とあるボルダーその4

2002年 6月 5日記
 相棒と土日でとあるボルダーに行って来た。今回も先に行っているジムの仲間と現地で落ち合う手筈である。

 土曜日は、どうせ出るのが早くても朝の10時頃だろうと、夕方現地着と仲間には言って有ったのだが、朝の4時には相棒も起きたので、5時には家を出る事ができた。そんな訳で、大分手前で高速道路を降りて一般道を走り、途中ちょっと引き返して道から少し外れたその地域ではすごく安いだろうガソリンスタンドで給油したりしたが、9時20分頃には現地に着いてしまった。

 何時もの駐車場で食事をしながら10時頃まで待って見たが彼らが現れないので、彼らが何時もテントを張っている所に行って見たが、そこにはテントを張った形跡も無い。

 こんなこともあろうかと、一応聞いておいた場所に行って見る事にする。

 そこに行くための駐車場にも彼らの自動車はない。それでも一応そこに車を置いて、奇麗に整地された道を上がって行く。目的の場所は前回遊んだ場所の近くの笹藪を登って行く所らしい。その笹藪から上の方をよおく見ると岩が一部見えるらしい。

 先ずは前回行った場所を目指すが、前回は岩が下からはっきりと見えた物が今回は見えない。幾つか交差する道をジグザグに登った記憶を頼りに登って見たが、どの道だったか記憶が曖昧である。適当に登って行ったら、前回行った別の場所に出てしまった。まぁ、そこからなら前回の場所はわかるので、そこから前回の場所の前まで行きそのまま素通りして笹藪を目指す。

 顕著な沢型を一つ越えた所に笹藪というほど背は高くはないが笹原位の所が出て来る。所がこの笹原、一寸した沢型の所にちょこっとあるものとばっかり思っていたのだが、広い尾根型一面笹原である。適当な所から上を伺うが、確か良く見ると見えると言った大きな岩は見えない。誰かが歩いたと思しき笹を踏みつけた形跡も見つからない。でも、岩は見えるので、それを目指して適当に登って行く。

 暫く笹原が続くが、間もなくその笹原が切れ、中には野バラ等の交じる疎らな灌木帯になる。倒木も結構ある。でも傾斜はきつくはないから適当に岩を目指して登って行く。

 5分も歩いただろうか、大きな岩が見える。近付くと微かにチョーク跡も残っている。こんな所まで入り込んでチョークを付ける人はあの人達以外はいないだろうからこの岩が多分今回遊ぶといっていた岩だろうと思って一応写真を撮る。

 ここには回りにも岩がいっぱい有ると言っていたが、確かに岩はいっぱいあるようだ。少し回りを偵察するが、小生に登れそうな岩は無い様だ。

 既に11時を過ぎた頃だろうか。この時間にここにいないと言う事はここにいても会える確率は低そうだったし、課題も良くわからないから、以前行ったことのある場所に行くことにして、自動車まで戻る。

 その場所はその駐車場のすぐ下だったので、そのままその場所に行く。すぐそばに東屋が有って日陰にもなっているので、気持ちの良い所である。一応、その岩の名前は皇帝岩と言うらしい。

 先ずは凹角状になった所を触る。前に来た時にはその凹角の中だけの限定とかで遊んだ所だ。

 凹角だけでは出来ないからその右の壁も使って出て見たが、凹角の中のリップ下のガバまで手が届かない。気合を入れて、足とか手とかを確認して何とか上に抜ける。

 次はその左のカンテの向こう側の少々力のいる課題だ。前回は何回かのトライの末に足ブラになりながらやっと登った課題だったか。あまり良くないカンテのホールドでスタートして少し遠い左上の縦ガバを取りに行く課題である。

