侍浜に行ってきました

2001年 5月 8日記

 連休の後半で相棒と一緒に岩手県の侍浜に行って来た。中2日休んでの東北の岩旅その2である。

 実は侍浜は去年に続いて2回目である。昨年は雨にたたられ登る事は出来なかったので、再度の挑戦である。

 昨年の下の道を行って大失敗した教訓を基に高速を使うこととし、朝5時頃出発する。経路は途中までは前半と同じ常磐道、盤越道経由の東北道とする。

 常磐道までは前半の時とほぼ同じ。盤越道は、片側1車線なので、変な渋滞を起こしている。といっても、距離にすればそんなでもない。前半の時は途中25km程渋滞していたらしいのだが、今回は5km位である。

 変なと言うのは、追い越し車線が終わり、1車線になる前で殆ど止ってしまうのろのろが続き、1車線になってからもしばらくのろのろ運転が続くのである。交通量がそれ程多いとは思えないし、ほとんどの車は走行車線を走っており、追い越し車線から合流する車はほんの僅かであったので、合流で時間を取られる訳ではない。最初から1車線であれば、もしかすると渋滞にはならない、そんな交通量である。渋滞の解消時期であったからなのかも知れないが、今までに経験した事のない渋滞であった。

 東北道は相変わらずラジオや途中の放送等で福島トンネルでの渋滞情報が流されている。でも、まだ少し早いせいか、途中少しのろのろの所があったが、そんなたいした渋滞はない。

 無事福島も過ぎ、もうすんなりと走るだろうと国見のサービスエリアに入る。やっぱりサービスアリアは混んでいる。少し休んで出発。所が、いつのまにか本線との合流部分が渋滞中である。サービスエリアに入る時は渋滞の気配は無かったのに。

 その後、結局盛岡を過ぎるまで、なんだかんだで渋滞気味で走り、結構時間がかかってしまった。なんといっても、連休中であった。

 盛岡を過ぎて、八戸道を軽米迄行く予定で有ったのだが、相棒がもうすぐ滝沢ICという所で滝沢からは久慈迄一般道の方が近いというので、滝沢ICで国道4号に降り、281号線を葛巻経由で行く事にする。

 国道4号は空いている。281号も空いている。岩手まで来れば道も空いているのであろう。

 途中、葛巻町と山形村の道の駅に寄る。やっぱり前回の七ヶ宿の道の駅の山菜は高かったようだ。この辺の3倍位のものも有ったようだ。気軽に買ってみようかというものの値段は300円迄であろう。ここではほとんどが150円200円である。

 普段食べる事の殆ど無い山野草を500円600円で購入しようという人はそう多くは無いと思うのだが。

 山形村の道の駅で串に刺した大きなマンタみたいな形をしたうどん粉の平べったい団子みたいなものを食べる。結構大きい。

 6時過ぎに久慈到着。途中ダイエイを発見、寄る事にする。

 入った感じの第一印象は川上村のナナーズという感じである。品揃えもそんな感じである。面積的にはナナーズの方が僅かに広いか。

 寿司と少しのお菓子類を購入する。

 途中なんとなく霧が出て来たようだ。フロントグラスに僅かな水滴が付く。

 立体交差を左折して合流したらあまりにも立派だったので一瞬有料道路かと思わせられ、あせらされた道から45号線を北上し、侍浜のキャンプ場につく。霧も霧雨に変わって来たようだ。

 駐車場に車が2台。どうやらキャンプをしているようだ。煙も上がっている。駐車場の奥に車を止め、先客に挨拶する。トイレも使えるし、水も出るらしい。しかし霧雨が。

 先客と同じく、駐車場にテントを張ろうとしていたら、先客がわざわざ、キャンプ場でテントを張れば良いのにと言いに来てくれる。上の家で聞いた所、何処でもテントを張って良いのではないかと言われたとか。

 折角だからと、昨年テントを張った近くの板敷のテントサイトにテントを張る。昨年使わせてもらった炊事用の小屋には新しいテーブルが作られていてテントは張れなかった。

 テントを張り終わり、いざ食事というときに腕時計の無い事に気付く。バンドが切れそうになっていたので、バンドが切れて落としてしまったものと思う。ヘッドランプを付けて、車の中及び駐車場からテントサイト迄、歩いたと思しき場所を探したが、暗くて良く見えず見つからなかった。

