とあるボルダーその21
2008年10月 5日記
土日でとあるボルダーに行ってきた。相棒は用事があったので、小生一人である。
金曜日の夜中に出発し、中央道の石川パーキングで仮眠した。既に3時近かった
朝、6時過ぎに出発すると、すでに渋滞が始まらんとしている最中だった。しかし、相模湖だったか上野原だったかを過ぎた辺りから、急に空き出した。インターの出口に次々と自動車が入って行ったから、少し不思議に感じてしまった。土曜日の朝だから、通勤という訳でも無さそうだし、ましてや、観光も考えられないし。自動車が確実に半分以下、いや1/3以下になっていたから、何だったのだろうか。
勝沼でインターを降り、石和辺りでUターンしてセルフのスタンドでガソリンを入れ、韮崎の前回寄ったスーパーで買い出しをし、瑞牆湖に向かった。
以前にもらってなくしてしまった瑞牆の地図をもう一度もらおうと、ちょうど10時ころに瑞牆湖のビジターセンターに寄って見たのだが、土曜日だと言うのに臨時休業だとかで、地図をもらうことができなかった。ここの営業時間は10時からなので、普段はあまり寄ることができないので、残念ではあった。
植樹祭会場の手前の駐車場には何台かの自動車が停められていた。その駐車場の上が阿修羅の岩なので、多分何組かのボルダラーが入っていたのだろう。
会場の駐車場は意外と空いていた。もしかしてそうかもと思える東北ナンバーの自動車が1台あったが、それ以外には知り合いの人のものらしい自動車も見当たらなかった。
支度を整え、会場のエリアに登って行った。今回は四ノ谷を中心に、徹底的に歩き回って見ようとの魂胆であった。
この四ノ谷のエリアだが、谷が広く遊歩道も縦横に走っているので、二ノ谷や三ノ谷に比べるとなんだか分かりにくいのである。以前から何回もこのエリアは訪ねているはずなのだが、その概要すらほとんど理解していなかったので、今回はこのエリアを歩き回ることにしたのだ。
遊歩道の脇道やその方向を確認しながら進んで行くと、右に遊歩道が別れているところに出た。この遊歩道は多分北の沢沿いに迂回して行く遊歩道だなと確認し、真っすぐ進むと、直ぐに左に分岐する遊歩道が現れた。これは上の遊歩道の東屋にでる遊歩道かと確認し、念のため、会場エリア内に何カ所か存在する、この瑞牆の森の遊歩道の地図を描いた看板を写真に撮って、打ち出した地図を広げて見ると、そこは十字路になっていた。
なんだかその地図と実際の道は少し違うのかもと思われたので、この遊歩道の出発点となる身障者用の駐車場まで戻り、手帳を取り出して、遊歩道の見取り図を書き始めた。
まず、左に別れる三ノ谷沿いに登る遊歩道を確認し、北の沢を渡って山形県エリア方面に行く、上の遊歩道に降りる細い遊歩道を右に分け、先程の場所まで戻った。そして、そこを少し食い違った交差点のように描こうとしたのだが、地図に落とすと、結局はほぼ重なってしまう程の食い違いだから、結局は変形の十字路のように描いてしまった。地図は違ってはいなかったのだった。
北の沢沿いの細目の遊歩道は前回何回か歩いたので、そのまま真っすぐ登って行くことにした。
今度は完全な十字路に出た。近くに通称アップ岩と言われる岩のある十字路だ。そこを少し右に入り、少し先で北の沢沿いに登ってくる細い遊歩道が合流することを確認し、その先が多分駐車場のトイレの水源の鉄管沿いの踏み跡に続くことも確認して、先の十字路に戻った。
その十字路を真っすぐ上に進むと、この森の一番上を小川山林道まで続く大黒岩方面に行く遊歩道を左に分ける。その、入り口に東屋のある遊歩道に入ると直ぐに通称瑞牆レイバックの岩が見えてくるはずだ。その道には入らず、なおも真っすぐ登って行った。
遊歩道は間もなく終わり、そこから二本の山道が伸びていた。左の踏み跡は三ノ谷のマントルテーブル辺りにでる踏み跡である。右というか直進する山道は結構踏まれた仕事道のようで、十一面方面に行くのに使われている道らしい。
その十一面への道に入り、そこからすぐの沢にあったはずのボルダーに行く踏み跡に注意しながら歩いたのだが、その道の沢側は結構傾斜がきつく、どうも思っているボルダーがありそうには見えなかった。その後も、沢に降りるだろう踏み跡があると入って見たのだが、それらしい踏み跡はなかった。
そんなことを何回か繰り返した後に入った踏み跡が先に伸びているように見えたので、先に進んで見ると、なんだか見たことのあるような感じの場所に出てきた。以前ジムの若者達と一緒に来たことのある岩の前だった。
