弥栄ボルダーそして大島のボルダーに行って来ました

   山陽道ボルダリングの旅山口編その1
2006年 1月16日記
 正月休みを利用して、相棒と二人で山口県の弥栄ボルダーに行って来た。

 大晦日の夜中というか、既に元旦となった1時過ぎに出発する。訳あっての、元旦の出発である。

 首都高から東名に入り、鮎沢のパーキングで寝る支度をする。既に3時を過ぎていた。

 朝7時半頃出発する。先ずは広島の戸河内を目指す。

 何日か前にもやって来た名古屋を過ぎ、そろそろ12時を過ぎる。お昼はどうするかということになったのだが、家からもって来たおにぎりがあるということで、そのおにぎりを食べて済ますことになった。

 栗東を過ぎ、ガソリンがなくなってくる。その先のサービスエリアは大津である。しかし、京滋バイパスに入ってしまうと大津サービスエリアは通らない。大津の先は吹田になる。果たして吹田までガソリンがもつだろか。素直に名神を走れば何の問題もない。しかし、出来れば京滋バイパスを走りたい。

 なぜ京滋バイパスにこだわるかと言うと、京滋バイパスの方がいくらか距離が短くなるのと、よく渋滞の起きる京都付近をバイパス出来るからなのである。

 とはいっても、ガス欠はさせたくない。素直に名神を走る。

 結局は渋滞もなく、大津で給油を済ませ、吹田から中国道に入ることが出来た。

 中国道に入ると、しばらく一般道と併走する場所が出てくる。ところが、小生の自動車は一般道を走る自動車に追い越されて行くのである。何しろ燃料節約のためということで、高速道路を80kmで走っているのである。それに引き換え、一般道の自動車は、多分100km前後で走っている模様なのである。というのも、併走する一般道は、一般道と言っても、首都高のような自動車専用道路になっているからである。勿論最高速度は60kmである。そこを100km近くで流れている。こちらは80kmで走っている。当然追い抜かれる訳である。

 大津では、中国道、山陽道の地図をもらえなかったので、名塩のサービスエリアに入ろうとしたのだが、名塩が混雑しているとの表示で、そのまま先に進み、山陽道に入った。

 山陽道に入ると急に自動車の数が減ってくる。

 三木のサービスエリアでももらえず、以前雪で通行止めに会った時に寄ったサービスエリアである瀧野西でやっともらった地図で調べた尾道ラーメンに興味をもち、それを食べるべく、福山のサービスエリアに寄る。

 既に薄暗くなっているのに、このサービスエリアの裏山がやけに明るい。なんだか桃色の光を放つ物凄く大きな炎があがっている。やけに派手な焚き火をやっているものだ。

 建物の中に入り、お目当ての尾道ラーメンを頼む。周りを見回すと、殆どの人達がラーメンを食べている。尾道ラーメンってそんなに有名なのだろうか。それとも、時間が5時頃だから、夕飯には少し早い感じだから、それでラーメンなのだろうか。いや、ラーメンライスの人もいるから、多分ラーメンが有名なのだろう。

 自動車に戻ると、先ほどの裏山の桃色の炎がより大きく広がり、山の上の方まで伸びているのが見える。あまりにも明るすぎるし、あまりにも派手すぎると思ったのだが、やっぱり山火事だったようだ。

 自動車のラジオから先ほどの山火事のニュースが流れてくる。我々が到着する幾らか前から山火事は始まっていたようだ。既に暗いから、積極的な消化は出来ないらしいが、人家は無い所のようなので、少しは安心である。

 戸河内は、実は雪が心配なのだ。高速も、戸河内から先は、雪のため速度制限がかけられているのである。さぁ、どうしよう。今夜は戸河内の道の駅泊の予定なのだが。

 色々熟考の末、結局戸河内はキャンセルし、次の予定地の弥栄に行くことにした。

 時間も早いからと、西条インターで高速を降りることにし、元旦の夜だから、もしかするとガソリンスタンドは開いていないかもしれないと、一般よりは大分高いガソリンを小谷サービスエリアで補給した。

 国道2号線を走ると、ガソリンスタンドが幾つも営業している。少し早まったようだ。

 広島市内に入る。何だか首都高見たいな高架の道になってくる。信号もないから、順調に進み、広島の市街地をあっという間に通り過ぎてしまった。

 岩国の手前で右折するところを直進してしまい、戻るのに少しうろちょろしてしまったが、弥栄ダムのある大竹方面への道に入る。

 途端に自動車は少なくなり、何だか山道を登って行く。

 道端には雪が現れ出す。今夜は弥栄ダムの先のスパ羅漢道の駅泊の予定である。

 ダムを過ぎると、だんだん雪の量が増えてくる。道路にも雪が残っている場所が出てくる。そういうところは、わずかな轍になっている。その轍に入ると、ハンドルを取られ、タイヤがわずかに横滑りを起こす。何だかいやな気分である。

