とあるボルダーその5

2002年 6月10日記
 またまた今週も、ジムの仲間と3人でとあるボルダーエリアに行って来た。今回は用事が有って相棒はお休みである。

 金曜日の夜10時、ジムの近くの国鉄の駅で待合わせ、出発する。思いの外道は空いている。首都高でも渋滞はない。従って箱崎経由で環状線に入る。

 途中コンビニに寄って食料の買い出しをし、夜1時過ぎに駐車場に到着する。既にテントが2つ3つ張られている。我々はそこからほんの僅か離れた場所にテントを張る。

 朝、食事を済ませ、今回も現地合流の予定の仲間のテントがあるであろう場所に行くが、仲間はいない。その代わりと言っては何だが、別の人達の自動車が4台位停まっており、テントを張っていたようである。仲間と、ここも最近某雑誌に紹介されたらしいのでそれでこんなに自動車が多いのか、等と言い合う。まぁ、多いったってこの程度ではあるが。

 現地で落ち合う仲間が最近ではもっぱらそちらを使うようになった場所に行って見る。

 そこは途中道がぬかるんでおり、そこが傾斜のあるカーブの途中なので、スタックがすごく恐いと感じられて、出来れば通りたくない、夜では決して通りたくない所を通過して行かなければならない所なので、現地で落ち合う約束の仲間も、今回はその場所に行きたくないと言っていたので、今回は昔の場所にいるとばかり思っていたのだが、やっぱり、今回もそちらに行ったらしいのだ。

 案の定仲間のテントがある。それも何時もとは少し違う場所に。

 仲間の一人が既に起きており、コーヒーを入れてくれる。

 他の仲間も起き出して来る。3人だと思っていたのが4人いた。何時もの仲間の他にもう独りジムの仲間がいた。

 仲間のテントの横にテントを張り、寝袋などを置いて、別の場所に行くと言う2人を置いて、仲間の自動車に乗せてもらって、途中、さっきまでいた駐車場に寄って、5人でボルダーエリアに移動する。

 今回は何回か前に行った通称山形県エリアである。ここはこのエリアでは結構メジャーなエリアらしい。すでに踏み跡も出来つつあるようだ。

 例の日本で一番美しい初段の課題が二つある石の前に荷物を置き、それぞれがアップを始める。小生は、それらの仲間の写真を撮ろうと、デジカメを用意して、適当に移動する。

 相変わらず仲間の一人はアップが早い。既に何本かの課題を登ったようだ。

 今回の仲間の一人はこのエリアは初めてである。というか、この仲間と一緒にボルダリングに行くのは初めての仲間である。あとの3人はこのエリアの開拓者を始め、何時もの仲間である。

 小生と仲間一人とで、上に向かってずっと右の方にある一寸したクラックのある石に行く。ここにはダイクを使う一手ものの課題がある。

 何だか今日は石が湿っているようだ。前回ほど快適では無さそうだ。そういえば今日の朝は結構靄が濃かったし、気汁らしいものもしきりと降っている。

 小生が前回デッド気味に行ったと話したので、仲間はその課題をスタティックに行こうとするがなかなか出来ない。飛べば簡単なのだが。

 シャツの後ろ首の所に虫が入り込んだので、出そうと手を入れて少し動かしたら、左手中指の先を刺されてしまった。さっきから五月蠅く付きまとっていた蜜蜂だろうか。結構痛い。指の爪の生え際だからなお痛い。家を出る前に右手の人差し指の先の皮が切れて、少し剥がしてしまったので少し登る気が失せていた所にこれだから、益々登る気がしなくなってしまう。

 少し我慢をしていたら痛みが少し収まったので、アップの積もりでその右のクラックを登る。今回は少しはジャミングで登ったような気になったが、でもやっぱり実際はレイバックが入る。なかなかジャミングは難しい。

