豊田城山城跡ボルダーその2

2006年 3月11日記

 またまた豊田に行ってしまった。今回は相棒と二人だけである。

 金曜日の夜中に千葉を出発し、土曜日の午前中に名古屋に到着した。

 家を出るときは、豊田に直行する予定であったのだが、相棒の、先ずは今回の名古屋の本当の用事を先に済まさなければだめだ、とのお言葉に従い、名古屋に落ち着かざるを得なかったのであった。

 名古屋は、千葉からだとそう近くは無い。途中、2〜3時間しか眠らなかったから、眠くてしようが無い。昼からは豊田と目論んでいたものの、結局土曜日の日は一日、用事先で、テレビを見つつうつらうつらしながら過ごしてしまった。

 夕方、用事先の近くに山の本専門の古本屋さんがあることを発見し、期待に胸を膨らませつつ行ってみた。しかし、その日と翌日の日曜日は臨時休業とのことだった。残念。今度来るときは臨時休業中で無いことを祈りつつ、また来るしかないようだ。何しろ、この本屋さんの休業日は不定期ということなのだから。

 翌日曜日も、結局は午前中はうだうだしてしまって、12時過ぎに名古屋を出発した。

 名古屋、豊田間はおよそ一時間である。2時ちょっと前に古美山園地の入り口に到着した。

 実は今回は、膝を痛めての休養後の初めての外岩ということもあって、前回入手できなかった、その城山城跡エリアのボルダートポを入手することが最大の目的であった。そのため、先ずは情報集めにと、相棒は自動車に残し、リーチロックの前に行ってみた。すると、前回お会いしたお二方がいらっしゃったので、そのトポの著者の動向をお伺いすると、城山城跡の双子岩だかなんだかのエリアに行っているとのことであった。

 折角お会いしたからと、少しお話をしてから、城山城跡に行くことにした。

 そのお話の中で、小生が豊田は特殊な岩場だというと、どうしてかというから、「元気な年寄りが多い」「他のエリアでは年寄りなんか殆どいない」「だから、殆どが私有地の豊田で問題が起こらないのだ」「自分家の土地で若者が騒いでいれば、普通の地主なら多分怒るだろう」「でも、結構なおじさん達が静かに岩を登っていれば、そうは怒らないだろう」等などと言った。すると、確かにこの豊田では、地主さんが「うちの山のあそこにも、ここにも岩がある」「どうしてうちの山の岩を登らないのか」と言ってきたと言った。で、多分そんな場所は豊田以外では見当たらないであろう。やっぱり豊田は特殊な場所だ、となった。多分、これは間違いが無いことであろう。

 途中、工事中のすごく狭い場所を通ったりして、大田エリアの下の歌石の駐車場に行ってみると、ものすごく自動車が停まっていた。

 最近は、関西の北山公園の騒動の関係からか、この豊田にも多くのボルダラーが押し寄せているとのことだったが、やはり、今回も沢山のボルダラーが入山していたようだ。

 最初は、この駐車場で著者の降りてくるのを待つ予定であったのだが、まだ3時前であったので、やっぱり岩を触りたくなってしまった。

 城山城跡エリアは大田エリアのすぐ先にある。城山城跡に行くには、この駐車場から大田エリアを通って行くことになる。大田のエリアの上の方の岩には、城山城跡に行く道のすぐ脇に存在する岩もいくつかある。そんな岩で遊んでいれば、間違いなく著者に会えるだろう。そう考え、先ずは大田エリアの一番上まで行くことにした。

 ザックを担ぎ、駐車場の脇から、ちょっとしたピークに向かって伸びるハイキング道の階段を登って行くと、程なくそのピークの中腹を巻くように走る少し広めの道にぶつかった。はて、どっちだったっけ。

 先ずは左に行ってみた。しかし、なんか違う。すぐに引き返して、反対のほうに行ってみた。

 ますます違う。大体、足跡が無い。最近人が歩いた気配が全く無いのだ。

 先ほど引き返した道を再び先に行ってみた。

 そのちょっとしたピークの裏側に回ると舗装道路が見え、民家も何軒か見えた。この道は、このピークをぐるっと回るだけの道のようで、その周りの小高い山に入るような道は全く見当たらない。このピークに登ること自体が間違いだったようだ。