 スタートに少しもたついたが、なんとか足ブラになることも無く上に抜ける。

 この岩の道の側の壁は高いスラブだから、今回は最初からその壁をやる気はない。

 その壁の左の方の低い所のマントルをやって見る。リップはガバだから、リップにヒールする事も無く、そのガバホールドを引付けてマントルを返す。

 次はどうしようか。裏に廻って見ると、下がハングしたリップの上に穴が二つあり、その少し上に大きな穴がある所がある。前回、ここが登れたかどうか記憶はない。高さが少しあるからマットを敷いて、下のポケットを使って足を上げ上の大穴を持つ。適当なホールドを使ってその穴に立つともう少しでリップに手が届く。適当なホールドスタンスで上に抜ける。

 まぁ、アップは済んだ。一休みして、スラブ壁の右の無名の課題と言う、一応今回ここに来た目的の課題を触ることにする。

 どうせ1手か2手しか行けないだろうが、高さのある課題なので、一応マットを敷く。

 さあて、どうやるのだろうか。この課題は今回初めて触る課題だと思う。前回は小生のグレードではなかったから仲間の登るのを見学していた様に思う。スタートホールド位は触ったかも知れないが。

 右手は一本指の腹が掛かる穴の回りが凹んだポケットチックなホールド、左手は目いっぱい伸びてやっと届く甘いカチだったか。それで身体を上げ、上の一本指が横に入るポケットを取る。

 最初はなかなか身体が岩に付かず、スタティックに上のポケットが取れなかったが、段々取れるようになって来る。しかし、指一本が丁度入るくらいの大きさの深い穴だから、恐くて思い切ってそのホールドで足を上げられない。

 何回目かに思い切って上げた右足に乗り込んだら身体が上った。そうすると、左足は結構良いスタンスに置ける。ゆっくりと次のホールドを探るが、ホールドが見つからない。少し左の上の方にある持てそうに見えるホールドを触って見たがとても持てそうに無い。右手もそこら中を撫で回して見たが、ホールドらしきものには触らない。段々足が疲れて来て落ちる。

 少し休んで、またやって見る。しかし、既に大分疲れているのか、ポケットが取れなくなって来る。一度等はクラッシュパッドに横になってうとうとと寝てしまったが、疲労は回復しなかった。

 ここの木陰も段々日が当たるようになって来たし、さっきからずっと同じ指を酷使していたから、別の所に移動する事にする。といって、あてがある訳ではないから、山向こうのメジャーな場所にでも行こうかと話はしたが、移動に1時間以上も掛かるだろうし、今更メジャーな場所でもないと、以前一回行って、登れなかった課題のある沢沿いの場所に行って見る事にする。

 ここはメインの道路から少し入った所の沢沿いにある岩が一つだけの場所である。近くにはバーベキュー等が出来そうな一寸した広場もある。現にこの時は自動車2台分の親子連れがタープを張って遊んでいた。

 ここには嘆きの壁という2段の課題が存在する。小生はとっても2段の課題など触れないから、その左隣の課題が目当てである。

 ここも、下地にちょっとした岩があるから、そんなに高くはないがマットを敷く。

 いざ岩を前にすると、どうやってスタートしたのか忘れてしまっていて、ホールドやスタンスがわからない。スタートしてから左上の遠いホールドを取りに行った事だけしか覚えていない。

 先ずはスタートホールドを探す。右手はこんなに悪いホールドだったっけ。左もこんなにかからなかったっけ。それに引き換え、足はたしかこれを使ったようなという顕著なスタンスがある。でも、そのスタンスに乗ってスタートはきつそうだ。

 結局、その顕著な斜めカチチックなスタンスは使わず、その左下の少し引っ込んだガバスタンスを使って、両手悪いカチでスタートする。次のホールドは何処だ。

 目の前にこれ又かかりのあまり良くなさそうな縦カチがある。これだろうか。持って見たら少しは持てる。しかし、身体のまん前だからあまり効かない。身体をもう少し左に持って行かなければ。

