とあるボルダ−に行ってきました

2001年10月 9日記
 連休の日月で仲間5人と、仲間の一人が以前から開拓を手掛けているとあるボルダーエリアに行った。千葉方面からは3人、現地集合が2人である。

 土曜日の夜待合わせて出発する。

 集合場所に向かう途中の電車の中から見える湾岸道路が既に渋滞している。中央道とか、東名とかも渋滞らしい。それに、何処とかでは事故渋滞も起きているらしい。これでは今日中に着けないと、普段の道を諦め、全く別の道を行くことにする。

 そのかいあってか、首都高の僅かな渋滞を除き、順調に現着する。とは言っても既に夜中なので、途中の駐車場でテントを建て、仮眠する。

 日曜日朝、全員、何時に無く早起きする。といっても、8時に近い時間である。

 現地待合わせの仲間の一人が家の人に送られて到着。その後暫く待つももう一人が現れないので、ちょっと偵察ということで、車が通るであろう道の側の岩に行く。

 この岩は少々高い。とはいっても、低い所も有るので、小生は低い所の易しいであろう所を登る。凹角状のガバチックなホールドもある課題である。

 仲間の一人が凹角限定でその課題をやる。バランス悪く難しいらしい。真似をして見る。離陸はできたのだが。

 小生は、その隣にあるマントルの課題をやって見る。ここはリップにガバがあるから易しい。

 仲間が高い課題をやり出す。その高い壁には3本程の課題があるらしい。一番右が一番易しく、左に行くほど難しくなるなるらしい。

 一番右は、細いバンド状の凹角とでもいうのか、そんなスタンスが下部に有り、上もそこそこホールドのある、そんなに難しくはない課題である。まぁ、何とか登る。

 次は、その左のノペッとしたフェースの課題である。まぁ、ホールド、スタンスは有るのだが、そんなに良くはない。それに、抜け口一つ手前のガバチックな見え難いホールドが遠い。

 仲間が皆一撃する中、小生は1回目は敗退。クライムダウンするも、それも悪い。手が張る。そして、最後は結局50cm位を飛び降りる。

 仲間が、さっきの凹角限定課題で遊んでいる。そこに待合わせを約束していた仲間がやってくる。自動車が通るかと思っていたのだがと話すと、反対の方から来たという。いつもの天場とは違う所にテントを張ったらしい。大分探したとか。

 仲間がその限定で遊んでいる間に小生はまたさっきの敗退した高い課題に挑戦する。やっぱり2回目だ。足も見えるし、手もソコソコ持てるしで、上に抜ける。高さグレードを加味して4級位かというのが仲間の評価である。気を良くして仲間のもとに戻る。

 その左側のカンテを廻った所にある課題を仲間の一人が登る。少々力が必要だとか。なんかスタートの次のホールドへの飛びつきが出来そうに無いので仲間の所に戻る。

 凹角限定でスタートは出来るようになる。が、その次に動けない。

 一人でさっきの少々力のいる課題に行って見る。

 右手スタートで、左手をオポジションで中継し、その先のガバに手を飛ばす、そんなムーブだったと思うが、最初は左足で、身体を振り気味にしてやったら届かない。次に右足正対でやったら取れた。

 このムーブは最近出来るようになって来たムーブである。右手右足の正対は手、足が悪いとなかなか難しい。特に手が悪いとどうしても身体を振りたくなってしまう。それが、そこそこ悪いホールドやスタンスでもなんとか出来るようになって来たのだ。

 左手をガバに送ると足ブラになってしまった。ガバだから落ちはしないのだが、このガバ、少し斜めなのである。それに、小生肩が弱いのか足ブラに滅法弱いのである。一瞬駄目かと思ったが、何とか持ちこたえ、両手を沿えることができ、スタートホールドに足を上げることができた。後はただ岩の上に乗るだけである。適当にホールド、スタンスを選び石の上に立つ。これもできた。