 他の仲間も集まって来る。

 続いて小生も仲間のやっている課題をやって見たがなかなか出来ない。お師匠さんはリップ下の僅かなカチでスタティックに登る。小生真似して見たが出来なかった。

 何だかんだその課題やその隣のクラックやスラブの課題で皆で少し遊ぶ。

 仲間は上の方にあるクラックが二本ある石に行く。

 小生は仲間が上に行く前に登っていた、そして前回登った、荷物を置いた岩の右少し下の方にある石のカンテを使って登る課題を独りでやって見る。

 前回は比較的簡単に出たはずのスタートがなかなか出来ない。どうやったのか全く忘れている。ホールドのフリクションが落ちていた事もあるのかも知れないが。

 やっと思い切って離陸して上のリップのガバを取り、仲間がガサゴソと登って行った、小生は前回は横に逃げたので登っていない、苔苔の所を登って上に抜ける。

 小生の後に仲間の一人が挑戦していたが、なかなか登れないようだった。

 仲間の一人が上の石のクラックを二本登る。さすが元アルパインクライマーである。その右のポケットから飛ぶ課題も登る。

 小生とここが初めての仲間は、その前に元アルパインクライマーが登った、そのクラックの右にある、ポケットでリップに飛ぶ課題を触る。

 この課題は丁度一本指の入る深い穴で身体を上げ、少し遠いリップを取って、少し右に廻り込み気味にマントルをする課題である。

 小生はこの一本指に耐えられず、前回は離陸が出来なかった課題である。

 先ず、右手の中指をポケットに入れ、左足で離陸する。そして、右足を決めて右上のリップに飛ぶ。しかし、離陸が出来ない。仲間はリップを叩く。

 ポケットの持ち方を工夫してまた取付く。身体が上がりだす。少し身体を振った状態で離陸しようとしていたが、少し正対気味で行った方が身体は上がるようだ。しかし、その方が確実に指の負担は大きくなる。身体を少し振った方が指に力が入るし、ポケットへの指の掛かりも良いのだが。

 右足を決めリップに飛ぶ。リップの少しコブみたいになった所に手の指の第二関節位までを触る。これはもしかすると何回かやれば止るかも。

 仲間はリップを取って身体を上げようとして落ちる。小生は段々離陸がきつくなって来て飛べなくなって来る。一度などは指がすっぽ抜け、もう少しで少し後ろの松ノ木様の木の幹に頭をぶつける所だった。そして、もしかすると極軽い鞭打ち症状が出るかもしれない位に首が強く後ろに振られてしまった。危ない危ない。

 仲間がさっき登ったクラックをSDで登ろうとしている。その仲間にもう一人の仲間と一緒にジャミングを教わる。

 仲間はハンドジャムを決めその手一本で石にぶら下がる。真似をするが、出来ない。これで効きそうだと言う感触はなんとなくわかる気がするのだが、実際ぶら下がると手の甲の皮がビリっと破けそうで、恐くてぶら下がれない。やっぱりテープを巻いて練習をしないと駄目なのだろうか。仲間は素手でやっているのに。

 ここは諦め仲間と一緒に下の日本で一番美しい初段を二本持つ石に移動する。

 下から一人登って来る人がいる。どうやら仲間の知り会いのようだ。下の駐車場の自動車を見て登って来たらしい。少し見学して帰る。

 少し休んで、皆で少し上の藪の中の被った面を持つ岩に行く。ここにはカンテから上のリップに飛ぶ課題がある。仲間の二人が飛ぶ。しかし、小生は、芸風ではないので、何とかスタティックに行こうとする。

 カンテにヒールフックをし、リップの左の方を持ってから皆が飛んで取ったリップを取りマントルを返す。しかし、そのヒールフックをした足が木の枝にかかっていたらしい。で、真の成功ではなくなってしまう。悔しいから再度何とか登ろうとムーブを探る。

 カンテにヒールフックをするとどうしてもトウが木の枝に触ってしまうので、このヒールフックは使えない。仕方が無いから一度カンテを中継しリップの左を取ってからリップの真上を捕らえマントルと言うムーブを探し当てる。

