堅破山に行って見ました

2004年 4月10日記
 月曜日に相棒と一緒に堅破山に行ってきた。岩探しが目的である。因みに堅破山はタツワレサンと読むらしい。

 インターネットで茨城県の堅破山という山の中に幾つもの奇岩が存在するということを知り、調べてみると、確かに幾つもの岩が存在することが確認できた。しかし、インターネット上の写真を見ると、大きな岩の前にその名前を書いた看板が立てられている。山岳信仰の山とも書かれている。おまけに、山頂近くには黒前神社というお宮が存在するらしい。もしやとの危惧が浮かんだが、これは行って確かめねばとなった訳である。

 岩は登山道の脇にあるらしいので、人がいると登りにくいかもしれないという訳ではなかったのだが、たまたま月曜日に休みが取れたので、これ幸いと行くことにした。

 どうせ日立まで行くのだからと、もう一つの岩のある山にも寄りたかったのだが、何時もの様に家を出るのがそんなには早く無かったので、もう一つは諦め、先ずは堅破山をメインにと出発する。

 土浦まで下道を行き、千代田石岡インターから常磐道に乗る。

 友部サービスエリアに寄ると、テントの周りに花が一杯置いてあり、多分若いだろう婦警さんが一杯いる。近づくと、丁度その鉢花の無料配布が始まったところらしい。なんだか知らないけど、相棒と二人で2鉢の花と2つの手提げ袋を頂く。どうやら翌日から始まる交通安全運動のPR行事らしい。普段は余りお巡りさんに近づきたくは無いのだが、こういう時だけは喜んで近づいてしまった。

 堅破山には1時間もあれば登れるらしいので、那珂インターで高速を降り、349号線をゆっくりと走る。

 今回はお弁当を持って来なかったので、コンビニを探す。しかし、中々コンビニは見つからない。やっと見付けたコンビニで買い物をしたら、その後2つ位コンビニが出てきた。でも、そんなものしかコンビニは無かった訳だ。

 案内板に従って、里美村で右に折れ、ゴルフ場の所を左折すると、道は細くなってくる。山郷の風景の中を進むと、益々道は細くなり、やがて砂利道となる。

 黒前神社の第一の鳥居のところで左折する。すると、道はほんの少し太くなり、山を登って行く。

 程なく左側にトイレのある駐車スペースが現れ、自動車が2台停まっている。1台は降りてきた所なのか中年夫婦が犬を自動車に乗せている。一応挨拶をする。

 仕度をして登山口に向う。

 登山口にはインターネットで見た何とか車という石の間に挟んだ木の車を回すものがあったので、一応回してから歩きはじめる。

 日曜日に雨が降ったので、山道に入ると道は濡れている。まだ下地は乾いてはいないようだ。

 しばらく歩くと、道の濡れがひどくなってくる。この辺は相当に降った様だ。

 何となくシャーベットみたいな塊が見える。あれぁー、雪でも降ったんだろうか。まさか。

 不動石という岩が現れる。そこには岩の上にお不動様が祭られている。

 岩の表面が濡れている。近づくと岩の真ん中に清水が流れ落ちている。岩の上に回ると、塩ビパイプが敷かれており、それによって、清水が流されているようだ。わざわざそんなことしなくてもいいのに。