 仲間は高い壁の右側のカンテの無名の課題という課題名の初段らしい課題に取り付く。高い課題が登れたしで、小生はしばらくそれを眺めていた。

 そこに、特に約束はしていなかった、仲間の一人が現れる。それまで別の所で一人で遊んでいたらしい。なんだか初段の課題が登れたとか。これで、我がボルダリングチームの、惜しくも1人を除いて、ほぼ全員が集まったことになる。まぁ、素晴らしいことなのだが、なんとなくちょっぴり惜しい気もする。

 その課題に3人が何回と無く挑戦する。そして、課題設定者のお手本を見る。簡単に登る。初段だから。

 その後、2人が登る。最初は冷やかしだといっていた仲間が、下の核心を抜け、スラブで落ちる。あと少しだ。それに気お良くしたのか、その仲間がやる気を出して、遂に登る。因みに初初段だそうだ。彼も遂に有段者だ。

 我がチームの有段者率はこれで5/7になった。残りの一人も有段者予備軍のもうじき有段者だから、これで実質無段者は小生一人である。頑張らなければ。とはいっても、まだ1級が登れていないから先は長い。何時になることやら。

 別の石に移動する。その前に、仲間の一人がまた別の石のプロジェクト課題をやるというので皆でそれを見物に行く。何にも無さそうな垂壁である。まぁ、その人以外の人達の範疇ではないから、残りの仲間で最初の目的の別の石に行く。

 さっきの石で会った昔のジムの仲間の2人組がいる。一緒に登り始める。そっちの仲間は殆ど情報が無いらしく、すごく難しいという所をやっている。

 その課題はカンテ状からスタートし、垂壁を登る、そんな課題で、一見易しそうなのだが、その実バランスが悪く相当に難しい課題らしい。うちの仲間はそれを始める。

 小生はそんなことは出来ないから、そのずっと右の1手もの的なやつをやる。先の人が左からやっていた場所である。

 真似をして始めたのだが、左から出ると、リップに飛びつく感じになるのだが、その飛びつくために身体を一瞬引付けることが出来ない。レイバック気味に足と手で突っ張って身体を上げれば届く距離なのだが、それが出来ない。諦めて、右から正対ででる。そしたらリップが取れた。

 上に抜けると、それを見つけた先にやっていた人が、出来ましたかと聞くから、右から出たと答える。

 仲間は、その右の先の人がやっていた上がハング状になったところのランジらしい課題に挑戦し始める。が、なかなか止らない。何回かやっている所にプロジェクトをやっていた仲間が合流する。

 その仲間がスタテイックにあっさりと登る。だったと思うのだが、その辺は記憶がはっきりしない。多分登ったと思う。

 小生は、その右の少し被っている、少し難しそうな所を、易しいよと言われて、登ってみる。見た目結構難し目に見えるのだが、要所にはちゃんと大ガバが有って、力を使うことも無く楽に登れる。

 我々の仲間はまた別の石に行く。枯れ沢沿いの少し下地のじめじめした岩である。ハングの部分の脇に2m位の小さな石が有って、その石との間を身体を石に擦り付けてトラバースする課題があるらしいのだが、誰もやらない。課題設定者が頻りと勧めるが、誰も耳を貸さない。

 そのハングの左端のカンテと、そのまた左のフェースを始める。小生にはそれらは出来る課題ではないから、ハングの横にくっついている2m位の石の3級と称する課題を触る。

 下地は僅かにしみ出している。でも、足拭きマットは濡れるから使わない。その濡れた靴で小さなカチスタンスに足をかけて石を両手で挟んでスタートして見る。

 丁度おなかの辺りから下がへっこんでいる。つまり、そこまでがハングしている。足を突っ張って離陸はしたが、動けない。おまけに足が滑る。靴が濡れているから当然である。やる気がなえる。

 今回有段者になった仲間もやって見る。やっぱり張り付いたまま動けない。課題の設定者にやってもらう。足ブラでぶる下がって、足をおなかの辺りの少し横辺りに足を上げてハングの上に立つ。どうして彼がやるとああも簡単に見えるのだろうか。

 仲間と2人で交互にぶる下がって、結局諦める。

 ハングの横のカンテは2人の仲間が登る。その左のフェースは難しいらしい。

 その難しい所に取り付いた人達は足拭きマットを使う。当然そのマットは水を吸い、一人の人のマットはびしょびしょになる。お影で、そのマットで靴をきれいに拭くことができたらしいが。