 またまた引き返し、先ほど登ってきた階段を下ってみた。すると、その階段の中ほどに、山の斜面を登ってゆく、しっかりとした小道があった。

 その小道を登ってゆくと、見覚えのある大田エリアの岩に行く踏み跡への分岐点が現れた。ここだここだ、間違いない。その踏み跡には入らず、まっすぐに登るハイキング道をなおも登って行った。

 ちょっとしたピークを越え、木立の中を僅かに下ると、見慣れたボルダーが現れた。ハーフドームの岩である。

 ここで遊ぼうか。いや、待てよ。確か、城山城跡の入り口のボルダーは、エリアへの道のすぐ脇にあったような気がする。エリアの奥に行く道からも見えたような。とすれば、その岩で遊んでいれば多分会えるだろう。その岩には前回の宿題課題もあったはずだし。と、なんだかんだで、結局、城山城跡エリアまで行くことにした。

 木々に囲まれた稜線上のしっかりしたハイキング道を進み、途中、城山城跡に入る、これもしっかりした、踏み跡に分岐して、しばらく進むとエリアの入り口に到着する。

 城山城跡エリアの入り口付近の踏み跡は十字路になっている。最初は、左の少し斜面を登る道を進んでみたら、なんだか様子が違ってしまった。この道じゃなさそうだ。

 今度は、右に尾根を下る道を下ってみたら、その道が目的の岩に行く道のようだ。しかし、こんなに林の中を下ったっけ。これでは上を通る人たちの気配が全くわからないではないか。

 ぶつぶつ言いながら、十字路に残した相棒の許に戻ると、ちょうどボルダーマットを背負った方がお一人通りかかったので、著者のお名前を出して、いらっしゃるかどうか聞いてみた。そしたら、その十字路をまっすぐに進んだ先にいらっしゃるとのことだった。

 これはラッキーであった。トポもないし、エリアの概要すら殆どわからない状態で、エリアの中で著者にお会いできるとは思ってもいなかったのだから。

 少し心許なくなる踏み跡を先に進んでいったら、人の声が聞こえてきた。あそこだあそこだ。行ってみたら、知らない人達だった。

 多分、俊トラ岩の前だと思うのだが、若者が数人。いや、十人近くも居ただろうか。でも、見たことのない人達だったので、話し掛けることなく、挨拶のみで、しばらくその人達のトライを見学していた。

 まもなく相棒も追いついてきたので、その下のボルダーマットらしきものの見える岩に行ってみた。

 その辺は踏み跡が判然とはしなかったので、少し下まで降りてから、少し登り返して、人の声のする岩に近づいてみると、その手前の岩の上に、いきなり著者が顔を出した。

 会えた。先ずはご挨拶をし、トポを分けてもらいに来た旨を伝えた。

 このトポの著者には大変お世話になっている。豊田に来るたびにいろいろなエリアをご案内いただき、著者お手製のトポを分けていただいたりもしているのである。そんなわけだから、この城山城跡のトポもすでに頂いてはいたのだが、今回は新しいというか、本と成ったトポを分けていただくつもりだったので、以前に頂いたトポは持ってこなかったのだった。

 著者のお仲間の一人が、一休み岩の右のほうの課題に取り付いていたので、小生も真似をさせてもらうことにした。

 この方、小生のHP上の「中高年はボルダリングだ」との主張に影響されてボルダリングを始め、トポの著者に感化されてボルダリングにのめり込んだ方らしい。お伺いしたら、小生と同世代とのことだった。

 豊田って、ものすごいところだ。トポの著者は小生よりも幾つか上の世代だし、小生と同年代の方々が沢山いらっしゃる。ここにくると、小生も年寄りではなくなるのだ。ザックだけを担いで、岩場に顔を出しても、「このおじさん、何しに来たんだ?」みたいな顔をされることもないのだ。なんか落ち着くのだ。

