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外に行けなかったので、人工壁に行ってきました。

 日曜日に、最近たまに行く千葉のジムに行ってきた。普段行っているジムは自動車では行き憎く、仕事帰りに電車で行く以外でジムに行く時は、最近はこのジムに行く事が多くなったのだ。実は、土日の昼間に行くにはこちらのジムの方が安くつくという事もあるのだが。

 昼過ぎに家を出て、30分位でジムに着くのだが、2時前にジムに行くと、その日は、某有名な方もいらっしゃるとの事。以前、あるジムの初回者講習でお世話になった事のある方だし、小生の師匠の師匠に当たる方だから、大変に喜んでしまった。

 ここのジムは、普段はあまり行くことはないのだが、ホールドにテープを貼った課題が多く、ほとんどはそれらの課題を触っているので、いくつもの宿題課題が残っている。というか、いくつもの宿題課題をすぐに登ることができる。そんな訳で、ここのところは、そのジムでは、ほとんどがその宿題となっているいくつかの5級の課題を触っているのだ。

 考えて見れば、小生が商業ジムに行くようになってしばらくして、今回お会いできるだろう方とお会いした、その頃も確か5級を中心に触っていた気がする。それも、いくつかの4級課題を触りながら。しかし、今はというと、4級等全く手がでない。辛うじて登った4級課題がたった一つあるのみだ。その当時と比べて、決して力が落ちているとは思わないのだが。

 今回、あるインターネット上の書き込みをヒントに、密かな実験をやるつもりでこのジムに来たのである。別にこのジムでなければならない訳ではないのだが、たまたま思い立ったのがこのジムにくる前日だったというだけの理由ではあるが。

 しばらく前に買っておいて、使っていなかった運動靴が有ったので、その靴で登って見ようという試みである。

 早速、その靴を履いて、垂壁を登って見た。

 先ずは8級から。足は自由である。

 スタートホールドをもち、スタートスタンスに乗ってみた。手はガバだから、離陸はできた。手を上げて、足を上げて見た。足が滑った。バランスが、崩れた。落ちた。うーん。やっぱりだめか。

 気を取り直して、足を丁寧に置くように心掛けながら、再度やって見た。3手目位から、足がガバになってきたから、後は楽だった。

 次は7級の課題だ。これも足は自由だ。

 8級の課題とあまり変わらない感じだった。足が自由だと、好きな足が選べるからなのだろうか。

 休んでいたら、小生が勝手に大師匠とお呼びするその方が奥様とご一緒に現れた。皆さんのあいさつが一段落したところで、小生も、以前某ジムの初回者講習でお世話になった事を告げ、ごあいさつをした。

 大師匠の奥様が小生が先程登っていた垂壁を登っていたので、小生も行ってみた。

 さっきは7級まで登れたから、今度は6級をやって見ようか。課題を物色してみると、6級以上はほとんど足は限定だった。まぁ仕方がない。比較的登れそうな奴を触ることにした。

 離陸し、比較的よいホールドで横に行く。次は左の方のよい足で悪めのホールドを取り、そのままより左の方の横引きのホールドを取りに行く。そんな課題なのだが、その悪めのホールドでの横移動が旨く行かない。手が悪めだから、足にもしっかり乗り込めないのだ。そこで、3回ほど落ちてしまった。やっぱり6級を以上は無理か。少し諦めかけたのだが、もう一度やって見た。

 2回目からは次の横引きのホールドが取れていたのだが、それを使って左の方のスタンスに乗り込む時に体を剥がされていたのだ。それを止めようと、スタートホールドにトウを引っ掻けようとしたのだが、それを2回ほど失敗したのだ。

 慎重にスタートホールドにトウを引っ掻け、振れを止めて次のホールドを取りに行ったら成功した。後はガバスタンスだったから、終了点が取れた。結構腕が腫ってしまったけれど。やっぱり6級が限度のようだ。というか、垂壁とはいえ、限界グレードが5級のところ、運動靴で6級が登れたのだから、良しとして置こう。

 もう少し楽しく運動靴で登れると思っていたのだが、思いの外てこずってしまったので、その後は靴を普通のものに履き替えた。とはいっても、今回は色々な靴を試そうと、運動靴を含め、4種類ほどの靴をもって来ていたのだ。

 その中の、ここ暫く履いていなかった、カチカチの足の痛くなる不思議な靴を引っ張り出した。細目でカチカチに堅く、自分の足型になかなかなじまない、以前、仲間から譲ってもらった靴だ。なんだか愛着が沸いて、以前、足の痛いのを我慢して履いていた事の有る靴だ。

 履いて見ると、以前ほど足は痛くはない。以前ほど痛くはないというだけで、相変わらず痛いことは痛いのだが。

 以前からずっと宿題になっていた奥の薄被り壁の5級の課題だ。

 スタートホールドは忘れてしまったが、途中、水平の横長のポケット状のホールドを左手で取り、斜めのちょっとしたカンテというか、リップというかの斜めのカチを右手で取って、スタートホールドに乗って、そのカンテの左手で上の方のサイドアンダー気味のホールドを取りに行く。そのホールドで足を上げたら、その斜めの左手で上の方のホールドを取り、左手で終了点を取る。そんなムーブの課題だ。

 先ず、ポケットからリップのカチが取れなかった。ポケットが持てなかったのだ。それを取れるようになると今度はその先のサイドアンダーがなかなか取れなかった。たとえ取れても、次のムーブが起こせなかった。暫くその状態が続いていたから、今回もだめだろうと、ポケットからカチを取って見たら、今まではやっとこさそのカチに飛びついていたものが、以外とあっさりと取れた。思い切って伸び上がって見たら、その先のサイドアンダーが持てた。

