上信越のマイナーなボルダーを巡る旅その4
下仁田ボルダーに行ってきました2006年10月 6日記
下仁田道の駅で朝4時に目を覚ました。トイレに行き二度寝をしようとしたのだが、なかなか寝付かれなかった。疲れも溜まってきたから、眠れなくなったのだろうか。昨日今日と、段々目が覚めるのが早くなってきた感じだ。
外はまだ暗いが、無理に寝てもと思い直し、ヘッドランプを点けて、持参していたポケコンに今までのメモを付け始めた。
色々思い出しながら、それまでの行動をメモしていたのだが、そううまく時系列で思い出してはくれない。あっちに飛んだりこっちに飛んだりしながら、適当なメモを作っていた。
そろそろ空が白みだしてきた。そんなに寒くは無い。コンロを取り出し、自動車の陰に出て、湯を沸かし始めた。
湯が沸いたので、コーヒーでもと思ったのだが、持参していたインスタントコーヒーの粉は、なんだかカビが入っている感じがしていたので、今回はコーヒーは入れず、ただの白湯を飲んだ。そして、まだ朝食には早いとは思ったのだが、折角湯を沸かしたので、カップラーメンを作り、食べることにした。
まだ6時前だと言うのに、周りの人達は結構活発に動いている。今回も、特に連休と言うことも無いのに、道の駅の夜は何台も乗用車が停まっていた。ここ下仁田も、トラックは勿論、乗用車が10台近く停まっていた。その大半は車中泊のようだった。完全に道の駅泊の自動車旅行は定着してきているようだ。
その日も靄が立ち込めていた。天気予報ではそろそろ天気が崩れだすとのこと、一応ここが最後の予定だし、少し早めに動き出すことにした。今時のボルダラーにあるまじき行為ではあるのだが。
今回のボルダリング行だが、一人と言うこともあって、結構朝早くから行動を起こしてきた。やはり歳なのかなぁ。
6時過ぎだというのに、目的地に向かって走り出した。
事前調査により、最初に目星を付けていた川沿いの道に入ると、川床に結構なボルダーが見えてきた。目星は図星だった。ここは特に詳しい資料も無く、下仁田のボルダーだと言う何枚かの写真と、前橋のジムのオーナーさんがHP上に残してくれたほんの僅かのキーワードしか情報がなかったから、もう少し探すのに時間が掛かるかと思ったのだが、意外とすんなり見つけることが出来た。探す時間も見越して大分早めに出てきたのだが、取越苦労だったようだ。
川沿いの道には川側にちょっとした駐車スペースがあったので、そこに自動車を停め、川原を偵察に行ってみた。
ボルダーがあることは一目で分かったのだが、道から川原までは高い護岸が造られているので、降り口が見つからなかった。少し上流まで行って見たら、ガードレールの外側に旧橋への取り付け道路部分らしき所があり、そこに入っていったら、ちょっとした段差を利用して川原に下りる道筋が付けられていた。
川原に降りると、結構大きなボルダーが幾つか見え、その幾つかにはチョークの痕が点々と付いていた。これで場所的に間違いはなさそうだ。
まずは一番下流辺りの岩まで行き、川原に荷物を降ろした。
岸側の大き目の岩の僅かに寝た上半分がちょっとした凹角になっていてちょっとしたハングを形成しているところが登れそうに見えたので、触ってみた。しかし、ホールドが無かった。下からではホールドに見えたところも、下から飛びついて見ると、外傾していて、いきなり持てるホールドではなかった。
その面は、右下方向にリップが傾いていたので、段々と右の方に移動しながらホールドを探したら、結構右の方まで行ってしまった。まぁ、アップだからと、最初にそこを登ってみた。
何時もそうなのだが、簡単に降りられると見えた斜面が、意外と傾斜があり、下が少し切れていたりしたので、ちょこっとだけクライムダウンをしてしまった。
その岩のその面の左側の面は一番高くて少し被っている。そして、少し凹角状をなしており、そのコーナーに下から上まで縦の一本のクラックが走っている。見た目は格好良かったのだが、クラックが狭く浅かったので、指の掛が悪く、2〜3手しか登れなかった。
その岩の川側に岩自体は2mくらいの小さな岩の上に乗った岩がある。従って、下部は被っており、岩自体が丸っこく凸凹しているから、少し面白そうに見えた。実際、斜め上に走る細いクラック沿いにチョークが付いていたが、そのラインは小生には無理そうだったので、ハート型のちょうど真ん中辺を登ってみた。ハートの足が下に伸びているから、足もそこそこあり、登ることが出来た。
その岩の裏と言うか、流れ沿いに大きな岩がある。岸側は少し寝たガビガビの大きな壁になっている。難しそうではないが、高さが5〜6mはありそうだったから、少し怖そうである。これはぜひ登らなければと、取り付いてみた。
この岩、下部は1mくらい大きく被っている。その被りのリップは立っており、どちらかと言うとツルツルである。従って、地面からでは壁に取り付くことが出来ない。幸い、左の方の下部に小さな岩があったので、その岩から少し寝た壁に取り付いた。
壁はガビガビしてはいるが、はっきりしたガバは無い。しかし、足で立てるから、適当に高度を上げてゆき、一番高いところを抜けていった。久しぶりに10級の楽しさを味あわせてくれたボルダーだった。多分ここでこのラインを登る人は少ないだろうが。でも、もしかすると、ガバホールドが少なかったから、10級よりはもう少し難しかったかも。