 左には大ガバのスタンスがある。一先ずあれに乗ろう。が、ほぼ垂直の壁だが、手が悪いので動けない。その前に右足を斜めカチスタンスに上げよう。でも、やっぱりなかなか右足も上がらない。

 少し休んで、再度ホールドを検討する。で、一寸した斜めのカチを右手の少し右上に見つける。こちらの方が身体が左に来るから横に引き易い。それで、右足を上げ、左足を大ガバに開く。すると、それまで遠かった次のホールドが取れる。

 このホールドは前回は殆ど持てるホールドではなかったのが今回は何とか持てる。どうも、今回は岩の銚子がすごく良いようだ。先の課題でも結構フリクションが効いていたし。

 右足をスメアで上げて上のホールドを探る。ホールドらしい物は見当たらない。リップまでは少し届かない。リップを持つためにはもう少し足が上がっていなければならない。飛び降りる。

 段々右手のサイドカチが取れなくなって来る。身体が剥がされてしまうのだ。左足を置く場所を探って見る。それ程顕著な違いはない。足を置く角度をインからトウ迄色々変えて見る。あまり変わらない。少しアウトでキョン気味にして見る。それ程力を入れる事無く素直に手が出る。これか。

 しかし、左足を最初からアウトにするとスタートがきつくなる。スタートはインサイドで岩に身体をくっつけた方が楽にスタート出来る。

 左足をインサイドに於いてスタートしアウトサイドに踏み変える。これで右上の縦カチが楽に取れ、右足が斜めカチに上がる。左足を大きく開いて大ガバに持って行き左手を少し遠いカチに持って行く。一応ここまでの手順は完成した。

 右足を一歩上げ、身体を上げる。左足は適当な所が無いから適当に置く。リップまではもう少しなのだが、もう少し届かない。少し頑張って手を出して落ちる。

 足を少し上げて見る。少しリップが近付く。しかしまだ少し足りない。

 左の方に細い木が生えているので、その木を使って少し上を偵察する。しかし、リップは飛んで止る感じでもない。もしかすると手が止らないかもしれない。そう言えば前回ここを登った人がリップも悪いと言ったような気もする。

 同じような事を休みながら何回かやって見る。段々右足が斜めカチに上げ辛くなって来る。またリップ付近のホールドを探る。

 まてよ、あれホールドじゃん。よおく見るとエッジが少し丸まったカチチックなホールドになりそうな所がある。よしあれを使って見るか。がしかし、既に指は終わっている。再び遠いカチから身体を上げる事は出来なかった。

 まだ4時である。多分6時くらいまでは十分に遊べるだろう。しかし、今回はずっと指ばっかり使ってしまった。既に両指が効かなくなっている。少し早いが、朝5時から行動しているし、テントも立てなければならないからと引き上げる事にする。

 何時も使う沢沿いの天場まで行きテントを立てる。そして、一応先に落ち合う約束の仲間が何時もテントを張る場所に行って見るがやはりいない。

 まぁ、十分に遊んでしまったし、若し明日会えなければメジャーなエリアに行けば良いと、食事をして、ラジオを聴きながら8時前には早々に寝てしまう。

 途中相棒共々12時頃に目を覚まし、雑誌を少し読んだりしたが、またすぐに寝てしまい、朝6時頃まで目を覚ます事無く寝てしまった。

 翌日は6時頃から起きだし、ラジオを聴きながら相棒と少しお話をする。そうこうしていると、自動車の止る音がして、テントの外から「クライマーの方ですか」と声が掛かる。テントから顔を出すと、岩場のトポ集を指して現在地を教えてくれないかと言う。

 この辺は最近新しい道も出来て昔のトポ集の地図ではわかり難くなっている。一応ここはここで、目的の場所に行くなら戻って左の方にずっと行けば良いと教えて上げる。

 朝食を済ませ、9時過ぎにテントを畳む。その時、テントの中を掃除していた相棒が以前小川山で風に飛ばされて無くしてしまった物と思われるコンタクトレンズを発見する。どうやら風で飛ばされたコンタクトレンズはテントの中に飛ばされて、その後暫く持ち歩いていた物らしい。コンタクトレンズの上に何回か寝ていた訳だから、使えるものかどうか不明だが、まぁ、良く見つかったものだ。