 ダイエイで買って来た寿司を食べ、道の駅で買ったユベシを食べて、完全に雨模様になった霧を、若しかしてまた今年も駄目かもと思いながら、若し明日駄目だったら三崎海岸でも見物して帰るかと思いながら、昨年の侍浜への途中、栃木の道の駅でくじに当たってもらった雑音交じりのラジオを聴きながら、運転の疲れからか、早くに寝てしまった。

 翌朝6時頃に目覚める。外を覗くと雨は降ってはいない。しかし、まだ霧は出ているようだ。昨年は完全に雨だったから、今年の方が少しはましと思いつつ、昨夜無くした腕時計を再度探して見る。

 先ずトイレまで歩く。序にトイレに寄る。昨日挨拶した人達の一人と会う。釣りですか、と聞いて見ると、キャンプと半々だという。目的はキャンプだったようだ。

 戻って車の中を探す。若しやと思い、車のトランクを開ける。有った。時計が有った。3千円ちょっとで買って、既に何年か使って電池とバンドを取り替えているので、亡くしてももったいなくは無い。でも、この先、時計が無いとなにかと不便だと思って探したのだが、あって良かった。

 7時過ぎに霧が晴れ出す。太陽も顔を出し始める。しかし、テントは濡れている。昨年、確か休息所でテントを張れる事を確認した筈だと、その休息所を偵察する。やっぱり屋根の下にテントの張れるスペースがある。その場所はベンチもあって、雨が降っても大丈夫だし、トイレにも近い。今夜も多分ここで泊まるだろうからと、テントをその場所に引っ越す事にする。

 朝食の後、岩はまだ濡れているので、案内図とトポだけを持って偵察に出る。

 海岸線の自然遊歩道を歩き出す。良く踏まれた道である。途中ベンチ等もある。

 岩場に降りる踏み跡を探しながら歩いて見たが、それらしい踏み跡は目につかない。程なく港に降りる自動車の走る道に出て、侍石という、昔の殿様が休んだとか言う広い石畳の場所に出る。

 この漁港は案内図では最初の漁港の筈なのだが、どうも様子がちょっと違う。図では車道迄の間に一つ漁港が有る事になっており、その漁港はキャンプ場の方に向いている事になっている。図の車道のある港は北側に向いている。

 この港がどこの港なのかわからないまま、また、侍石が案内図では何処なのかもわからないまま、キャンプ場に引き返す事にする。サンダルは草に付いた水滴で既にビショビショである。

 行きはあまり熱心には探さなかった踏み跡を少し一生懸命探しながら戻る。そうすると結構踏み跡は見つかる物である。相棒は道端のフキを摘んでいる。

 何本目かの踏み跡が海岸まで降りている。海岸に出ると、岩がいっぱいあって、その先に小さな小屋が見える。岩畳の広場みたいな所もある。もしかすると、ここがキャンプ場ボルダーエリアか。

 その岩場を少し北に行くとボックスボルダーらしい物が見える。近付くと間違いなくボックスボルダーだ。チョークも残っている。しかし、下の岩には大きな水たまりが。

 トポの幾つかの岩を確認する。しかし、岩の形の書いてない課題はわからない。

 トポによると、サーチ小屋の廻りにも幾つか課題が有る筈だが、そこ迄行くには大きな岩が幾つか有る。遊歩道からサーチ小屋に降りる踏み跡が有るらしいので、そちらを探す事にする。

 遊歩道にもどると、そこはキャンプ場の丁度外れという所である。サーチ小屋への道はキャンプ場のテントサイトから行くようだ。だから、この遊歩道からは直接降りる道は無い様だ。

 遊歩道からテントサイトに降り、その縁を歩く。少しあちこち歩いてサーチ小屋に降りる道を見つける。

 サーチ小屋の回りを探すと、おめえのボルダーらしき岩を見つける。でも、その他の岩は見つからない。

 既に岩も乾いたようだ。これなら十分に登れそうだ。ということで、テントまで引き返す。

 支度を整え、マットを担いで、まずはトポの順番からとボックスボルダーに行く。

 今回は三代目になるカチ靴を持参した。初代よりも半サイズ大きい二代目よりも更に半サイズ大きな靴である。初代は少しきつかったので二代目はサイズアップしたのだが、その二代目も痛くて長く履いていられなかったので、今回のためにというか、外用にと買った靴である。従って、まだ履くのは2回目か3回目の靴である。

