四国その2の4 足摺岬から大堂海岸へ

2008年 1月26日記

 四国の第4日目、1月2日である。

 土佐清水の道の駅で5時半頃目を覚ました。その日も天気は良かった。

 その日の目的地は足摺岬だ。9時頃道の駅を出発し、少し土佐清水の町に戻り、足摺方面に進んだ。

 街中を抜け、橋を渡ると足摺スカイラインに別れると思った道は、そのまま直進がスカイラインだった。

 少し山に入り始めると、道はグニャグニャと曲がり始めたが、しっかりとした2車線が続いていた。

 暫く走ると、大型バスが下ってきた。足摺岬へは海沿いの道ではなく、どうやらこちらの道がメインのようだ。

 次の目的地は、このスカイラインから別れて、少し下ったところにある、結構有名らしい観光地だ。ここもボルダーの情報は全く無かったのだが、あるホームページ上で巨石が重なり合っている写真を見て、ぜひとも確かめたいと思った場所だったのだ。

 この脇道も、カーナビの機嫌が悪かったので、少し迷ってから入って行った。

 その観光地の看板が現れた。ということは、近くに公園があるはずだった。なおも進むと、牧場様のところの向いに、一台の自動車も停ってはいない、公園の駐車スペースが現れた。

 そこに自動車を停め、公園に入って行くと、バーベキューができる、カマドが並んだ建物の横に自動車が一台停っていた。ナンバーを見ると福山のナンバーだった。

 そこから少し離れた場所にあるトイレに寄り、芝生のすごく広いほとんど何もない場所に、わずかに1m足らずの岩がいくつかある公園内を少し歩いて見た。

 その広場のバーベキュー舎側にテントが2つ立っていた。反対側の隅には東屋があった。バーベキュー舎の後ろに見える山肌には結構な数の大きな岩が重なり合ったところが見えた。それが多分今回の目的地だった。

 バーベキュー舎に戻ると、おんなじような年格好の男性がおり、少しお話をした後、お茶に誘ってくれた。しかし、これから行くところがあるからと、お断りし、岩探しに向かった。

 くる時に見た、看板のある小さな駐車スペースに自動車を停め、看板の横の案内板をみると、そこには、いくつもの岩の塊と、それらの岩の名前、及びそれらを巡る遊歩道等が書かれていた。

 思い切り登る積りの荷物を担ぎ、遊歩道を登って行くと、脇に少し大きめの岩が見えた。遊歩道から外れ、岩の下に回って見ると、ずんぐりとした普通の岩だった。

 遊歩道に戻り、先に進むと、正面に大きな岩の集団が現れた。いずれも大きすぎる、花崗岩特有ののっぺりとした岩だった。所謂塚っている岩だった。つまり、何々塚と言われるような、なんの手がかりも足がかりも無いような、記念碑的な岩だった。

 遊歩道はその岩群の下で左右に別れるので、左の方に行って見たが、その道は、一番左の端を巻くように登って行く道だった。

 その遊歩道の左の側は雑木林になっており、その中にも大きな岩が横たわっていたが、いずれも蔦や苔に覆われていたようだったので、敢て見に行くことはしなかった。

 途中、なんとか岩とかの案内板とともに右に別れる道が出てきたので、そちらに入って行ってみた。その道は、大きな岩の間を縫うように伸びていた。

 先程から、上の方からは若者のはしゃぐ声が聞こえており、時折岩の上から若者の顔が覗いていた。相棒が、あの人たちはクライマーではないねというから、普通の、クライマーはここには来ないと言ってしまった。

 その道は、大きな岩と岩の狭い隙間を縫い、いわゆる 磐座(イワクラ)といわれる、大きな岩の上が平らになった岩まで続いていた。そして、その岩には上に登るためのアルミの脚立が置かれていた。

 周回道路にもどり、先に進むと、一番上らしい、少し平らな場所に出た。そこにも、いくつもの岩があった。

 そこの岩は、下の岩に比べるといくらか小降りで、登れそうだったので、観光客は居たのだが、我々の回りには居ないことを良いことに、支度をして登って見た。

 高さは、3m弱。ほぼ垂直の壁で、いくらかエッジの立ったカンテをもって居た。別に好きだと言う訳ではないのだがそういう岩が一番登り易いということで、良く登る形状の岩だ。

