とある岩場のボルダーその3

2003年12月22日記
 昨日の房総に続けて、日曜日にとある岩場のボルダーに行ってきた。昨日一緒にボルダーをやっていた仲間と2人である。今回も相棒はお休みである。

 朝の8時半に仲間を迎えに行く。待ち合わせ場所は仲間の家の近くのガソリンスタンドである。

 8時頃に家を出たので、少し早く着きすぎるかもしれない。最近は家の近くのスタンドでガソリンを入れているので、今回待ち合わせのスタンドではガソリンを入れる予定は無い。とすると、スタンドで駐車していられないかもしれないと、途中の公園で少し時間調整をする。ところが、調整しすぎて5分程遅れてしまった。

 今回は一応笠間に行くということだったのだが、火曜日にその仲間と一緒に行くという別の仲間が、頻りととある岩場のボルダーを気にしていたので、今回、このとある岩場のボルダーを案内するかと提案した所、それでも良いということだったので、急遽とある岩場のボルダーに行く先を変更する。

 とある岩場のボルダーへは前回まではカーナビの指示に従って行ったのだが、今回は、一応セットはしたが、カーナビは見ずに行くことにした。

 前回使った道を思い出しながら、その通り走る。

 途中から雪が出始める。昨日の房総でも一部に雪が見られたので、そのときの雪かと思っていたのだが、それにしては何か雪が残っていすぎると言う感じがする。

 畑一面が雪という状態が出現し始める。家の屋根にも雪が残っている。対向車線を走る自動車にも屋根に雪が乗っている物が現れる。結構降ったようだ。大丈夫だろうか。林の中には雪は積もってはいないから、ボルダーエリアの岩に雪が積もっていると言うことは無いだろうとは想像されるのだが。

 林道に分かれると、路面に雪が結構残っている。しかし、新しい轍が何本か付いているから、多分大丈夫だろうと思われたので、そのまま進む。この轍はもしかすると、とある岩場に行った人達の轍かもしれないと思いながら。

 下のエリアに入る道に自動車が2台停まっている。やっぱりクライマーが来ているようだ。尚も少しだけ雪の増えた道を進むと、1台の自動車に追いつく。よく見ると、どうやらクライマーの様だ。やっぱり何組か来ているようだ。

 岩場の入り口に入ったので、くっついて入ってゆく。前の車から降りきた人を見ると、やっぱり知り合いだった。

 その自動車の前にももう一台自動車が停まっている。結構来ているようだ。

 玄関岩の前に行くと、沢山の荷物が置いてある。人はいない。あんこ岩のほうから声がするから、そっちのほうにいるのだろう。

 バターミルク岩に行くと、知り合いがいたので少しお話をする。聞くと、この岩場に来る別の道は通行止めになっていたらしい。笠間への道も途中で通行止めだとか。笠間は昨日の3時頃から一時物凄い吹雪になったらしい。それで結構雪が積もったらしい。こちらに来て正解だったようだ。

 カンテは少し濡れてはいるが、登るにはそれ程の支障は無さそうだ。あんこ岩と大根おろし岩は乾いていて登れるらしい。しかし、林の中は木の上の雪からの雨ダレが結構落ちてくる。傘が欲しいくらいだ。