 その課題は、C難度の課題らしいのだが、離陸ができなかった。やっぱり豊田のグレードもどんどん成長して辛くなっていっている。様な気がするのだが。

 その後、何回かその課題に挑戦してみたが、結局離陸ができなっかった。言い訳モードで言わせてもらえれば、リハビリ外岩のまだ第一日目だからなぁ。

 その岩のすぐ上の岩で別の方々が被ったところを登っていたので、そっちに行ってみた。ミリカチチックなホールドで離陸し、リップにランジ、そんな課題であった。

 小生には無理そうな課題だったので、その岩の左隣の岩の真ん中辺の所を触ってみた。

 こちらも一手ものの課題である。離陸してしまえばあとはリップ、そんな課題だ。しかし、離陸が難しい。すぐに諦め、その左の易しそうなところに変えてみた。そうしたら、そっちは何とかできた。じゃぁーと、また真ん中の課題をやってみた。

 足を捜し、手を捜して、パッと手を出してみたら、狙っていたカチが取れた。その課題はほぼそれで終わりだから、後は余裕で上に抜けた。

 著者に易しい課題はないかと聞いてみたら、最初にやった課題の後ろの岩の課題を教えてくれた。aだという。

 ほぼ垂直の感じだが、真ん中より少し下辺りに水平にフレークの淵が走っており、そこに乗ればリップが取れる。確かに易しそうに見えた。

 フレークに乗ってリップに手を出した。どこを持つのだ。あっちこっち探ってみたが手がかりが殆ど無い。フレークを右に行ったり左に行ったりして、出来るだけ高い場所に乗りながらリップを探るのだが、やっぱりホールド出来ない。一生懸命粘ってみたが力が尽きた。

 難しいじゃん。改めて岩を見直し、今度は右のカンテを使うことを試みた。やっぱりだめだった。

 aじゃないよーと、著者に文句を言ったら、その岩の裏に面白い課題があるとまた教えてくれた。斜めに走るダイク沿いに登る課題だそうだ。

 裏に回ってみたら、確かに殻付きピーナツを横にしたような岩の真ん中に斜めにはっきりしたダイクが走っていた。そこをダイクだけを使って登るらしい。ほかの場所には手も足も触ってはいけないらしい。

 言われたとおり、ダイクだけを使って離陸を試みた。手、足はあるのだが、位置が悪くどおしてもダイク以外に体が触ってしまう。明らかにスメアをするとか以外でも、体の一部が触ることもいけないらしい。

 いろいろと悩みながらいろんなことを試してみたが、全く出来ない。ムーブを発見するのがこの課題の核心らしい。そのムーブでやればa難度らしい。本当かなぁ。

 結局ギブアップして、限定を解除して登ってみた。でも、結構しんどかった。

 もしやと、再び限定を復活し、ダイクの瘤と瘤を身体を横にして、オポジションで踏ん張ってみた。そうすると離陸は出来た。でも、次にムーブが繋がらない。やっぱり違うのかなぁと悩んでいたら、一応その系統のムーブが正解ムーブらしかった。とは言われても、体の硬い小生には、やっぱり出来そうには思えなかった。

 とまぁ、その日はその辺で終わりとなった。時間にして、うーん、どれくらいだろ。まぁいいや。

 駐車場でトポを分けて頂き、岡崎に向けて帰路に着いた。

 途中、今まで只券をもらっていながら、なかなかその機会に恵まれなかった、全国チェーンのカレー屋さんにやっと入ることができた。なにしろ、そこらじゅうにありながら、何故か、なかなか食事の時間に現れることがなかったから、まだ一回も入ったことが無かったのだ。只券をもらったときに、インターネットでメニューを調べてみたのだが、その時には、なんとなく高そうな印象を持ったのだが、意外と小生向きのメニューもあった。今後も只券がもらえそうなので、多分これからも何回かはお世話になることだろう。

 岡崎からは東名に乗り、100kmの直前で高速から一般道に降りようと考えたのだが、気が付いたときには既に100kmを越えてしまっていた。仕方が無いから、そのまま高速を走り、海老名で少し時間調整をして家に帰った。なにしろ、高速代の負担も結構大きいからなぁ。


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作成年月日 平成18年 3月11日
作 成 者 本庄 章