 だんだんそういうところが増え出す。回りの雪の量も増えている。この先、大丈夫なんだろうか、心配になってくる。

 9時前にやっと道の駅に到着する。

 駐車場の回りは除雪された雪がたくさん残っており、その雪で駐車場の一部は使えない状態になっている。先客は1台、エンジンをかけたまま停まっている。

 来てしまったから仕方がない。でも、戸河内をキャンセルしたことは正解だったようだ。何しろ、戸河内はこの道をさらに山に入ったところなのだから。多分。

 あわよくば風呂にでもと思って来たのだが、年末から元旦にかけて休業中だった。少しだけ残念。

 何やら人の話し声で目を覚ます。若者のグループが到着したようだ。五月蝿かったけど、もう一度寝る。

 8時前に起き出す。雨だ。そんなに強くは無い。荷物を纏めただけで8時過ぎには出発する。

 途中、心配した雨も上がり、道路も乾きだす。

 ダムの橋を二つ渡り、安穏地蔵菩薩だかに行く遊歩道に入る。すごく細い道である。

 ほとんどすれ違いの不可能なその道の先は、ちょっとした駐車広場のある展望所になっていた。

 その場所の脇には安穏地蔵菩薩が祭られ、簡易トイレも置かれている。そこから先は自動車の入れない遊歩道に続いている。

 日も射しているし、風も冷たくはないので、傍らのベンチを使って、持参した椅子にすわって朝食を作る。メニューは豚汁とモヤシスープである。といっても、湯を沸かし、その湯でインスタントの豚汁を作り、残った湯でモヤシを茹でただけだが。

 ゆっくりし、10時ころ出発する。

 ここは一応、広島の方が作られたトポを持参している。そのトポを見ながら弥栄渓谷沿いの遊歩道を歩く。心配していた雪もなく、今朝がた降っていた雨の影響も無さそうだ。

 遊歩道の脇に苔岩が出現する。大きな岩である。トポには書いてある「つっかい棒」は既になくなっていた。

 その岩の少しだけ先の小さな橋の脇には最初の岩があるはずである。

 橋が出てきたので、その脇を探すと、少し被った面をもったそれほど大きくはない岩が見える。薮を漕いで近づくと、どうやらその岩のようだ。

 1級だか初段だかのSDの課題が設定されているのだが、小生には出来そうもないので、立ったままカンテとリップで取り付いて見る。下地があまりよくないから、離陸したところの写真を撮って、そこはおしまい。

 その少し先の遊歩道の脇の大きな岩のところ辺りの、渓谷側の林の斜面の中に次の岩はある。遊歩道から岩の陰が見えるので、その岩を目がけ、太い送水管の腹を降りて、薮の中の踏み跡を下る。

 蛇腹岩が現れる。結構大きな岩だ。

 その岩の前を通り、そのまま下の河原に降りる。

 いくつかの岩がちらばている。その中に、川に面した大きな壁をもつ岩がある。その壁に3つ程の課題が設定されている。

 真ん中が5級、左が1級、右のトラバースが5級となっている。トラバースはあまり好きではないから、易しそうに見える、真ん中のちょっとした凹角状の所を登ることにする。

 下地は砂というより、泥の半乾きという感じのなんとなくいやらしい下地である。でも、幸いなことに岩の基部には乾いた細かい砂が出ている。しかし、岩の下部にはうっすらと砂というか、泥というか、そんな感じの粉が付いている。

 ホールドはガバがあるから、そんなに難しくはない。ホールドに導かれ、少し右に寄ったりしながら登って行き、リップに手を延ばす。

 岩じゃない。砂だ。慎重に体を上げ、覗き込むと、リップの上には1cm位の砂が積もっている。ありゃー。立ち木を掴んだりして、慎重に上に抜ける。

 最初に目星をつけた笹薮の中を降りるラインは意外と悪そうなので、登った面の左側の傾斜のゆるいカンテを下る。

 次は蛇腹岩の左側の奥の岩か。少し探して、その岩の川面に回り込む。そこには2級位の課題があるらしい。

 それほど高くはないが、下地はあまりよくはない。傾斜もほぼ垂直である。

 2手か3手程登ったが、リップまでが遠い。その先にホールドが見つからなかったので、そのまま降りた。

 蛇腹岩の左側を触って見る。凸凹が一杯あるから、離陸は出来そうに見えたのだが、ホールドはほとんど外傾しており、下部は少し被り気味で足がないから、なかなか離陸が出来ない。

