とある岩場のボルダーその5

2004年 1月28日記
 我がボルダリングチーム「マイモーズ」のメーリングリストで、小生が最近何回か行った、茨城県のとある岩場のボルダーに関する質問があり、それに対して、ご案内しましょうかと答えた所、5人の仲間から行きたいとの返事があったため、急遽、その仲間を引き連れて、1月末の日曜日の1日、とある岩場のボルダーに行くことになったのである。

 ジムで泊まっていた仲間を拾った後、例によってジムの最寄駅で最終的に落ち合い、2台の自動車に分乗してとある岩場のボルダーを目指す。

 西船橋からの出発だし、人数も多いからと、三郷から高速に乗る。途中、守谷のサービスエリアで落ち合う予定だったので、守谷のサービスエリアに入ったのだが、先行していたはずのもう一台の自動車の仲間が見当たらない。結構派手な格好をした仲間が居たのだが、その仲間が見当たらない。仲間が電話で確認すると、やはり通り過ごしてしまったようだ。仕方が無いから、矢田部東のパーキングで落ち合うことに急遽変更する。

 そこからは小生が先導し、走る。

 今回は途中高速を使ったものだから、何時もの下の道とは少し離れてしまうので、今までに通ったことの無い道を走ってみることにした。

 距離的には近い感じもするが、途中峠道があり、その道のカーブの途中にドリフト族避けらしい段差が作られていたため、前を走る自動車がその都度止まるくらいに速度を落とすものだから、ゆっくりしか走れなかったが、今までとは少し違った景色が眺められ、それはそれで、なんとなく楽しかった。

 下のエリアの取り付きに自動車が1台停まっていたが、そのまま進み、メインエリアのアプローチの脇道に自動車を入れる。その道には既に2台の自動車が停められていた。今回のことを、先に、ここのエリアのトポを作ってくれている方に連絡をしてあったので、その方達の自動車のようだ。

 エリアに行くと、アンコ岩の下にその方達がいたので、皆で挨拶をする。

 一通り、だいこんおろし岩から浮石岩、バターミルク岩等の説明を受け、その上の、今まで小生も行ったことの無かった小型版ギル岩まで案内していただく。

 この小ギル岩は、少し離れた稜線沿いにあり、いかにも小型版ギル岩である。その岩の正面のクラックからスタートする課題は未だプロジェクトであるというお話しも聞く。

 この岩は初めてだから写真を撮ろうとデジカメの用意を始めると、デジカメのレンズカバーが開かない。液晶の電源も入らない。どうやら電池切れのようだ。またやってしまったようだ。

 戻って、予備の電池を探したら、何時もの袋の中に何時も電池を入れている袋が見当たらない。どうやらその袋を出したまま置き忘れてしまったようだ。一応ここの写真は撮ってはあるから仲間には申し訳ないが、今回は諦める事にするか。

 仲間は先ずは玄関岩からと、そちらに行っているので、遅れて玄関岩に向かう。

 玄関岩に行くと、仲間の一人が、電池はあったのかと聞いてくれたので、忘れたと言うと、その人のデジカメをわざわざ自動車から持ってきてくれて小生に貸してくれた。充電式の電池だったし、その人は写真は撮らないとの事だったので、遠慮なく使わせていただくことにする。

 皆がいっせいにアップを始める。1つの岩に3人が取り付いている光景は壮観である。早速借りた電池で写真を撮る。

 仲間が、一番右のところにランジの課題を設定し、飛びはじめる。4級位との事なので、小生も飛んで見る。しかし、届かない。2回ほど飛んで見たが、駄目だった。因みに、この課題は既に登られていて、5級となっているらしい。

 荷物のところに戻って、そこから上の方のだいこんおろし岩から上に向かって登り始めることにする。

 先ずはだいこんおろし岩である。それぞれがだいこんおろしを登る。それを小生は少し下のほうから写真に収める。

 この課題、3級らしいのだが、少し悪いらしい。当然小生はパス。

 続いてラブ岩のラブラブカンテである。一人が一撃、もう一人はリップまで行きながら落ちる。やはり上が悪いらしい。その後結局2人がそこを登る。

 仲間の一人が屏風岩のカンテを登っていたので行って見る。確か前に登った気がするのだが、なんか登れない。離陸が出来ない。まぁいいや。

 浮石岩に再び皆が集合する。

 一人が、木漏れ日という課題のリップ下の縦クラックを右手クロス気味に取る。普通はこのクラックは右手を凄く悪いポケットに持っていって左手で取るらしい。もう一人の仲間もこのクロス気味ムーブで登っていたから、多分そのムーブは普通の人でもできるのであろう。

 小生は、その左のやさしい壁を登って見る。この岩、実は降りるのが少し怖かったりする。

 仲間が、木漏れ日のスタートの凄く下のほうのアンダーから、SDで登りだす。なにしろスタートホールドが低いから、なにしろ窮屈らしい。で、結局登ってしまう。因みに初段らしい。まぁ、普通はSDで出よう等という発想は湧かない程低いホールドのようだが。

 バターミルク岩に移動する。この頃になると、結構仲間は散らばりだす。

 食事のため、小生ともう一人の仲間がアンコ岩まで降りる。

 アンコ岩には大分以前に古賀志山のゲレンデで何回かお会いしたことのある方がお仲間と見えていた。あまりに懐かしいので、その当時小生を古賀志に連れて行ってくれた人の話とかをしてしまう。二十年近く前の話である。