 少し間を置かずにトライしてしまったので、最後のマントルでよれよれになってしまったがなんとか上に抜ける事ができた。続けてその仲間の一人が小生のムーブを真似したが、結局出来なかった。

 最初から今回はここの一番日本で美しい初段のうちの一つをやりたいと言っていた仲間がその奇麗なクラック、と言ってもジャミングを使う訳ではないが、の課題に挑戦する。

 この課題は右手ポケット、左手クラックでスタートし、一手上げた左手のクラックに右手を添え、左手をその上のクラックに上げて足を上げ、右手で右のリップ下のポケットを捕らえてマントルするという課題である。最近は結構多くの人がトライしている課題のようだ。

 仲間は何回かのトライで徐々にクラックに両手を添えて、手を上げ、足を上げる所まで行ったが、リップ下のポケットが遠くて、指がかかるが持てずに落ちる事を何回か繰り返す。もう手は届いているのだが。

 さっきのリップをとんだもう一人の仲間は、その後独りで黙々と例のポケットでリップに飛ぶ課題に挑戦し、マントルの所で撃墜されている。遂に上半身裸になり、その後何回目かでやっとカンテを廻り込んでマントルを返し降りてくる。

 その仲間と一緒に小生も少しその課題を触る。仲間は手添えをし左手を上げるところまで行く。小生はポケットからクラックを取るところで落ちる。その後何回か挑戦したが、結局クラックをとるところまで行ったが、その先は行かなかった。

 最初の仲間は、仲間に思い切って行けばリップ下のポケットはガバだよと助言を貰い、また日本一美しい初段の課題への挑戦を続ける。

 穴を持つがマントルが返らない。親指が掛かるよと再度助言をもらい、また挑戦する。

 下の方から声が聞こえ、犬が見える。また山梨の人の犬かと見ていると、黒と灰色と二匹の犬である。何時もの山梨の人の犬では無さそうである。

 段々犬が近付いて来る。二匹の犬は紐で結ばれている。そして、結構大きい。我々の回りにまとわり付いてくる。石の下をうろつく。

 石の上ではリップ下のポケットを取った仲間が最後の力を振り絞り必死でマントルをかえそうとしている。普段あまり見る事のないほど必死な状態が伝わって来る。

 下では今上がって来た大きな犬が二匹、ハアハアいいながらうろついている。誰かのパンの袋を咥える。それを仲間が取り戻す。そんな騒動が繰り広げられている。

 そんな中を仲間は、結局マントルをかえし、上に抜ける。

 丁度その時、下から犬の飼い主と、その仲間が登って来る。犬の飼い主は仲間達の知り会いであり、小生もジムや岩場で何回か会っている人である。

 みんなで降りて来た仲間を祝福する。

 その課題の左には、一寸見には3級くらいにしか見えない難しいカンテがある。まず普通の人では離陸すら出来ないであろう。その課題を仲間が触っいる。そのスタートは変態チックだよと教えて上げる。しかし、見当が付かないようだ。で、初登者にムーブを教わる。改めて変態チックである。因みに二段だそうだ。

 そろそろ、少し藪を漕いで行かなければならない前回行った場所に移動する。既に4時近かったと思う。

 このエリアに入った途端になんかの虫に刺されたように足がかゆくなりだす。そう言えば前回もそうだったような気がする。仲間は漆の所為だといっていたが、今回の仲間が二人とも足がかゆいと言っていたから、多分なにかの虫だと思う。

 仲間の一人は前回プロジェクトとなっていた結構奇麗なカンテを登りに行ったようだ。我々はその下の逆層の悪そうなスラブの1級をさわる。

 アルパインの仲間が上の抜けぐちの一歩手前まで行くがそこからの一歩が踏み出せず飛び降りる。別の仲間は、実はこの仲間は沢イストであった事が後に判明したのだが、離陸して次の足に乗り込む所で剥がされる。小生は、離陸が出来ない。左の方の沢イストが掃除して磨き出してくれた縦ガバを使ってようやく離陸出来たが、その先が動けない。アルパインの仲間と沢イストの仲間が何回も挑戦するが結局登れない。