ここには、ある雑誌に写真が紹介された課題があるはずだと、その雑誌の写真のおぼろげな記憶を頼りに、回りを探して見たのだが、それらしい岩は見つからなかった。
目の前の以前来た時に仲間が触っていた壁の右側を見ると、なんとなく斜めのフレークがあり、なんとなく雑誌の写真に似ているようにも見えたので、一応写真を撮ってその場を離れた。
道に戻り、そのまま少し登り、大きな岩の前まで行って引き返してきた。帰り道でも、沢への踏み跡を探したが、それらしいものは見つからなかった。
途中、三ノ沢方面に入る踏み跡があったので、入って行くと、その踏み跡は3ノ沢を越えてまだ続いていたが、岩影らしいものは見えなかったので、途中で引き返してきた。
遊歩道に出て下ると、右に入る踏み跡が出てきたので、その踏み跡で沢型を渡って行くと、マントルテーブルらしい岩が現れた。やはり、十一面岩への道は、3ノ沢沿いに登っていたようだ。そのまま三ノ沢を下った。
美しき日の前にはボルダラーが3人ほどおり、ちょうど移動の用意をしていたようだった。一応挨拶をすると、ただリュックだけを背負った小父さんが声を掛けたものだから、キョトンとした顔をしていたので、ボルダーを探していることを話し、ついでにその奥の小生の磨いたボルダーの話などをして、そのまま水平に走る遊歩道に出て、二ノ沢方面に行った。
案内板の所から下に伸びる遊歩道に入り、下って行くと、右に細目の遊歩道を分ける。そのまま少し左方向の本道を進むと、十字路が現れる。その十字路を真っすぐ進むと、芝生広場の直ぐ上で、芝生広場からくる遊歩道に合流する。そのままその遊歩道を渡り、北の沢沿いに登る細目の遊歩道に入って行った。
やっぱり、沢の流れの上に張り出し岩が気になっていたので、沢沿いを覗きに行くと、なんとそれらしい岩が沢の中に見えた。少し急な沢への降り口もなんとなく記憶がある。降りて行くと、水が流れる沢に張り出した、まさに、ここ何回となく探していた岩に間違いがなかった。
この岩は、その沢の流れの上を少し斜め上にトラバースして行く、確か4級位の課題があり、初めて来た時に、皆が登ったのに、小生は時間切れで登れなかった岩なのだ。そこがどうしても登りたくて、暫く前から、此処に来る度に探していた岩なのだ。
見ると、大分苔が戻っていた。どちらかというと、スラブチックな岩だから、苔は結構邪魔になる。見た目、はっきりとしたホールドもスタンスもほとんど見えない。確か離陸核心ということだったが、やはり、一人ではリスクが大きい。ということで、折角再会したのだが諦めることにした。
遊歩道に戻り、再度沢への降り口の位置を確認し、上に登っていった。
再び、アップ岩の先を北の沢方向に入って行った。沢沿いには送水管が敷設されているから、それに沿って結構はっきりした踏み跡がある。しかし、適当なボルダーはほとんど見当たらない。
短く切った丸太を積んだ山が現れる。なんだか以前その丸太の山を登ったり降りたりしたかすかな記憶はあるのだが、その付近にはボルダーの影は見えない。
少し戻って沢を渡り、反対側の小尾根を登ると、また沢が現れた。この辺は小さな沢が何本か平行に入っているようだ。その沢の奥には確か前々回の時に触ったクラックの壁がある。その尾根のそこから下は、結構広くなっていて、傾斜もなく、踏み跡も下っていたので、そのまま下って行ってみた。
大分広くなった所にちょっとしたボルダーが現れた。下流面に回って見ると、僅かに寝た壁の真ん中におもしろい格好の皺があった。高さは2mちょっとくらいか。もちろん磨かれた形跡は見えない。最も、沢沿いの樹林帯の中だから、苔は直ぐに戻ってしまいそうだから、以前にだれかが触った可能性は十分にある岩だ。なんとなく楽しそうだったので、触ることにした。
まずは真ん中の皺の多い易しそうな所を触って見た。所が、スタートのホールドが以外に悪かった。足の位置もよくはなかった。仕方がないから、少し手を広げた所の、いくらかかかるホールドを探しだし、少し左のスタンスで離陸して見た。離陸はできたが、次に動けなかった。
足を見直したり、上の方のホールドを探ったりした結果、何回目かにやっと上に抜けた。最初に見た時は簡単に登れると思ったのだが、意外とてこずってしまった。
その右側には、ちょっとした小さなポケットが見える。しかし、傾斜は左よりは幾分立っている。見た目はそちらの方が難し目だ。
最初からリップ下のポケットからスタートすると次はリップなので、その下のより小さいポケットで離陸し、少し指の入るポケットでリップを取りに行ったら、リップが留まらなかった。うっすらと苔もあった事もあって、フリクションは最悪だった。
