とあるボルダ−その15

2004年 9月27日記
 少し寒さを覚えて、途中何回か目を覚ましたが、最終的に7時前に目を覚ます。天気は良さそうだ。

 コーヒーを沸かしてから、昨夜仲間からもらったパンフレットや昨日もらった地図を眺めてみる。

 8時頃だったか、仲間の一人が起きだしたので、挨拶をし、朝食の準備を始める。といっても湯を沸かすだけだが。

 今回はキャベツを買ってきたのだが、昨夜はそのキャベツの1/3も使わなかったので、余らしてもしようがないからと、全て1枚1枚剥がす。

 湯が沸いたので、ラーメンを入れ、その剥がしたキャベツをちぎりながら全て鍋の中に入れる。もともと小さなキャベツの半分に切ったやつだったから、そんなに大きくは無かったが、それでも結構な量である。まるでキャベツの煮物である。

 今回持ってこようと買ってあった牛丼の具を忘れてきてしまったから、今回の食事はラーメンの麺以外は葉っぱばっかりである。それに、白菜の漬物まで付くから、まるで芋虫の食事である。昼はパンだから、炭水化物以外は殆ど無い。唯一ピーナツが蛋白源である。まぁ、短期間だからよしとするしかないのだが。

 駐車場に行くと、何時ものジムの仲間と、そのジムの若者が居る。昨夜着いたらしい。5人乗りの自動車に5人乗りで来たらしい。

 その仲間の二人はルートを登るというので、ボルダリングは都合7人ということになった。

 先ずは被った課題ということで、美しき日という課題のあるエリアに行く。

 若者3人は美しき日に取り付いたので、残りの我々は少し上のマントルテーブルという岩の付近まで行き、アップを始める。

 ここは始めての場所だから、登っている仲間の写真を撮る。

 一通り写真を撮り終えたので、支度を整え、マントルテーブルを触ってみる。

 3箇所程マントルポイントがあるのだが、いずれもリップまで足が上がらない。即諦める。

 仲間はその岩の少し下の岩を登っている。小生は、その岩の隣のガバガバの10級クラスのところを触る。何しろ、最近は10級ボルダラーを楽しんでいたので、7級以上は登れないのである。

 マントルテーブルの前の汚い岩の苔を掃除し始める。間違いなく10級くらいの課題である。おそらく13級クラスだと思うが。

 仲間の居る下の岩に行き、仲間の写真を撮る。序に、仲間が触っているカンテの右の壁の、10級だというところの掃除を始める。

 リップ直下にすごく掛かるカチがあり、その上は緩い傾斜のスラブになっている。

 少しだけ磨きだしたスタンスとそのカチホールドで離陸してみる。スラブの中にホールドを探すが、苔だらけのせいもあって、ホールドは見つからない。結構厳しそうだ。

 岩の上に廻ってそのスラブ面を磨いてみる。やはりホールドになりそうな場所は乏しい。傾斜が傾斜だから、僅かな凹みがホールドになりそうなので、僅かな凹みを幾つか見つけて磨いてみる。

 下から、そこの苔を皆剥がせば、と仲間が声をかけて来る。下にはその横のカンテにトライしている人のマットが敷いてある。人もいる。そんなに大々的に苔を剥がすわけには行かない。でも、思い切って苔のマットを剥がしてみる。

 剥がした後は泥だらけである。おまけに湿っている。掃除をしたところで、今回は多分駄目だろう。今後の雨に期待して掃除を終える。

 それにしても10級では無さそうだと思ったので、10級だと言った仲間にそう伝えると、カチホールドで離陸して、上のスラブで落ちてきて、泥が無くなれば10級だという。そんなものかなぁ。

 仲間のやっていたところを一緒に触ってみたが、今の小生の課題ではない。

 仲間がその岩の右の少し高い岩のカンテを初登する。因みに1級らしい。

 美しき日をやっていた若者達がやってくる。そして、早速そのカンテの課題を触りだす。

 その若者達3人の内の2人は普段はマットを使うのだが、何しろ5人もの荷物を積んできたわけだから、マットなどを積める状態ではなかったので、今回はマットは無いのである。

 少し高いし、下に岩が有るから、少し怖いのである。そして、実際にその岩の上に落ちてしまったのである。別に怪我は無かったが、結構怖かったらしい。

 そこをいつもマットを使わない若者が登って、やっぱりリップから落ちてくる。そして、綺麗に岩を避けて着地する。それを見て、若者が、うめーというから、小生、マットを使わないということは、ここまで気を使わなければならないのだと、一応能書きを垂れておく。