 何時もの駐車場に行くが仲間の自動車はない。それに、昨日よりも大分自動車自体が少ない様だ。

 最近仲間が良くテントを張っている場所に確認のために行って見る事にする。相変わらずというか一段とというか、途中の道の泥濘が酷くなっている。出来ればあまり通りたくはない所だ。

 上から仲間の車が降りてくる。3人かと思ったら2人だったが。少し先迄行って折り返して来る。

 昨日は何時もの場所とは違う場所にボルダーを探しに行っていたらしい。それで、自動車も見当たらなかったようだ。

 駐車場で支度を整え出発する。昨日もそうだったが、蝉の声らしい物だと思われる物がそこら中からうるさいくらいに聞こえて来る。今日も暑くなりそうだ。

 先に聞いていた場所とは少し外れた所のスラブの岩が気になると言うことで、その岩に行く事にする。

 その岩は沢沿いらしいのでその沢の下流に道路から入ろうと行って見たら、遡るのは大変そうなので尾根を登ろうと引き返す事にしたが、その前に、その橋の上から見える幾つかの沢沿いの岩が気になると、仲間の一人が偵察に降りて行く。橋の上ではもう一人の仲間が橋の下流側の白い岩とか、お化け石燈籠みたいな大きな石が乗っかった岩とかはどうかと声をかける。

 白い石の手前の石とか最初に見に行った上流の石とか幾つか登れそうらしいが、また今度にして、スラブ岩に行くために道を戻る。

 尾根筋には、少し急だが、奇麗な道が付けられており、その道通しで目的のスラブに到着する。

 仲間は早速掃除を始めるが、小生はその少し先迄偵察に行って見る。沢には奇麗な水が流れ、細い丸木を組み合わせたかわいらしい橋がかけられている。その橋には手摺まで付いている。

 その沢の対岸の茂みに奇麗なハング壁を持った石を見付け近寄って見る。確かに奇麗な壁だが、奇麗すぎてホールドもスタンスも無い。どうも登るのは無理なようだ。でももしかすると仲間なら登れるかもとか一瞬考える。

 その先も少し行って見ると、1m位の小さな石がいっぱいあるようだ。しかし、登れそうな石は見た感じでは見えない。

 戻って、仲間に奇麗なハングの石の事を話すと、仲間も知っていて、期待を膨らませながら偵察したが結局駄目だった石らしい。仲間でも登れない石だったようだ。奇麗で手頃なのに惜しい石である。

 道に面した面は少し立っていて、大きなポケットが幾つかあり、途中から傾斜の変わる少し波打ったみたいな壁である。その右側の沢側の面は少し寝ていて所謂スラブである。こちらにもちらほらと穴がある。

 道に面した面に3本位課題を設定する。一番右のカンテ沿いは一応小生が登る。9級位か。

 相棒が沢の面の下地の整理をしてくれる。で、仲間が大まかに掃除をしてくれた面にスタンスやホールドを磨き出して課題を設定して見る。

 先ずは左のカンテ沿いである。ポケットを使って直上するが、途中高くもなって来るし、ホールドスタンスも磨いてないしで、カンテに逃げる。

 次はカンテ通しを登って見る。この岩で傾斜が一番緩い所である。まぁ、一応登る。右の方のポケットのある所を登って見る。上の方の大ガバに見えたホールドが少し外傾していたが、問題なく登る。その右のもう少しやさしい所も登る。こっちは正真正銘の10級だろう。

 真ん中の一番高い所も登って見たかったが、傾斜もソコソコあるし、顕著なポケットも見当たらないしで諦める。そこを仲間が見て、そんなに難しくなく登れるよと言う。もう一人の仲間が登って見る。やっぱり抜け口が悪いようだ。もう少しスタンスを磨けばやさしいとは言うが。

