北陸ボルダリングツアー第4日目である。打波ボルダーに行ってきました
北陸のボルダーめぐり第四段目2005年10月 7日記
車中泊が4連泊ともなると少し寝苦しくなってくる。何回か夜中に目を覚ましたが、結局は6時半頃起き出す。
トイレに行って、明るくなったトイレの周りを廻ってみた。一つの建物を半分に区切ったとばっかり思っていたのだが、二つの建物が真中でくっついていたのだ。つまり、元々有ったトイレに、その後殆ど同じ規模のトイレを増築したものだったのである。そのため、駅に近い方のトイレは古く、反対側のトイレはすごく新しかった。半分は道の駅のトイレとの考えもあながち間違いではなかったのかも知れない。それにしても、なぜほぼ対象形をした同規模のものを増築したのだろう。トイレの横の敷地は開いているはずなのだが。
昨日買った硬豆腐と、きゅうりとリンゴ、そして、まだ残っていたパンで朝食を摂る。昨日、一昨日と、食事用の買出しは殆どしなかったから、食料が少し心配だったが、意外と残っており、本日の昼食まではなんとかなるということだった。そういえば、新湊のスーパーで期限切れ直前のパンを相当に買い込んでしまったからなぁ。
そう言えばといえば、実はこのときのリンゴは、一番最初に買った鱒の寿司に付いていたプラスティックの小さなナイフで切ったものである。このナイフ、何度かゴミ袋に入れられてしまったものを、リンゴを食べるたびに探し出されて、何度も重宝に使われてきたものだったのである。相棒は、今回はそれをゴミ袋には入れず、ラップに包んで別のところにしまっていた。
今回は、以前はHPで紹介されていたのだが、何時の頃からかリンクがきられてしまってその概要が殆ど判らなくなってしまった「打波ボルダー」である。その後HPの作者にその意図を確認していないから、公開してしまっても良いものかどうかが判らない。ということで、このエリアはシークレットとして扱うことにしたい。悪しからず。
以前HPから落とした地図及び写真を元に、その場所を目指す。
最初は吊橋エリアである。ここはすぐにわかった。
ここにはうちなみロックというボルダーがあり、そのボルダーはこのエリアでは珍しく大きなものらしい。先ずはそれを偵察する。
10級の課題があるのだが、高いしスラブだから、先ずは対岸の小さなおまけの岩のほうから登ることにする。
相棒は、渡渉は苦手なので、その場に残し、小生だけ靴を持って対岸に渡る。
先ずは10級が2本設定されている「おまけ岩1」である。
対岸の相棒に撮影ポイントを指示し、SDと有るので、一応SDでスタートする。やっぱり10級だ。
次の10級も登る。次はおまけ岩2か。こちらは8級である。
どこを出ればよいのだ。例によって離陸のムーブがわからない。「なんだか奥のガバは使ってはいけなそうだし」「大体スタートのホールドが無いではないか」「足なんかもっと無いし」「おまけにつるんつるんだよ、この石」文句を言っても始まらない。何とか登れそうなところを探して無理やり登る。
おまけ岩1に戻って、川側の僅かに恐そうに見える場所を登る。少し左に寄って、下が川のところを登るのだが、恐くは無かった。ほんの少しがっかり。
戻って暫し一服する。って、タバコを喫う訳ではないが。
次はいよいようちなみロックである。で、やっぱり10級からか。課題名は「池マントル」である。
水溜りから直上とある。そういわれると、下地に水が溜まっていた跡があるから、そこからスタートか。やってみたら、すごく易しい。でも、どこがマントルなんだろう。
次は「うちなみスラブ」8級である。
トポには、一番悪いラインを直上とある。ではこの辺かな。真中辺まで登ったら、行き詰まってしまった。えぇー、8級だろう。って言っても仕方がない。降りる。
降りてくるときに、左側の途中のちょっとしたテラスにある穴凹に水が溜まっているのを発見する。そうか、さっきの課題の水溜りって、この窪みのことか。