岩の上に回り、うっすらと生えた苔は落とし辛かったので、リップの端っこの方の苔が厚く着いている辺りを少し剥がして見た。わずかな皺が現れた。
下に戻り、デジカメをインターバル撮影にセットし、登って見たら、その皺でなんとか登ることができた。
インターバル撮影を解除するため、デジカメに近づいて行ったら、デジカメのシャッター音が何回か聞こえてきた。通常は10秒間隔に撮影するようにセットしているので、シャーター音は聞こえても1回のはずだ。何回も聞こえるのはおかしいと、デジカメの撮影画像を確認すると、なんだかものすごい数の誰もいない岩の写真が写っていた。なおも確認を進めると、まるでこま落としの映画を見ているような画像が現れた。そうか、多分インターバルを1秒に設定してしまったのか。納得して、人の写っていない画像を一生懸命削除した。
画像を削除しながら考えた。ボルダリングの動画を撮影するには結構な記憶容量を必要とする。それでいて、そこから得られる情報は、1秒間隔くらいのこま落としの画像とそんなに大きくは変わらない。特に誰も知らない岩を登っている動画であればなおさらだ。であれば、今はだいぶん安くなった大容量の記憶媒体を買い込んで、これからは1秒のこま落としの撮影をすることにするか。そうすればムーブの確認はできるであろうから。我ながらよい考えが浮かんだと、一人ほくそ笑んでしまった。(後で分かったことだが、5秒間隔でしか設定はできなかった。で、実際は5秒間隔だったのだ。5秒って意外と短かかったのだ。)
支度をし、その下の方に進んで見たのだが、その辺りから下にははっきりした踏み跡はなく、北の沢らしい沢の側壁の傾斜も立っていたので、行き詰まり状態だった。仕方がないから、適当なところで北の沢を渡ろうと、かすかな踏み跡を頼りに、北の沢の側壁の方を何カ所か探って見た。その中に、先程やっと見つけた沢に架かる岩が沢の中に見えるところがあったのだが、側壁の傾斜がきつく、沢に降りることができなかった。結局クラックのある岩の辺りまで戻らざるを得なかった。
そんなに歩き回った訳ではないのに、なんとなく疲れてしまったし、昼ごはんはおろか朝ごはんも食べてはいなかったことを思い出し、一旦自動車に戻り、コーヒーでも飲もうと、駐車場まで下って行った。
自動車に戻り、コーヒーを沸かそうとしたのだが、近くに何やら服を着替えている独りの人が見えたので、その人の近くまで行ってみた。すると、その人がマットを背負って歩きだしたので、話しかけて見た。長野の方だった。ここに一人で来るくらいだからと、ハングのマントルの課題のある岩を尋ねて見たら、知らないとのことだった。ついでに、写真を見せながら、その近くにあるだろう、被った面をもつ岩も聞いて見たのだが、クリカラではないかと言うから、そうではないというと、ならばその石は知らないとの事だった。
序でに、昨日行って、よくは分からなかった雑誌に写真の載った岩のことを聞いて見たら、やはり、小生がもしかしてと思ったところは違うようだった。その岩の上の方との事だった。
荷物も担いできていたので、そのまま一緒に上に登って行き、その方とはすぐに別れて、またまた一人でハングの岩を探して歩き回ってしまった。で、気が付くと、結局山形県エリア方面に歩いていた。
阿修羅のある岩には何人かのボルダラーがいたので、そのまま少し右下に下ったところにある3級の課題のある岩に行くと、そこにも何人かの人がいた。仕方がないから、その先の多分下のほうにあるだろうクラックのある岩に行こうと、なおも進むと、ノペッとした面をもつ大きめの岩の前に出た。その前には、独りのボルダラーがいた。その岩はたしか以前仲間が登るのを眺めていた岩だ。先人がその岩の右の方を一生懸命眺めていたので、左の方に課題があることを話し、仲間が登っているところの写真を見せて上げた。その人は、右の方に挑戦しているのだが、いまだ登れていないとの事だった。
その人にクラックのある岩を聞いて見たら、上の方にある岩を教えてくれた。確かこの近くにあるはずだというと、それは知らないと言った。仕方がないから、付近を適当に探したら、やっと見つかった。
以前、その岩を磨いた時はもっと見通しがよかったはずなのだが、既に苔はもちろん、回りの草も結構背が高く生い茂っていた。恐らく触る人はいないのであろう。
クラックを見ると、いくらか開いている、フィンガーからハンドサイズというところだった。手を入れて見たら、ハンドにはならず、フィンガーでも無さそうな、なんとなく中途半端なサイズだった。