 レイバックのハングドック・フライヤーJr.をやって見る。クラックは幅が狭く指が奥まで入らない。レイバックは疲れる。従って、正対で登って見る。何とか登れる。難度はBである。楽しいボルダーという難度らしい。小生に1激出来るから、まぁ4〜5級というところか。

 続いてその左のフェースに挑戦して見る。下に水たまりがあるから、マットは敷かない。ミリカチで身体を上げるが、リップまで届かない。思い切って行けば取れるかも知れないが、あまり派手な事はやりたくない。従って登れず。

 これも難度はB。とすると、B難度は3〜4級位なのだろうか。以後のトライでもそんな感じであった。とすると、ボルダラーの楽しめるB1という難度は1〜2級位なのだろうか。難しいB2難度は1級〜初段ということになろうか。それらのグレードは小生には出来ないからわからないが。

 無名のボルダーに行く。ここにはB1のトラバースが有るのだが、とても出来ない。他はランジ課題だが、今回ははなからランジはやるつもりはないのでパスする。

 隣のナオちゃん・フェイフェイを触る。ここは高い岩で11−のトップロープ課題がある。下部に取り付いて、相棒に写真だけ撮ってもらう。

 大きなチョックストーンの下を潜って、惨めな結末らしいものを見つけ登って見る。5m位のクラックである。やって見るとできた。相棒のいる所まで戻って、写真を撮るように頼み、写真のために再度登る。2回目だから少し楽に登れた。

 今度はくますけあんぱんを探す。段々この岩場にも馴れて来て、課題の有りそうな所も検討がつきだしたのだ。

 波打ち際に近い所にそれらしいクラックを発見する。でも、なんとなく湿っているようだしと登るのがはばかられたので、写真撮影だけにする。

 岩の広場に戻ってしおさいという課題の有る岩棚をみると、結構格好良さそうだたので、相棒に撮影を頼み、登って見ることにする。この岩棚の壁にはしおさい1号から3号迄の課題が有るらしいのだが、この棚自体が高い所に有り、幅も1mも無い位いなので、落ちる訳には行かない課題である。何れも5.5から5.9なのだが、そう言うわけで5.5の課題を登る事にする。5.5なら落ちないだろうから。

 やさしいから、登れた。でも、上に抜けた時は何故だか嬉しかった。

 次はサーチ小屋の周りである。今度は岩伝いに行く。

 おめえのボルダーを登る。この岩には、右の方に1つと、トラバースの課題とがある。でも、岩を見ると左の方にクラックが走っており、登れそうだ。

 取り付いて、リップまで行くがリップには這い松が生えており、マントルが返し難い。それで、ここには課題の設定が無いのかと思い、そのままクライムダウンする。トラバースにも挑戦するも、ホールドが細かくて遠いので出来ない。3〜4回挑戦して諦める。

 俺のボルダーを探す。しかし見つからない。おめえのボルダーの左隣にある筈なのだが。トポをよおく見ると、どうやらおめえおボルダーと思っていた岩が俺のボルダーの様だ。とすると、おめえのボルダーはこの岩の右か。

 右を探すとおめえのボルダーらしい岩が有った。

 ということは、さっき登ったクラックはやっぱり課題だったのだ。早速登り返し、這い松の中にホールドを見つけ、這い松のなかにマントルを返す。

 おめえのボルダーは一つの岩ではなく、もう一つ上に岩が乗っている。しかし、トポには下の岩しか書いていない。それで間違ってしまったのだ。

 右の上に抜ける課題をやって見る。でも、上に石が有るから上には抜けられない。といって、右隣の岩の上に立つのも何だか易しすぎて面白くない。そのまま降りる。

 ここのトラバースの課題は、リップを使わない課題らしい。リップを使って偵察をして見たが、上にはホールドは無さそうだ。下の部分でのトラバースをやって見るが、これがなかなか難しい。ホールドが細かいし遠いのだ。どうもここはそういう課題が多いようだ。トラバースだから足に充分荷重する事も難しいし、小生の苦手な課題である。

 それでも何回か挑戦して見た。何回か通えば出来そうな気はしたが。これで2〜3級位なのだろうか。因みにB難度だそうだ。

 おはようモーニングボルダーを見つける。ここにはランジの課題が幾つか有るのだが、どうもスタートホールドがよくわからないし、元々今回はランジはやらない積もりだから、真ん中の易しいとされるクラックを登る。クラックと言うよりはフェースのフレークとでも言った方がよいかも知れない。続いて右のクラック沿いの課題を登る。こちらもフレークを使う。最後に左のB難度の課題に取り付く。が、2手目だったかの先が絶望的である。どうしてもホールドが遠すぎる。何回かやって見たが出来ないので諦める。トラバースも出来ない。ここのトラバースグレードはすごく辛い気がする。