その窪みのあるテラスを直上する。そうか、そのテラスにマントルなのか。やっと判った。
休んでいたら、釣りのお兄さんが二人ほどやってきた。
休んでいた場所のまん前が少し被った凸凹面の壁になっている。そこには「南無」という6級の課題があるらしい。トポにはかなり恐怖とある。
近寄って触ってみた。下は石だし、その脇は2m位の段差になっているから、確かに恐そうではあるが、岩がガチャガチャしていてホールドはありそうだし、途中から傾斜が寝てくるから何とかなりそうである。例の小さな人工芝を敷いて取り付いてみる。
そんなに恐くは無いから、6級より易しいかも。もしかしたらライン、間違ってるのかなぁ。写真のラインとずれては居ないと思うのだけどなぁ。
これで、小生に手が出せそうなところの大筋はお仕舞いである。後は、小山田氏の初段とか三段の課題だ。一段落と言うことで、岩を一回りし、岩の各面の写真を撮る。
川の方からこのうちなみロックを眺めると、高いし、結構被っている。そして、その面の下部の方が何となくトラバースしろと言わんばかりの形状になっている。その部分に小山田氏の課題も設定されているらしい。
折角だからと触ってみる。
初段だ三段だというと、離陸すら難しい課題が多いのだが、ここは適当にガバがあり、ぶら下がるだけなら難しくは無い。写真トポにはその課題の記載が無いから、若しかしたら場所を間違っているのかもしれないが、ぶら下がるだけでも写真になると、2〜3箇所でぶら下がってみた。
次はろくめんエリアだ。自動車で移動する。
ここも判りやすい。すぐに見つかった。しかしトポの「少しでも水が増えると登れないかも」の通り、六面岩は水没していた。外に対岸に二つほど岩が有るらしいが、川幅も広く、渡渉も難しそうだったので、そのままメインエリヤを目指した。
メインエリアは少々判りにくいらしい。トポに有った踏み跡があるらしき場所を見つけたら、その脇になにやら自動車が停まっており、3人ほどが道端に直に座って缶ビールを飲んでいる。丁度そこが自動車が停めやすかったのだが、少し行過ぎてから自動車を停め、その人たちにボルダリングかと聞いてみた。しかし、話は通じず、結局釣りの人達だった。
一応、この先で川原に降りられそうな場所はあるかと聞くと、大分上流で降りられる場所があると言う。しかし、そんなに上流のはずは無いから、先ずはここを偵察しなければと、自動車をどこに停めようか思案していたら、その人たちとその自動車が立ち去った。これ幸いと、その少し広くなった路肩に自動車を停める。
少し戻って、先ほど川原への踏み跡のように見えた場所に行ってみると、はっきりとした道になっており、そのまま川原まで降りられた。
自動車に戻り、食事なども持って、川原まで降りる。
岩は、そこから上流に1分程歩けば沢山あるとトポに有るので、岩伝いに歩いて行くと岩が現れた。
正面の少し奥に大きな岩が見える。最初にその岩を見に行くと、大分上のほうにスズメバチの巣らしいものが見える。今年はスズメバチの当り年の様だ。結構あちこちでスズメバチの情報を聞いている。気をつけよう。
対岸に三角岩らしきものが見える。この場所もやはり川幅が広く、例え長靴といえど、靴を履いたままの渡渉は出来そうに無い。わざわざ靴を脱いでまでの渡渉はしたくないから、こちら岸のボルダーだけを対象にしよう。
最初に有るのは立てかけ岩のはずだ。そんな岩有ったっけ。戻りながら、探したが見当たらない。その岩以外には無名岩が二つだが、その無名岩は余り大きくは無さそうだから、やはり判らない。
写真の岩を良く見ながら探したら、立てかけ岩が有った。一番最初に見た、被ったつるんとした綺麗な面を持つ岩だった。写真はその反対面の苔むした凸凹した面だったのでわかりにくかったのだ。
その岩が判ると、そのそばにある小さな二つの無名岩も見つかる。
最初は無名岩1の少し被った面のSDの8級課題をやってみる。立ったままだと一番上のリップに手が届いてしまう、それくらいの大きさだ。
