四国その2の5そして6 大堂海岸
2008年 1月26日記
四国の第5日目、1月3日である。
大月道の駅で、5時ちょっと前に目が覚めた。周りの自動車は全くいなくなっていた。
8時前に起きだし、朝食の後、少し道の駅を見学した。
9時過ぎに道の駅を出発し、トンネル脇の駐車スペースに自動車を停めた。その駐車スペースには既に4台ほどの自動車が停まっていた。昨日お会いした大阪の方のだろう自動車も停まっていた。
道路の反対側の法面を登り、その上に走る四国の道に入って行った。昨日、折角確認した四国の道は、今回は使わなくとも良かったのだった。
昨日のエリアとは反対の方向に歩くと、程なくお座敷エリアへの踏み跡が現れた。そこには、小さな案内板が付けられていた。本日の最初の目的は東の林の中の遊歩道エリアだ。四国の道の上の方に点在するというボルダーだ。
トポには、四国の道から何本か点線が入っている。それらしい踏み跡を探して先に進んだのだが、岩影は幾つか見えるものの、踏み跡は認められなかった。暫く進んでみたのだが、踏み跡は現れず、遂にトポのエリアの端っこに描かれたベンチと思しき物が現れた。そこが多分エリアの端っこだろうと、その辺りから林の中に踏み入って見た。
林の中は、それほど樹木が密生しているわけではなく、結構歩きやすい所だった。遊歩道から少し登ると、その斜面の峰に出て、その峰の裏は伐採された面になっていた。その峰がどうやら境界線のようだった。
トポには、境界線岩という岩が書かれていた。その峰には結構はっきりした踏み跡があった。トポにも、その峰らしい所に点線があった。
その尾根筋を少し行き来して見ると、トポの写真と同じような岩が見つかった。写真と見比べると、間違いは無さそうだった。
先ずはその境界線岩のカンテの6級の課題を登って見た。そのSD版は3級らしかった。一応やってみたが、やっぱり3級だった。
その岩はちょっと他の岩とは離れており、一番近い岩は林の中の岩塔と言われている岩ではないかという先人岩だった。境界線岩から踏み跡は繋がってはいなかったが、先人岩方面に進んでみた。
それらしい岩は直に見つかった。その岩には、「やじろべえ」という3級の課題と「先人」と言う4級の課題がある。
右側のカンテ絡みの先人を触ってみた。フレークを繋ぐというかカチカチ課題と言うか、それほど難しいとは感じなかった。
気をよくして、左側のやじろべえを触ってみた。全然駄目だった。
尾根筋に他の岩を捜しに行ってみた。しかし、なかなかトポにある岩は見つからなかった。
右往左往しているうちに、赤いペンキが塗られた岩が出てきた。トポを見ると、赤ペンキ岩という岩があった。そこには8級の課題が示されていた。課題名はそのまま「赤ペンキ」だ。スラブの課題だから、どこを登っても良いらしい。一応登って見た。
その横の岩はポコカンテだ。7級らしい。最初に岩を見た時は、まな板岩ではと思ってしまった岩だ。
まあるい岩を真中からスパッと切ったような感じの岩だ。縦にクラックが走っていたので、右手でそのクラックを使い、左の切断面のカンテで離陸し、カンテの左のスパッと切れた面に回りこんでそのリップをマントルした。8級らしいので、それほど難しくは無かった。SDだと3級と言うことだったので、SDでもやってみたが、そっちは駄目だった。
まな板岩が見つからなかった。まな板挟み直上とかまな板挟み右へ逃げちゃったとかの課題のある岩だ。多分まな板状の岩だから、見つかるだろうと思ったのだが、なかなか見つからなかった。
やっと見つけ出し、その岩のまな板フェースという9級の課題を登って見た。意外と面白い課題だった。続いて、まな板挟み直上にトライして見た。下1m位が切れた、幅50cmくらいの板状のところを挟み込んで登ると言う課題だ。両カンテで離陸し、板を挟み込んで登るらしいのだが、股関節が硬いせいか、板を挟みこめないのだ。まな板挟み直上課題は5級らしかったのだが、結局登れなかった。仕方がないから、その右カンテの右側を登るまな板カンテ5級を登ってお茶を濁してしまった。