 また別の石に行く。

 この石は丁度高さ2mちょっと位の所に2m位張り出した大ルーフを持つ石で、そのルーフのリップに3つの2級と称するマントルの課題が設定されている。そのルーフのリップの下には丁度間伐材が何本も重なるようにうち捨てられており、2つの課題はそれを踏み台にしてスタートする。でないとスタートホールドに届かない。真ん中の課題が一番易しいとのことで、かつ2級とのことで、やって見る。他の仲間2人は、その右側のきれいなハングからカンテへの課題に取り付いているようだ。

 まずぶる下がって、左足をリップにヒールフックして上を見る。そこ迄で力が尽き、降りる。といっても下は細い丸太が散乱している所だ。迂闊には飛び降りられない。一応スポットがついていてくれたが、降りるにも力がいる。今回有段者になった仲間もぶる下がるが、持つホールドが少し違うからか、彼は足が上がらない。

 課題設定者が上にいて、ホールドを教えてくれる。そのホールドを使ってやって見る。まず2つのスタートホールドでぶる下がり、左足をリップにフックして右手をポケットに飛ばす。それが出来なければ、その手前のカチホールドを中継に使う。と教えられ、やって見ると、何とかポケット迄右手が行く。

 それでマントルが出来ない。課題設定者が普通の靴で模範演技をしてくれる。そのポケットをとって、足を外して、足ブラから右足をリップに上げてマントルを返す。いとも簡単だ。で、2級だという。

 奥のハングからカンテを登った2人が合流する。彼らも、小生と同じ所で落ちる。有段者が出来ない。それも、この日だけで初段を3本か4本登った若者が出来ない。もっとも彼は肩を壊していて、肩にストレッチテープをベタベタと貼っていたのでは有るが。もう一人の今回初めての初段を何本か登った彼も出来ない。唯一最後に合流した彼のみが出来る。

 みんなで何回も何回もぶる下がる。疲れる、結局他は誰も出来ない。でも、2級らしい。易しいらしい。

 その左の2級は何人かができた。でも、そっちの方が1人しかできなかったマントルよりも易しいらしい。技術なんてそんなものかもしれない。

 帰り際に沢筋の少し大きい石に行く。この石に行くのは今回が初めてらしい。下地の半分は水に浸かっている。そんなに苔も無くきれいな石である。

 課題設定者が一番左を登る。初登1撃らしい。1級か2級と言ったかな。他の仲間も登る。

 課題設定者、続いて真ん中を登り始める。段々右上し、水の上に移動する。ラインがそっち方面らしい。途中一度降りて、上を偵察する。再度登り返し、完全に水の上に出て上に抜ける。途中、水の上に出る所で、クロスのムーブが出てくる、なかなか格好の良い課題である。ホールドは殆どガバに近いらしい。足がガバとまでは行かないが。

 薄暗くなり始めている。他の皆が登る、それぞれ傑作と誉める。それを見ていた小生、足を滑らせ、沢に足を突っ込み尻餅をついて水を浴びてしまう。幸い深くはなかったので、フリースの袖口と、チョークバックの底とお尻を少し濡らした程度で助かった。

 もうすでにスタンスが見えない位に暗くなってしまった。しかし、皆がすばらしいというし、そんなに難しくないというので、小生もやって見たくなり、濡れたフリースを脱いで取り付く。

 この課題、スタートが核心らしい。その核心をそつなくこなす。まぁ、ムーブは5〜6級位というから当然ではある。いよいよクロスムーブの所である。それを越えると戻れないという。落ちたら石ころだらけの沢の中だ。でも、持っているホールドがもう一つしっかり持てない。なんか頼りない。従って、思い切ってクロスを返えして右足に乗り込む自信が無い。その上のホールドもスタンスも殆ど見えない。

 どうしようか一瞬迷ったが、結局諦め戻る。恐かった。

 皆散々遊び登ったので満足そうである。小生も、皆に比べれば登った本数は圧倒的に少ないが、それでも、目一杯登ってしまった。特にハングのマントルでは相当に力を使ってしまった。それが無ければもしかすると最後の課題が登れたかもしれない。そう考えたくなるくらい登ってしまった。