カンテを使ったら9級らしいけど、どうだったけ。
次は無名岩2のマントル9級だ。
リップのスローパーが、激悪。足が上がらない。出来ない。
最後は立て掛け岩の課題だ。グレード不明。見ると、ラインは苔だらけ。ん?。まいっか。
離陸、少してこずる。もしかすると左のホールドを使ってしまったかもしれない。
リップを取る。苔だらけだ。その上も苔が続く。これはやばい。無理せずに降りる。
左のほうなら登れるかも。色々ホールドを探って、やっと上に抜ける。しかし、写真が撮れなかったらしい。もう一度登らなければ。
2度目だから、スムースにリップまで行く。しかし、さっきとは少しムーブが違って、少し左のリップを掴む。すると、そこの苔がはがれる。わーっ。落ちた。あっぶねぇー。下は岩盤だったから、踵を打ったような気がする。少し痛い。様な気がする。歩いてみる。特に痛いところは無い。なんとも無かったようだ。
気を取り直し、3度目を登る。慎重にリップから苔だらけのスラブを登る。2回目だけど、そして、傾斜は無いけど、すごく緊張した。
このメインエリアは、上流、中流、下流とあるらしい。そして、ここは下流らしい。トポが有るのはこの下流だけだ。でも、中流に行ってみるか。
河原を歩いて、先ほどのスズメバチの巣のある大岩に近づく。しかし、その大岩が邪魔をしてその先に行けない。諦めるしかないか。
自動車に戻って、一応上流方面に進んでみる。
そこからは道は川から少し離れる。再び川沿いに出たら、すでに石の影はなくなっていた。
適当なところでUターンして戻ると、一段下がった少し広い草原の脇に出る。その端っこには自動車を停めるスペースもある。その原っぱへは踏み跡の様な道も入っている。そこに自動車を止め、相棒を置いて、その道を進んでみる。
その道は、すごく歩きやすく、だらだらと下りながら川原までつながっていた。
河原は広く、砂原になっている。そこに少し大きめの岩が4つか5つ転がっている。ここ、遊べるじゃん。
一応写真だけは撮って、急いで相棒を呼びに行く。
先ずは三角形のカンテを持った岩を登ってみることにする。
右側のカンテの傾斜がゆるいから、そのカンテを使って登ってみる。カンテがしっかりもてたから難しくは無かった。
その横に、少し厚めのしっかりしたフレ−クを持った岩がある。下部1m位が被っているから、足を少し高めのリップに上げて離陸する。昔だったら離陸に苦労していたところだが。
下の2/3位が水溜りになっている、ローカルネタで申し訳ないが、白妙の氷山岩の垂壁の様な感じの岩が見える。よし、あそこを登ろう。
つるんつるんの垂壁である。水際ぎりぎりの所から壁に取り付く。ちょっとしたクラックがホールドを提供してくれている。スタンスは何とかある。3手か4手でリップを掴む。しかし、そこでマントルを返すにはスタンスが無い。ホールドもリップしかない。あんまり無理をしたくないから、そのまま少し登り加減になっているリップをトラバースしてゆく。下は完全に水の上になる。まだ足が無い。結局一番高い所まで行ってマントルを返す。楽しかった。
このエリアの一番上流に少し高い岩がある。塔のごとく立っている岩である。
どうやって降りるのだろう。登れないのに降りる算段である。だって、それが出来なければ登るわけには行かないのだから。
結局降り方がわからなかったので、適当にカンテを触るだけにした。
戻ってきたら、つるんつるんのスローパーチックなリップを持った背の低い岩があった。下部はハングしている。いかにもマントルできるかなって、挑戦している感じに見える。やったろうじゃないか。
スローパーの中に極小カチを見つけ離陸したら、足はリップまで上がったものの、小生の苦手な足フックの体制になってしまったからすぐに諦めた。
まだ1時半を回ったところだ。ここでは一日遊ぼうと考えていたから、まだ時間はたっぷりとある。しかし、9時頃から遊び始めたから、小生にとっては結構遊んでいる。他に見て回る岩もないし、ここはこれで終わりにするか。
