山梨のあるシークレットエリアのボルダーに行ってきました

2004年 7月 5日記
 日曜日の日に、ジムの仲間6人との7人で、そのうちの一人が、3時間半もの強行ハイキングを伴って見つけ出したという、山梨県のシークレットエリアに行ってきた。

 木曜日の日にジムで大雑把な打ち合わせを行い、計画を纏める。その時点では参加者はそこに居合わせた4人プラス1人位ということで、小生の自動車で出かけることになった。

 土曜日の昼過ぎに参加予定者の一人から、メーリングリストで、参加できなくなったとの知らせが入る。

 土曜日の夜に家に電話があり、参加者が増えたのでエリアの発見者の自動車で行くことになり、仲間の一人が家に迎えに来てくれることになった旨を伝えてくれる。この日はジムで何かの宴会があり、その時の話で参加者が増えたらしい。

 日曜日の朝、仲間に拾ってもらってエリアの発見者の家まで行き、そこで発見者の自動車に乗り換え、何時もの待ち合わせ場所に向かう。

 今回の参加者はなんと7人とか。今までだったら2台の自動車で行くところなのだが、発見者の自動車の乗車定員が7人だったので、その自動車1台で行くということになったらしい。

 京葉道路、首都高、中央道と進む。首都高の錦糸町の先の渋滞も全く無い。全て順調に進む。

 エリア到着。なるほど、林道からでも結構大きな岩が見える。支度を整え、発見者の先導で歩き始める。

 途中わき道に入り、少し先まで道から見える岩を偵察しながら歩く。発見者が花崗岩と言っていたが、実際は凝灰岩という岩らしい。どちらかというと、砂岩ぽい感じの岩だ。

 途中から引き返し、道の脇の急なウシノケ草が植えられた法面を発見者が登り始める。

 物凄く急である。よくもまぁ、こんな所まで一人で来てこんなところを登っていったものだと、一部の仲間で感心しあう。

 その3m程の急な草付きを登ると傾斜が緩くなり、樹林帯に入るから下草は殆ど無くなる。

 かすかな踏み跡のような感じの所を辿り進むと次々と岩が現れる。7〜8mは有ろうかという結構急な大スラブを持つ大岩やボルトが必要ではというくらいに大きな被った岩とか、何しろ岩の数には事欠かない。それも、殆どの岩がどこかに被った面を持っている。そして、なんとなく表面にはでこぼこしたところとか、剥がれそうにも見えるフレークが存在する。

 ああだこうだ言いながら、進むと、斜面の傾斜が少し緩くなって、岩が少し沢山集まっている感じの場所に出る。上の方が明るいから、そこから少し登ると尾根筋に出る、そんな場所のようだ。

 何時ものように支度の早い人は適当な岩でアップを始める。小生は支度もそこそこにデジカメを取り出し、そんな仲間の撮影を始める。そんな中、約3名が座り込んだまま静かにその様子を眺めている。

 昨夜は何らかの飲み会だった訳で、その席で参加を表明した仲間が何人か居る訳だから、多分そんな関係からなのだろう。

 8m位の僅かに寝た垂壁の左側の方にカンテの途中に向かって斜めに走るクラックがある岩がある。一人がそのクラックを登り始める。カンテを回り込むと、ちょっとしたテラスになっているのだが、その辺が木の枝が邪魔で登りにくいらしい。そのテラスで暫く躊躇していたが、何とか上に抜ける。

 別の仲間はその岩の裏のほうのそんなに高くは無い少し被ったカンテを磨き、登り始める。上のほうでホールドが乏しくなるから、結構難しいらしい。結局はカンテラインから被った面のほうに出て上に抜けたようだ。

 その仲間が、先ほどのクラックのある面の真中を登り始める。高さは8mは有るだろう。ホールドやスタンスの信頼性も今一歩という状態である。結構怖かったらしい。

 写真ばかり撮っていてもと、小生も靴を履き、その岩の上にある、裏側が被った面を持つ岩の、被り面からスタートしてカンテに絡み、表のスラブ面にでるという、ラインをアップとして登ってみる。ホールドもスタンスも有るから、物凄く簡単である。あとは天辺のリッジを馬乗りで進み反対側から降りる。

 その岩に仲間達が集まり、その被った面を登りだす。しかし、なかなか登れない。

 続いて、その面の右側のカンテからスタートし、そのカンテの途中をマントルするラインを登り始める。このラインでも結構難しいらしい。2巡3巡しながら、やっと完登者が現れる。