 上に行った仲間の所に行くと、そのプロジェクトを登ったらしい。ムーブ的にはそれ程難しくは無いらしいのだが、下地が悪く、最後は飛ばなければならなかったらしく、なかなか出来なかったようだ。

 一応一段落とし、天場まで戻る。別行動の二人は既にテントに戻っており、焚き火で夕食の支度をしていた。

 実は我々合流組は、夕食は近くの店で蕎麦でもと言っていたのだが、既にその蕎麦屋は店を閉めているであろう時間である。それに、前夜、皆が食料を買い過ぎた感が有り、夕食一食位なら何とかなりそうだとのことで、食事に出る事無く、それぞれでパンを食べたりラーメンを作ったりで夕食をする。

 その後、焚き火を囲んで皆で色々な話をする。実はそこで仲間の一人が沢イストである事が判明したのだ。

 途中9時頃に下山して来たパーティーがいる。どうしたのだろうか。完全に遭難であろうとか勝手な事を話す。

 何だかんだ11時過ぎまでお話をしてテントに入る。

 翌日7時過ぎに目を覚ます。外に出てうろうろしていたら前泊組の一人が起きて来て、焚き火を初めて、コーヒーを入れてくれる。

 暫くして皆が起きだし、朝食の後、前泊組と一緒に来た仲間の一人を我々の自動車に乗せて帰る事に決めて、全員で駐車場に移動する。

 今日は前回の細波エリアにでも行こうかとの事であったが、おはようスラブに行く事になった。

 ここには前回登れなかった6級の課題がある。ぜひとも今回登らなければ。

 一応、カンテの多分10級であろう前回は途中、上の方で少し右のフェースに逃げた課題をアップで上までカンテ通しで登って見る。上のカンテは苔を十分に磨いていないから傾斜は無いが少し恐い。

 アップも済み、正面のスラブも登ったアルパインな仲間にその6級のスラブの課題を登ってもらう。

 簡単に登る。やっぱり6級なんだ。小生も何とか最後の詰めの少し下で少し思い切ってポケットに足を上げて、リップのホールドが殆ど無い傾斜の緩い所を何とか乗っ越す。相当に腰が引けていたらしいが。確かに恐かった。

 今回新たに磨いた左の面の課題を触って見る。出だしが核心のスラブらしい。で、出だし核心は殆ど離陸出来ないとの小生のセオリー通り離陸が出来ず敗退する。要するに身体が硬くて足が上がらないのである。この課題はそういう理由で離陸出来なかった訳ではないが。

 上の方の二段の課題のある石に行き、アルパインな仲間がその二段の課題に挑戦する。しかし離陸がやっとのようだ。

 その右の壁にまた課題を設定する。苔苔の掃除不十分の課題である。例によって、掃除をすればやさしいらしい。掃除を完全にまだしていないから小生は登らない。

 ここは石がその二つだけだから、昼少し前に次のエリアに移動する。

 移動先は前回我々が橋の上から見物し、仲間の一人が偵察した沢沿いのエリアである。場所はおはようスラブの下だから、その沢沿いに移動する。

 結構ハングした丁度腰から胸位にリップを持つ横長の石を見付ける。近寄ると結構深いルーフがあるらしい。ルーフと言うか、隣の石との境目がジャムを決めるのに良さそうな状態になったルーフらしい。小生が少し磨いて運動靴で登った石とそのルーフの石との境目を上から掃除をする。すると、その石との間に少し隙間が現れる。

 先ずは奥の方からルーフにハンドジャムを効かせながら出口まで移動するムーブに挑戦する。お師匠さんやその仲間、アルパインな仲間等が挑戦をするが、狭いからジャムは決まるものの動けないらしい。何回も挑戦するが、半ば諦め、出口からの挑戦に切り替える。が、これも悪いらしい。

 ほぼ全員がこのルーフに集まり、中を覗き込んでいる間、沢イストの仲間は右の方のマントルを一生懸命やっている。

 皆がほぼ諦めかけた頃、少し遅れてこのルーフの課題に参戦したお師匠さんの仲間が、他の人とは違う向きで出口の所をあっさりと登る。他の人達は隣の小さな石の方に顔を向けていたのである。

