日光外山の岩場のボルダーに行ってきました

2004年 5月20日記
 ジムの仲間5人との6人で日光の外山の岩場に行ってきた。勿論ボルダリングが目的である。

 日光は遠いからと、待ち合わせは、何時ものジムの最寄駅、朝7時である。

 今回も、仲間の一人が、小生の家の前まで迎えに来てくれたので、その彼の自動車で待ち合わせ場所に向かった。

 何時もの駅には7時少し前に着いたので、仲間の姿はまだ見えない。自動車を降りると、仲間の一人がやってくる。よく見ると、コンビニの脇でもう一人の仲間が朝飯を食べていた。

 続いて、もう一台の自動車を出す予定の仲間が歩いてくる。自動車はと聞くと、仲間の一人が行けなくなったから1台で行くのではという。確かに一人が行けなくなったらしいのだが、実際は、その後の追加もあるから、総勢は6人らしい。って、小生も少し無責任だが。

 もう一人の仲間がまだ現れない。時間も5分ほど過ぎている。現在丁度5人だから、置いて行っちゃおうかとか冗談を言っていたら、10分程遅れて現れる。

 やっぱり6人だ。小生が乗せてきてもらった自動車は5人乗りである。もう一台予定していた自動車の持ち主はその駅の近くらしい。自動車を取ってくるか。でもなんだかんだで20分くらいはロスになるらしい。仕方がない。皆でその仲間の家まで何とか行こうということになり、御呪いを施して、6人で移動する。

 もう一台の自動車は7人乗れるらしい。では、その自動車1台で行くことにしよう。結局、そうなって、皆で自動車を乗り換え、1台で出発する。

 三郷から外環、東北道、日光有料道路と乗り継いで日光へ。10時には日光に着いていた。

 コンビニを探して途中から引き返したりしたが、無事、日光市内のコンビニで買出しをし、東照宮の脇を通って、外山の岩場へ向かう。

 外人さんのグループがザックを背負って市内を歩いている。さすが世界的な観光地だ。

 舗装路から砂利道の林道に入った途端に自動車の腹を擦る音がする。やっぱり6人も乗って、おまけに、ロープ何本かを含むそれぞれの荷物も積んでいるからなぁ。

 林道の途中の幅の膨らんだ駐車スペースに自動車を停める。時間にしてインターから15分も走っただろうか。

 その駐車スペースのすぐ脇が外山の岩場の岸壁らしいのだが、今回はボルダリングが目的なので、エロイカというここの看板ルートのある少し林道の奥の方に行く。

 踏跡を辿って小さな沢を渡ると、エロイカのある岩が現れる。仲間はそんなに高くは無いと言っていたが、意外と高い。やっぱりボルダリングでは無理のようだ。

 その沢沿いに点在する岩を見ながら、その小さな沢に沿って上流に少し進む。

 少し大きな格好のよさそうな岩が現れる。少し被った面を持ち、一部染み出しがあるが、乾いていれば小生にも上れそうな場所もある、5〜6mの高さの岩である。基部にはテントマットのようなものも丸めて置かれている。その岩の前に少し広いスペースがあったので、そこに荷物を置いて支度をはじめる。

 トポも何にも無いし、基本的には岩は磨かれてはいないから、登るためにはホールド、スタンスを磨き出さなければならない。一応ざっと周りを偵察してから、仲間が岩を登るところの写真を撮り始める。

 ここの岩は、多分安山岩系の岩だと思われるが、大体が並行する幾つかの層状を呈し、その層を横断する面が出ているところにはカチ系のホールドやスタンスが出現している。運悪く、その層に沿って岩が割れていると、その面はまっ平らな面となり、ホールドやスタンスはほとんどなくなってしまう。大体その2種類の面を持ち、緩やかな傾斜から相当に被った傾斜まで、数多くの壁のバリエーションを示している。