昼近かったので、一服し、持参したパンを食べた。一服した積りではあったのだが、後で写真を調べると、10分と休んではいなかったようだ。
最後まで見つからなかった、かまぼこ枝フェースが本当にやっと見つかった。この岩は、なんと言うことの無い、極普通の大きさの極普通の形の岩だった。つまりはそんなに大きくも無い、ずんぐりとした岩だったのだ。8級のスラブ、9級のフェースを登って見た。意外と手ごわかった。
途中、岩の下が祠状になった岩があったので、その下で一服する写真を撮ってもらった。単なる記念写真だった。
最後に残った、ミニミニ岩に行ってみた。マントル5級とトラバース4級があるのだが、共にSD課題だ。ということで、両方とも出来なかった。やはりSDは無茶苦茶苦手のようだった。
一応遊歩道エリアの岩はそんな所だったので、下り口エリアに移動した。
このエリアは四国の道からお座敷エリアに下る踏み跡の両脇のエリアだ。移動の途中、遊歩道脇の小さな岩を登ってしまった。
先ず最初に遊歩道という課題のある岩を遊歩道から探してみた。この課題の解説には、遊歩道から右下に見え、その課題をトップアウトすると遊歩道に出るというので、簡単に見つかると思ったからだ。それに、その課題は8級と言うことだったし。ところが、そんなな岩は見つからなかった。遊歩道から踏み跡の入った岩を見つけたが、とっても大きな岩で、別の岩だった。
仕方がないから、お座敷エリアへの踏み跡を降り、その脇にあるらしい鏡餅岩を探して見た。しかしこれもなかなか見つからなかった。踏み跡を少し行ったり来たりして見て、やっとそれらしい岩を見つけることが出来た。しかし、その岩は単なる目印で、課題のある岩ではなかった。次はその鏡餅岩の直下にあるらしい電気岩だ。写真に因れば結構大きな岩だ。
しかし、これも踏み跡からではなかなか見つからなかった。仕方がないから、茂みの中に踏み込んでみた。茂みの中は踏み跡があるわけではなく、ただ適当に歩くしかない。岩影を求めて少し歩き回ったら、それらしい大きな岩が目の前に現れた。トポの写真と見比べると、その岩が電気岩のようだった。
その岩には、その大きなスラブ面の真中を登る、結構高めの7級の課題が設定されていた。見ると、適当にフレークなどがあり、登れそうに見えた。結構高い岩だったから、少し怖かったし、実際、上のほうで細かいスタンスに乗り組まなければならないムーブが出てきたが、何とか登ることができた。
その岩の奥に遊歩道岩があるはずだったのでその先程は見つからなかった遊歩道岩を探しに行った。
その岩は、少し急目の斜面にあった。その岩の側面を登る課題が遊歩道だった。8級と言うことだったが、下地の状態とか、考えると、8級ではない気がした。多分落ちると少し危ない下地だ。下地が傾斜しているから、高さも感じられるし。
次は、そのまた少し奥の、見た目10級を探しに行ってみた。相変わらず見つからなかった。ハングをフレークをつかって乗り越す課題との解説を元に、被った岩を探して見たのだが、見た目10級の被った所なんてなかなか見つからなかった。
色々と岩を見て回っていると、小さめの下が丸くへっこんだ、傾斜の緩いスラブの岩が出てきた。そのスラブ面を見ると、直径20cmくらいのフレークが剥がれたような感じの穴があった。もしかして、その穴の淵をフレークといっているのだろうか。下が丸く凹んでいる所をハングといっているのだろうか。そう考えて、その穴から登って見た。その課題は5級らしいのだが、どう考えても5級ではなかった。なんだか違うようだ。
続いて、ポケットスラブを求めて藪を徘徊し始めた。やっぱりなかなかポケットスラブは見つからなかった。
