白妙ボルダーその4そして御岳

2000年9月11日記
 9月9日の土曜日、自動車のエンジンが調子が悪くて日曜日に静かにしているしかないかと諦めていた所にジムの仲間から白妙に行かないかとのお誘いが有り、渡りに船と同行させてもらう事にする。

 9月10日日曜日、朝5時半起床、途中コンビニに寄って、7時に仲間2人と落合い市川を出発。前回は京葉道路を使ったので、錦糸町の料金所先の渋滞に巻き込まれたのだが、今回は湾岸まで出て、レインボウブリッジ経由で八王子へ行った為、渋滞もなく、1時間ちょっとで八王子にいってしまった。もう1人の仲間と軍畑駅10時頃に待合わせていたのだが、これでは1時間以上前に着いてしまうとのことで、途中のコンビニで時間を潰す事にする。

 小生は、普段アイス最中は食べないのだが、抹茶あずき最中が目に入り、思わず掴んでしまう。仲間の一人も持っていた。「これ、高いんですよね」って言われて改めて値段を見たら、成る程150円だ。「値段を先に見ていたら決して手は出さなかったのに」とは言って見たが、欲しくてつかんだものだから、「ガリガリ君」の2倍以上もするこのアイスを買ってしまった。おいしかった。

 一応軍畑の駅に行き電車の時間を確認したが、1時間以上時間があったので、鵜の瀬岩に行って見る事にする。

 鵜の瀬橋の袂から河原に降りたが、やっぱり草茫々。とっても取り付ける状態ではなかった。諦めて向いの命下さい岩へ。

 ここの正面の2級の課題はしつこい程のトライの末に1度登っている。後は、左のSDの1級と、右の下地が下がり難しくなった元2級の課題しかない。仲間の一人は正面の2級を一撃。左の1級も登る。もう一人の仲間はやはり正面の2級を既に登っているので、そこを別の登り方でトライ。その後1級にトライしている。小生は、正面の2級にトライ。2回ほど失敗したが何とか再登できた。

 軍畑の駅に戻って、しばし仲間を待つ。ここの駅は原則無人駅だが、この時は、青梅方面から車掌が2人乗って来て改札をし、次の上りの電車で帰って行くと言う事を繰り返していた。そう、繰り返していた事を確認できる程にここに居たのだ。でも、やっとその仲間と落ち合う事ができ、一路白妙を目指す。

 白妙には入口の小さな少し被った岩にトップロープをかけて登っている人達がいた。

 河原に降りる。向いの大ルーフの課題は水没していた。

 先ずは一服。その後、大きな垂壁を持った岩のカンテを登る課題に取り付く。小生以外皆簡単に、或は少し苦労して登る。小生、いくら苦労しても登れない。スローパー気味のリップとスメアリングチックな足で身体を上げて右手でその上のガバを取るのだが、リップにぶる下がって、足を上げようとすると手が外れてしまう。結局懸垂トレーニングに終わる。

 その横の、ハングの所をマントリングする課題は、他の仲間はSDでやるのだが、小生はスタンドアップでも登れない。やっぱり、スローパーチックな左右のホールドでスタートし、左手を引き付けながら高く上げた右足に乗り込み、右手で奥のリスを取るのだが、先ず足が上がらない。左手が引き付けられないから、やっと上がった足に乗り込む体勢が作れない。またまた懸垂の筋トレに終わる。

 先のルートの一団は同行者の知り会いだったらしい。小生も先の小川山で会った事の有る人だった。その人が、仲間を気にしながら河原に降りて来て、我々に加わる。

 うちの仲間はこのハングの部分をトラバースし、カンテにつなげる課題に挑戦している。当然小生には無縁の課題である。

 皆がひとしきり登ったので、にらに移動する事にする。

 にらは、降り口の道が崩れていて、鎖が設置されていた。

 この岩にはビンビンという3級の課題が設定されているのだが、下地が上がり、今は易しくなっている。この岩は、登ってしまってからが大変である。何しろ上は傾斜は緩いのだが苔苔でなんかいやらしい。今回はそれに草が生い茂り、どこがどうなっているのかわからない。できれば上に行きたくない感じだ。

 このビンビンという課題は一度登っているので、他の人が登ってどこを降りて来るかを見学することにする。

 一人が、ビンビンを登る。そして、にらの出口を偵察し、またビンビンを降りて来る。参考にならない。次の人が挑戦する。出口がいやだと降りて来る。またその次の人が挑戦。途中で降りる。なかなか上に行かない。小生も取り付いて見る。こんなに難しかったかなぁ。1手目が取れない。

 一人が、何回かの試技の後、やっと上に抜ける。それを見ていた、さっきここを登って降りて来た人が「あぁあ、登っちゃった」と小声で呟く。小生もそう思った。案の定藪漕ぎしながら迷っている。小生、降り口まで廻って誘導する。降りて来て、登ってからあんな事言う、んだものなぁだって。聞こえていたらしい。

 降りられる事を確認したので、小生も本格的にビンビンに取り付く。足を変えたら、1手目が取れた。被っているからと、少し横を向いてやっていたのだが、正対で行った方が良かったようだ。そこが取れればあとはリップを取ってマントルになるのだが、このリップがやっぱりスローッピーなのだ。もがいているうちに落ちた。その後休みながら何回かトライしたが、結局ここも筋トレに終わった。

 他の仲間は、レバーに挑戦する人、裏ビンビンに挑戦する人、にらに挑戦する人とそれぞれだ。レバーに挑戦していた人は、ムーブは繋がったようだが、成功はしなかった。裏ビンビンの人は登る事ができた。この人、今回この岩の上に立った回数が一番多い。にらの人は、2回目か3回目に登った。