 一応ざっとここのエリアの案内をしてから、玄関岩に戻る。玄関岩は上に気が無いから雨ダレは落ちては来ない。

 大勢で取り付いている。しかし、雪が融けて、下地がびちゃびちゃだから、マットを敷いていないとトライは不可能である。

 あまりに人が多いので、暫く仲間と見学をしながら、どうしたものかと思案をしてしまう。靴は汚れそうだし、マットは確実に汚れるし、寒いし、と。

 暫くぐずぐずとしていたら、その一団が別の場所に移動したので、仲間と2人でトライを始める。

 仲間は右の石のやさしいところから始める。小生は、いきなり1級らしい、先の人がチャレンジしていたカンテの課題を触り始める。

 薄いカチで離陸するのだが、次は、結構悪い足のスメアで体を上げなければならない。

 昨日、思いのほか頑張ってしまったので、今日は力が無い。体が上がらない。元気だったらもう少しは体が上がるのだろうがと思いながらも、その後何回かのトライを繰り返す。

 そのカンテの左のフェースに斜めに走るフレーク沿いに登る3級くらいらしい課題に移る。前回登れなかった課題である。

 やっぱり登れない。スタート直後のクロス気味の右手が取れないのだ。仕方が無いから、左手を飛ばし、右手を左手で持った所に送ると言うムーブで誤魔化す。今度は次の左手が届かない。飛び降りる。下には自分のマットを敷いているから、靴は汚れないのである。

 先客が残しておいてくれたマットを取りに来る。

 マットをどけた跡を見ると、なんとなく見慣れた緑の薄いマットが現れる。あれぇ。拾って見ると小生の足拭きマットと酷似している。使われ方も、結構使ったものの様だ。

 実は、その足拭きマットは、前回のとある岩場で、その前に行ったときに忘れたとばかり思って探しに行った足拭きマットなのである。

 今回新しく持参したマットとサイズをあわせて見ると、なんとなく同じサイズの系統の様だ。ちゃんと裏にスポンジマットが付いた高いほうの人工芝マットだし。ここに置き忘れていたのだろうか。

 よく考えると、プラスチックの分厚い人工芝を新しく買ったので、ここ何回かは従来のこのタイプの人工芝は持参しなかったで、何所で忘れたのかがあやふやになっていたのかも知れない。そう思うと、やっぱり、このマットは小生が忘れたマットの様だ。と言うことにしてそのマットを回収する。念のため、知り合いに聞いてみたら、このエリアでそのようなマットを使っている人はいないということで、小生のものと確信した。

 で、家に帰って、この紀行を少し読み返して見たら、とあるボルダーに行く前に既に小川山でマットを忘れたことを確認しているではないか。とある岩場に忘れられるはずが無いことを確認した。

 大分疲れてしまったので、休息を兼ねてバターミルクの岩のほうに登って行く。

 先にここで登っていた人たちが一手ものの課題をやっていたので、暫く見学する。薄いカチで離陸してリップを取るとい課題なのだが、足が悪く、手も良くないので、中々難しいらしい。

 バターミルクの岩まで登ると、その上で声が聞こえるので、岩を回り込んで上に行くと、小さな岩の少し被った面の前で何人かがわいわいやっている。新たな課題の可能性を探っているようだ。

 その岩ともう1つの岩が数十センチの感覚ですい壁が向かい合っている。下地は傾斜していて高さは1mくらいしかないからチムニーという訳ではないが、そこをリップを使わずにチムニー登りで置くの岩の上に立つと言うも面白そうだと話すと、そこにいた人の一人が実際にやって見る。結構疲れたようだが、ズリズリと置くまで進んで行く。最後のマントルは倒木が邪魔してできなかったが、その木をどかせばマントルはできそうだ。

 バターミルクの岩のほうに移動したから、我々も移動する。バターミルクの岩は先ほどよりも余計に濡れているようだ。どうやら上から落ちてくる雪解け水で濡れてしまったようだ。

 仲間を探したが仲間が見当たらない。下に下りたのかと探しに行ったが玄関岩の前にもいない。バターミルクの岩に戻ってもいない。途中にも見当たらなかったような気がする。再度下まで降りたがやはり見当たらない。また登り返してきたら、さっきの一手ものの課題の前でビデオを見ている。かれはその課題を登ったらしい。で、ランジでもできるかもという。