一応支度し、ジャミングをして見た。なかなかカチッと決まるところが見つからなかった。少し斜めにもなっているから、なおさら良さそうな場所が見つからなかった。それでも、わずかに寝ているから、指の付け根辺りまで4本の指を突っ込んで、離陸をして見た。ジャムではなく、レイバックチックになってしまって、うまいこと指が効いてくれない。せめて手だけでもクラックをと、やって見たのだが、リップに手がでない。
この石、高さがないから、2歩か3歩上がればリップに手が届くのだが、その、あと1歩がなかなかでないのだ。何度かの試行錯誤の後、手は一応クラック限定で上に抜けることはできた。多分にレイバックチックになってしまったのだが。
このエリアに来たのは、実は、上の方の、四段の課題のあるスラブの写真を撮るためだったのだ。その岩に行ってみた。
その岩の前には男女3人のボルダラーがおり、そのうちの男性二人が、真ん中の課題に取り付いていた。確か二段だか三段のはずだ。ちょうどよかったので、その姿を撮影させていただいた。で、序でに少しお話をさせていただいた。
その時、その横にあるランジ一発の課題の岩を紹介すると、興味を示されたので、その人達と一緒にその岩に移動した。
若い方の男性は簡単にランジをしたのだが、より小生に近い男性は、スタティックに行くと、中継場所を探したりしたのだが、結局は最後には跳んでいた。
相棒との連絡とか、前回の時に買った群馬のインスタントラーメンメーカのベビーラーメンを買いたかったこともあって、川上村のスーパーに行きたかったので、少し早めではあったが、下ることにした。
多分、7時ころまでは間違いなく川上村のスーパーは営業しているだろうとは思ったのだが、川上村まではそう近くはないので、万が一のことを考え、早めに山を降りたのだったが、そのスーパーは冬でも8時までは営業しているようだった。
お弁当でもと思って来たのだが、そのお弁当は、2つか3つしか残ってはおらず、気に入ったものもなかったので、焼き魚や佃煮などのおかずを買い込み、目当てのラーメンを買い込んだ。
自動車の中で、相棒からのメールを確認すると、着信はなかった。相棒にメールでもと思ったのだが、次に受信できるのは明日の夕方になってしまうので、メールはしなかった。何しろ、小生のメールはピッチ経由なものだから、皆さんのような携帯メールとは違って、少し田舎に入ると通じなくなってしまうのだ。
瑞牆の森の駐車場に戻ると、既に暗かった。自動車の中で湯を沸かし、自宅から持参した白ご飯と買って来たおかずで夕食を採り、後はすることがないし、朝も早かったので、寝るには大分早い時間だったが、寝てしまった。
翌朝、やはり、暗いうちから目が覚めてしまった。そこをなんとか我慢しながら明るくなるのを待っていた。しかし、やっぱり6時過ぎにもう行動を開始してしまった。どうせ、その日もメインは会場歩きの予定だということで。
昨日聞いた、まだ見たことがない課題を確認すべく、昨日のエリアを目指した。既に昨日、この瑞牆の森の遊歩道はあちこちと歩き回っているので、迷う事なく山道に入ることができた。その道を登っている途中、相変わらずまだ発見できない岩を求めてキョロキョロウロウロして見たが、無駄な努力だった。
昨日もしかしてと写真を撮った岩から、その上の場所に登る方法を探したのだが、斜面の傾斜も強く、結構大きめな岩も横たわっているので、あまり楽そうな方法は見当たらなかった。
その少し上の、初段だか二段だかの課題のある岩まで行き、その回りを探ると、その岩の左側からなら、そう苦労なく、上の段に登れそうだったので、そこを登って行った。
上の段に出ると、その少し先に、確か昨日教わった岩ではないかと思しき、そんな感じの岩があった。目的の岩はそこから見えるとのことだったが、回りにはそのような岩は見えなかった。
おかしいなと思いながら、辺りをキョロキョロ見回し、目をこらして上方を探ると、上の方に、木々に隠れて、なんとなくそんな感じの岩陰が見える様な感じがした。目を細め、メガネを少しずらせてその方面を注視すると、確かに白目の大きめの岩が見えた。
あるんだかないんだかよく分からない、踏み跡のような、そうでもないような踏み跡を進むと、あまりきれいとは言えない、結構大きな、結構被った面をもった岩がはっきりと見えて来た。
ちょっと傾斜のきつくなったところを登り、岩の基部に出て、左側の被った面を見に行くと、その大きな岩から地面まで、結構枝の張った木が倒れかかっていた。その木は、被った面の左の壁に掛かっており、写真を撮るには大分邪魔であった。しかし、その木を片すには結構な労力を必要としそうだったので、片付けることはしなかったが。