 続いて、最初の仲間が登って6級位と言う。最初に登った仲間もそんなものだろうと言う。小生も登って見る。しかし、途中まで行くが足、手がわからなくなって落ちる。

 少し休んでもう一度登って見る。今度は少し手、足を確認して登る。同じような所で行き詰まる。でも、さっきより一歩上がっているから落ちたくない。何とか頑張って見たがやっぱり駄目である。仕方が無いから、落ちそうになりながらも、右となりの課題の大きなポケットに何とか足を突っ込んで上に抜ける。相棒が登れたねと言うから、やっぱり登れなかったという。

 仲間がその上の石を掃除している。その石は最初の頃に左の方が登れるといってくれた石なのだが、なんとなく小生には登れそうに見えなかったので掃除をしなかった所である。

 もう一人の仲間がその石の真ん中辺りを登りだす。他の人はそろそろ疲れて来たから、それを皆で見学する。

 先ずスタートに失敗。悪いらしい。少しムーブを探って、両手を開いた体勢でスタートする。そして、真上のホールドを探る。なんか少し掛かる所があるらしいが落ちる。次はそのホールドを左手で持ち、そのまま左手をその上に飛ばす。その手は岩肌を触って落ちる。そこの所を何回かやって左手が持てるようになる。右足を上げる。身体は上がるが次のホールドが無いらしい。

 また石の掃除をする。最初はそこから左上に登ろうとしていたらしいのだが、そっちにはホールドが見つからないので、右の方の壁を磨く。ホールドが見つかったようだ。

 もう一人の仲間のアシストを受けつつその先のムーブを探る。で、何とか右のカンテには上がれる事を確認する。それによって登れる目処が付いたようだ。本格的にその上の壁とカンテを掃除し始める。

 しかし、その右に少しトラバースする所の下地がすごく悪い。丁度岩と棚の間で斜面になっており、おまけに木の切り株が出てる。その切り株は30cm位の細い幹が2本立ち上がっている。もう一人の仲間がその切り株の幹を鋸で切り落とす。そして、みんなで少し休憩する。

 その間に靴を持って来て、その壁の左の方の仲間が先に登った所を登って見る。スタートは大分傾斜の立ったリップの両手のカチ、右足スメアチックに出て左手をその上のガバに飛ばす。そこが取れればあとは傾斜の緩いカンテを登る。一応一撃する。でも、掃除の前はそのホールドが見えなかったからすごく難しそうに見えたのだが、要所要所にホールドが有ったので易しかったようだ。

 仲間の真ん中の課題への挑戦再開である。両手を大きく開いて僅かなポケットと、僅かなカチと右足でスタートし、左足カウンターで左手を上げ、足を踏み変えて左手をしっかり持って右足を上げ、右上のカチを捕らえる。あとはそこそこホールドがあるように見えたが、カンテの左を上に登って行く。だいたい、そんな感じで上に抜ける。グレードは二段位だそうだ。もしかすると初段かもしれないが。

 そのスタートのホールドやその上の左手のホールドを確認すると、はっきり言ってホールドではない。僅かな窪みと言うかアバタと言うか、そんな感じの所しか見えない。傾斜はほぼ垂直だからそんなホールドで石にへばりつけるとはとっても思えないホールドである。でも、それがホールドになるらしい。それで、初段か二段らしい。

 昨日見に行った場所に移動する事にする。その前に仲間の一人が移動の途中にあるプロジェクトに挑戦すると言う事で別れ、3人で笹原を分け進む。やっぱり、アプローチはこのエリアの他の場所に比べれば遠い感じはする。

 この石は猫の顔をしているようなそんな感じにカンテの上の方が見える石なので、猫頭岩と言うらしい。因みに先程のスラブはおはようスラブと言うらしい。午前中は丁度日陰になるが、午後からは日が当たるので、そう命名したらしい。