 ん? 雪か? 林の中が白い。やっぱり雪だ。この辺は雪が降った様だ。どおりで道が濡れているわけだ。何か嫌な感じがする。

 続いて烏帽子石が現れる。触るとずぶ濡れ。惜しぃ。乾いていれば登れそうな岩なのにぃ。

 手形石。小さい。

 登山道を少し外れて、畳石。畳石の奥の石は大きいのだが汚い。でも、左サイドが登れるかも。

 登山道の周りを観察すると、岩はある。しかし、急傾斜の途中だったり、登っても面白く無さそうだったり。

 かすかな踏み跡を入って斜面を観察すると、磨けば登れそうな岩があることはある。しかし、やっぱり下地が急だったり蔓が絡まっていたり。密度もそれ程濃くは無い。

 道は尾根を乗ッ越して少し水平にトラバースして行く。

 昔の炭焼きがまを過ぎると、弁天池という東屋のある小さな水溜りが現れる。周りは雪で真っ白である。

 神社の山門が現れる。その先に延びる石段は雪で真っ白。登る気がしない。傍らに案内板があったので、しばらく眺める。

 その石段を登らなくとも、太刀割石を回っても行けそうである。序に、帰りは神楽石から奈々久良の滝を廻って帰れることを確認する。

 雪の残ったほぼ平らな道を少し行くと、日の光を浴びた太刀割石が現れる。

 確かに、丸い大きな岩を太刀で真っ二つに割られ、片方が地面に転がったような岩である。近寄ってリップを触ると、やはり濡れている。こんなに日が当たっているのに。

 裏に廻ると、岩の上に梯子が掛けれれている。結構皆が登って遊んでいるようだ。

 傍らのもう一方の岩を見ると、何となくカンテが登れそうな気がしたので、一応写真を撮る。多分1〜2級は有りそうだ。

 先に進むと、伐採跡地のようなところを通る。その緩やかな斜面を少し下った所に適当な大きさの岩が見える。よし、帰りにあそこに寄ってみよう。

 雪を踏みながら山門からの石段の上を通り、尾根を戻る感じで行くと、神社が現れる。常駐の人はいない様だが、結構大きな神社である。

 右手前に大きな岩がある。表に廻ると「甲石」とある。岩をくり抜いて何かが祭られているようだ。岩の真ん中に鉄の扉が取り付けられている。

 甲岩の前には「船石」と書かれた看板がある。でも、岩は見えない。よく見ると、確かに船みたいな格好をした岩が埋まっている。高さは高いところで50cm位か。真ん中は地面と同じ高さである。まぁ、石といえば石なんだけれど。

 奥の院から山頂へは更に石段を登る様だが、社の裏を廻って上に上る道があったので、その道を登って行く。それでも一部雪を踏まなければならない。靴が濡れてくる。

 山頂らしき場所に高さ7〜8m位の立派な鉄塔が建てられている。わざわざこんな所まで鉄骨を持ち上げてこんなものを作らなくてもとは思ったが、折角だから登ってみる。

 日光連山から八溝山、真弓山、高鈴山、そして太平洋まで、360度の展望が楽しめた。

 この先まだ胎内岩があるので、もう少し先に進む。

 小さな岩の間を下ると稜線上に大きな岩が現れる。見ると、登れそうな岩である。

 稜線から少し外れて下ると、胎内石が現れる。結構大きな岩である。ボルダリングの対象にはならない大きさだ。

 胎内石の右側の斜面に岩が点在している。少し斜面を登って岩を見てみる。やはり傾斜がきつい。

 胎内石が登れそうな最後の岩だったのだが、大き過ぎて対象外。登れそうな岩は殆ど無さそう。少し凹む。

 戻り際に、稜線を少し先まで歩いてみる。

 傾斜は緩いのだが、岩は有りそうに無い。派生尾根を少し下ってみたが、人工林で岩の可能性は殆ど無さそう。引き返す。

 先ほどの稜線上の登れそうな岩まで戻り、その近くの小さな岩を触ってみる。

 苔が生えてはいるが、濡れてはいないので登れそうだ。多分10級だが、苔だらけの寝たカンテを登ってみる。スタンスがジャリッと言ったが、10級だから、登る。

 登れそうな岩を再度観察する。右のカンテが磨けば登れそうだ。高さも3m位だからそこそこの課題になるかも。でも、これだけではなぁ。

 神社の境内には奥の院を廻って石段を下る。下から見たときは真っ白だった石段も、上から見ると雪は無かった。

 甲岩の裏に廻ると、傾斜も余りないし、クラックがあって、登れそうだ。靴を履いて登ってみる。

 多分10級だろう。上に登ると、この岩の上に生えている木から側壁にロープが下がっている。登ったところを降りて、そのロープが下っている側壁を見ると、壁の途中まで結び目を付けた細いロープが下がっている。しかし、壁には苔がしっかりと生えている。岩が湿っているから登りはしなかったが、乾いていれば、登れるかも知れない。でも、人がいたら。

 太刀割岩に戻ると、岩のリップは乾いている。

 岩の下に立てかけられた木や看板をどかし、一番低いところのリップを触っている。

 濡れてはいない。リップを色々と触ってみる。まぁ、そこそこ持てそうではある。足を捜す。真下に適当なスタンスがある。でも、少し高いか。

 リップを持って足をスタンスに上げてみる。やっぱり高すぎて上がらない。リップを持ったまま尚も足を探す。左の方に僅かなスタンスになりそうは所を見付ける。濡れてはいるけど、何とか左足で突っ張って、右足を真下のスタンスに乗せる。しかし、手がもう一つ利いていないから足が上がらない。

 リップのホールドを探すと、左の方にちょっとしたカチが見つかる。横引きだが結構掛かる。そのホールドを左手で持って、先のスタンスを使って右足を上げる。

 体が少し左を向いているから、体が上がって行かない。無理に上げて、右奥の少し掛かりそうなホールド目がけて右手を飛ばす。届かずに落ちる。

 2回くらい同じ事を繰り返す。やっぱり出来ない。最初は何とかなりそうな気がしたのだが。

 岩の前に作られた細い木で作られたベンチに座り、昼食にする。

 またやってみたが、出来ない。、多分、3級位のマントルのような気がした。

 正面は諦めて、右の方の側壁を観察する。磨かれた形跡は全く無い。

 右の方に回り込んでゆくと、顕著なスタンスがある。これを使えば登れるかも。でも、リップまでは、下部が被っていて高いし、スタンスも無いから、届きそうにない。リップは斜め右上がりになっているから、右の方は高いのだ。でも、リップに手が届くところまで左にずれて、そこから右の方にトラバースしてゆけば登れるかも知れない。