まず、写真のアングルを探って見た。やっぱりその木が邪魔だった。少し離れた場所に三脚を立て、アングルを決めて岩の基部に戻った。
被った面の傾斜は相当にある。多分135度以上はあるだろう。その面の少し右の方に、結構な掛かるホールドを提供している厚めのフレークがある。しかし、そのフレークは途中までしかなく、その先は小生にはブランクスペースに見える。傾斜からすると、多分ホールドはない。
写真の課題はどこなのだろうか。そのフレークのラインをたどるとすると、その被った面の一番高いところに出て、そこから立ち上がる垂直の壁を登ることになるのだが、その上は木の根が複雑に絡み付いた感じの壁になっていて、どう見てもそのラインは登攀は無理そうに見えた。やっぱり、左側のあまり掛かりのよく無さそうなフレークから、左側のリップの真ん中辺でほぼ垂直に立ち上がる少しガチャガチャした壁を登って行くしかないように見える。それにしても、最上部は木の根が絡み付いている。それに、チョーク跡はほとんどというか、全く見えない。ラインは分からなかった。
結局は、小生にもぶら下がれる右側のフレークにぶら下がって写真を撮った。しかし、被った面は暗くしか写ってはおらず、なんとなく岩の全体の雰囲気しか分からない写真しか撮れなかった。
そのハングの下に横たわる岩の上にデッキブラシとロープが置いてあった。だれかがこの岩のどこかを磨いているのかも知れない。
デジカメを収納に行くと、そこからちょっとした尾根上を下る結構なはっきりとした踏み跡が見えたので、少し偵察に行くと、その踏み跡はその先で右側の沢に降りて行っていた。もしかすると、また別のアプローチ道かもと思われたので、帰りに調べることにした。
くる時に見た、昨日教わった岩の壁が気になったので行って見た。高さは3m位か。ほぼ垂直で、リップの下にポケットが2つか3つ見える。しかし、リップ辺りから染み出しており、ちょうど登れそうなラインが一部濡れていた。おまけに、そのラインの取り付きのすぐ後ろは一段低くなっており、落ちると結構危険な状態になりかねない様に見えた。
一瞬迷ったが、一応取り付くだけ取り付いて見ようと、デジカメをセットして取り付いて見た。
離陸は簡単だった。濡れた上のポケットを引き付け、その次のホールド探ったが、もてそうなホールドは見つからなかった。
先に偵察した踏み跡を下ると、沢をわたり、結局は登って来た仕事道の近くに出た。そのまま来た道を下り、瑞牆の森まで戻って行った。
次は、小川山林道から入ってくる遊歩道の地図との照合だ。
東屋のある遊歩道に入り、ニノ谷方面に向かった。
ニノ谷で、以前下った踏み跡に入って見ると、見覚えのある岩が現れた。しかし、踏み跡とその岩との位置関係がなんだか違う気がした。しかし、そこを下ったのはもう何年も前だし、季節も多分違うだろうと、その岩の前を通り、その先に続く微かな踏み跡を進むと、いくつかの岩が現れた。しかし、興味をそそられる岩はなかった。
先の岩まで戻り、その下に進むと、すごくぬかるんだ場所に出て来た。そうだそうだこのぬかるみだと、昔を思い出し、そのぬかるみをなんとか避けるルートを探しながら進むと、見覚えのある岩の横に出た。
その岩を回り込むと、昔触って登れなかったちょい被った面のポケットの並んだ壁が見つかった。
この岩は、あまり写真を撮ってはいなかったので、確か岩茸畑とかいう課題のあるところを触っている写真を撮ることにした。
ここは結構広い目の沢の中だから、ちょうどその課題の取り付きのところが少し泥濘んでいた。しかし、本気で登る訳でもないからと、デジカメをセットし登って見た。やはり、確か1級くらいだったかなので、2歩程しか登れなかった。
その岩のある沢の側壁というか、斜面の傾斜はほとんど無い。下草もほとんど無い。楽に歩けそうだったので、登って行ったら、ほどなく遊歩道に出た。やっぱり楽だった。
遊歩道のすぐ脇に、通称奥歯岩と言われたりする岩がある。その岩は既に何回となく遊んだ岩なのだが、まだ写真を撮ってはいなかったので、写真を撮ることにした。この岩は、ほぼ真四角の立方体をしている。従って、壁はほぼ垂直から僅かに寝ている程度だ。高さは、高いところでも3m位である。
先ず、遊歩道から見て右側の壁を登って見た。ホールドは細かく、少しだけむつかし目のところだ。前回登った時は、結構時間がかかった記憶がある。まぁ、細かいカチカチ系だから、得意といえば得意な分野だ。
先ず、右のカンテよりのところを窺って見た。離陸はできそうだが、リップ下にホールドが見えない。左側を探って見た。左上の方に小さなピンチチックな突起が見えた。そういえばそんなのを使ったような。