 5o'clockの岩に行く。この岩も高い。下は1m位の岩棚になっている。先ずそこに登って次のレッジ迄行き、そこから直上と右に別れる。ともにb難度だそうだ。

 b難度とは易しいボルダーらしい。右は易しかったが、直上は難しかった。結局直上は諦め、最後は左のカンテを使ってしまった。

 これでこのエリアで探し当てた課題はお終いである。既に3時を廻っている。

 キャンプ場の前の展望台にもボルダーがあると言う事なので、トポは無いが行って見る。

 最初は海水プールの周りのボルダーで遊ぶ。何れも低いから1ムーブから2ムーブである。相棒と一緒に遊ぶ。

 展望台の下に廻って見る。展望台自体は結構高い。7〜8m以上は有るだろう。しかし、その下部の4〜5m位の所に80〜85度位のフェースがある。そこにはチョークも付いている。よし、ここで遊ぼう。

 まずは、そのフェースの端のガバガバの壁を登る。相棒も登る。次はその右のホールド、スタンスがガバではないフェースに挑戦する。

 右手はミリカチ、左手は外傾しているスローパーチックなポケットでスタート出来そうだ。それで離陸出来れば次は少し遠いが右手が次のポケットを取れる。あとはマントルだ。でも、スタートがなかなか出来ない。スタンスがやはりミリカチスタンスなのである。

 右足でスタートだが、どうも左手に荷重出来ない。持てないのである。指を3本重ねて見たり、その重ねを反対にして見たり、スタンスを他に探して見たりと、色々工夫をする。でも、なかなか離陸出来ない。

 その時、閃いた。スタンスは思いっきりインエッジだ。そして、股関節を思いっきり開くのだ。そうすると身体は岩にへばりつく。そうなれば左手の荷重は少なくて良い。

 やって見たら、左手のホールドが持て、身体が上がった。それで、どっか中継したかも知れないが、遠い右手のポケットが取れた。このポケットは少しガバだ。後は岩の下にマントルだ。

 やっとできた。やっぱり足に体重を逃がせばホールドの保持力は少なくても良いのだ。

 その後、その展望台の北側の小さな岩のカンテとか、少し高い緩やかなスラブとか、簡単そうで少し難しかったマントルとかで5時過ぎまで遊んだ。その間、観光客と思しきアベックとか、子ずれの釣りの集団とか、何人かの人達がこの展望台にやって来た。やっぱりここは観光地だったんだ。

 最初は岩が濡れておりどうなる事かと案じたが、結構遊ぶ事ができた。

 テントに戻ると、駐車場でキャンプをしていた先客は既にいなかった。

 夕食は八戸でも行って豪勢にと言う事で、車で出発する。今日もまた霧が出て来た。

 八戸まで40kmだそうだ。多分1時間位で着くだろう。しかし、20分走ってもあまり距離が稼げない。霧も深くなるし。

 種市町と言う所で磯料理と書いた看板を見つける。通り過ぎてから、この先まだ時間がかかりそうだから、今の磯料理屋にでもするかと、引き返す。丁度種市海浜公園とかいう所である。

 磯料理屋に着くと車が結構止っている。建物も磯料理屋っぽく無い。普通のレストランみたいだ。中に入ると、一応座敷も有るようだが、喫茶店みたいな造りである。

 テーブルが空いていたのでそこに座ろうとしたら、予約席と書いてある。もう一つ空いている席にも予約席と書いてある。仕方が無いからカウンターに座る。

 メニューにダイバー定食と言うのが有ったので、それを頼む。ほや料理らしい。しかし、既に売り切れだとか。仕方が無いから、刺し身定食を頼む。

 まあ結構美味しく食べられた。それに雰囲気も悪くないし。岩手の田舎というと失礼だが、こういう所でこんな感じの店が有るとは思わなかったので、それなりに楽しめた。

 ダイバー定食があるので、この辺はダイバーが来るのかと尋ねたら、このダイバーとはほや漁をするマスクを被ったダイバーのことだという。そう言われて、箸袋をみると、潜水服のマスクが書いてある。なるほど。最後にはパーコレーターで入れた喫茶店のコーヒーを飲んでしまった。最近はインスタントしか飲んでいなかったから、美味しかった。