 小生も、なんとなくやりたくなってきたので、靴を取ってきてやってみる。

 少し下に良いスタンスがあり、そこからならランジができるかもとやって見たのだが、10cmくらい届かない。全く飛べないのである。

 ランジは諦めて、仲間も一緒に、いろいろとスタンスとか探したりしたが、離陸できない。右手のホールドもよりよいところを持つと体が伸びきってしまうのである。あと数センチ手が伸びれば離陸ができるかもしれないのだが、それが届かない。諦める。

 バターミルクのほうに人がいるので、そっちのほうまで上がって見る。

 先ほどの一手ものの人たちがバターミルクに触っているらしい。

 その直ぐ下の小さな岩に人がいたので、小生はそっちに行って見る。

 少しだけ寝たスラブである。左手はガバホールドがある。右手もガバチックなホールドがある。スラブに立ちこんでカンテ近くのホールドを取れば登れそうな岩である。しかし、その一歩が立ち込めないらしい。

 そのスラブの左は真ん丸いカンテになっており、左手上のほうに縦のかかるホールドがある。下半分は少しかぶっているが、なんとなくスタンスはありそうだ。なんとなく登れるかもしれないと、そこを触って見る。

 左手はその縦ホールドだが右手が無い。知り合いがカンテの右側のフェースの大きな突起を使えばと教えてくれたので、それを右ホールドとする。最初は右下のガバポケットに足を置いて離陸して見たが次が動けない。

 再度足を探すと、左のリップの上にスメアの効きそうなところがあるので、そこに右足を乗せて離陸したら離陸が出来た。足を置き換えて上のカンテを取って、右手をリップに飛ばす。一瞬ジャリっといったような気がしたが何とか留まったのでより持ちやすいところを探す。なにしろ、リップはまだ泥だらけなのだ。

 右足を隣のスラブのガバのスタートホールドに立ってリップを探る。ほんの数センチしか泥を払っていないし、おまけにマントルで乗りあがろうとする将にその場所に数十センチに切られた木の幹が立ち上がっているのである。体を岩に被せて行くと、ちょうどその木が顎を突っつきそうになってしまうのである。

 邪魔だけど、掴むわけに行かないから、そのまま少し左に逃げて、一番左のカンテのスタンスに足を上げてやっとマントルを返す。といっても、狭いから、右膝を上げて誤魔化す。高くは無いのだが怖かった。

 下から、初登おめでとうございますとの声がかかる。えっ、ここ、誰も登ってないの。知らなかった。道理で上が泥だらけだったんだ。課題名を後で教えてくれと言われたが、まぁ、課題名は無くても良いでしょうと、一応答えておく。

 後で仲間から聞いた話なのだが、知り合いが誰かの為に磨いた課題だった様だ。そんなことは全く知らなかったから申し訳ないことをして仕舞ったようだ。てっきり既に登られているものと思っていたものだから。

 グレードはと言うことになったのだが、その右のスラブが5級ということだったので、では6級かなと答える。あれは6級じゃないというから、じゃぁスラブが4級でこっちは5級かなと答える。グレードは正直分からないから、その内誰かが付けてくれるだろうとは思うのだが。

 仲間もバターミルクを登って、再度、ビデオの為に登り返したので、玄関岩に戻る。

 さっきの課題をやって見たら、登れた。結構すんなりと登れた。

 最後のガバを取ってリップ直下のカチが取れなかったのだが、そのガバを両手で持ってカチを取りに行ったらすんなりとカチが取れたのだ。

 そろそろ4時近くなったし、一組の仲間が帰っていったので、我々もそろそろ帰ろうと言うことになる。

 まだ上に残っていた知り合いに声をかけ、帰り支度をして引き上げる。

 途中、下のエリアの入り口を通るので、序に下のエリアも案内する。

 下のエリアには被った岩があってその岩を見学に行く。被った面も登れそうとの事であった。

 途中、牛丼屋で夕食を取り、千葉まで帰る。まだ7時過ぎである。

 今回も余り遅くはならなかった。やっぱり近いっていいや。


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作成年月日 平成15年12月24日
作 成 者 本庄 章