 現地集合の仲間を残し、3人で食事に出る。野菜炒め定食を食べるも、味噌汁がすごく美味しかった。今度相棒とくる時にはまた来よう。

 薬局とコンビニで自分の物や頼まれた物を買い、現地集合の仲間が前日からテントを張っていた場所に合流する。

 既に焚き火がされており、別の所に行っていた仲間2人も一緒に7人で食後の談笑を楽しむ。

 やっぱり焚き火は良い。久々に小さな焚き火を堪能した。というのも、最近の人達は焚火をどんどん大きくしてしまい、小さな焚き火をそのまま維持するということを殆どしないので、そういう焚き火にお目にかかることが少なかったからだ。例え小生がそうしようとしても、薪をぼんぼんくべてしまい、あっという間に大きくされてしまうのである。

 実は、小さな焚き火を維持するのはそれなりの技術が必要なのである。聞けば、その焚き火で炊事をしたとか。焚き火の炊事はこれまた高等技術なのだ。大きな火では出来ないのだ。

 薪も尽き、火も落ちて来て、背中が冷たくなり出したのでそれぞれでテントに入る。で、即刻寝てしまった。

 翌朝、これも何時に無く皆早起きをする。なんと8時前に既に全員起きている。めずらしいことだ。

 食事をしていたら、現地集合の仲間も上から降りてきた。彼らも早かった様だ。

 その仲間がビニール袋に小石を詰め出す。途中の道の大きな泥濘の轍を埋めるという。皆で少し手伝う。

 その石も積んで出発する。今日は昨日とは違う所に行く。とはいっても、小生にとっては2度目の場所である。

 昨日もそうだったのだが、今回の場所はトポや案内書がないから、どこが何処だか、何がどれだか、小生にはあまり良くわからない。今日行く場所もおおざっぱな道筋と位置関係はわかるが、車から先の道は殆どわからない。だから、2度目であっても、あまり詳しいことはわからない。多分あの辺だろうと。

 最初は小生も覚えていた石である。場所もわかり易い。

 本日は1人減って5人である。最後に合流した仲間は昨夜は帰り、もしかすると本日もくるといっていたが、結局は合流しなかった。別の所に行ったようだ。

 昨日の新有段者が取り付き始める。こちらはまだ全く用意もしていないというのに。さすが新有段者である。気迫が違うようだ。

 皆登り始めたので、それを一頻りカメラに納め、それから用意を始める。まぁ重役出勤というところか。何が重役だかわからないが。

 その石の一番易しい所を登る。次は前回恐くて登れなかった所を登ることにする。そこは、新有段者が登っている。が、やはり恐くて途中で降りてくる。高くて、下地に穴が有って、恐いのだが、リップ手前で1歩踏み出す所が、後ろに有った木から離れるので、より恐いのである。それまでは背中に木を背負っているので簡単に木に寄りかかる事ができ、少しも恐くはない。そこのギャップが余計に恐いのかもしれない。木があれば簡単に止められてしまうから。

 他の仲間が登る。クロス気味に凹角からフェースに出る所がホールドも余り良くなく、恐いので、そこを直上するムーブを探る。で、その様に行ったのだが、余り良い訳では無いらしい。

 新有段者もその課題を登る。小生も3回くらいチャレンジし、凹角からフェースに出る大ガバスタンスで敗退する。

 その面の一番右のハングに初段の課題がある。スタートはジャミングらしい。3人の仲間がその課題の下でたむろしながら、ああだこうだいっている。それを小生カメラに納める。で、再度先程の課題に挑戦する。確か3級といったような気がする。因みに大原船長というらしい。そして、その右が穴料理長。その左は大工さんを挟んでポケット潮吹き穴、皆どっかで聞いたような名前だ。本当かな。

 その大原船長だが、凹角の右の壁のポケットを右足で使って、左足でフェースに出て、立ったら、左手がリップ下の大きな穴の端にかかった。傾斜が無いから、その引っ掛かりを信用して、足のスメアも信用して立ちこんだら立てた。その斜め奥のガバが持てた。登れた。2年越し大原船長が登れた。

