寄居のボルダーに行ってきました

2003年11月 9日記
 相棒が日曜日に用事があるというので、土曜日一日で、以前から行こうと思っていてなかなか行けなかった寄居のボルダーに相棒と二人で行ってきた。

 最近、それまで乗っていた自動車が壊れてしまい、新しく買い換えたのだが、その時の車種選びの第一の条件が自動車の中で快適に寝られる小さめの2ボックス車というものであった。その為、車内で寝るためのちょっとした装備をしこしこと整えていたのだが、それを試す機会が今まで無かったので、丁度良い機会だと、トイレもある道の駅で寝ることを目標に、わざわざ金曜日の夜12時頃に家を出る。

 家を出て最初に通る道の駅は八千代市の道の駅なのだが、同じ千葉県内で泊まるのもなんだからと、そのまま素通りして進む。

 国道16号線から4号線のバイパスに入り、栗橋を目指す。

 途中に、道の駅みたいなところがあるので、気をつけていたら、その看板が現れる。あと何メートルか確かめようとしている間に通り越してしまう。看板はそれ一つだけらしく、その看板のところを曲がらなければいけなかったようだ。

 4号のバイパスから栗橋に分かれる場所の手前でカーナビのあと何百メートルで左折との指示が出たので、注意をしていると、斜め左に分かれる道が現れる。おかしいなと思っていると、その先でもう少しで左折との指示が出る。しかし、何時もの光景と違うのである。交差点が現れないのである。そうか、此処は立体交差になり、さっきの左にそれる道に入らなければならなかったのか。そんなことどこにも案内がないじゃないか。普通なら道路案内板に立体交差の案内を出して然るべきなのに。まだ新しいから案内板が間に合っていなかったようだ。

 その先は有料の橋に続く道で、脇にそれる道はない。Uタ−ンするしかないか。しかし、すぐ後ろには大型のトラックが続いている。どうしよう。

 下の道から上がってきた道と合流するところの少し先の路側が少し広くなっており、何台かのトラックが止まっている。一先ずそこに待避する。そして、後続車が居なくなったことを確認し、Uターンして下の道に入る。

 カーナビは本来の125号線を指示し続けるが、加須市内で125号の新しいバイパスに入り熊谷で17号のバイパスに合流する。熊谷で140号線に入るのだが、カーナビが熊谷市街を通る道を指示するから、夜中だからと、今度はその指示に従う。ところが、市内は信号が多く、その殆どに引っ掛かる。しまった。

 熊谷からの140号線を走っていると、途中で左折するよう指示してくる。一瞬あれっと思ったが、前の自動車も曲がるしで、余り考えずにそのまま左折する。どうやら旧道に入ってしまった様だ。確かに旧道の方が近道なのだろうが、一応今晩の目的地川本の道の駅は新道の方にあるのである。この旧道は花園の手前で新道と交差するし、その先の新道には花園の道の駅もあるので、そこから新道に入り、花園の道の駅に行けばいいやと、そのまま旧道を進む。結構交通量がある道である。

 道の駅の看板に従い、右折してそれらしいところに入る。しかし、自動車は一台も居ない。トイレも見つからない。自動車が居ないのは良いが、トイレがないのは不味いと、仕方がないから新道を川本まで引き返す。

 川本の道の駅の駐車場は自動車でいっぱいである。トイレ近くの1台分が空いた場所に自動車を入れ、準備をする。

 運転席との間にカーテンを掛け、後ろの窓には遮光用の幕を吊るす。窓にも針金枠に張った遮光用の紗の幕を吸盤で貼り付ける。下にはクラッシュパッドを敷く。たいした仕掛けではないが、これで寝られるかどうかを確認したかったのである。結果は快適であった。

 8時過ぎに起き出し、持参した弁当を食べ、車内でコーヒーを沸かし飲む。やっぱり車内での湯沸しは暑かった。

 花園の道の駅の前を通ると、どうやら本来の道の駅は我々が入ってしまった農協の直売所の隣だったようだ。農協の直売場だから駐車場だけで、トイレが無かったようだ。夜って本当にわかりにくいものだ。

 明るいから、間違えることなくカーナビの支援通りエリアの脇の道路に到着する。思いっきり住宅街の脇の道路である。道路脇の一寸したスペースに自動車を止め、用意して河原に降りる。

