日頃のちょっとしたトレーニングその1 足指編

2001年11月15日記
 今回も直接ボルダリングの話題と言う訳ではないが、日頃の岩や壁を登る行為以外の普通の生活の中でのトレーニングについて、それも、クライミングを始めた当初のほとんどの人達が一度や二度はやったことのある、電車のつり革とかスーパーの荷物のいっぱい入った袋等を利用しての指の訓練というような、ちょっとしたどうでも良い、そんなトレーニングの一つのお話しである。

 小生は毎通勤時に片道7分程自転車に乗っている。そして、このほんの僅かの時間を利用して、なにかトレーニングになるような事はないかと考えていた。

 最初に考え付いたのは、幸い使用している自転車に変速機が付いていたため、極普通に、ギヤ比を高め、踏み込みの力を付けることであった。

 これは、確かにこぐのに力がいるし、足も疲れる。自転車もその分速く走る。というように良い事ずくめ的で有ったので、調子に乗ってこれをしばらくやっていた。だが、そのうち、自転車のチェーンが伸びて来てしまった。チェーンのピッチとギアのピッチが合わなくなってきてしまったのである。今迄と同じに力を入れてこぐことが出来なくなってしまったのである。そんなことをするとチェーンが外れてしまうのである。

 仕方が無いからそのトレーニングはお休みし、再び自転車を普通のギア比でチンタラこぐ日々を送っていた。まぁ、その自転車のトレーニングが効果を発揮していたかどうかは甚だ疑わしかったということもあるが、なにより、自転車のチェーンを単体で売っている所が見つからないということで、仕方が無かったということである。

 そんなある日、ホームセンターで偶然自転車のチェーンを見つけたので、早速買い求めチェーンを交換し、またハイギアでこいでも大丈夫な様にはなった。しかし、折角直したのにもかかわらず、ハイギアで力強くこぐとまたチェーンが伸びてしまうのではとの不安が過り、どうしても今迄のハイギアでのトレーニングを再開する気にはならなかった。そのまま快適な自転車をチンタラこぐ日々が暫く続いたのである。

 小生のゲレンデの一つに茨城県の笠間と言う所がある。ここは花崗岩のボルダーで、スラブチックな課題も多い。そして、ご多聞に漏れず、小生はこのスラブがなかなか登れない。

 今迄の常識としてはスラブはスメアというのが一般的であり、そのためにはスリッパ等の柔らかい靴が向いていると言う神話が広まっていた。そんな中、1級や初段までなら、スラブもエッジングだという衝撃的な事実に接し、カチ靴でスラブをエッジングで登り出してみるすと、足の指の力の重要性に気付かされた。

 やっぱりエッジングとはいえ、足の指でソールをしっかり岩肌に食い込ませなければならないということに気付いたのである。そして、小生がスリッパ靴では登れなくなってしまうということが、足指力の無さだと言う事にも気付いたのである。

 ならば、足の指を鍛えなければならない。そのためにはどうするか。で、日夜考えた訳である。そして思い付いたのが再びこの自転車を利用するトレーニングである。

 自転車で足の指を鍛えるにはどうするのか。

 これが、意外と簡単なのである。ギア比をあげ、チェーンに高負荷を与える必要も全く無いのである。ペダルに靴の爪先だけを乗せて、指先だけでこげば良いのである。これが意外と効くのである。結構辛いのである。あまり足をずらし過ぎると、ペダルが廻ってしまってこげなくなってしまうので、そのギリギリでこぐのである。

 そのためには、足の指をクライミングシューズを履く時のように曲げ、その指に力を入れてこぐのである。そうすると、指だけでなく、足首からふくらはぎまで鍛えられるのである。一石二鳥である。

 これは多分足の掻き込みのトレーニングになるのではないかとも思われる。そうなれば、一石三鳥かもしれない。

 ということでここ暫く、小生は毎朝夕、足の指のトレーニングのために、とっても変な格好で自転車をこいでいるのだが(って、実はぱっと見にはそれ程変でもないが)、残念ながら、このトレーニングを開始して後、本来の目的のスラブを登っていないので、その効果は定かではない。

 まぁ、こういうトレーニングに付いては、効果のはっきり出るものは少ないのが一般的だから、このトレーニング法もそう簡単に効果が出るとも思えないし、また、気軽に出来るということがこういうトレーニングの良い所でもある訳だから、今後とも気長に続けてみる積もりである。

 今後なんらかの効果が出て来るようだったら、またその時にでも報告することにしよう。

 こんなことでスラブが登れる様になったら本当に嬉しいのだが。


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作成年月日 平成13年11月15日
作 成 者 本庄 章