右手、左足で離陸し、その小さな突起を左手でつまんで、右足を上げて乗り込んでみた。右手は、それほど効いてはいない極薄いmmカチだから体が剥がされてしまった。
次は、右足を先程よりは低い所に求め、身体をジワジワと上げ、右手を出してリップに跳びついた。取れた。
よしできた。写真としては、人が張り付いている映像が撮れれば用は足りるのだが、折角だからと、遊歩道の反対側の一番高い壁を登ることにした。
先ず、左側。難しそうだから直に諦めた。では、右側か。でも、離陸に右側のカンテを使ってしまった。後は大ガバがあるからそれと、またまた右側のカンテを使って上に抜けた。
遊歩道を少し先に進むと、そこはちょうど以前磨いたスラブの岩のある谷辺りで、そのスラブの岩方向に踏み跡がはいっていたので、そのままその谷を登って見た。
傾斜はそれほどはない。左側に沢型が入っている。その沢沿いには適当な大きさの岩がぼつぼつと転がっている。それらを偵察しながら登ると、おもしろそうな感じの大きなポケットを持った岩が現れた。
早速触って見た。しかし、2手くらいしか進めず、その先のホールドは持てなかった。その大きなポケットに乗り込めばなんとかなりそうに見えたのだが、以外と手ごわかった。
その岩の周りにも岩は幾つか有るが、遊べそうな岩はそれくらいだったので、最初に見えたスラブの岩まで戻って、それを登ることにした。
確か以前磨いたはずなのだが、苔が薄っすらと戻っていた。この薄っすらと言うのが曲者なのだ。厚く苔が付いていれば、手で剥がすことができるのだが、薄っすらと、まばらに着いていると、手で毟るわけには行かず、どうしてもブラシが必要になるのだ。それも、歯ブラシ程度ではたかが知れている。どうしても少し固めのブラシでゴシゴシやりたくなるのだ。仕方がないから、右側の寝た丸いカンテのポケットが幾つもある場所を登って見た。手はかかるから、足が滑ってもまぁ、落ちることはない。とはいえ、足がポケット以外では心許無く、少し怖かったが、何とか上に抜けた。
先ほど、沢の中から上を見たときは上のほうの傾斜が結構急になり、登りにくそうに見えたので、こちらの尾根に戻ってきたのだが、その尾根は傾斜はあまりなく、上のほうまで楽に登れそうに見えたので、その尾根を登って見た。少し登ると、なんとなく踏み跡のように見えるところが現れた。そして、その辺りからその尾根はいくらか痩せて来て、傾斜もいくらか増してくる。そんなところを踏み跡は右の方にトラバース気味に伸びているので、進んでいみると、途中で踏み跡は消えてしまった。辺りを伺っても岩陰はありそうになかったので、また沢筋に戻り、その沢の中に見える岩の方に登って行った。
そこらへんから先は傾斜がきつくなっているから、結構きつい登りになって来た。なので、途中から帰ろうかとも思ったのだが、上の方には大きめのボルダーも見えるので、頑張って登って行った。
やっとの思いで大きめの岩に近づくと、大体の岩がのっぺりとしたホールドもスタンスもない、花崗岩の壁だった。
そんな中に、結構急な斜面に、小振りな、おもしろそうに見えた岩が現れたので、触って見ることにした。少し下のいくらか傾斜のゆるい場所にデジカメをセットし、這うような格好で岩に近づき、その岩を触って見た。思った以上に易しかった。
デジカメの場所から少し沢床の方に入ると、結構被った面の中にスタートに持って来いのガバホールドがあり、その先にも少し遠目ではあるがホールドになりそうなところが見える岩が見えた。傾斜が立ってくる、リップ辺りにもカチがある。僅かに高さが足りない感じではあったが、多分SDならそれなりに登れそうな岩だった。元気ならば触ったのだが、既に大分疲れ気味だったので、写真だけ撮った。
完全に疲れてしまっていたので、そこを終点にして下って行った。
遊歩道にでると、子ずれの夫婦がボルダーマットを背負って立っていた。一応あいさつをし、先ほどのスラブを紹介して上げた。
そのまま遊歩道を先に進み、小川山林道方面に進むことにした。瑞牆で小川山林道って変に思うかもしれないが、不動沢沿いに延びる林道である。
一先ずこの遊歩道の出発点となる林道まで行ってから、地図上で位置を確認し戻ってきた。途中、零ノ谷を横切る、といっても、多分零ノ谷だろう場所ではあるのだが。その谷の上の方に以前行ったルーフのボルダーがあるのだ。