 アルパインな仲間がその石の左の少し高い石を登り、お魚天国と命名する。4級位らしい。他の仲間二人が登ったので小生もやって見る。

 例によって出だしが出来ない。少し高く足を上げなければならないのだ。で、何回かムーブを探り、やっと離陸する。後はムーブを見ていたから、そのホールド、スタンスを辿って上に抜ける。少し高いから上に抜けると結構楽しい。やっぱり少し高くて少し恐いやつは易しくても楽しいのだ。

 上に抜けると、その上の石のカンテをアルパインな仲間が登っている。ちょっと被ったカチカチのカンテらしい。石の上からは登ったが、地面からはまだ登っていないのでそれに挑戦中のようだ。

 沢イストの仲間が石の上から登り、最後のマントルで隣の石に逃げる。上で逃げられる事が確認出来たので、小生も登らせてもらう。上のマントルが少しいやらしかったが逃げる事無く何とか抜ける。

 お師匠さんが来て、地面からカンテのレイバックで上のホールドには見え難い所を取って登る。それまでは剥がれそうなフレークを気にして、そのフェースを登ろうとしていて登れなかったようだ。

 アルパインな仲間も沢イストの仲間もそれを真似て登る。小生はさっきの試技で疲れている事を自覚したので真似はしなかった。

 戻って、ルーフ状の石のそのルーフのすぐ右のマントルをやって見る。やさしいらしいのだが、左足を少し上げ過ぎたのでマントルが苦しくなり、やっとのことで上に抜ける。

 その課題を沢イストがリップの下のスタンスでマントルする。それを真似てやったらすごく楽にマントルが返った。そんなものだ。

 この課題はアルパインな仲間がSDでやった課題なので、リップの下のホールドから何回かやって見るが、被っているからそのホールドが持ちきれず、リップの上のホールドに手が出ない。

 右の方で黙々とマントルをやっていた仲間が下地が柔らかくて沈んでしまうのでマットから出たといいながら、できたと言って来る。で、その課題を触るが、スタートの足が上がらず離陸出来ない。別の仲間は反対の足だったらしいが、楽々足を上げてマントルを返したらしい。そして、その仲間に、あなたは毎日足を上げる練習をしなければならないとまたまた言われてしまう。

 お師匠さんがどれだけ課題ができたかと聞き、仲間がこことここと答える。そして、ここが出来ないと、丁度真ん中辺の所を示す。グレードはと聞くと誰も出来ないと答える。じゃぁ2級という。確かに一見出来そうな感じの所である。

 師匠がそこのマントルに挑戦しだす。しかし、なかなか出来ない様だ。どうやら段クラスのマントルらしい。

 師匠の仲間が沢型の向かいの石を掃除し登っている。沢イストの仲間は反対側の水の流れる沢沿いの石を磨きに行ったらしい。沢イストの仲間は今回で開拓に目覚めたのだろうか、頻りと石を磨いているようだ。

 小生は師匠のマントルを見学する。しかし、なかなか出来る兆しが無いので、アルパインな仲間と沢イストが磨いた石を見に行く。ついでにその下流の石も少し見に行く。

 確かに前回お師匠さんの言ったとおり、上から良さそうに見える石は大した課題は出来そうに無い。僅かに被った所を無理してSDで出る位だ。

 戻ると、さっき師匠の仲間が磨いていた石に師匠達と一緒に来た仲間が取付いている。左右が易しそうだ。

 アルパインな仲間が沢イストの仲間が磨いた課題に取付くというので小生も行って見る。そして沢の反対側から見学する。

 ハングしたリップを両手でスタートし、足を上げてポケットを取り、上のリップをマントルする課題の様だが、ポケットとか上のリップのホールドが悪かったり遠かったりするようだ。暫く見ていたが、少し寒くなって来たので荷物の所まで戻る。