 荷物を置いて、一応この石の課題を教えてもらって、3人で暫く休みながらお話をする。

 このエリアは、小生には、何処が何処だったかわからなくなってしまっている。特に昨年以前に来た所は殆ど忘れている。印象に残っている課題も昨日行った所位しかない。そんなお話しをしたような気がする。すると、やっぱりぼけて来たかみたいな反応が有ったような気がするが。何しろ、他の二人も関東では貴重なそれも女性の中年ボルダラーなのだから。もっともそのうちの一人は訳有って現在ボルダラー休業中ではあるが。

 仲間が上の岩を掃除しに行く。小生は教わった課題の内、猫の頭の真下のカンテを登って見る。クラックの走る側から取付いて、カンテを廻り込んで、ポケットを使って足を上げてリップを取ってマントリングと言う課題なのだが、リップが悪くて、マントルをする気がしないので飛び降りる。

 その反対のカンテの課題は2手目が取れなくて出来ない。左に廻り込んだ所の下がハングした所を足を上げてマントリングする課題も手は悪いし足は上がらないしで出来ない。

 裏に廻って、小川山の汚い大岩のミニ版みたいなリスの走る面もリスが狭いし浅いしで持てず、上のガバが持てないので登れない。辛うじてその面の左の方からスタートして、上の方のガバを持って、少し浮き気味で剥がれそうでいやらしい所を何とか騙しながら持って、結局右の方に上がって行って上に抜ける。で、やっと一つ登れた。

 プロジェクトをやっていた仲間が仲間の連れと一緒に上がって来る。その人は近くにハイキングに行っていたらしい。

 みんなで上の岩に行く。この岩は斜面に寝ている感じの結構大きな岩である。その側面が垂壁になっていて、そこを登ったり、その面の下の方からカンテに出て傾斜の緩い斜面を登って行ったりと言う課題が設定できそうな石である。その斜面の掃除が結構大変そうである。

 仲間の一人がもっと上の扇の格好のように見える奇麗な斜面を持った岩の下の方のハングのリップのトラバースの課題をやりだす。右からスタートして左まで行ってそこでマントルをしてカンテを登って行くらしい。それで、右足のヒールフックが続くらしいから右足が痛くなるらしい。ホールドはそんなには悪くはないらしいが続けると悪いらしい。イギリスの何処かのボルダーの課題にすごく似ているらしい。

 みんなが面白いからと見物に集まる。結局登って、また二段らしい。仲間が最近二段が多いようだというと、それでは初段とか。多分二段だと思うが。

 遅れて来た仲間が挑戦するが、スタート後の右手の所に右足をフックして左手を飛ばす所が出来ないで落ちる。もう一人の仲間はそのスタートホールドから反対側にトラバースする課題を磨いている。

 既に6時に近くなっている。そろそろ帰り支度を始める。もう余力は殆ど無い。今回も十分に遊んでしまった気がする。

 仲間は途中の温泉に寄ってから帰ると言うので、一緒に行く事にする。ここは最近できたらしい日帰り温泉施設で、昔からの有名な鉱泉である。源泉として34度だったかと25度の温度の茶色い色をした湯船がある。34度の方に暫く入っていたが、結局は隣の普通の温度の風呂に入りなおしてしまった。

 帰りは途中まで下の道を走り、前回の御岳の帰りに食べそびれたハンバーガーで食事をして帰る。

 最初はハンバーガー一つではおなかがいっぱいにはならないかと思ったが、ポテトフライも付いているから、結構おなかがいっぱいになってしまった。

 帰りの高速道路も渋滞の表示は残っていた物の、実際は渋滞も無くその日の内に家に帰りついた。

 指はもちろん、背中も相当に使ったボルダリングではあった。また強くなっていると良いのだが。


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作成年月日 平成14年 6月 6日
作 成 者 本庄 章