 一応、岩は登った。それで、一応の儀式は済んだのだが、回りにはまだまだ沢山の岩が有った。その最初に登った岩の裏には、これまた登れそうな岩があった。幸い観光客もいなかった。勿論触ってしまった。

 ここの岩は、豊田や王子ケ岳のように、結晶が粗く、手にくる岩質だ。パーミングを失敗すると、結構ひどいことになるのである。

 僅かに被った、綺麗なカンテそしてリップを持つ四角張った岩があった。高さは、リップに手が届くか届かないか位のところだ。いずれも直線で結構綺麗に見えたので触ってみた。

 左手カンテでリップに飛びつき、そのままリップをマントル。そんな積りで、リップに両手をマッチし、リップの上を窺った。顕著なホールドは無かった。

 もう一度リップを伺い、思い切って左足をリップまで上げてみた。フリクションが結構効いたので、左足のヒールがリップにかかった。そのままマントルが返った。

 亀岩との看板のある岩があった。亀の首のような出っ張りのある岩だ。当然その出っ張りの下は被っていた。首の下のフレークの淵で離陸し、首をラップし、そして、首を跨いだ。その後間もなく観光客のご夫婦が来た。見取られたかと一瞬思ったが、なんのリアクションも無かった。クライミングシューズにチョークバックはしっかりと見られたのだが。

 薄い鏡のような面を持ったほぼ垂直に立つ岩があった。右側からカンテを登って行った。カンテは立っており、角度も寝ていたから、気持ちよかった。

 遊歩道を回り、最初の遊歩道の分岐まで戻ると、大きな岩の下に突き出した岩が目についた。空中に突き出した格好だから、ルーフ状である。ルーフの先っぽは立ち上がっている三角の壁になっている。ルーフのリップを触ってみたら、充分に持てた。

 支度をし、ルーフ奥のリップから先っぽまで出てきて、立ち上がった三角の面のカンテを取って見た。そこを抱え込んで上に行こうとしたのだが、なかなか思うようには行かなかった。

 一旦飛び降り、再度やってみた。今度は、三角のカンテで身体を真横にし、三角の反対のカンテを取りに行ってみたのだが、体が上がらず、手が届かなかった。

 またやってみた。既に疲れていた。つまりは、成功しなかった。少し残念では有ったが、諦めることにした。

 そこの入り口の看板に、先の公園の広場の周りにストーンサークルがあると書かれていたので、また先の広場に戻って見た。

 小父さんの姿は見えず、ストーンサークルもはっきりとは確認できなかった。

 その公園の他にも何とか邸の庭園に行こうと、自動車で下っていった。

 その道は、その先で細くなり、すれ違いが全く出来ない幅になってしまった。所々待避所はあるものの、途中で対向車が来てもバックする気にはなれないほどの道だった。

 途中から喫茶店の案内が現れた。その案内に沿って進むと、三叉路に出た。その先、遍路道との看板もあった。その遍路道は、自動車が通るには少し厳しそうだったので、右折する道に入ってみた。すると、小さな鳥居が現れ、その脇が少し広くなっていた。勿論舗装されてはいない道だ。

 喫茶店の案内はその先を指していた。案内板に従って先に進むと、花壇の様な所の中を道は大きく曲がって更に山の中に登っていっていた。果たして、正月にその喫茶店はやっているのだろうか。途中、Uターンできるのだろうか。少し心配になったので、その広場でUターンして戻ってきた。

 鳥居の広場の脇に木で出来た立派な看板があるのに気が付いた。近づいて見ると、その先にあるだろう喫茶店の先に幾つかの巨石群があることを示していた。時間が有れば見に行ったのだが。って、時間はいっぱい有ったのだが。

 来た道を戻り、スカイラインで足摺岬を目指した。

 足摺の町に下ってゆくと、大きなホテルの脇辺りで、警備員のような人がその先通行止めだから、ホテルの脇の駐車場に自動車を停めろと言われた。そこから海岸沿いの道で帰るつもりだったのに、どうやって海岸沿いの道に出るのか聞いてみたら、少し戻って下ってゆけば海岸だと言われた。