高さは3m位。なんだかすっきりした垂壁にクラックが縦に2本、或いは3本平行に走っている岩が出てきた。クラックにチョーク痕も残されていた。なんだか結構綺麗な岩だった。
トポを見てみたが、それに該当する岩は見当たらなかった。でも、あまりにも綺麗だったので、そこを登って見ることにした。
真中のクラックで離陸し、左側のクラックを取ってリップを捉え、マントル、というムーブを想定して見たら、なかなかリップが取れなかった。クラックが浅く、それほどしっかりとは効いてくれなかったからだ。足もあまり良い足は無く、細かいスタンスを拾うしか無かったのだ。
腰をすえ、何回か試技を繰り返した。足を選び手順を替え、やっと真中のクラックの上のリップのちょっとした丸いスローパーホールドに左手が届いた。もてるといえば持てるホールドだった。しかし、カンテの右手があまり効いてくれなかった。特に身体を挙げてゆくと、右手はズルズルと滑り出してしまうのだ。
その後も、どうしても、右手のリップの滑りを止めることは出来なかった。
その岩の横にすっきりしたカンテを持った岩があった。正面からは登れなかったが、カンテの右に回りこむと登ることが出来た。
その岩から、少し斜面を登り、踏み跡方向に移動していると、地面に穴の開いた場所が出てきた。落とし穴? 持参していたトポには、ポケットスラブの岩の近くに「落とし穴」との記述があったのだ。トポを引っ張り出し、その横の岩と見比べると、その岩がどうやらポケットスラブの岩のようだった。
その岩は結構傾斜のきついスラブだった。真中の「ポケットスラブ」は4級だった。左は8級だった。共にポケットからのスタートなのだが、ポケットから直上する8級の方を登って見た。先の課題で指皮が大分減ってしまっていたので、やはり少し怖かった。
下からその岩を眺めて見た。普通のスラブに見えた面に、ちょっとした斜めに走るフレーク、或いはテラス等があるように見えた。その上の面には、ちょっと離れてはいるが小さなポケットが見えた。それらのフレーク、或いはちょっとしたテラスで横に並ぶポケットを繋げば何とかなるかもと、4級の課題のラインを登って見た。途中でヤバくなれば、そのまま右のフェースに逃げる6級の課題のラインを登ればよいのだ。
スタートから少し離れたポケットを取って右にトラバースし、そのままポケットを使ってちょっとしたフレークで右上し、ちょっとしたテラス状に立った。そこから直上すれば4級課題のラインだ。ちょっとしテラスと言えども、傾斜はそこそこあった。高さも1mちょっとあり、下地はあまり良くは無かった。当然、テラスの下は切れていた。つまり落ちたくはない状態だった。
直上を少し躊躇していたら、腰から少し上辺りに小さなポケットが見つかった。そのポケットを使えば。そう思えたので、思い切って、そのポケットに乗り込んだ。後はリップを押さえ込み、上に抜けた。
そのラインは、そのポケットの少し右側に行き、右足で乗り込んだので、直上よりは少し右よりではあった。でも、より右側のフェースには出なかったので、一応直上でよいのかも。と言うことにしておこう。
その横には桃岩があるはずだと探したら、程なく見つかった。
そこには、左へと言う3級の課題があったので、その課題を確かめて見た。下に横たわる岩の上に乗り、丸っこいカンテを乗り越す課題だった。しかし、顕著なホールドは無かった。とても登れるとは思えなかった。
続いては踏み跡の反対側の課題だ。
先ず、スモールカンテを探して見た。桃岩から道を挟んで対面にあるとの課題だ。しかし、これもなかなか見つからなかった。トポの写真はこの課題を上からのアングルで撮ったものだったので、岩の形も分かりにくく、なおさら見つけにくかったのだ。
結局スモールカンテは見つからず、ピヨコ岩が見つかったので、そのピヨコ岩を登って見た。やっぱり10級だった。