 結局、そこは、キャンパシングでリップを取りに行くという若者ムーブを発見して、若者二人が登る。

 小生は、仲間から教わったその少し下に見えるスラブの岩に10級が有るというので、一応ブラシをもって行ってみる。

 どう見ても10級には見えない。でも、一応取り付いてみる。途中ポケットがあるから、そのポケットの上までは行けたのだが、その先のリップまでの1手が出ない。

 足を探ってみたが、なんとなく滑りそうで1歩が踏み出せない。ポケットで足を踏み変えたりしてみたが、しっかりしたホールドも無いから動けない。

 一応下まで戻って、再び足を探してみる。下から見ると、傾斜はそれほど無いから、どこでも足を置けそうに見えるのだが、いざ上に立ってみると、どこも足が置けそうに無いように見える。

 それでも何とか足の置けそうな場所の目星をつけて再度登ってみる。やっぱり最後で苦労したが、何とか伸び上がってリップを持って上に抜ける。

 仲間のもとに戻ってみると、若者達は、被った課題をやりたいということで、仲間が昨日磨いていたらしい被った課題のある場所に移動していったらしい。一応残った仲間にその場所を聞いてみたが、小生は今まで行ったことの無い場所だから、後を追うことを諦める。

 すると、仲間が、ここを少し登ったら、そのエリアの方に一緒に移動してくれるという。有りがたい。

 またまた近くの10級クラスの岩を求めて少し歩き回っていた。

 仲間に案内されて、その高原エリアという場所に移動する。その場所はハイボールが多いところらしい。

 岩が見え始めるとその正面に結構高いスラブ面を持った大きな岩が現れる。仲間はそこを登るらしい。

 小生にトップロープで登るかと誘ってくれたが、高いところは疲れてしまうからとお断りし、近くの岩の写真を撮りに行く。

 結構被った大きな岩がある。その岩の天辺にはチョークも付いている。やっぱり誰か登ったようだ。

 仲間の元に戻って、若者達が行ったらしい被った課題のある場所を聞くと、横の沢の向こう側の少し下辺りらしい。適当に場所の検討を聞いてからその場所に行って見る。

 少し降って、沢に降りるであろう僅かな踏み跡を辿って沢の淵まで行くと、人の歩いたような跡が見える。そこを辿って、適当に沢を渡って、歩きやすそうな場所を辿って対岸の上のほうに登ってみる。その上は少し平らになっていて、草も少ないから適当に奥のほうに進んで行くと、人の声が聞こえてくる。その方向に少し歩くと仲間が居た。

 すごく被った壁の中からスタートし、リップに跳ぶらしいのだが、それが難しいらしい。その仲間の写真を撮って、その上にあるというスラッシュフェースとかいう課題を見に行く。

 その課題も被っている壁で直ぐにわかった。

 大きな岩の前の仲間の元に戻ると、そこからみえる少し離れた岩に10級のスラブが有るというので行って見る。

 確かに大きなポケットが一杯有って、易しい壁である。でも、ポケットがありすぎて、スラブではない。

 その少し先に、2mちょっとの岩がある。縦フレークがあって、なんとなく登れそうに見える。1つこれを登ってみるか。

 やっぱり離陸がきつい。何とかスタンスを見つけて右足で離陸はするのだが、次の手が見つからない。足が悪すぎる。

 何回かやって、何とか左足を右足の近くに決めてみたら、リップの上のスラブの中の窪みに手が届いた。足が良ければ十分に使える窪みなのだが、如何せん足が悪すぎてその窪みでは次のムーブが起こせない。

 色々と足を探して、右足は右に流してやったら、左手がより自由に動くようになり、右手の上のほうの僅かな窪みまで手が届くようになった。最初の窪みよりは少しは良さそうだ。

 それで何とか足を動かそうと努力してみたが、何とか置けそうに見えたカンテのスタンスがそうでもない。体重をかけ始めると滑ってしまう。

 上に廻って、スラブのホールドを磨いたりしながら、ああでもないこうでも無いとやっていたら、大きなスラブを登っていた仲間がやっきて、一緒になってそこを登り始める。

 小生は右のカンテは使わずに登ろうとしていたのだが、どうやらカンテを使わないと登れそうに無いということになり、仲間が上のスラブ面と一緒にカンテも磨きだす。

 最初に一人の仲間が、右手で持っていた縦ホールドを左手で持って、カンテよりから離陸し、上に抜ける。抜け口が悪そうだったが、何とか上に抜ける。

 もう一人の仲間は、小生と同じムーブで離陸し、右手を右カンテに持っていって上に抜ける。

 小生も右のカンテを使ってやってみたが、カンテは持てたものの、その先に行けず、疲れてきてもいたので、諦める。

 若者を案内して来た仲間が大きな岩の前で休んでいた我々の元にやってきて、少し話をした後一人で下に降りていった。

 暫く休んだ後我々も下に降りる。

 まだ時間は少しある。どこに行こうかということになったが、結局仲間にくっついて行く。

 少し歩くと、先に見える岩の下に何人かのボルダラーが見える。仲間ではないようだ。

 千里眼という課題のあるエリアまで行くと、その千里眼を若者達が跳んでいる。一緒の仲間はその横のほうの高い岩のスラブを登るというので、小生だけで千里眼の岩に行く。ここには以前からずっと跳んでいる2級の課題があるのだ。