 そのラインは小生には無理なので、小生はその岩の先に登った右側のカンテの被ったところをそのまま登ってみる。

 ホールドはガバだし、スタンスも丁度良いところにガバスタンスが有るから難しくは無い。

 登ってから降りるときに、リッジを馬乗りで進むのが面倒くさかったので、裏側のスラブ面を降りてみたら、全面苔が生えているものだから、傾斜は緩いのだがフリクションが効かず、少し遠い縦のクラックを持ちに行くところで物凄く怖い思いをしてしまう。苔さえなければどおってことないスラブなのだが。

 発見者ともう一人が近くの岩に移動し、登り始める。急いでデジカメを首から掛け、後を追う。

 記念碑のような形の垂壁を登り、その裏の結構被った岩の左隣の壁を登る。

 その被った面を品定めし、その岩の左下の方の、これまた結構被った岩を見に行く。

 高さは5m位で、クラックもあり、ホールドはそこそこありそうな岩である。

 しかし、下の方がホールド、スタンスが乏しく、なかなか離陸が出来ないらしい。

 何回かのトライの末、アンダーホールドで離陸に成功したようで、上まで抜ける。

 もう一人が、その面の左のカンテをトラバース気味に登って行く。

 結局その被った面に何本かのラインが設定されたようだ。

 彼らが一通り登ってしまったら、彼らの軌跡を追おうと思いながら写真を撮っていたのだが、どうやら一段落した様なので、靴を取りに戻り、小生一人で、先ほどの彼らの真似をする。

 最初は記念碑みたいな壁である。

 真中を真っ直ぐ登るのは難しそうだから、少し右よりのリップの一段低くなったところを目指して登り始める。

 最初はしっかりしたスタンスもあり、クラックのホールドも悪くは無いから簡単かと思ったのだが、取り付いてみると、意外とバランスが悪い。簡単に持てると思ったリップも意外と持ちにくい。結局2回も掛かってしまった。

 その裏の、やはり垂壁を触ってみる。

 小さなカチホールドが2つあり、そのホールドと、右手下の浅いポケットスタンスで離陸するらしいのだが、これが悪い。その先はどうだったっけ。先ほど二人のムーブを見ていたはずなのだが、既に完全に忘れてしまっている。多分、そのスタートから左上のリップを取りに行ったのだと思うのだが。

 先ほど撮影したデジカメの映像で確認してみる。最初の仲間は確かに左上のリップを取っている。でも、二人目は別のムーブをしたような気がするのだが、二人目の映像が無い。あれー。どうだったっけ。結局離陸が出来ず諦める。

 その岩の向かいに、そんなに難しくは無さそうな岩がる。そこを登った仲間が、やさしいといっていた岩である。

 岩の真中辺に水平に近く細いバンドが走っており、それを使ってリップを取りに行くというムーブである。

 最初のリップはすぐに取れたのだが、次の右側のほうのリップが取りにくい。身体を右のほうに移動できないのだ。最初のムーブを誤ったか。飛び降りる。で、結局2回目で右のほうのリップも取り、やっと上に抜ける。

 彼らが何本かラインを引いた被った岩の右の方が斜面に埋まって低くなっており、そこのところの棚状の所が、下の面が被っているので、適当なマントルが出来そうな感じになっている。先ほど仲間もマントルをしていたので、小生もやってみる。

 リップはそれほど良いわけではないが悪いわけでもない。右下に適当なスタンスもある。初級者にはもってこいのマントルである。

 ここの岩なのだが、凝灰岩ということで、それほど硬いわけではないようだ。結構細かいクラックや、フレークが発達している。そして、結構なフレークが浮いている。その幾つかは、実際に登る際に剥がれ落ちてもいる。細かい岩の破片が岩の下に落ちている光景を幾つも見ているから、自然に剥がれ落ちるフレークも多いようだ。そんな訳で、そんなホールドやスタンスを気にしながらの登攀ではあるのである。そして、被っている面ではお互いにスポットし合いながら登るということに相成るのである。

 仲間の殆どが最初の場所に集まり休んでいる。小生もその場所に戻ってボケーッとする。

 その場所には物凄く太い檜のような木がある。途中から分岐した枝でさえ廻りの一本の気よりも太いのである。直径が1mは優に有りそうな木である。一生懸命その木の写真を撮ってしまった。

 今回の仲間には外人さんが一人混じっている。その彼が一人もくもくと登っている。同じ所を何回も何回も登っている。そういえば、土曜日の宴会は彼を囲んでの宴会だったような。