スモールカンテは諦め、その上にあるイボ蛙を探しに行った。イボ蛙は岩の形状から直に分かった。
ハングした部分を直上という5級の課題は出来る気がしなかった。その課題から右の傾斜の落ちた所を乗り越すという8級課題も、スタートが出来なかった。仕方がないから、その右の、最初から傾斜の緩い所を登ってしまった。
次は下部エリアだ。沢が開けた辺りに文旦岩があるとのことで、探しに行ってみたが、見つからなかった。既に3時半を回っていた。もう相当に疲れているし、そろそろ引き上げるかということになった。
折角大堂海岸まで来たのだからと、海岸まで行って見ることにした。
踏み跡を下ってゆくと、程なく海岸に出た。
海岸は結構大きな石がごろごろしていた。海岸の後ろは断崖になっており、その断崖、つまり岩壁が遥か先の岬まで続いていた。多分最果てエリア方向だったのだろう。
反対の岩礁には釣り人の影が動いていた。決して暖かくは無いのに、ご苦労さんなことと、自分のことを差し置いて、思ってしまった。
最初の予定では大堂海岸はその日で終わりと考えていたのだが、結局その日の翌日も王道海岸ということにしたので、寒い海岸で4時頃までゆっくりしてしまった。
駐車場に戻り、少し気になってい柏島に行った。
トンネルを潜り、少し広い道が続いたが、程なく道は細くなり、柏島に入っていった。
柏島に入った所にトイレがあるはずだったので、そのトイレの駐車場に入ろうとしたら、その反対側の海側に自動車が何台か停まっている場所があった。見ると、そろそろ夕暮れだったので、その場所に自動車を停めた。
その場所は直前が海で、その海の先には夕日が落ちかけていた。つまり、自動車の中から海の先に見える大きな島陰に沈む太陽が真正面に見えるところだったのだ。自動車から降り、周りの自動車のナンバーを見たら、3台か4台ではあったが、全て本州のナンバーだった。
大月道の駅に戻ったのは5時ちょっとすぎだったので、スーパーの買出しはちょっと早いと、カップうどんを作って食べた。
そろそろ6時になると言うことで、昨日と同じスーパーに行った。しかし、弁当類は既に無く、狙っていた値引き商品は殆ど無かった。仕方がないから、適当に食料を買い込み、道の駅でまたまた夕食を食べた。
この道の駅はバスの停留所も兼ねているようで、時々大型バスがやってきた。
四国の第6日目、1月4日である。
大月道の駅で6時前に目を覚ました。寝る時には何台かいた自動車も、やはり全くいなかった。
8時頃、トイレの帰りにレストランの営業時間を確認したが、どこにも表示は無かった。たしか、レストランは8時からだったと記憶していたからだ。というのも、久しぶりで、そのレストランでやっている筈のモーニングサービスの朝食を食べようと言うことになっていたのだ。
自動車の中でコーヒーを沸かし、売店の開く8時半を待って、売店に行ってみた。やはり売店の中のレストランの看板には朝は8時からと書かれていた。しかし、先に時間を確かめに2階のレストランの入り口に行ってみたときには、何の表示も無く、営業をしている様子も見られなかったのだ。
売店から2階のレストランに上がり、モーニングサービスでホットサンドを頼んだ。
先客が一組あった。暫くすると、もう一組現れ、我々の後ろの席に座った。その人達は何となくクライマーっぽい若い男性の二人組だった。
その二人組は殆どしゃべらなかったが、何となく気になり、観察して見た。小生と向かい合わせの方向で座っていた人の手の甲を見ると、擦り傷の痕があった。やっぱりクライマーのようだと、もう少し観察して見ると、小生に背を向けている人の指が見た。その指は間違いなくクライマーの指だった。既に9時近いと言うのに、やっぱりクライマーのようだった。