 左に少し戻って、そこからリップを足ブラでトラバースし、スタンスのところまで移動する。右足をスタンスに乗せ、尚も右に移動してしっかりとスタンスに乗る。リップの手のホールドを求めて尚も右に移動し、もう一段上のスタンスに足を移す。しかし、壁が被っているから、足が見えない。探っていたら、スタンスの淵が崩れたようで落ちる。もったいない。もう少し慎重に行けば。

 少し休んで、また同じ事を繰り返す。しかし、今度は2回目だから、ホールドや手順が分かっているから無駄なく先程と同じところまで行く。今度は慎重に、尚且つ身体を少し右に移動してから足を上げ、尚も少し右に寄ってからマントルして岩の上に立つ。

 なんか、チョークを使うのを憚られたので、今回は全くチョークを使わなかったから、少しは難しくなったかもれ知れないが、でも、難しくは無さそうだ。一応ボルダリングらしいボルダリングが出来たので一応満足する。

 一部雪を踏みながら岩の正面に戻り、またまた正面のマントルをやってみたが、やっぱり全く駄目だった。

 看板を元に戻し、そのまま尾根筋を下りだす。

 少し行くと、人工林の中に入る。人工林の中に入ると少し暗くなる。

 太刀割石を出るときに、何か忘れている感じがしていたのが、歩いている途中で、伐採跡の岩を見に行くのを忘れていたことを思い出し、伐採跡地まで戻ることにする。

 時間的にはほんの数分だったと思う。

 その伐採跡地には米平というところから登ってくるらしい登山道が作られている。案内書には殆ど歩かれていない登山道と書かれているが、綺麗に刈り払いも入り、しっかりした登山道のようだ。

 その登山道を少し下ると、その岩は右側に見えてくる。

 笹を分けて近づこうとしたが、笹が深く、下地も潜る感じで歩きにくい。途中で歩くのを諦め、再び岩を眺めると、まん丸のお椀を伏せたような岩で、草も一杯はえているようだし、登っても面白く無さそうに見える。折角戻ったのだが、無理に近寄ってもと諦め、再び登山道を登り返す。

 しばらく、尾根筋には岩らしいものは見えない。

 途中、軍配石との看板がある。見ると、7〜80cm角の平らな石が地面に埋まっている。地面との段差さえない。岩じゃないじゃん、岩だけれど。

 登山道の脇の少し高いところに「神楽石」の看板が見える。これも大きくは無い。岩の上でお神楽でも舞ったのかと思っていたのだが、この岩の近くでお神楽を舞ったということらしい。昔はこんな細い道をお神輿を担いで登ってきて、こんな山の中でお神楽を舞ったらしい。ということらしいのだが。

 この神楽石の裏にも小さな岩がある。少し小さいが、豊田の古美山のコントラバースという課題のある岩にそっくりである。

 靴を履いてトラバースをやってみる。スタンスははっきりしたものは無いが、リップがガバだから、スメアでトラバースをする。これも10級だな。

 この辺は尾根筋に岩が少しはあるが、皆大きさが小さいようだ。両側の斜面には岩らしいものは無さそうだ。

 駐車場と奈々久良の滝への分岐点にでる。左に下ると駐車場、右に下ると奈々久良の滝である。急ぐわけでもないし、折角だから奈々久良の滝の見学に行く。

 だらだらと人工林の中を下って行くと、右側の斜面に岩が出てくる。この辺にも岩が点在しているようだ。

 右に少し太めの山道を分け、続けて奈々久良の滝の上に出るらしい道を右に分ける。その道が入る尾根の向こう側が滝のようだ。

 尾根を廻ると、空が開け、結構高い2段の滝が現れる。花崗岩の壁を滑り落ちている滝である。滝壷まで行って写真を撮る。

 折角だから滝の上と指導標に書かれた道に入ってみる。

 滝の手前の尾根の上でその道は止まっていた。滝の右側に付けられた踏み跡が登ってくる道かと思ったのだが、植林用の作業道の様だ。

 その少し先にも仕事道のような道が入っていたので、その道に入ってみる。その道の脇に岩が少し見えたからである。

 しかし、岩があったのは入り口の近くだけで、その奥には岩陰は無かった。

 先ほどの分岐まで戻り、仕事用と思しき、広めの道を下る。

 右側は沢になっている。途中から沢の中に岩が見え出すが、大きな岩は無い。

 この山中には岩は点在するが、そう密度は濃くは無さそうだ。登れそうな岩も多くは無い。多分再度ボルダリングで訪れることは無いだろうと思いながら、ゆっくりと下っていった。

 何時もの様に下道をゆっくりと帰る。途中、珍しくカーナビに従い、水戸市内の道を走る。渋滞では無かったが、やっぱり時間が掛かったようだ。やっぱりカーナビに抗して水戸の手前で6号に逃げるべきだったようだ。

 今日は豪華にと言いながら、結局は某うどんチェーン店に入ってしまった。貧乏性って、やっぱり中々抜けないのだなぁ。


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作成年月日 平成16年 4月10日
作 成 者 本庄 章