 Uターンして戻ろうとすると、ほんの少し行った道路の右脇に駐車スペースがあった。折角足摺まで来たのだからと、計画を変更し、その駐車スペースに自動車を停めた。

 その道を下ってゆくと、左側に立派な本来の駐車場と思われる駐車場があり、テントが建てられていた。人がいっぱいいたので、入っていってみると、岬までのシャトルバスが出ると言っていた。聞くと100円と言うことだったので、そのバスに乗った。

 バスはホテルの立ち並んだ間を走り、とても狭い海沿いの道を走って、金剛福寺の近くの駐車場に着いた。本の何分かだった。

 金剛福寺は八十八箇所の一つらしい。寺の前には露天が出ていた。

 その寺の前から足摺岬の展望台に行く道があったので、行ってみた。

 展望台の手前で、天狗の鼻と言う所に行く道があったので、先ずそっちに行ってみた。潅木帯の中の道を歩いてゆくと、断崖の上の展望所に出た。そこからは足摺岬が良く見えた。

 来た道を戻り、展望台により、そのまま海沿いの遊歩道を白山洞門を目指して歩き出した。

 途中、蛙岩だかがあった。靴も持って来ていたし、一瞬登ろうかとも思ったのだが、人がいっぱいいたし、登っても面白そうに見えなかったので、登ることはしなかった。

 白山洞門とは、海の中の大きな岩に開いたトンネルだった。それを見るために結構長い階段で波打際まで降りていった。そして、そのまま波打際の岩がごろごろした遊歩道を少し歩いたのだが、小さな岩しかなく、良さそうなボルダーは見つからなかった。

 再び少し長い階段で道路まで登ると、そこから駐車場まではすぐ近くだった。

 駐車場に戻ると、ツミレ汁を売っていた。寒かったしおいしそうだったので、そのツミレ汁を飲んだ。横でそのツミレ汁を飲んでいた人がイモ天を食べており、いかにもおいしそうだったので、そのイモ天も買ってしまった。

 海沿いの道に降り、土佐清水まで戻った。

 土佐清水からは再び道の駅の前を通る足摺サニーロードとかいう道を走ったので、再度道の駅に寄ってみた。

 朝、ここを出発する時は営業をしていなかったので、お土産を買い、スタンプを押しに行った。スタンプは食堂に置いてあった。看板にランチと書いてあったので聞いてみたら、やっぱりお正月はランチはやってはいなかった。既に2時を回っていた。しかしまだ昼ごはんを摂ってはいなかった。玉子焼き定食があったので、その玉子焼き定食を食べた。

 この玉子焼き定食だが、700円だったのだが、玉子焼きにコロッケ、サラダ、酢の物、勿論味噌汁などもついていた。思った以上に豪華だった。

 まだ3時だったので、大堂海岸に行って見ることにした。

 先ずはハーバーエリア入り口のボルダーエリアを目指した。

 トンネルの手前で旧道に入ると道は急に細くなった。グニャグニャと登ってゆくと、展望が開け、そのすぐ先に自動車が3台ほど停められた駐車スペースがあったので、そこに自動車を停めた。

 支度をして、その道を先に進むと、道路脇の大きなボルダーが現れた。その先にエリアに下るふみ跡があるはずだ。そう思って、持参したトポを見ながら進んだのだが、なかなか降り口は現れなかった。トポにはカーブミラーが書かれていたのだが、実際とは少し違う感じがしたので、その先にあるとやはりトポに書かれた駐車スペースを目印に先に進んでいった。しかし、相当に歩いたはずなのに、その駐車スペースは現れなかった。あまりにも歩いたので、途中で諦め、戻ることにした。

 道の脇のボルダーまで戻り、再度道の脇を注意しながら戻ったら、途中にロープが吊るされたところを相棒が見つけてくれた。調べて見ると、間違いなくエリアへの踏み跡のようだった。