自動車に戻る途中、犬を積んだ、愛媛ナンバーのレンタカーが現れた。その自動車の運転手がザックの荷物の整理を始めた。どう見てもクライマーのザックだったので、話しかけて見ると、やはり北海道から来たクライマーだった。何となく懐かしかったので、美唄の高校でルートセットをやった仲間の話など、少しお話をしてしまった。
大堂海岸の昨日と同じ駐車場に入ると、北海道からの人が先着していた。暫くすると、品川ナンバーの自動車が入ってきた。一昨日から見かけていた自動車だ。なかから、レストランで会った二人組みが降りてきた。話しかけて、レストランでのことをお話してしまった。
我々はさすがボルダラー。一番に出発した。
入り口エリアの下の下部エリアに行った。
文旦岩を探して見た。トポでは沢が開けた辺りにあると言うのだが見つからなかった。
仕方がないから、昨日と同じに適当に藪の中に入っていった。すると、二段スラブの岩が見つかった。ちょっとドキドキするというスラブだ。確かにあまり落ちたくはない下地の、二段になったスラブだった。でも、7級と言うことで登って見た。下の段は、傾斜は緩いとはいえ、これといって顕著なホールドは無かったので、それなりにドキドキしてしまった。
文旦岩はそこから沢沿いに少し下がった所だ。沢沿いに下っていったら、それらしい岩が見つかった。
文旦は、かかりの良いフレーク?から乗り越すという課題だ。トポをよく見たら、?があった。道理で係りが良いフレークかと疑問を感じた訳だ。
次は三角岩だ。これは比較的楽に見つかった。しかし、気の根っこに覆われており、カンテを天辺に向かって登ってゆくのは易しくは無かった。というか、天辺の少し前でカンテに上がってしまった。
次は、そこから二本ほど沢を越えた所の滑り台岩だ。
一旦沢の合流点まで行き、そこから左の沢を登って行った。しかし、沢床は歩きにくく、沢通しには行けなかったので、沢の脇の斜面を登って行った。その付近にはそれほど大きな岩は無かったので、少し大きめの岩を探して見たら、比較的容易に見つけることは出来た。もっとも、この滑り台岩は写真が無かったので、実際にその岩かどうかの確信はもてなかったが。
ということで、適当に、段差のある岩からリップを右にトラバースしてトップアウト、という課題ではないかと思われる所を登って終わりにした。
そこから戻る途中、面白そうな易しい岩があったので、思わず、苦手なSDをやってしまった。しかし、その岩は結構脆く、思ったラインを登ることは出来なかった。
途中、グリーンハイボールという岩を探して見たのだが、どの岩がグリーンハイボールなのかは分からなかった。しかし、途中、結構大きなグリーンの岩があり、そこが登れそうにも見えたので、若しかするとそれがグリーンハイボールだったのかもしれない。
斜面を適当に登ってゆくと、前日触った、かざ花岩に出た。前日はその岩がかざ花岩だとは分からなかったのだが、その後、トポを見直して分かったのだった。
その岩には前日は気が付かなかった7級の課題があることになっていたので、その課題を確認するためと、前日の課題に再チャレンジするために再度行ってみたのだ。
7級の課題は、トポでは左側の側壁にあることになっていた。見てみたが、左側の側壁には、左縦ホールド〜カンテを登るという、その縦ホールドは見つからず、どう見ても7級の課題は存在してはいなかった。岩肌に何となく岩が剥がれた感じのところも有ったので、若しかすると岩が剥がれてしまったのかもしれない。
正面の前日苦労した課題は、左が4級、右が5級となっていた。前日の体感では、間違いなく2級以上だった。こちらもどこかが欠けたのだろうか。その日も何回か正面のかざ花5級を触ってみたが、リップまでは行けてもその先は行けなかった。
前日見つからなかったスモールカンテを探して見た。
何となくそう見えるが、全体にどうもと言う岩の、右面を登って見た。でも、なんだか違う気がした。