 このホールドは、サイドで持つからその先にムーブが起こせなかったのだろうと、少し被せ気味で、少し上から持ってみた。すると、左足をポケットに上げることができた。初めてだった。クロス気味に右手を飛ばすことができた。次は終了点だ。

 終了点は少し左足をの上だった。普通に行けば、左手でなのだろうが、足が少し右にしかなく、体を左に持って行くことができない。距離はそれほど遠い訳ではない。少し捻れば、右手が届かない距離ではない。ここのところはそのまま右手をより左に飛ばした方が可能性は有るかも。思い切って右手を飛ばして見た。右手で終了点を取ることができた。足を踏み替え、終了点に両手を沿えることができた。登れたのだ。

 調子に乗って、その左側に有る、これもずっと登れないでいる5級の課題を触って見た。勿論十分に休んでの後の話だ。

 この課題は、右足一本で離陸し、スローパーチックな右手から縦ピンチホールドを取りに行く。続いて、右手を4本の指がかかるカチから、丸いポッチリ見たいな突起持つホールドに飛ばす。続いて、左足で縦ピンチホールドに乗り込んで、少しクロス気味に丸い薄めのホールドの上の縁を取りに行く。そのままその丸いホールドと縦ピンチの足で伸び上がり、左上の三日月状ホールドを取りに行く。以前、調子がよい時にここまでこれたのだが、最近はほとんどその手前で落ちていた。

 暫く振りだから、少し手順を間違えたりして、思い出しながら登って行ったら、三日月を取る手前でまで行った。身体を返し、縦ピンチの乗り込んで行ったら、足が滑った。一瞬なんでという気持ちになったが、仕方がない。でも、三日月は取れそうだ。

 先に足を滑らせた課題をまた触って見た。縦ピンチには乗り込めたが、三日月で手が滑ってしまった。

 時間は結構有る。十分に休んでしまった。

 ジムの人が、岩雪の最終号の大師匠の紀行文のページに大師匠のサインをもらっていたので、丁度よい機会だと、厳美渓のクラックの事を聞いてみた。やっぱり、厳美渓には、その課題以外は登れそうなところはないそうだ。で、やはり行けば分かるとの事だった。

 安達太良の「石の人」は東北最難の初段と言われているがと聞いて見たら、氏は途中から登ったとのことで、下から行けば難しいと言っていた。二段くらいともいっていたから、やっぱり下から取り付くと二段くらいらしい。因に、厳美渓のクラックも途中のテラスだかバンドだかに飛びついてからのスタートらしい。

 それから、その紀行文の中の、高い石もあるのでトップロープ云々という下りは、氏は書いてはいないとのことだ。編集者が勝手に付け加えたものらしい。訂正記事を出そうとしたが、次号以降は出なかったので、どうしようもなかったとの事であった。

 またまた奥の5級の課題を触って見た。今度は三日月が持ったが、クロスの角が取れなかった。多分今までの最高到達点だろうと思われるが、なんとなく先は長そうに感じてしまった。

 もう一つ残っている5級の課題を触って見た。3手目位の、スローパーチックなホールドに耐えてカチを取りに行く、その一手ができないので、その先は触ったことのない課題だ。

 相変わらず、その悪いホールドが持てなかった。スタートホールドにヒールをかけて、その悪いホールドは中継に使うというムーブもあるのだが、そのヒールも決してよいムーブではない。従って、いまだにそこが突破できないのだ。

 休んでいる時に、隣にいた人と話をしている間に、その人が小生と同じ系統の学部の出身者だということが判り、しばらく昔の学生時代の馬鹿話で盛り上がってしまった。

 何時も行くジムで昔一緒に登っていたご夫妻が見えた。お会いするのは大分久しぶりであった。

 そのご夫妻を交え、奥の壁で皆でセッションしていたので、交ぜてもらった。

 アンダーでスタートし、右側の凹角でルーフの上のホールドを取りに行く。そのホールドで、ルーフ下の張りぼてチックは大きなホールドに足を上げればその上のホールドが取れるのだが、足は凹角の右側、ホールドは凹角の左側で、次に足を上げる張りぼては凹角の左だから、相当にからだが横になり、背中を下に向けて左足を上げに行く感じになるので、小生にはなかなか足が上がらなかった。女性陣は何回かの試技の後、上に抜けていったが、小生は最後までその張りぼてに足が上がらなかった。

 小生がずっと挑戦している5級のある壁に、大師匠が課題を設定して下さったので、皆でそちらの課題をやり始めた。

 最初、少し遠いポケットを取って、その上のポケットをクロスで取りに行く、その左上のホールドを取ったらそのホールドを持ち替え、一手前に取ったポケットでまた少し遠いカチを取りに行く。そのカチのすぐ上の横長ポケットを取って大きめのホールドに乗り込み上の終了点を取るというような課題だ。ホールドは少し遠いものもあるが、足はあるし、悪いホールドはない。楽勝かと思ったのだが、横長ポケットがどうしても取れず、登ることはできなかった。疲れていなければ多分登れたと思うのだが。もちろん女性陣は登ってしまった。

 今回は被った壁はほとんどやらなかったし、休み休みやったのだが、結構長い時間やっていたので、大分に疲れたようだ。19時が時間のリミットだったのだが、19時少し前に上がって家路についた。

 ふだんあまり履くことのなかった靴で登ったり、それまでずっと登れなかった課題が登れたり、大師匠とセッションができたりと、結構充実した一日だった。たまには休日のジムもよいものだ。