 やっとサイドカチと、レイバック気味のスメアで離陸は出来たが、その先に手が出なかった。

 この場所のトポの岩はこれでほぼお仕舞いなので、最初の岩の前に置いた荷物まで戻る。

 ズボンの膝の辺りにカギ裂きが出来ている。先ほどの薮漕ぎで引っ掻けて仕舞ったようだ。お気に入りのズボンだったのだが。

 その岩の左側の隣に少し大きめの岩がある。傾斜も無いし、難しくも無さそうだが、なんとなくおもしろそうなラインが見える。そこを登って見よう。

 傾斜の無い丸っこいスラブからちょっとした凹角のカンテ状に移行する場所を登るラインである。右に寄り過ぎると凹角から傾斜の無いゆるい面になるので、あまり右には寄りたくは無い。できるならば凹角を使わず、その左のスラブを真っ直ぐに登りたい。そう思って取り付いたのだが、結局は少し怖かったので、凹角のカンテから少し凹角の中を登ってしまった。

 次は大崩れの矢印が目印である。そう思って上流方向に歩きだす。  なんだか先ほど作ったズボンの鉤裂きが気になってくる。傍らの枯草の上に腰を降ろし、誰も人のいないことを良いことに、ズボンの鉤裂きの所の裏側からテーピング用のテープを貼り付ける。

 暫く歩いたのだが、なかなか大崩の矢印が現れない。ついに遊歩道に雪が現れ出す。おかしいなぁ。トポを見直すと、次のエリアの図は上流からの図になっている。ということは逆さまなのか。となれば、その後ろのページの岩が先に現れるのか。

 しかし、遊歩道の先は弥栄峡に入って行き、側面の傾斜は増してくる。遊歩道の下の側壁も高い急斜面になり、岩もほとんど見えなくなってくる。後ろのページのトポはひらけた場所の図の様に見える。ということは、上流の売店のある場所から下ってくる方が早いのかもしれない。ここは引き返して、さらに上流まで自動車で移動するのが正解かもしれない。そう考えてそこから引き返すことにした。

 一旦、国道まで戻って、朝下ってきた道を引き返す。

 途中、対岸にキャンプ場があったので、入って見る。確かに売店はありそうだったが、営業はしていないから、はっきりとはわからない。しかし、そこまでの渓谷沿いには広い場所は見あたらなかった。やっぱりもっと先だろうか。幸いその先の川沿いに道が伸びていたので、遊歩道側のその道を先に進んで見る。

 その道は渓谷を離れ始める。民家も出てくるし、田圃も出てくるし。想像した遊園地見たいな広い場所は見当たらない。既に遊歩道は終わって仕舞ったようだ。

 同じ道を引き返して、先ほどのキャンプ場まで戻る。

 最初はそのキャンプ場の駐車場に自動車を停めたが、その少し下に別の駐車場が見つかったので、そっちの駐車場に自動車を停め、そこからの遊歩道を下って見ることにする。

 発電所みたいな場所の脇を通り、少し開けた川原を左手に、大崩れの矢印を探しながら歩くのだが、その矢印はなかなか出てこない。遊歩道の下は切り立った崖になってきて、すでに岩のある気配が無くなってくる。

 ついに先ほど引き返した場所まできて仕舞う。大崩れの矢印は見つからなかった。

 仕方ないから、また引き返す。

 先ほどの川原の少し開けた場所まで戻ると、その遊歩道から川原に降りてゆく人影が見える。小生も川原に降りてゆき、その子連れのおじさんに、大崩について聞いてみたが、その人は地元の人ではなかった。

 その場所は、ちょっとした砂の川原に岩が散らばっており、その下流方向には少し高い側壁が続いている。その側壁の上は広めの岩盤になっているから、そっちの方にも行ってみたのだが、トポにある、下が砂浜になった側壁は無さそうに見える。僅かにそれらしく見える場所は、側壁が高く、降りる場所が見当たらない。何となく探す気力が薄れてくる。

 まだ1時を廻ったところだ。ここは諦めて、次の大島にでも行って見るか。大島は大きな岩が一つだけだから、一日を費やすのも勿体無いし。

 戻る途中で、来る時に確認したトイレもある公園に寄る事にする。ところが、国道に面したトイレもあるその公園は、周りには民家も無いダム湖の辺の公園だというのに、なんと駐車スペースがないのである。場所はあるのに、歩道の段差があって入れないのである。仕方がないから、道路に自動車を停め、トイレで手を洗った。

 岩国から、国道188号線で大畠まで行き、そこから大島大橋を渡って周防大島に入って行く。「島に入ったら直に島の西側を廻る道に入る。暫くすると岩が見えてくる。」と案内にはある。しかし、海が見え出してから暫く走ったのだがなかなか岩影が見えてこない。少し不安になりかけたところで岩影が見えてきた。時間にして、10分も走っていなかったかも知れないが。