 仲間が跳ぶ合間に、小生もその右横の2級の課題を跳ぶ。

 右手カチ、左手ポケット、左足は左下のはっきりしたスタンスで離陸し、右足を右下の僅かな結晶にスメア気味に置いて跳ぶ。左手を出すのだが、リップに大分届かない。右足が決まらないのだ。

 隣の若者が小生の課題を見て真似をする。

 その若者は、左足だけで飛んでリップを捕らえる。確かに僅かに跳んではいるようだが。別の若者も跳ぶ。その若者はリップまで届かない。

 その若者、何回目かに、右のカチを両手で持って、右手で少し低くなった右側のリップを捕らえる。そうか、右のほうが跳ぶ距離が短くても良いのだ。

 真似をしてみたが、両手ではそのカチは持てなかった。

 若者達は結局千里眼には成功せずに、阿修羅に行くといってその場から離れていった。

 小生は、仲間が登っている大きな岩の上にある、3級くらいのカンテの課題を触りに行く。

 右手はカンテ、左手はフェースの甘いカチで、右足で離陸し、左足をフェースの中の少し高めのスタンスに上げる。そこまでは出来るのだが、次の手が出ない。

 左手で右のカンテを持ってみたり、色々と試してみたのだが、カンテの右手がどうしても動かせない。

 左足を上げるのを止めてみたり、左手のカンテを持つ場所を変えてみたり、色々やってみたが全てうまく行かない。僅かに被り気味だから、疲れても来る。

 それまでは、ビブラムでリソールしたベルクロアナサジを履いていたのだが、それが悪いのだろうか。何時ものミウラーに履き替える。

 なんだか左足の乗り込み具合がさっきよりは乗れている感じもする。しかし、相変わらずカンテの右手が動かせない。

 先ほど先に一人で下りた仲間が上のほうの岩に見える。結局ここに来ていたのか。デジカメを取り出して、望遠を効かせて写真を撮ってみる。

 尚もしつこくトライをしていたら、その仲間が降りてきた。で、諦めて一緒に大きな岩のスラブの前の仲間の元に一緒に行く。

 皆と一緒に休みながら少しお話をして、5時ちょっと前だったか、時間も時間だからと、自動車まで戻る。

 若者達をここに残してルートに行っていた仲間の自動車はまだ戻ってこない。当然若者達も戻ってはいない。

 5時半頃までウダウダしていたが、若者達も戻ってこないし、特に一緒に帰るとも約束をしているわけではないということで、何時もの温泉に行くことにして仲間の自動車が先に走り出す。丁度その時、若者達5人の乗った自動車が現れる。丁度良かった。若者の一人を小生の自動車に乗せ、3台で温泉に向かう。

 帰りは5人はきつかろうと、先に小生の自動車に乗せた若者を再び小生の自動車に乗せ、食事所に向かう。

 混んでいる。仲間もありえないというほど混んでいる。前回の鳳凰三山の帰りに寄った中華料理屋はどうかとそのとき一緒だった仲間に聞いてみると、良いだろうとの返事だったので、皆で、少し放れはするが、その店まで移動することにする。

 客が何人かいたので、中国語のテレビはやっていなかったが、6人が座れるテーブルで6人でそれぞれの料理を注文する。

 周りの客がいなくなったので、中国語のテレビに変えてもらう。前回はカンフー風のドラマだったが、今回は中国風時代劇だったので、字幕が有っても、中国語の字幕だからあまりよくはわからなかった。

 結局、一緒に乗ってきた若者一人だけが小生の自動車に同乗し、皆とわかれて2人で帰ることになった。

 その若者は小生の帰り道に近かったので、遅くなっても大丈夫と、相模湖まで下の道を走ることにする。

 若者は走り出すと直ぐに寝てしまったものだから、話し相手も無く、少し眠くなるのを我慢しながら、順調に相模湖まで走り中央道に乗った。後は首都高から湾岸に出るのだが、芝方面が渋滞していたので、箱崎を廻り、葛西で首都高を降り、若者を下ろす。

 結局12時ちょっと過ぎに家に着く。まぁ、何時ものパターンである。

 久しぶりの普通のボルダリングだったので、結構疲れたようだ。でも偶にはこのようなまともなボルダリングをしなければね。


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作成年月日 平成16年 9月27日
作 成 者 本庄 章