを並べて使用していることが多い。
その為か、普段登っているであろうジムに近い感覚でパッドを敷いているように見えるのである。それで、パッドの上からの離陸が多いのかもしれない。加えて言うならば、あらかじめ落ちるであろう場所を予測し、その場所にパッドを敷くという、そういう意識があまりない人が多いようにも見えるのである。尚言うと、
自分が落ちるとすればあそこに落ちようと、失敗時の落下までをもコントロールしたムーブを意識している人になると殆どいないのではとも思えるのである。
まぁ、それがだめだとは言わない。なぜなら、初登者がクラッシュパッドを使用せずに登った課題を、現在は、殆どの人がパッドを複数枚使用して登っているという現実があるからだ。しかし、小生には何となく、それでよいのかなぁ、なんだかなぁと思われる訳ではある。
話はちょっと変わるが、以前仲間と良く行ったエリアで、未だ宿題となっている課題を登ろうと、数年ぶりにその場所に行ってみたのだが、なんと、下地が掘れていて、スタートに足が上がらなかった。つまり、以前のムーブは使えなかったのである。パッドを敷いて、その上から離陸すれば以前と同じムーブが使えたのかもとは、後で気が付いた事ではある。序に言うと、以前は無かった岩が下地に露出しており、思い切ったランジが出来なかった課題があった。それも、
パッドさえあれば! あっ、こっちは小生の単なる未熟の言い訳だったか。
うーん、あんまり大きい事は言えないですね。