 岩を少し通り越した道の脇の駐車スペースに自動車を停め、岩まで歩いてゆく。3時半頃だから、2時間近くは十分に遊べそうだ。

 岩の横まで行き、浜に下りる場所を探したのだが、岩のすぐ近くには見当たらない。道路から浜までは2〜3mの石垣があるのだ。

 岩から100mくらい先に行ったガードレールの切れ目から何とか浜に降りることが出来た。

 高い。結構高いのである。真中にクラックが見える面の裏側の日が当たっている側に移動し、傾斜の緩い、低い場所を登ってみる。それでも4〜5mは有るかも知れない。

 上がったは良いが降りるのはどこだろう。砂浜にボコンと出っ張った大きな岩だから、登った高さと同じだけ岩を降りなければならない。下降路とされている、登った場所の右側のオフィズスサイズのクラックを降りることとなったが、予想以上に梃子摺ってしまった。

 次は裏に廻って、やはり低い場所のフレークと細いクラックのある場所を登ってみる。易しそうに見えたが、意外と難しく感じてしまった。勿論フェース登りである。

 次はそのフレークの右側。その次はまたその右側。都合、その面を三箇所登る。いずれも幾らか寝気味のスラブである。共に難しくは無い。しかし、下に敷いた足拭きマットがめくられ上がる位の風があって、おまけに日陰だから寒かった。

 さあ、これからがメインエベントだ。

 この岩の一番高い所のクラックに繋がる右上したフレークを使って登る課題である。

 いかにも高い。上1/3位は綺麗なクラックになる。そのクラックに移る場所が少しルーフ状になっている。トポではトップロープ課題になっている。どう考えても登れる課題ではない。でも、記念撮影はしなければ。ということで、フレークを2mくらい登ったところで飛び降りた。

 道路側の面は下部2m弱がわずかに被っている。そこにリップから上が僅かな凹角状になったところがある。そこを触ってみた。

 スタンスにはクラックが有ったのだが、ホールドが乏しく、一歩しか出られなかった。

 その左側には、やはり被った下部の上のリップの上部にクラックが伸びている場所が有ったので、そこも触ってみた。

 疲れていたのかなぁ。

 その左側は綺麗なスラブである。したがってホールドに乏しい。右上する細いダイクが有ったので、2〜3歩は登ったが、その先は行けなかった。

 なんだか、そんなのばっかりだからと、その左の、傾斜の緩いフレークが上に伸びている場所を登ってみる。見るからに易しそうな場所だ。

 その場所は、下から2/3位のところにちょっとした段差があり、その上からまた縦にクラックが走っている、一番高いところまで登る、多分一番易しい場所である。

 段差までは簡単に行ったが、上1/3のクラックが登れない。もう降りることも出来ない。しまった。傾斜が無いから、いざとなれば、斜面をずり落ちれば大きな怪我は無は無いかもしれないが、顔面ずる剥け位にはなるかもしれない。でも、決してそうはなりたくない。必死でホールドを探し、やっとの思いで、そのクラック部分を越えることができた。ふぅー。

 もう4時半を過ぎている。もう登れそうな場所も無い。真中のチムニーはもしかすると登れるかも知れないが、万が一力が尽きたら物凄く恐い。それに、出口も決してよくは無さそうに見えるし。

 帰りは、浜に下りてから見つけた、橋の下を潜って道路の反対側に上がるルートで自動車に戻った。

 この島にも「サザンセトとうわ」という道の駅がある。島をぐるっと廻って、島の反対側のその道の駅に行ってみることにする。

 夕日を見ながら、島の周回道路をのんびりと走ったのだが、これが以外に時間が掛かる。ということで、道の駅へは途中をショートカットしてしまった。

 道の駅は閉鎖されている。その横の体育館か何かの自動車がいっぱい停まっていた駐車場に自動車を停める。

 トイレも建物の中らしく、閉鎖されている。まだ、正月の2日だからなぁ。なんて言ってはいられない。と思ったら、休日用のトイレの看板があった。

 結局は、休日用に外にトイレが作られており、そのための駐車場も用意されていたのだが、手前の大きな建物の陰だからわからなかったのである。そんな道の駅は初めてであった。

 道の駅の向かいに食堂が2つ有って、共に定食があったので寄ろうかどうか少し迷ったが、まだ5時だから幾らか早いと、そのまま出発した。

 明日は白石山の予定だから、その近くの仁保の郷道の駅が今夜の目的地である。暫く188号線を走る。

 九州で散々お世話になったファミレスが出現する。6時だし、代わり映えがしないけど、仕方が無いか。

 ここでは、すき焼き鍋を食べてしまった。

 徳山の手前で2号線に合流し、防府からは262号線に入る。山口を過ぎるともう仁保は近い。カーナビに導かれて道の駅に到着する。因みに時間は8時半頃であった。


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作成年月日 平成18年 1月16日
作 成 者 本庄 章