 最初は、層を横断した面のやさしそうなラインを磨きはじめる。そして、トライする。

 ところが、この岩意外とフリクションが無いらしい。易しそうに見えて意外と手ごわいらしい。

 3人ほどの仲間の登る場面を写真に収めてから、先に目を付けていた、沢に近いところの2mちょっと三角の平面を持った岩に行き、カンテと、スタンスになりそうな場所を磨き始める。

 小生の場合、他の仲間のように、登りながらホールドやスタンスを磨けるだけの技量は無いから、2手、3手位までは下から登りながら磨いたが、その上や一番天辺のホールドは、横の易しいい所から登りを磨く。途中、磨きたいカンテが有ったのだが、磨くのが難しい場所だったので、その場所は端折り、ひとまず挑戦を始める。

 最初のスタンスは右側のカンテだから、最初に右足で出てしまうと、次のスタンスに足が乗せられない。そのことを右足でスタートしてから気付く。降りて、左足のスタートスタンスを壁の中に探してみる。しかし、層に沿って割れた面だから、でこぼこは極端に少ない。したがって見つからない。

 左足を右のカンテのスタンスに載せ、右手、右カンテでスタートし、右足を次の右カンテのスタンスに乗せて右カンテの手を送る。そうすれば離陸ができた。

 続いて、カンテの手をマッチして更にクロスで手を送る。しかし、その場所はまだ十分には磨いていないから、それに、カンテの傾斜が垂直に近づいてくるから、持ちにくい。その手で体を開けば左足を外傾した細いバンドに乗せることができる。そうすれば反対側のカンテやもしかすると天辺が持てるのだが、手が耐えられないから、足を上げる体制にすらなれない。そこまで2〜3回挑戦したが、小生のグレードではないと諦める。

 また仲間の所に戻り、仲間が磨いてくれた課題を登ってみる。

 8級位だと言っていたが、マントルが悪い。リップがまだ泥が残っているから、なんかズリッって行きそうで怖いのである。結局、小生の得意な足ブラのマントルで何とか上に抜ける。

 その右側の、先に写真を撮った時に見ていた仲間のムーブは決して易しそうには無かったラインを登ってみる。

 下部が切れていて、スタートのスタンスが見当たらない。スタンスとして使えそうな所も高いのだ。何時もの、スタートが出来ないというパターンか。一瞬又かと思いながら、しつこくスタンスを探し、少し高いと思ったスタンスで離陸してみる。一瞬地面を蹴った感じもするが、何とか離陸する。その先もカンテが立っているから、バランスが悪い。仲間が付けたチョークを頼りに足を上げ、少し早い目にカンテにスタンスを求めて、そのカンテを乗っ越す。まだ半分アップだから、まぁいいや。

 別の仲間の写真を撮りながら、もう一人の仲間に、先ほどの敗退した岩を教える。

 その仲間が、その岩に移動したので、小生も付いてゆく。

 やっぱり、カンテが効きにくいらしく、小生と同じようなところで降りてくる。そして、カンテ等を磨き始める。

 小生は、また先の仲間のところに戻り見学を続行する。

 別の仲間2人も、その課題に参戦し、3人で挑戦を始める。その様子を撮影する。

 仲間たちがそのトラバースの課題を完成させたので、先ほどの岩に誘い、いっしょに行く。すると、先の仲間が綺麗にカンテを磨いてくれている。

 最初の仲間が一撃する。続いてもう一人の仲間も登る。それを見て、この岩を磨いてくれた仲間も登る。

 そんなに易しかったっけ。小生もやってみたら、新たに磨いてくれたカンテが持てたので、左足を上げるのに少してこずったが、何とか登れた。やっぱりホールドが良くなったようだ。

 一人の仲間が、そこから少し上のほうの、先ほどの岩を少し大きくしたような感じの岩を磨きだす。そして、その岩の真中を登ろうとしている。しかし、途中ブランクが有って直登はすごく難しいらしい。仕方がないから、右のカンテから、真中の上のほうのガバホールドに移り、上に行くことにしたようだ。でも、ガバまでが遠いからてこづっている。