 次は潮吹き穴だ。ここはスラブに立ち込んで、右手を斜めアンダー気味の縁を持って、1歩足を上げれば大きな穴が持てる。といっても、下から想像したほど持てるホールドではない。まさにスローパーだ。僅かに指の腹が掛かる小さな浅い凹みがある。それを両手で持って、また足を上げて、これまたスローッピーなカンテを右手で持ち、体勢を整えて、左手もリップに上げてから、左奥のガバに右手を飛ばしたら石の上に立てたという課題である。

 その大穴を持つまでに3便か4便。大穴を持って足を上げるのに2便か3便、合計で7便前後でやっと登れた。

 まずスラブに立ち込むのが大変である。右上の斜めアンダーのオポジションが身体が上がっていないと全く効かない。効かせるためにはスラブの上に少し大きく1歩立たなければならない。そのスタンスとしてはお誂え向きの丁度良さそうな穴が有るのだが、それが少し高い。そこに勢いを付けて立ったのでは右手のオポジションは止らない。だったら直接大穴に飛びついた方が確率は高い。といって、そう簡単に止まる穴でもない。

 少し右によると下地も少し上がり、そのアンダーオポジションのホールドも効かせ易くなる。少し右によって、アンダーを左手で持ちスラブに立つ。そして、左足を左に送って、アンダーを右手に持ち変え、左足に体重を移動すると左手で大穴が持てる。それを確立するまで、幾つかのスタンスを探る。

 しかし、その穴が悪い。何処を持ったら良いか少し探っていたら落ちた。そんなことを2回くらい繰り返す。その間、穴を両手で持ったり、左手でもったりやって見るが、結局浅い窪みを見つけ、持ち方を解決する。それが解決できたので、何とか登れた。

 どうやら大原船長よりは難しいらしい。2〜3級位あるらしい。もし2級なら嬉しいのだが。

 その上の斜めのスラブを持つ3m位の石に移動する。斜めのスラブの幅は1.5m位か。カンテは限定で2級らしい。

 暫く眺めて、そこに荷物を置いたまま、そのまた上の石に行く。そこのクラックが仲間の一人のプロジェクトになっていたらしい。

 斜面の途中にある大きな岩の左奥の2〜3mの石である。下地は人一人が立てるくらいのバンド状で、その下は結構急に切れ落ちている。落ちると転がって行く位の傾斜がある。

 その石にはクラックが2本走っており、左の短い方が2級、真ん中が3級らしい。とはいっても、特殊な技術を必要とするのか、はたまた恐いのか、難しいらしい。一応小生も3級という事で靴を持参したが、取り付かなかった。

 プロジェクトとしていた仲間がパワー全開だったらしいレイバックムーブで登り、もう一人の仲間が何回かのトライの末登る。だから、やっぱり難しいのだ。新有段者が3級の方に挑戦するが、抜けぐちの上に被さっている石のハングを乗り越さなければならないらしく、途中で敗退する。

 荷物を置いた石に戻って、仲間達はスラブの左のカンテに挑戦する。初段らしい。でも、なかなか出来ないらしい。

 小生はカンテ限定でスラブをやって見る。腰くらいの高さの左のカンテ辺りに大きなガバスタンスがある。そこに小さな指の入らないポケット状のホールドを駆使して、立ちこむ。これが結構難しい。立ち込んだら足を少し上げて更に左足を大きく上げ、目の前の窪みと左手の縦平面のホールドで身体を上げリップを捕らえるのだが、リップが止り難い。3回くらいリップを取りに行くも、何れも触るだけで止らず。

 仲間の一人が、下の気になっていた石を見に行くとの事で先に降りる。

 その間、他の仲間が次々に登る。それを真似るように、それまでは左足はスメアだが、右足は特にスタンスに置かず、右に流した状態でやっていたのを、右足も左足の近くに置き伸びたら、それまで全く届かなかったリップがスタテイックに取れた。登れたのだ。