次の目的地は敦賀半島だが、泊まれそうなところは近くに無いし、岩も一箇所しかないらしいから、今夜は河野という所辺りまで行っていればよい。まだ時間の余裕はたっぷりある。
どこだかで、永平寺有料道路が無料開放されたとの情報を得ていたので、永平寺にでも寄ってみるか。小生も一度行ってみたかったし。
何時の頃からか、霧雨が降り出す。
永平寺に近付くと、有料駐車場が現れる。400円だとか。
門前町の通りに入るとみやげ物屋が軒を連ねている。それぞれのみやげ物屋がお客さんは駐車無料と謳っている。
一番奥まで進み、お寺への入り口の前まで行くと、永平寺の駐車場が現れる。ここは500円だとか。まだ2時半を回った所だから拝観も大丈夫だろう。まぁ、お寺さんへのお布施と言うことで、その駐車場に自動車を停める。
拝観料も500円。折角寄り道をしてまで見に来たわけだから。
最初にお坊さんの説明を受け、その後は順路に従って、それぞれに屋根のついた廊下で繋がれたお寺の各建物を見て廻る。外は霧雨が煙っていた。
一通り見学を終えると、既に雨は止んでいた。
ちょっとみやげ物屋街まで足を伸ばし、幾つかの店を覗く。その中に、背中に「禅」の文字の染め抜かれたTシャツと「喝」の文字の染め抜かれたTシャツがあった。何となく格好良く見えたので、「喝」の字のほうを買ってしまった。こんなことなら、その辺の土産物屋の駐車場に自動車を停めるのだった。別にこれと言って見て回ったわけではないのに、すでに4時半頃になっていた。
福井から国道8号線に出て敦賀を目指す。
結構交通量がある。福井市街に入ると少し渋滞気味になってくる。
「ジョイ○ル」の看板が見えてくる。あれぇー。近付いたら、健康ランドの看板だった。
風呂にでも寄るか。寄ってみたら、何とか劇団が出演しているとかの所謂健康ランドというかヘルスセンターと言うかそんな娯楽施設で、入場料が1200円と有る。役者を見たいわけではないからすぐに引き返す。
もう5時を廻っている。相棒が、全国チェーンの牛丼屋と、全国チェーンのカレー屋の只券を持っているというので、そのチェーンの店を探しながら走る。
ファミレスの「ジョイ○ル」があらわれる。そういえば金沢にもあったなぁ。でも今回はパスだ。
大分走ったのだが、目指す看板は見つからない。そろそろ福井も抜けてしまったし。
スーパーが現れる。仕方がないから、あそこで弁当でも買うか。
スーパーに寄って、割引されていた弁当と明朝の食材を買い込む。
鯖江市と言うところに差し掛かると、スーパー銭湯の看板が現れる。よし、ここに寄ろう。三日連続である。でも、今回は500円だからシャンプーとボディーソープがあった。
その後、結局は道の駅までの間には2つか3つのレストランしか見当たらなかった。
「河野」道の駅は、国道沿いだから、大型車が沢山停まっている。乗用車用の駐車場の適当な場所に自動車を停める。乗用車も結構停まっていた。
この道の駅の前は海の様だ。何人かの人が駐車場所から張り出した、展望所のようなところから暗い海の方向を眺めていた。
お弁当を持って、休憩所のようなところに行き、そこのテレビの一番前のテーブルに陣取ってお弁当を食べる。外には人は誰も居ない。
一人のおじさんが入ってきて、テレビの音を大きくしても良いかと聞いてくる。どうぞと答えると、そのおじさんは背伸びをしてテレビのつまみを回して音を大きくした。このテレビは誰でも触れるようになっているようだ。そのおじさんは、音を大きくしただけで程なく出て行ってしまった。テレビがつまらなかったのだろうか。
その建物の奥には、ジムなどにある、両足が振り子の様になった歩行マシンが置いてある。相棒がそのマシンで遊んでいた。
夜中に目が覚め、その休息所を覗いてみたら、誰もいない休息所に、テレビからの西洋の時代劇映画の吹き替えの音だけが流れていた。