 気が付くと、ここの発見者も一人もくもくと登っている。さすがモチベーションが違うようだ。小生なんかまだ5本か6本位しか登っていないというのに。

 尾根筋の近くに被った面を持つ岩がある。その岩に皆が集まりだす。

 開拓者が左の面の被ったところからスタートし、僅かに寝た左の面に出て、その面の途中から降りてくるというラインを登る。大分休息の時間の多かった仲間が真似をする。午前中ハッスルしていた仲間も加わる。そして、その被った面の真中を探り出す。

 一人の仲間が、その岩のすぐ下に突き出している3m弱の岩峰を登りだす。

 この岩峰、斜めに突き出しているから、2面が被っている。その被ったカンテを使って登ろうというのである。しかし、その下地には割れた岩の大きな破片が散乱し、激悪の下地なのである。何しろ、一台の自動車に7人で来ているから、当然かさばるクラッシュパッドというようなものは誰も持ってはいない。唯一ザック兼用の半サイズのマットがあるのみである。それも未だにお昼寝にしか使われてはいない。

 カンテの左や右を何回か探った後、結局その岩峰を登ってしまう。

 仲間がこの岩で遊んでいる間に、小生一人で別の岩の偵察に出る。そして、結構被ったそれほど大きくは無い岩を見つける。

 触ってみると、被った面から寝た面への移行部分のリップにしっかりと持てるところがあり、そこからスタートすると登れそうなことがわかる。

 その岩の写真を撮った後、靴を履いて触ってみる。

 右手でリップのところのフレークの端のようなガバホールドを持ち左手も添えて、右下のスタンスで離陸し、左下の数センチ幅の外傾バンドにキョン気味に足を掛けると、リップの上のガバホールドに左手が届く。その手に右手も添えて右足をスタートホールド付近に上げ、その足に乗り込めば良いのだが、下の面が被っているから、これが意外と難しく、左手を色々探してしまう。でも結局はそれ以外のしっかりしたホールドは無いから適当にバランスを取って何とか右足に乗り込みやっと上に抜ける。

 今度はそのスタートホールドを左手で持ち、右手はクラックの中のホールドで離陸し、その真上辺りのガバホールドを取って登るというラインを探ってみる。

 ラインとしてはリップの上のガバホールドは左手で取りたいのだが、ムーブ的には右手で取るほうが簡単である。結局右手で取って持ち替えてみる。

 右手のホールドを探ってみたが、手に触るホールドは無く力尽きて落ちる。少し遠いのだが、リップのところまでスタートに使ったクラックが来ているから、そのクラックの淵を持てばよさそうなのだが、方向が少々良くない。

 リップの上の岩の状態を調べると、その遠い方向の良くないクラックが斜め左上にずっと続いており、その淵がガバ状になってることを発見する。

 そのブラインドになったガバホールドを取り、リップをマントルする。先ほどの左側のマントルに比べれば、ホールドがより高い位置に取れるから、より簡単である。

 そのラインの被った面にはフレーク状の斜めカチホールドが存在する。もしかすると、そのホールドからのスタートが出来るのかも知れないが、小生にはとっても無理なので、そのホールドと、次のリップの下のクラックの中のホールドを触るだけ触ってみた。

 仲間のもとに戻る。

 開発者が最初に登ったラインを真下から出るというのを何人かでやっていたので、真中のラインを探っている人達の合間を縫って小生も触ってみた。

 大きく被ったところのリップの下に窪んだ第二関節まで掛かる平らなホールドがあるので、それを右手で持ち、身体をほぼ水平にする位の場所のスタンスに足を掛けて離陸し、身体を捻って左手でリップの上の方の僅かな窪みを中継してその少し上のガバホールドを掴む。続いて左足を左側のやや寝た壁のガバスタンスに乗せ、その足に乗り込んでゆく。その時、左手を左斜め上に伸びるカンテに沿えてバランスを取り、尚もしっかりと左足に乗り込む。十分左足に乗り込めればそのまま立ち上がり、左斜め奥の最終ホールドを掴む。大体そんな感じで最終ホールドを掴むことが出来た。

 開発者が、小生が登った結構被ったそれほど大きくは無い岩に行くというので、その場所を教え、一緒に付いてゆく。

 スタートのリップは少し高めだから、リーチがあればすぐに持てるのだが、その彼には少し遠い。下地が僅かに傾斜しているので、その斜面を使って、何とかスタートホールドを持ち、上に抜ける。

 その岩に他の仲間も集まってくる。そして、もう一人そのラインを登る。

 前半に張り切っていた仲間に壁の中から出るラインの可能性を聞いてみると、結構遠いし、ホールドも痛いから、大分に難しいとの返事である。前半に大いに張り切っていた仲間には離陸がやっとというところのようだ。やはり難しいようだ。