それらしい谷に入る踏み跡を見つけ出し、入ってみた。直に消えてしまった。適当に見当をつけて進むと、また踏み跡のようなものに出た。林道まで行くときにこの谷を偵察した時に、沢の中にも踏み跡を確認していたので、その踏み跡かと、その先に進むと、尾根筋に出る方向に少し進み、また直に消えてしまった。多分、その尾根筋を登れば登ってゆけるのだろうが、時期が時期だし、一人だしと、引き返すことにした。
先ほどのスラブの岩を見上げて見ると、先ほどの子連れの方が、左側の方を登っているのが見えた。そっちって、多分結構苔がついていたような。
ニノ谷の先の東屋の所から遊歩道を下り、そこから芝生広場までの間に点在するボルダーを探って見た。多分、今までにその辺で遊んだ記憶は殆どない。やっぱりそそられるボルダーは見当たらなかった。
芝生広場の上まで戻り、今度は、一番下のほうからニノ谷沿いに登る少し細めの遊歩道に入ってみた。
二ノ谷から三ノ谷の間の下のほうはなだらかな結構広い尾根になっている。遊歩道を外れ、その、尾根と言うか広い斜面を下って見た。所々、1mから1.5m位の長さに切られた丸太が置かれている場所がある。その為か、僅かな踏み跡が切れ切れに入っている。それらを拾い拾い歩いて見たのだが、めぼしいボルダーは見当たらなかった。
戻る途中、行くときにも気になっていたボルダーを見に行ってみた。細めの遊歩道から僅かに入った所だ。三角お結び見たいな格好をした横に皺の入った岩だ。多分易しいはずだ。
右側の真っ直ぐ天辺を目指すラインを登って見た。やっぱり難しくはなかった。続いて、左側を登って見た。一応右斜め上の天辺を目指そうとしたのだが、真っ直ぐ登ってしまって、カンテ沿いに天辺に行ってしまった。
本日も朝早くから行動したから大分に疲れてしまった。そういえば昼飯もまだだった。その岩の前で持参したパンを食べた。遊歩道からは丸見えだった。しかし、その間、遊歩道を歩く人は誰もいなかった。
まだ1時を回った所だ。帰るには早い時間だ。疲れてはいる。どうしようか迷ったが、先にここに来た時に我々の前を歩いていたボルダラーが寄ったボルダーを探しに行って見ることにした。
北の沢沿いの遊歩道に出ると、どうも、その北の沢の南側というか、その北の沢の大きな沢型の場所が何本も小さな沢が入っているようで、なんだかよくは分からない場所だったので、又しても北の沢の沿いを散策することにした。
アップ岩の先で沢に出て、そのままその沢を下って見た。少し下ると、沢は少し広くなり、リュックを背負った女性がいた。近づくと、そのままその少し広めの沢のぬかるみを渡って側壁を登って行った。くっついて行くと、昨日遊んだ岩の前だった。そこにはお仲間が何人か居たので、何をして居るのか聞いてみた。ルートの開拓ということだった。
ボルダーを探して居るというと、上の方にクラックのボルダーがあると教えてくれた。そのボルダーは結構有名なようだ。
昨日遊んだ岩のすぐ脇から遊歩道に出られたのだ。登ってきた踏み跡を戻ろうとしたら、その踏み跡が分からなくなってしまって居た。少しうろちょろと探すと、大きな太い倒木の脇を抜けると、すぐに沢に降りられた。昨日は、この倒木にだまされて、沢への降り口が見えなかったようだ。
沢を渡って遊歩道方面に行くと、昨日もその前をうろついた、下部が大きなルーフになった、最初に見たときには以前から探していたルーフのボルダーと間違えてしまった岩の前だった。そういえば、その岩も昨日、本日と、何回か行き来した岩だった。
結局は、遊歩道をそのまま北の沢の沿いに下り、身障者用の駐車場の上の沢に降りる階段を下りて、山形県エリア方面に行く上の遊歩道を進み、先に考えていた岩を探すことにした。その岩は、山形県エリアに行く遊歩道の沢沿いの下のほうの筈だ。
その辺は、小さな沢が何本か入っている。確か北ノ沢と言われる天鳥川の北側の沢のはずで、地図上には1本の水線しか入っていないのだが、実際は何本かの沢がはいっている。というか、大きな沢型の中に何本かの小さな沢が入っている。そこに遊歩道の橋が幾つか架かっている。
手前から、一応すべての沢を覗いて見たのだが、それらしい沢はなかった。そうこうするうちに、山形県エリアの下の駐車場が見える場所まで行ってしまった。おかしい。そこから、下の遊歩道に下り、下の遊歩道を戻って見た。
上よりは、下のほうが岩は見える。しかし、登攀の対象になりそうなボルダーは見当たらない。で、結局出発点の階段まで戻ってしまった。仕方がないから、また上の遊歩道をより注意しながら進んだが、やっぱり見つからなかった。やっぱり下のほうだったのだろうか。何となく下のほうがそれっぽい場所があった気はするが。