 このにらだが、すごく被っている。そして、ホールドは指先が僅かに掛かるだけだ。そのうえ、そのホールドに飛びつくのだ。レバーをやっていた人が、3段は次元が違うと言っていた。小生には想像すら出来ない世界だ。初段ですら次元が違うと思えるのだから。水際カンテの傾斜をもっともっと強くした様な感じの岩の出っ張りを下から抱きつくみたいに登ると言えば、大分現実とは違うが雰囲気は伝わると思う。で、その先のマントルがまた悪いらしい。そのマントルだけで初段だそうだ。

 ビンビンを登った人が、その横の川沿いに有る6m位のハイボルダーのほぼ垂直の壁を登っている。でも、途中で降りる。それを見ていた、かのにらの君が歯ブラシを咥えて登り出す。そして、途中、ホールド、スタンスを磨きつつ登りきる。下から見ていると、殆どガバガバだ。どうやらこの岩の上にはリングボルトが有るらしい。

 降りて来たのでグレードを聞くと7級位という。よし、小生も取り付く。で、出口一歩手前で行き詰まる。仕方が無いから、そこからクライムダウンする。再度先の人が掃除に登る。出口一歩手前の小さなホールドを磨いてくれる。小生再挑戦。先のホールドのお影でようやく出口のリップに手が掛かる。最後の部分だから高さが有る。その手に体重を預けるのはちょっと心許ないので、もう少し奥まで手を伸ばして、やっと体重を預ける。核心が最後だからと6級に格上げしてもらう。実質9級位か。因みに出だしも小核心。

 レバーを登っていた人も登る。そろそろ時間時と言う事で御岳に行く事にする。

 途中古里の駅前のコンビニで栄養補給。ガリガリ君をゲット。抹茶あずきの仲間もガリガリ君をゲット。アイスに関してはほぼ同嗜好の様だ。店の前でアイスやらを食べていると、またまたリハビリ中のハイキング帰りと言う仲間の知り合いに会う。そこでひとしきり「マイモーズ」の話題でもりあがる。

 この、マイモーズと言う言葉、我々の仲間内で今ブームを呼んでいる言葉なのだが、意味がわからない。何かに付けマイモマイモという掛け声みたいに使うのだが、その意味を知るものは我が仲間には誰もいない、不思議な言葉なのだ。果てはボルダリングクラブマイモーズを名乗る話しも出ているのだが、一応意味を確かめてからと、会長まで決まっているのにクラブ発足は只今ウエイティング中なのだ。どうやら沢関係の言葉らしいのだが、もしご存じの方が居られたら教えて頂けると非常にありがたい。

 発電所脇の駐車場に車を入れ、丸こんにゃく岩を見に行く。下地の半分が水没との事で、忍者返しかデッドエンドか迷った末、近いからとの事で中州ボルダーに行く。もう既に釣り人はいない。

 レインボウハング、最初が取れない。カンテを使ってしまうチョンボムーブも出来ない。疲れてる。そのまましばし休息。若しかしたら寝ていたかも。

 皆はジャンピングフックをやっている。右手を小さなカチにかけて、地面から飛びつく。これが意外と難しいらしい。小生も一緒になって飛んで見る。10cm位は足りないみたい。左手を補助に使う方法だと一人の人ができる。スタテイックには2人の人ができる。左手補助で飛んで見る。出来ない。

 この左手補助の方法だが、以前小生もここで試した事があった。その時は地面からではなく、岩に止ってから飛んでいた。ここのジャンピングフックはどうやら地面から飛んでも良いようだ。

 小生とビンビンの彼で裏のスラブチックな壁を登る。今まで、この壁の課題をまともに登った事はなかったが、登って見ると、つるつるでフリクションが効かない。エッジングで登らなければならない。それでも滑る。右、中央、左と登って見る。結構細かいスタンスとホールドで登る。ともに8級らしいが、結構面白い。

 ビンビンの彼が、ジャンピングフックの左のカンテをSDでやっている。面白そうと、他の人もやる。足が悪いので下地を少し掘ってスタンスを出してからトライして、登った人がいる。その人、次に左足をうんと左に出して登って、こっちの方が易しいかもと言う。そこで、最初にやっていた人が登り成功する。で、ここを「サンダー」にするとか。小生もやろうと思ったのだが既に薄暗くなりかけており時間切れとなってしまった。

 帰り支度を整えて、暗い遊歩道を駐車場に戻った。今までこんなに遅くなったのは1回位しかなかったので気が付かなかったのだが、御岳の左岸の遊歩道って、街灯があって意外と明るいのだ。また、発電所の明かりも結構明るい。最初危惧した明り無しの歩きにくさもなく、無事駐車場に行く事ができた。

 例によって御嶽駅前の中華料理屋へ。そして、仲間一人を青梅駅に送り、帰途についた。

 始めが少し遅かったとは言え、その後6時半頃までボルダリングをやっていたので、皆相当に疲れたようだ。小生も、これといって登ったと言う所もなかったのだが、そこそこ頑張っていたようで、大変に疲れた。傍目にもはっきりとその様に見えたらしい。実際朝5時半から行動していたのだから、眠いし疲れていたのだろう。

 白妙は被っている所が多い。というか、今回は垂壁のハイボルダーとジャンピングフックの裏面以外は皆被っていた。従って、小生にとっては殆どキャンパシングみたいな感じになる。当然1手1手が疲れる。で、その疲れが元には戻らない。1手1手疲れが増して行く。そんな感じだった。だからそんなにやった気はないのだが疲れてしまったのだろう。これからはより一層どっかぶりの壁で引き付けの力を付けなければ。


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作成年月日 平成12年 9月11日
作 成 者 本庄 章