 バターミルクまで戻って見ると、バターミルクの右のSDの課題を仲間が触っている。バターミルクのスタートの右から右のカンテを回り込み上に抜ける課題らしい。でも、中々出来ないから、途中からは、カンテを右に回りこんだ先から登る課題を先にやることになる。

 最初に登った仲間が、ホールドが磨かれていないからと、途中で降り、今度はその右の方から登っていって上の方のホールドを磨く。そして、綺麗に磨かれたホールドを使い、最初にSDに挑戦していた仲間が上に抜ける。その時、右に逃げると易しくなるらしいので、右は駄目とか、ギャラリーからの限定が厳しくなってくる。

 その後、最初にホールドを磨いた仲間がSDを完成させる。

 小生は、この岩では登る所も少ないので、その課題の面の右のほうの傾斜の緩いフェイスを登って見る。

 途中、ホールドが凄く細かくなるし、マントルも真っ直ぐ上がるとそれ程易しいわけでは無い。案内していただいた方にグレードを聞くと、8級だか7級だかとの返事である。もう少し難しいのではないかと、一応感想をお話する。

 まだ暇だったから、その課題の左側の立ち木フェースレフトとかの課題も触って見る。

 スタートは難しくは無いのだが、その先が悪い。すると、もっと左に行けば易しいと言うから、その通り動いたら、確かに易しくはなった。でも、やっぱり、あまり易しくは感じなかった。下地も斜めで、落ちると転げ落ちる可能性もあるしで。

 上のほうが騒々しい。行って見ると、日向岩という岩で、大一周課題が完成したばっかりらしい。

 この日向岩とは上から見ると真四角な形で、周りを一周できるのである。でも、途中から下地が低くなってしまって手を伸ばすことが出来ず、レストが難しいらしいのだ。それに途中、アンダーホールドでハング下のトラバースもあったりして、結局グレードは1級くらいになるらしい。

 この日向岩とその隣の岩とで数十センチほどのチムニー状を形作っている所がある。しかし、下地が斜め上がりになっており、高さよりも奥行きが何倍もあるところなのである。そこをチムニー登りでトラバースする感じの課題がある。因みに本庄案という課題名らしい。小生の発案ということらしい。面白そうだけど、疲れそうだからと、自分はやらなかった課題である。そこを仲間の一人が挑戦する。

 この課題、グレードは10級となっている。で、仲間にそのグレードは妥当かと聞いてみたら、種類が違うから分からないという。やっぱり疲れるらしい。疲れるのに10級は無いだろうと小生が案内をしてくれた方にお話したら、その後グレードが上がったらしい。

 その奥の小型版ギル岩のプロジェクトが登られたらしいとの情報が寄せられたので、皆で行って見る。

 まだ掃除が完全ではなかったのかスタンスが少し滑ったようだが、結局何人かが登り、おまけにクラック限定課題も登られる事となった。

 小生も触って見たが、スタートのバランスが悪く、右手少しアンダー気味のクラックのリップ、左手丸い甘いカンテ、左足斜の浅いクラック状のリップのスメアでは離陸すら出来なかった。離陸さえできればウェイ・オブ・ギルよりは易しいらしいのだが。

 因みに、この課題、ムーブがギルそっくりなのである。右手クラック、左手カンテ、左足カンテにフックして左手を上げて、右手でリップにランジという所までそっくりなのである。おまけに、本物のギルのリップを左手で取る仲間のこの課題のリップをとるムーブも左手と言う所まで同じだったのである。将に感激物である。将に小ギル岩なのである。

 大分遊んだので、アンコ岩まで戻る。すると、仲間の一人が、アンコ岩の左のほうのクラックを登りだす。そして、一番上まで行ってしまう。さすが。でも、もう一人の仲間は、ここではフリーソロをする気が起きないと言う。ホールドが欠ける可能性を否定できないかららしい。確かに、ここの岩のフレークを叩くと殆どのところが太鼓のように響く音がする、ような気がするのも確かである。

 仲間が帰り支度を始める。まだ明るいのにというと、でも十分に遊んだからという。確かに十分に遊んではいたが。

 帰りは千葉組と船橋組に分かれることとなる。その前に、温泉にでもという話題を出して見たが、公共の湯の千円と言うことがひっかかり、小生も積極的には薦めなかったこともあって、結局温泉には寄らないこととなった。

 帰りは峠道を避け、平らな道で帰る。ところが、この道、高速乗り口近くまで食堂らしきものが殆ど無いのである。そのため、途中で見つけた普通の食堂に寄ることとなった。

 今回はモツ煮定食を食べる。モツ煮に、味噌汁にご飯。まぁ、可も無く不可も無かった。

 その後、途中には寿司屋は2〜3軒あったようだがそれ以外の食べ物屋は見つからなかった。結局我々の入った食堂しか無かった様だ。まぁ、言ってしまえば、そういう所だということだ。

 その後、渋滞も無く順調に帰り着く。それでも9時近かったような。近いようで、結構遠いんだ。

 それにしても、千葉って本当にクライミングに関しては不毛の土地なのだなぁ。


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作成年月日 平成16年 1月28日
作 成 者 本庄 章