再び下の遊歩道を戻りながら、沢を覗きに行くと、何となくそんな気がする場所が見つかった。沢の下の方を覗く場所を少し沢沿いに移動すると、間違いなくその場所のように見えてきた。前回来た時にそこから覗いた時は、そこを降りるのは結構大変そうに見えたのだが、今回は少し先の側壁に降りられそうな所が見えたので、そこを使って下のボルダーまで行ってみた。
その岩の下には、水源に使われるような塩ビ管が何本か置かれており、水が染み出していた。前回見たときは、その面の左のカンテ辺りを触っていたように見えたが、そのラインは小生に手の出るラインではなかった。
まだ3時にもなってはいない。まだ早いか。しかし、既に限界ではある。温泉によって帰ることにしよう。
増富温泉は、駐車場はまだ余裕があった。洗い場はそこそこ混んでいた。
先ず、何時もの通りサウナに入った。5分が経った。汗がでてこない。暑い感じも無い。10分経った。相変わらず、汗は殆どでていない。普段は10分ほどで出るのだが、汗がでないから、まだそのまま座っていた。15分が経った。薄っすら汗が出ては来たが、大粒にはならなかった。もう5分我慢した。相変わらずだったので、そこで出た。温度が相当に低かったのだろう。
身体を洗い、35度の源泉に入った。なんだか、暖かいものを感じる。何だろう。気になったので、周りを少し探って見た。すると、壁から暖かい湯が出ている場所があった。そうか、この源泉も、温めているのか。そういえば、この湯船もたしか、前回は32度と温度表示があったっけ。夏場は温度を下げているのかもしれない。
足が既に筋肉痛を発していたので、泡風呂に入ってみた。隣のおじいさんが、年金は奥さんが受給を始めると金額を減らされるとか何とか言っていた。
その湯船の脇が25度の源泉の寝湯になっている。さっきは沸かした湯だったので、そちらに移り、寝っ転がって見た。25度はやっぱり暖かくはなかった。
今度は、35度の隣の湯船の32度の源泉に入った。湯船も少し広いからか、35度よりは人が多かった。
さっき、泡風呂に入っていたおじいさんが入ってきた。そして、小生の隣の人と話を始めた。この温泉は1時間は入らないと効果がないらしい。
暫くして、その隣の人が出て行った。すると、そのおじいさは小生に話しかけてきた。そして、源泉のラジューム泉を飲んで、60過ぎれば、そのラジューム泉をいくら飲んでも構わないといった。既に半分は棺桶に入っているからとのことだった。
その源泉、以前は、1日2杯までというような注意書きと共にお猪口のような湯飲みが置いてあったのだが、最近は注意書きもないし湯飲みも置いていない。そのことを聞いてみたら、その源泉を飲んでお腹を壊した人がいるので、面倒くさいから、飲ませるのをやめてしまったらしい。源泉の状況は今までと何も変わってはいないらしい。
そのおじいさんは韮崎に住んでおられて、娘さんが住む大和にしょっちゅう行くらしいのだが、その時、大月で渋滞が17km以下だったら高速に乗るが、それ以上なら秋山方面を回って相模湖まで行くといっていた。秋山経由は小生が以前何回かやったことのある方法だが、最近は帰るのが遅くなったせいか使わなくなった方法だ。結構道が曲がりくねっており、時間も思った以上に掛かるのだ。
隣の普通の湯船に外人の二人組みが来た。そのおじいさんはその外人さんと離し始めた。そして、仕切りと「そっちはお風呂、こっちは温泉」といいながら、こっちに入らなければこの温泉に来た甲斐がないことを説明していた。
そんなこんなに付き合っていたら、結局、その湯船に1時間も漬かってしまった。初めてのことだった。
広域農道から甲府に出て、国道17号に出たのだが、その道筋には何時も使っている牛丼屋はなかったので、そのまま大月方面まで一般道を行った。
大月からの渋滞が17キロだったし、8時ちょっと前だったので、通勤割引を使って大月から中央道に乗ることにした。
中央道は談合坂から渋滞が始まるようだったので、談合坂のサービスエリアに寄った。サービスエリアは結構混んでいた。
案内板を見ると、相変わらず渋滞は解消していない。まだ8時過ぎだから9時頃まで待つことにした。
その間、夕食をと思ったのだが、昼飯用に買ったパンが残っていたので、自動車の中でコーヒーを沸かし、残ったパンを食べることにした。
自動車の中で、LEDのランプを灯し、パンを食べながらコーヒーを飲んだ。周りの自動車には、多分人はいなかった。
9時少し前に渋滞状況を確認しに行くと、既に渋滞は3kmほどになっていた。自動車に戻り、そのまま出発した。
渋滞は全くなく、11時頃には家に着いた。でも、途中結構眠たかった。
朝、早かったからなぁ。それとも、やっぱり齢なのかなぁ。