 この課題はリアル2級という。また登れてしまった。だからボルダリングは楽しいのである。

 仲間はカンテを諦めたらしい。スラブの課題のダイナミックバージョンに挑戦し出す。左足を高く上げリップを取るのではなく、ガバスタンスからいきなりランジをするのである。しかし、膝が邪魔して巧く飛べないらしい。高々30cm足らずなのだが。結局誰も成功しなかった。

 一頻り遊んだ後、先に降りた仲間の所に行く。車を止めた所よりも下だったのだが、一応車はそのままで、歩いて行く。

 程なく合流する。あまり成果は無かったようだ。

 暫く来た道を戻って、また別の石に行く。今度は沢沿いの少し大きな石だ。高い所は4〜5m位あるかも知れない。下地も一番高い所の下が枯れ沢だから、決して良くはない。

 下流面の左橋に1級の課題が有るという。その右の逆層の壁には2段、その右のカンテはプロジェクト。そのカンテを廻りこんだ壁には初段。その奥にの壁には2級の課題という石である。それより易しい課題は無いらしい。

 最初は新有段者と裏の奥の2級と称する課題を見る。ポケットで、足は余り無く、小生には出来そうに無い。

 他の仲間がやっていた下流面の左の1級に挑戦する。

 1級だから、スタートのホールドが悪い。右は効かないフレーク気味のホールドをピンチ、左手は浅い少し窪んだ所を持ってスタート。足は左の方にガバスタンスが有るが大分ずれている。すぐ下に少し引っ込んだ十分に乗れるスタンスが有るが、スタートでは使えない。その右手の真下当りに斜めのカチスタンスがある。

 新有段者はその斜めカチスタンスに左足で乗りその後踏み替えて左手を少し遠い窪みに持って行く。この窪みも小生にとっては悪い。

 小生はそのムーブは全く真似が出来ないので、左のガバスタンスに掻き込むように乗り、右足を少し引っ込んだ場所に上げて右手を次の目の前のタテカチに移してから、右手真下のカチスタンスに移して左上の穴を取らなければその穴がとれない。

 でも、その穴が持てないから、次に少し高い目に左足を上げることが全く出来ない。1級はやはり遠そうだ。でも、これが面白いから、何回もしつこくやってしまった。

 裏の2級の右バージョンを新有段者が登ったので、真似て見たが、ホールドの穴が小さく、とても持てないし、次の穴が遠いので全く歯が立たない。何回かやっては見たが諦める。

 他の仲間は初段の課題に挑戦している。でも、なかなか手強いようだ。

 課題設定者が、2段の課題を登って見せてくれる。

 小さなホールドで足を突っ張って結構遠い外傾したこれがホールドになるのかと思われるホールドを持ち、ついで、左手をこれまたホールドには見えない一寸した段差を持ってリップを取る。このリップも外傾しているから、小生にはホールドではない。他の有段者もそれに挑戦する意欲は無いらしい。出来る気がしないようだ。その上には3段が有り、そして、4段があるのだから、まぁ、何と恐ろしい事か。

 仲間の一人が初段の課題でリップを取る所で落ちたらしく、大きな音がする。砂の上に落ちたように見えたが、右足の踵が石の上に落ちたらしい。動く事も歩く事もできたのだが、大事になっていなければ良いが。

 それを見ていたもう一人の挑戦者は挑戦を止めてしまった。もっとも、その少し前から他の所にいっていた2人組も合流し、既に5時近くなっていたので、一応今回の打ち止めとする。

 現地集合のもう1台の車の仲間と別れ、昨日車を止めた場所に濡れた足拭きマットを広げたまま忘れていたのを取りに戻り、月曜日だったので開いていたガソリンスタンドでガソリンを入れ、温泉によって、いつもの飯屋で飯を食い、少し渋滞していた高速道路を通って、国鉄の駅に11時半位につく。これで、多分家に帰れるであろうと、安心して、皆と別れ、途中まで一緒の仲間と電車に乗った。

 丸々2日間、これで充分という以上に登り、あちこち結構切り傷を作りながら遊びまくってしまった。明日はジムの日だが、前回の教訓を活かして、明日は十分に休養をとることにしよう。多分既に身体が一部壊れているだろうから。


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作成年月日 平成13年10月 9日
作 成 者 本庄 章