 途中道を外してしまったらしく、余り踏まれていない道を降りる。

 河原には大きな岩が一つ見える。近づくと、被った面に人工ホールドが幾つか付けられており、岩にもチョークがついている。このエリアで一番大きな岩である、ビッグボルダーと確認する。しかし、下地の半分は水没しており、基部を一周することは出来ない。

 荷物を置き、雑誌からコピーしてきたトポと岩を見比べる。しかし、実際の岩の形とトポにある岩を上から見た形が一致せず、向きがわからない。何とか岩の上のボルトなどから課題の場所を推測する。

 続いて、その裏のリトルボルダーを見に行く。

 ここには11とグレーディングされたクラックがあるらしいのだが、それらしいクラックは見当たらない。確かにリスみたいな細いクラックが走っているが、グレードが11とは思えない。その小さな面にはその他にも5つの課題が設定されているのだが、どれがどれだかラインも判然としない。グレードと見比べても、なんかしっくりとはしない。若しかすると、下地が相当に上がってしまったのだろうか。その面の裏側は下地が掘れ水が溜まっていて取り付くことは出来ない。

 少し下流側に離れて、少し大きな岩が見るので、行ってみる。この岩も下地が掘れ水が溜まっている。取り付き可能な面は凄く易しそうである。多分八正道岩だと思われるのだが、上にあるらしいボルトは下からでは確認ができない。

 その近くのピラミッドロックは小さくて三角型をしているから直ぐにわかった。しかし、半分は下地が水没しており、その先は完全に流れの中だったので、その先に有るらしいミニロックは確認できなかった。

 桃割岩は、岩が3つに割れているというより、岩が割れて3つに分かれてしまったという岩である。この岩は、岩が3つかたまっているし、形がはっきりしているから、課題の場所は分かる。この岩も下地の一部に水が溜まったり、流木が絡んでいる。

 そこから少し放れて、電車の鉄橋の下の繁みの影にタヌキ岩がある。これも、岩が4つに分かれて一部が崩れている感じの岩である。やはり下地の一部が悪くて取り付けない課題があるようだ。

 大体の概要がわかったので、荷物を置いたところまで戻る。

 以前、此処のことを教えてくれた仲間が、ドブ臭いと言っていたのだが、確かにそんな感じの匂いがする気がする。そして、岩の基部に水が溜まっているところが結構あって、登れない課題が幾つもあるようだ。少し惜しい気がする。

 今回のこの寄居はボルダーの写真を取ることが主な目的だからと、先ずはビッグボルダーの高い被った面の大きなホールドにぶら下がり、写真をとってもらう。この岩は登れそうな所は水没しているし、その他の所は高いから、それでお終い。

 リトルボルダーは課題のいっぱいある登れそうな面を触ることにする。

 先ずは簡単そうな、二つ星の付いた課題辺りの所を触ってみる。磨かれた岩だから、足が滑る。手のフリクションも効かない。被ってもいないし、凸凹しているから、登れると思ったのに、なめてかかっていたから、弾かれた。

 気合を入れなおし、足を探って、ホールドを確認する。そして、2歩か3歩上がって降りる。ここの下地には石が幾つかあるのだが、足拭きマットしか敷いて居ないから、リップへのデッドが怖くて出せないのである。なおも2〜3回挑戦し、なんとか、スタティックに登る。もう少し左を登ってみる。今度は登れる。裏の左端を登る。こちらは簡単。

 荷物を持って八正道岩に行く。ここは下地の大半に水が付いているので、登れるところは簡単なところしかない。一応上って岩の上を確認すると、古いボルトが打ってあった。八正道岩に間違いないことを確認する。

 桃割岩に行ってみる。

 三ツ星課題の桃太郎を登ってみる。次はカンテの難しいとされる課題を登る。そんなに難しいとは思えない。なんか限定でもあるのだろうか。

 対岸にテントを張っていたカヌーイストがクローズドのC1というカヌーを漕いでいる。オープンのカナディアンを作っているメーカーの艇だったので、河縁まで行き、K1艇の改造かもともとのC1艇かを聞いてみる。結果はもともとのC1艇であった。それをきっかけにお話を始める。途中から別の仲間も加わり3人で少しお話をする。