 樹林帯のそのしっかりと踏まれた道を下ると、ボルダーが現れた。ここのボルダーはトポでは道路のボルダーを除くと4つ程だ。そこに設定された課題も大体が1級か2級で、小生の登れる5級以下の課題は1つもない。辛うじて4級が一つだけだ。

 多分4級だろうと思われる、カンテを登る課題を触ってみた。

 高さは3m位か。踏み跡側の面は波を打った横縞が数本走っている。といって、小生にホールドになるほどの縞ではない。従ってカンテを使うしかないと思えた。

 右カンテの少し左の僅かなカチでスタートし、右カンテを取ってみた。しかし、なかなかカンテを持ちきれなかった。同じことを2回程やってみたが、埒は開かなかった。

 足を捜すと、右カンテにスタンスが見つかった。スタートを少し右に寄せて、その足を使ってカンテを取りに行くと、カンテは持てた。しかし、その先に左手が出なかった。

 カンテの右を探すと、右上に何となく持てそうなちょっとしたホールドが見つかった。カンテの右手をそのボッチリに飛ばしたら、そのぼっちりが持てた。そこが持てれば右足にしっかりと立てた。立てればカンテの左にホールドがあった。そこまで行けばスタートのホールドに乗れた。そこからはリップに手が届いた。間違っていなければ、4級が登れた。疲れも無かったから、登れたのだろうか。

 地面を掘り起こしたルーフ下のガバからスタートするという3級の課題を探して見た。しかし、その課題は見つからなかった。その課題を探す過程で、そのトポの写真にあった海を見張らせる岩の上に出た。序でに写真と同じようなポーズで写真を撮ってもらった。

 もう一つの、出だしが全てと言う3級の課題を探って見た。スタートでマッチすると言うスローパーが全く持てなかった。

 既に5時近くになっていた。暗くなってはいけないので、帰ることにした。

 途中、大阪から見えたという、クライマーのカップルに出会った。少し話をした後、一緒に道路まで登って行った。その時、その人が、前日は大堂海岸では雪が降ったと言っていた。

 道路脇のボルダーをまだ触っていなかったので、そのボルダーを触ってみた。多分高さは6mはあった。下地は舗装路だ。2級とのグレーディングだが、トポの著者も「?」を付けていた課題だ。途中からホールドが見えないのだ。とっても2級には思えなかった。

 足拭きマットを広げて取り付こうとしたら、そのマットが風で飛ばされてしまった。相変わらず風は強いようだった。

 右手フレーク、左ポケットスタンスで離陸でき、次の左上のホールドを探ったが、甘いホールドばかりで、とても持てるホールドは見つからなかった。いくら2級でもあんなホールドは持たせないと思う。多分2級ではないだろう。

 気が付くと、相棒はこの岩の大分斜め前から写真を撮っていたので、再度正面から写真を撮ってもらうべく岩に取り付いた。それにしても、その離陸はきつかった。

 自動車を停めた場所の前にある展望台に行き、明日のための四国の道を確認した後、大月道の駅へ向かった。

 大月道の駅は、夜だったせいか、入り口があまりはっきりはしなかった。結果、自動販売機の沢山並んだ一つ先の駐車場に入った。

 駐車場の向かいに食堂があったので、偵察に行くと営業はやってはいないようだった。道の駅のレストランも電気がついていたので、見に行くと、一般営業は翌日からで、その日は予約者だけと張り紙があった。

 夕食を何とかしようと、その先の大月の町を偵察に行ってみた。少し走るとコンビニがあった。その先に進むと街中に入り、スーパーが現れた。そして、そのすぐ先にまたスーパーが現れた。その先はだんだん暗くなったので、Uターンし、2つ目のスーパーに寄った。

 半額の海苔巻きとかお弁当とかお饅頭とかを買って、道の駅に戻った。

 本来の道の駅の駐車場に入ると、結構自動車が停まっていた。

 コーヒーを沸かし、ラジオを聴きながら、インターネットをしてみたら、インターネットに繋がった。

 インターネット序でに、それまでのメモをポケコンに打ち込み、9時頃には寝た。


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作成年月日 平成20年 1月26日
作 成 者 本庄 章