 既に4時を廻っているので、温泉に寄って帰ろうということになり、最初の場所に戻り、支度をする。

 登ってきたときに見てきた岩を再度見ながら下ろうということだったのだが、開発者が、仲間に、このエリアの少し先の少し下の方にある岩を見てもらいたいというので、皆でその岩経由で下ることにする。

 少し下って行くと、すごく大きな岩が幾つか重なった場所が見えてくる。見て欲しいという岩は、その大きな岩々の前の小さな岩であった。

 その岩は丁度斜面の途中に出っ張っている岩だから、その斜面に沿ってトラバースするという感じのラインである。ホールドはカチホールド、スタンスはあまり無い。

 殆どの仲間が疲れたという中、一人の仲間が挑戦する。で、一撃する。結構細かいカチだから、小生には結構大変そうに見えたフェースである。

 そのまま斜面を降り、少しトラバースしてから林道に下りる。その際、刺のある草の茂みを漕いでいったものだから、皆が痛い痛いと大変だった。何しろ、半分以上の仲間が半ズボンだったのだから。

 林道に出て、降りてきた場所の上にある岩壁を見上げると、途中に大きなスズメバチの巣が見える。暫く眺めてみたのだが、蜂の姿は見当たらないようだ。既に蜂はいなくなった巣のようだった。

 温泉はまだ行った事のある人はいなかったが、写真の露天風呂がよさそうな公共の温泉施設に行って見ることにする。

 5時過ぎだからまだ十分に明るい。

 温泉の駐車場に着く。結構自動車が停まっている。県外ナンバーの自動車やオートバイもちらほらと停まっている。

 風呂の洗い場は結構混んでいる。一先ず露天風呂に入る。

 湯はそれほど熱くは無い。少し温めである。

 おじいさんが湯口から直接、ポリタンに湯を汲んでいる。一応掛け流しということのようだ。二人のおじいさんが湯を汲み終えたので、湯口に近づき、湯を飲んでみる。コップは置いていないから手ですくって飲んでみる。暖かくは無い。言われれば温泉かなぁという感じである。

 湯口の下から湯船の中に湯が噴出しているところがある。やはり、基本的には湯を沸かし、循環させているようだ。確かにぬるい温泉ではそうするしかないのだろうから。

 途中、食事をしようと、味所だったかと書かれた店に寄ってみる。なんだか高そうな雰囲気がしたので仲間の一人が偵察に行く。なんとなく高そうということで、移動する。

 以前仲間の一人が目を付けていたというほうとう屋に入る。自称日本一のほうとう屋らしい。

 結構一杯入っている。メニューを見ると、ほうとうが1365円となっている。結構高めである。他のメニューを見ると、丼とそばしかない。仕方がないほうとうにするか。結局7名全員で日本一のほうとうを頼む。

 ついに満員になってしまった。やっぱり日本一は流行っているようだ。それにしてもほうとうってどうしてこうも高いのだろう。

 ほうとうが1つ来る。一番奥にいた小生が先ず頂く。続いて1つ、また1つ。どうして1つずつ来るんだ。まぁいいけど。

 かまぼこが真中に載っている。きのこが一杯入っている。にんじんに、ジャガイモ、そして当然かぼちゃも。前回のほうとうと中身は大きくは変わらないようだ。でも値段は大違いである。まぁ、その分おいしいということなのだろう。

 やっぱりおなかがパンパンになってしまった。ほうとうの小盛とか半ほうとうとかいうメニューはないものなのだろうか。それにしても見事にほぼ全てが澱粉質という食べ物ではあった。

 中央道がやはり渋滞する。来るときはそれほど混んではいなかったのに。そろそろ中央道が混み出す季節になってきたのだろうか。

 首都高も渋滞している。動かない状態になるくらいの渋滞である。事故でも有ったのだろうか。

 それでも、11時前には出発地に着いた。筈だよな。

 あんなに被ったところを沢山登ったボルダリング行も初めてだったかも知れない。ちょっともろいところも有ったが、フリクションも結構効くし、大変に面白いボルダーだったし。十分に楽しませてもらったボルダリング行であった。

 ところで、ここは訳有ってシークレットということらしい。という訳で、非常に残念では有るが、下界は結構熱かったらしいが、それほど熱いわけでもなく、虫もいないわけではなかったが、そんなに気になるほどはいなかったし、夕方の温泉ではクーラーが無くとも涼しかったし、ウダウダしながらもそれなりに登れたしで、大変に良いところであったという、そんな状況だけの報告で、この紀行を終わらせてもらうことにする。


戻る

作成年月日 平成16年 7月 5日
作 成 者 本庄 章