 そのカヌーイストの話によると、此処には結構人が来て登っているらしい。

 戻って、垂壁に近い、ノペッとしたスラブに取り付く。

 右手はサイドに掛かるホールドがあるのだが、左手はミリフレークのミリカチである。しかし、良い足が見つからない。適当な足を見付けて取り付こうとすると、右手がサイドでは出られない。そのホールドの上側のミリフレークのミリカチを摘む。

 右足は低いところに一寸したテラス風のスタンスがあるのだが、その上の左足のスタンスが少し外傾しているから乗りにくい。そのスタンスに乗って立ち上がると足が滑ってしまう。同じような事を何回か繰り返し、やっと左手を上げるが、その左手がミリカチのピンチにデッド気味となるから、持てない。剥がされる。

 なおも同じようなことを繰り返す。しかし、進展はない。

 その場所の裏に少し被った所がある。難しい課題らしい。触ってみるとそこそこホールドがある。登ってみたら登れた。その少し左をSDでやってみたら、これも登れた。なにかホールドに限定でもあるのだろうか。

 再び荷物を持ってタヌキ岩に行く。

 タヌキ岩の先にしかりした踏み跡が続いているから、荷物を置いて、その先を偵察してみる。もしかして、そこから道路に上る道が有ればと期待したが、道は無かった。その先目ぼしい岩も無かった。

 先ずはタヌキのお腹みたいなところの真ん中を登ってみる。スタートホールドをどうするか少し迷ったが、右手のホールドを両手で持って、足を少し高く上げて踏み出したら、登れた。

 ここもトポでは難しい課題になっている。その右も左も難しいとなっている。でも、真ん中も、右も、左も、登れた。やはり下地が上がったのだろうか。

 裏に廻って、登れるところを登ったら、そこそこ面白かった。

 桃割岩の登れなかった課題が気になったので、再度、その課題を触る。

 左足のスタンスの置き方を考え直したら、安定して立てるようになった。そして、右足が上がり、左手のミリカチのピンチも持てた。しかし、その先がわからない。左足が動かせない。ホールドも見当たらない。なんか別のムーブを考えなければ。

 スタートホールドに使える右手のホールドはサイドだとしっかり持てる。やっぱりサイドで持ったほうが良いのだろうか。とすれば、右足を突っ張って、左足を今使っているスタンスの左のより良い所に置けるかもしれない。そうすれば、右足が今までの左足に上がる。やってみたら、体が剥がされる。でも、同じ事を3回ほどやってみたら、両足が思ったところまで上がってくれた。

 左手を探ったら、左上のブラインド部分に良いホールドが見つかる。少し左過ぎるから最初に狙ったラインからは外れるかも知れないが、まぁいっか。上まで登る。

 まだ2時少し前である。少し早いけど、こんなに早めに引き上げるのは最近は無いことではあるけど、そろそろ帰ることにするか。

 ここのエリアのトポは発表されてから相当に時間が経っている。その為か、課題に付されたグレードと小生の体感グレードが大分に違うものが多い。河原だから下地の変化が激しいのだろうか。

 カヌーイストの話によると、冬場に比べると、20cm位は水位が高いとの事だったが、下地の水没は、殆どが、下地が掘れて水が溜っていた物であり、流水による水没ではない。ビッグボルダーとピラミッドロック、ミニロック以外は本流の水位とは直接の関係は無いものと思われる。

 帰りはビッグ・ボルダーのところから側壁を登るしっかりした踏み後をたどり、自動車まで戻る。

 時間もたっぷり有るので、カーナビを高速を使わない条件で設定すると、254号線で東松山方面に行くルートを指示してくる。以前何回か走ったことのあるルートなので、そのままそのルートに従って出発する。

 ところが、そのルート、しばらく走ってから、都内を通って、蔵前橋通りから千葉に戻る道であることが判明する。これじゃぁだめだ。川越の手前で16号線に合流するから、そこから16号線で千葉まで戻るか。ところがその後、カーナビはそのままだから、事あるごとに都内に引っ張り込もうとする。本当にしつこいカーナビだなぁ。

 所どころ渋滞があったが、7時前には家に着いた。

 それにしても、学習ってなかなか出来ないものだ。今回もカーナビに振り回されっぱなしだったのだから。

 カーナビも、ボルダリングも、もっともっと精進しなければ。


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作成年月日 平成15年11月 9日
作 成 者 本庄 章