その岩の向かいの岩のカンテが登れそうだったので、そこを登ることにした。
そのカンテは、カンテの左側に大きく抉れた形のフレークを持ち、そのフレークの縦のリップに手をかけてそのフレークの水平部分のリップにヒールから乗り込んでゆくと、リップのホールドが取れるという、結構面白い多分トポには無い課題だった。
前夜、トポでかざ花岩を確認した時に、かまぼこ岩が気になったので、そのトポを調べなおして見た。すると、かまぼこ岩ではなく、かまぼこ枝岩だということが分かった。かまぼこのような枝のある岩ということだったのだ。そのかまぼこ枝を確認していなかったので、その枝を確認しに、上の林の中に戻って見た。
前日かまぼこ岩だと思った岩に近づき、その周りに生えた木を見て回ったら、確かに岩にへばりついた、かまぼこの様な格好をした枝が有った。その岩は間違いなくかまぼこ枝岩だった。
序でに、岩の下の洞穴での写真の写りが悪かったので、再度写真を撮り直してもらった。因みに、その岩は、トポではおはぎ岩だ。
まだ1時をちょっと回った所だった。一応手元のトポにある岩は回った。そこそこの課題も登ることが出来た。ということで、次の愛媛方面に移動することにした。
愛媛へは、国道33号を使うか、56号を使うか結構悩んだのだった。というのも、33号沿いには美川や柳谷というボルダーエリアがあり、そこに寄る予定もあったのだ。しかし、暮れの高知道には雪があったし、1月2日には大堂海岸でも雪が降たといっていたので、山の中であろう両エリアでボルダリングが出来るかどうか不安だったのだ。それに、スタッドレスタイヤを履いてはいたが、道路の凍結など、結構不安もあったのだ。それで、後ろ髪を引かれはしたが、美川、柳谷は諦め、海沿いの56号を行くことにしたのだ。
大月町に戻るとホームセンターがあった。実は、自動車にはインバータが積んであり、ソケットは3つほど有ったのだが、そのインバータを使いたいのは全て100VからのDC用の充電器だった。それらの充電器は充電器から足が直接出ており、狭い幅で並んだインバータのコンセントには一つしか挿せなかったのだ。反対のコンセントに無理に挿そうとすると挿せるのだが、そうすると、その横のスイッチに被ってしまうから結局一つしか挿せないのだ。そこで、延長コンセントを繋ごうと、その延長コードを買おうと思っていたのだ。それで、そのホームセンターに寄り、コンセントを買い込んだのだった。
早速ポケコンとデジカメの電池の充電を始めた。
国道321号、これを足摺サニーロードとか言うらしいのだが、それを走ってゆくと、宿毛の町に入った。そして、すくも道の駅の脇を通った。当然寄ってみた。時間は2時過ぎだった。
海岸まで歩いてゆくと、カメラを三脚に載せて構えている小父さんがいた。なんだか達磨夕日と言う夕日が見えるとか言っていた。達磨夕日って何だろうと相棒に聞くと、この道の駅の駐車場の脇に看板があったと教えてくれたので、見に行ってみた。すると、夕日が達磨さんのように見えるのを達磨夕日と言うだと書いてあった。丁度冬のこの時期は見える時期だとも書いてあった。
相棒はそれが見たいといったが、それを見るためには、まだ2時間以上待たなければならなかったので、それは無理だと一応言った。
道の駅の駐車場の脇に、面白い建物があったので行ってみたら、高床宿とか言う若者が合宿する風習のある地域の、その合宿のための建物だと書いてあった。そして、その建物自体はお遍路さんの休息所だとも書いてあった。
昼食をまだ摂ってはいなかった。どこかで昼食にと、探して見たら、道の駅の中に鰹のたたき定食をやっている食堂があったので、聞いてみた。食事は出来ないと云われてしまった。別の食堂に行ってみた。その道の駅には3つほどの食堂があったのだ。
そっちの食堂では、何がどうと言うことは無かったのだが、何となく食べようと言う気にはならなかった。