 別の仲間は、荷物を置いた岩の沢側の大きく被った面のリップをマントルしている。別の仲間はその被った面の左側の方を登り、左のカンテに逃げて上に抜けるラインを探っている。

 また別の仲間は、沢沿いの少し汚い岩を磨いて、やさしめのトラバース課題を設定している。

 小生は、デジカメを持って、上流方向に岩を偵察に行く。

 下草を枯れているから歩きにくくは無いのだが、枯れた潅木の枝が行く手を阻むから、結局はものすごく歩きにくい。

 少し上流に進むと、林が切れ、空が見えてくる。どうやらこの辺までくると、側壁も切れて、それより上流では岩も少なくなってくるようだ。大体岩の分布はこの辺までのようだ。

 少し山川の斜面を登って所に、丸い岩を斜めにスパッと切ったような、まっ平らな面を持った岩が現れる。

 そのまっ平らな面の傾斜が少しきついから、切り口のリップもホールドしにくく、マントルは難しそうである。近づいて、リップを触ると、やはり小生にはもてそうに無い。

 そこから沢床に下り、大きく被った面を持った岩や、面白そうな格好をした岩の写真を撮って、沢を渡り、林道に出た。

 この沢のすぐ脇を林道が走っているので、その林道を歩いて、仲間の下に戻る。

 仲間の一人が、面白いマントルの課題があるというので、皆で行ってみる。

 また、歩きにくい潅木を分けながらの所を通り、先ほど小生の触った、丸い岩を斜めに切ったような岩の前に出る。この岩か。これは小生には無理だ。

 仲間の一人が、いとも簡単に登ってしまう。そんな馬鹿な。近づいて、岩を眺めると、確かにスタンスはある。ホールドも左のほうに斜めのカチがありそうだ。これを使って、この辺のスタンスを使えば登れるのか。さっきはこんなガバチックなスタンスは気がつかなかったのに。

 左手を斜めのカチに置き、右手は親指が少しかかるくらいのミリカチに掛けて離陸をしてみる。足を2〜3回探したが、意外と離陸が出来る。右手の親指が一瞬はがれそうになったが、何とか足を選んで上げ、右足をガバチック名外傾スタンスに上げる。上がった。左足を上げようとしたら、左足が岩にぶつかり、バランスを崩して落ちる。惜しー。

 何とかなりそうだ。続けてやってみる。だめだ。結構力を使ったようだ。

 別の仲間が、その右側の上がツルッとした面のリップを使ってマントルをしようとしている。で、なかなか離陸が出来ないでいる。

 小生は、なんとなくマントルが出来そうな気がしているから、続けて又やりたいのだが、右側の仲間がホールドやムーブを探っているからなかなか番が回ってこないように感じてしまう。

 先ほどと同じようにやっているつもりなのだが、離陸が出来ない。離陸しても、右足がガバスタンスに上がらない。どうしたんだろう。やっぱり疲れたのだろうか。スタンスを調べなおす。

 改めてスタンスを調べると、意外といっぱいスタンスがある。さっき使ったスタンスが偶然にも最適だったのだろうか。もうそのスタンスを忘れてしまったから、またそのスタンスの最適な組み合わせを探さなければならない。

 3回、5回、やっと、ガバスタンスに足が上がる組み合わせを見つけ出すことが出来た。やっぱり、疲れではなく、スタンスだったようだ。

 右足ガバスタンスから、左足その横に上げようとしているときに、突然バランスを大きく崩す。あれー、ドタン。痛てー。右手が草を掴んでいる。落ちたー。

 右手の内側が痛い。見ると大きく擦り剥けている。右の寛骨出っ張りが痛い。みると、腰の下に小さな岩の突起が出っ張っている。どうやらそれにぶつけてしまったようだ。

 立ち上がると、特にそれ以上の痛みは無い。仲間も声を掛けてくれる。大丈夫のようだ。

 仲間達は、すでにここを登ってしまい、その下の被った面を持った岩に取り付いていたのだ。休む意味も含めて、しばらくその試技を見学する。

 せっかくあそこまで行ったのだから、今度は登れるだろう。再度挑戦する。

 足順、手順は先の通り。右足を慎重にガバスタンスに上げ、左足をその横に上げる。先ほどよりも安定している。今度は滑る心配は無さそうだ。左足がしっかりとスタンスに乗ったので、右足をリップのスタートのときに右親指を掛けた場所に置き、リップ上に立ち上がる。