その大きな岩の前には、高さが4mくらいある、被った、ツルツル目の壁を持った岩がある。その被った面にはチョークも付いている。そこを冷やかしに触ってみたら、冷やかしにもならなかった。
そこからは、川床が一段上がった感じで、また幾つかの岩が散らばっている。そんななかの、小さな丸っこい岩を触ってみた。
丸っこい岩だから、下半分は被っている。そこを足を高く上げて、リップ上に乗り込んだ。最近、こういうムーブが出来るようになってきたようだ。
川の流れの近くに、三角形の下半分は寝ているが上半分がハングになった岩があったので、その面に取り付いてみた。
下部のちょっとした被りのリップに乗り込むと、頭がハングのルーフにぶつかる。身体を少し反らして、ルーフのリップの上のホールドを探る。そんな感じで登って行った。最初に見たよりはなんとなく易しかった。
川原に下りたときに最初に目に付く3mちょっとの垂直の壁を持った岩がある。なんとなく面白そうに見えたので、そこを登ってみた。岩の天辺の少し下に僅かなバンド状のホールドがあったので、見た目よりは易しく登ることができた。
その岩の上流側の裏に三角形に突き出したとがった岩がある。そのとがった部分は結構被っている。高さは2m半くらいだから、普通はSDでやるのだろうが、小生は立ったままガバを繋いで登ってしまった。まぁ、楽しみで登っているわけだし。
川原に降り立った場所のすぐ前に横たわる大きなボルダーがある。高さは2mちょっとだ。その岩の少し被ったところにも沢山のチョークが付いている。そのチョークは結構低いところから付いている。例に因って、適当なホールドで登ってしまった。
その岩の上流には大きく横たわる、高さが2mくらいの壁を持った岩がある。リップが直接持ててしまう。そのリップで離陸してみた。しかし、その先のホールドが無い。足も良いものが見当たらなかったので、無理してマントルすることはしなかった。
その岩の岸側にはやはり2mくらいの岩がある。この岩はリップが丸く、リップを持って離陸は出来ない。しかし、足は良い。10級かな。
おおよそ、このエリアの岩はそんなところか。少し休んで、先に登った、3mちょっとの垂直の壁を持った岩に行ってみた。その垂壁の右側の、岸に面した壁の上が僅かに被っていて面白そうに見えたので、触ってみた。離陸して、次に左の手を出したのだが、ホールド出来ない。右手はあまり良いホールドではなかったので、左手に頼って岩にへばりついていたから、手が伸びなかったのだ。多分登れなかったような。
あまり休まずに登っていたから、大分に疲れてきた。もう易しそうなところもあまり残っては居ない。空もなんとなくどんよりとしているし。まだ早いけど、今日で最後だから、これで帰ることにするか。
自動車のところまで戻ると、近所の人達だろう集団が刈払機で道路の脇の草を刈っていた。自動車を置いたちょっとしたスペースの奥には一輪車も置かれていた。このまま自動車を置いておくと、もしかして邪魔になってしまったかも。声を掛けようとも思ったが、少し離れていたので、そのまま自動車を移動させた。
まだ9時前だ。おそらく2時間くらいだったのだろう。時間はたっぷりある。高速を使わずに、下の道で帰ることにするか。
途中、道の駅に再び寄って、カーナビを自宅にセットし、国道254号を走り出した。
何時もなら、そのまま寄居まで行き、熊谷、栗橋、春日部経由で16号に出て家まで帰るという道筋を通るのだが、今回は時間もあるし、ガソリンもギリギリ気味だったので、多分距離的に近いだろうカーナビが指示する道を走ることにした。
藤岡からまっすぐ17号に向かい、上尾近くから16号で岩槻に出る。そこからは東北道の側道の122号に入り、川口から外環の側道となる298号を使って松戸まで行くと言う道筋である。熊谷から先は始めての道となる。
渋滞が心配されたが、それほどの渋滞は無く、無事298号に乗ることができた。途中の122号は、東北道の側道だからか、信号も少なく、片側2車線のすごく走りやすい道だった。
298号には安行に道の駅がある。場所的に少し行きにくい道の駅だが、トイレに寄ろうと寄ってみた。しかし、小さいほうの第一駐車場がいっぱいだったので、広いだろう第2駐車場に行ったら、整理員がいて、入るのにすごい行列を作っていた。聞くと、近くで運動会をやっているとか、仕方が無いからそのまま298号に戻ってしまった。
松戸からも、カーナビに従い、市川に出、そこからはカーナビが示す14号には行かず、江戸川沿いの道で原木まで行き、湾岸で家に向かった。
ガソリンは、ランプは点いてしまったが、切れることなく帰り着くことが出来た。因みに、まだ昼を少し過ぎたところだった。
今回は、4日間に渡り、幾つもの岩場を回ってきた。その中で、唯一メジャーと言える場所は坊抱岩だけだった。それでも、主な岩の数は二つだった。ボルダーとしては決してメジャーな場所ではなかった。ボルダーエリアとは言いにくい場所だった。他の岩場も、金原ダム下、そして下仁田下以外は、多くとも三っつか四っつ、赤木高原、いもっこボルダー、物見の岩のボルダーはたったの一つだけだった。金井山公園も実質一つだった。そんな岩場だったから、4日間、実質3日半で9箇所も回ることが出来た。難しい課題には見向きもせず、ただひたすら易しい課題のみを登って来たという証拠でもあろう。実質、殆どの課題は1回で登り、複数回で登った課題は極僅かだった。まぁ、そういう楽しみ方もあるということだ。