 あんまり見学ばかりも何だからと、沢型の向かいの石に行って見る。ほぼ垂壁で、リップ下に適当なカチがある。真ん中左をそのカチでスタートする。身体を上げるとホールドが現れる。それを使って上に上がるとまたホールドが見える。そんな課題だ。次はその少し右に取付く。少し高めのカチで身体を上げリップ付近のホールドを掴むがその上のホールドが見つからない。少し右を探るとガバが見つかる。なんか少し右に行き過ぎる感じはするが、疲れているからそれでマントルをする。

 さっき師匠と一緒に来た仲間が登っていた一番左のガバガバのホールドがあるように見える所を登る。下からやさしいと見えたが、出口で少しいやらしさを感じてしまう。なんか見落としている気がしてしまう。

 戻ると、アルパインな仲間が先程の課題を登ったらしい。師匠と合流組の仲間3人で見に行く。さすが師匠であっさりと登る。仲間が少し苦労をして持っていた左手のポケットを何の苦もなく持ち、従って身体が石から放せるから足も十分に見え、次の足を結構高く上げて簡単にリップを抜けて行く。因みにこの課題は納豆天国らしい。その右は納豆地獄だとか。

 沢イストの仲間が挑戦するも、そのホールドがしっかりとは持ててないから身体を石から放す事が出来ず、従って足が見えず、次に足を置けないで落ちる。何回か挑戦したが、結局その見え難い足に乗れなかった。

 我々の仲間は結構遠くから集合したので、11時までには集合場所に帰らなければならないので、何時もよりは少し早めに切り上げる。といっても師匠の仲間は既に車に引き上げていたのだが。

 今回も町営の温泉施設に寄る。所が先週の風呂となんか少し違う。湯船の中で寝る事の出来るデッキチェアみたいな所が無い。師匠の仲間にここは週毎位に男女の湯船を入れ替えるらしいと聞く。通りで前回とは違う訳だ。

 7時前にはその温泉を出て高速のインターに向かう。

 途中何処で食事にするかで多数決になる。で、ファミレスになる。このファミレスは最近新しく開店したようだ。

 ここで、ハンバーグにハンライスとドリンクバーを頼む。沢イストの仲間が頼んだ手打ちトンカツセットも頼みたかったが、途中の眠気覚ましにコーヒーを飲みたかったし、満腹にもしたくなかったのでそうしてしまったのだ。

 8時頃に高速に乗る。今夜はワールドカップサッカーの日本のチームの試合がある日である。それで多分道は空いているであろうとの希望的観測を立てるも、既に勝沼からの笹子トンネルで渋滞が発生しているようだ。

 仲間がラジオを付けようとするがスイッチが入らないようだ。小生がスイッチを押すとスイッチが入る。所が選局している所でプツッっと結構大きな音がしてスイッチが切れる。で、その後いくらスイッチを押してもラジオは鳴らない。ラジオが壊れてしまったらしい。折角ラジオを聞こうとしたのに。もう結構使っている自動車だから仕方が無いか。

 ラジオ代りに仲間が歌う歌を聴きながら進と、トンネルの渋滞はない。その先の渋滞と表示された所も渋滞はない。これなら、八王子の手前のトンネルの渋滞だけで済みそうだ。

 突然ラジオが鳴りだす。ラジオが勝手に直った様だ。早速サッカー中継を探す。あとはそれを皆で聴きながら、トンネルの出口迄の渋滞をのろのろ走って、スイスイの首都高を往きと同じ箱崎経由で10時半頃には集合場所に着いた。意外と早く着いた。やっぱりサッカー中継のお影だったのだろうか。こんなことなら毎週ワールドカップのサッカー中継をやってもらいたい物だ。

 今回はあまり一生懸命登りはしなかったが、殆ど人のいない静かなエリアでの、仲間達の楽しい、そして少々活発な会話を聴きながらのボルダリングであった。近い内にまた皆と一緒にこのような素晴らしいボルダリングを再現したいものだ。


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作成年月日 平成14年 6月10日
作 成 者 本庄 章