 先ほどは、右手の場所や置き方を迷いながらやっていたのだが、今回は右手にそれほど頼ることも無く、リップに立てた。後はまっ平らな斜面を登ってゆくだけである。

 とはいっても、そこそこ傾斜もあるし、ホールドらしいものも無い。おまけにまだ苔が残っているから、なんとなく怖い。そろそろと這い上がる。

 下の仲間も上に抜けたようだ。皆で荷物の場所に戻る。

 なんとなく足首が痒い。他の仲間も痒いらしい。見ると、噛まれた所らしい場所から血が滲んでいる。どうやらブヨのようだ。これは大変だ。でも、ブヨって噛まれてすぐには痒くはならなかったように思っていたのだが。

 まだ2時過ぎか。11時頃からだから、それほど遊んだわけではない。しかし、皆相当に満足したようで、誰も動き出さない。で、やっぱり東照宮か、ということになる。

 何時もの感覚だと相当に早いのだが、観光旅行に出発することになる。

 有料駐車場に自動車を停め、東照宮に向かう。

 まず皆が、石垣に近づく。そして、その岩組を見学し始める。

 バリ効きのフィンガークラックが見つかる。適当なポケットもある。なんだか面白そうなホールドが散らばっている。丁度水が出ているホースがあったので、皆が手を洗い出す。

 さぁ、これからどうしよう。拝観料は1,300円らしい。少し高い気がするが。

 中で工事をやっているような気配が見える。階段を上がって、ゲートの前まで行き、中を伺う。ゲートの係員が、あの工事場所は見学する所とは直接の関係は無い場所らしい。じゃぁ、せっかくの世界遺産だから。ということで、全会一致で見学することにする。

 まずは三サルである。人がいっぱいいる。こんなんだったっけ。

 また階段を上って、陽明門に行く。これが陽明門か。なんか渋いな。

 隣の団体の先導のお姉さんがいきなり訳の判らない言葉をしゃべり出す。韓国語のようだ。見ると、西洋人のほかにも東洋人の外人さんがいっぱいいる。多分、2/3は外人さんかも知れない。さすが世界遺産だ。

 眠り猫を見て、その奥の階段をたくさん上った先の奥の院のようなところを見て、鳴き龍を見に行く。

 小学校の修学旅行で来たときはこの鳴き龍は見学しなかったように思うので、多分今回が始めてである。そういえば、この鳴き龍は一時火災に有って焼失してしまっていたはずだったのだが、再建されたようだ。

 仲間が鳴き龍が天井に書かれた部屋に入らないから小生もいっしょに待っていたのだが、その仲間が入ろうとしたら、「廊下で待て」と、制止されてしまったようだ。で、その時制止したお坊さんの迫力がすごかったらしい。

 約3時間ほど東照宮の散策を楽しみ、輪王寺まで見学してしまった。

 5時過ぎに日光を出発したが、夕ご飯にはまだ少し早い。やっぱり宇都宮で餃子だな。時間も有るからと、一般道を走り、杉並木も堪能する。

 宇都宮市内に入ったが、餃子屋のあては無い。しばらくまっすぐ走る。すると、餃子屋の看板が出現する。あと1kmくらいらしい。そこにしよう。

 ジャンボ餃子らしい。一皿で3つと5つがある。どっちにしよう。聞くと、1つの大きさは普通の2〜3倍らしい。結局皆が頼んだのは3つだった。

 鹿沼インターから高速に乗り、外環を使って船橋まで、渋滞もほとんど無く、9時頃には帰り着く。本当に順調だった。


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作成年月日 平成16年 5月20日
作 成 者 本庄 章