その道の駅には骨董屋さんがあった。入ってみたのだが、なんだかよく分からない骨董屋だった。その横の、食堂の店先でアイスクリームを売っていた。100円と有った。相棒と二人で二つ買ったら、三色のアイスクリームを乗っけてくれた。一色100円かと思ったら、三色で100円だった。あのアイスクリーム用のステンレスのカップで一色ずつ載せてくれたから、普通の量の3倍だった。何となく信じられなかった。
トイレのそばにお好み焼き屋さんがあった。お好み焼きも良いかと、そこに入ることにした。
お好み焼き屋に入ると、そこにも達磨夕日のポスターがあった。
イか焼きと豚焼きを頼んだ。焼けるかというからやったことは無いと言うと、焼いてくるかと言ったので、ここで焼いてくれと言って見た。正月だからここで焼くことは出来ないが、時々見に来てくれるといってくれた。
お好み焼きを適当に焼いて、ソースを塗ってマヨネーズをかけていたら、小父さんが来て、ソースを塗ったかと言うから、ソースが2種類あったのだが、そのうちの一つを塗ったので、塗ったと言った。しかし、小父さんはソースを塗ってないと、マヨネーズの上からソースを塗り始めた。既にマヨネーズが乗っていたから、ソースの刷毛はマヨネーズだらけになってしまった。それでもまた、別の刷毛を持ってきてもう一つのソースを塗り始めた。そのソースは物凄くべっとりと塗り始めた。少しあきれながら見ていたら、その上からまたマヨネーズをかけてくれた。それで食べろと言うから、食べたのだが、相棒と一緒に、そんなにソースを塗らなくとも良いのに、ソースなんか人それぞれなのにといいながら、結局はそのべたべたの好み焼きを全て食べてしまった。
そんなこんなで、結局は5時近くになっていたので、達磨夕日を見るべく、先に写真を構えていた小父さんのいた浜に行ってみた。既に何台かのカメラが並び、何人もの人達が屯していた。
日が沈む九州の上に雲が出てきた。夕日はその雲の中に沈み始めた。九州に沈んでゆく太陽と、海に写った太陽がくっ付いて達磨のように見えるという現象らしいのだが、雲が出てしまっては見えない。結局雲によって達磨夕日は見えなかった。
5時過ぎ、今度こそ愛媛に向けて走り出した。
愛媛に入り、愛南町のみしょうMIC道の駅に寄った。丁度6時頃だった。大きなお結びを売っていたので、それを買った。スーパーなら割引されている時間だったのだが、道の駅では割引は無かった。
8時には内子道の駅まで行った。この道の駅は、56号から少し寄り道しなければ入れなかった。電気が殆ど点いてはいず、なんだかすごく暗い感じの道の駅だった。勿論スタンプは無かった。
松山市内に入ると、反対車線にセルフのガソリンスタンドが出てきた。先日のガソリン不安の教訓から、まだガソリンは半分くらい残っていたのだが、Uターンしてガソリンを入れた。
松山市内でも、相変わらずカーナビの調子はおかしかった。従って、56号から317号への分岐は自分で探さなければならなかった。56号を直進するとそのまま196号になり、その日の目的地でる今治に行くのだが、海沿いを走るため、少し遠回りになるので、大分近くなる317号を行く積りだったのだ。
しかし、拭いきれなかった不安が的中し、見事に曲がる交差点を間違え、大分うろちょろしてしまった。何しろ、交差点の右折の案内は全て道後温泉だったのだ。とはいえ、やっと見つけ出した317号はその先細くなることも無く、走りやすい道だったので、順調に今治の町に入り、今治湯浦温泉道の駅に着くことが出来た。
道の駅到着は10時を半分くらい過ぎた所だった。駐車場には何台かの自動車が停まっていた。キャンピングカーも停まっていた。既に正月休みは終わっていたのだが、さすが今治だった。
コーヒーを沸かし、お菓子を食べた後、12時近くまでラジオを聴いたりメモをつったりした後、12時過ぎに寝付いた。