 相変わらず霧が深かったが、今日はテントは濡れないですむ。それだけでなんか嬉しくなってしまう。

 9時過ぎに寝る。

 翌朝はやはりまだ霧は晴れてはいなかった。

 昨日に比べ少し遅い朝食を済ませ、気になっているポランのボルダーを探すべく、昨日の侍岩の港まで行って見る事にする。

 屋根の下に張ったとは言え霧が流れ込んだらしく、少し濡れているテントをたたみ、車で侍岩を目指す。国道45号線まで戻り、八戸方面に少し行ってから右に入れば行ける筈だ。

 45号の信号で右折し少し走る。それらしい分岐する道が見つからないうちに右に平行して走る道が現れる。どっか見落としたかと、右折してその道に入る。来過ぎている筈なので、その道を戻るが、そこから海へ行く道が見当たらない。また45号に戻っているようだ。

 引き返して少し先まで行くと海方面に別れる道が出て来たので、その道に入り海まで行く。その道は漁港に入って行くが、侍石に行く遊歩道が見当たらない。どうやら目的の港の一つ先に来てしまったようだ。

 引き返して、元の道に戻り、そこを歩いていたおじいさんに侍岩を聞いて見たが、わからないと言う。仕方が無いから、もっと戻るとT字路に出る。最初、そこは45号だと思い、その少し手前でUターンしてしまったのだが、その道が侍石に行く道だったようだ。

 果たして、そのT字を左に曲がった、その道の先に侍石は有った。

 漁港の近くに車を置き、侍石に行く。岩畳み状の大きな岩である。岩雪の記事に因ると、ポランのボルダーエリアはお昼寝には最高の楽しい所だそうなので、もしかするとここかもしれないと、唯一のB2という課題の岩を探して見る。

 その課題は、大きな岩が3つ並び、その一番奥の岩に有ることになっているが、どうもそういう岩は見当たらない。その代わり、大岩さんの入門とガイドに出ていた写真にそっくりな岩を発見する。

 この岩はほぼ真四角なタワー状の岩で真ん中にクラックが1本まっすぐ縦に走っている。上はそのクラックを堺に段違いになっており、右はさらに2m位立ち上がっているが、左の低い方のテラスに登れば、充分ボルダリングとして登れそうだ。

 早速クラックに触って見る。右の壁が数センチ手前に出ており、手はかけ易いのだが、スタンスが見当たらないので、写真のような左向きのレイバックは難しそうだ。といって、右向きのレイバックはクラックに手が入らない。

 一応写真の通り左向きのレイバック体勢で写真は撮ってもらったものの、それから動けない。

 その面の左側がチムニー状になっており、ホールドもスタンスも沢山有るので、そこを登って上を偵察する。リップは充分持てそうだ。マントルも充分出来そうだ。

 レイバックを諦めてフェースにホールドを探す。右手のミリカチホールドを見つける。左手はクラックの淵だ。左足で立ち上がり、その上の立て気味のカチホールドを右手で取る。何回かの試行錯誤の後そこまで行く。次は左上にクラックの広くなった所が有り、左手をそこまで上げて足を更に上げれば、左手がリップに届くかも知れない。しかし良い足が見つからない。

 降りて、スタンスを探し、なんとか右足にミリフレークという感じのスタンスを見つける。そのスタンスを使って左手をクラックの広がった所まで上げ、左足を上げる。が、その先動けない。左手が少しは出るが、リップには届かない。

 少し休んで再度やって見る。もう少しか、と言う所で、右のスタンスが剥がれる。スタンスが無くなってしまったのだ。もう少しだったのに残念。諦めて別の岩を探す。

 斜めに走ったクラックを使って傾斜の緩い所へのマントルとか、横にクラックの走った波打ち際に近い岩のフェイスを登ったり、相棒にも易しい所を登らせたりして遊ぶ。

 やっぱり、最初のクラックが気になり、少し休息もできたので、戻って足を探す。剥がれたフレークの左斜め上に少し丸い岩の突起状の所を見つけ、それを使ってやって見る。

 ウオーミングアップも十分にやった後と言うことか、右手のカチがすごく効いて、右足を突っ張る感じで、リップまで左手が届いた。後はマントルだけ、足が無くても大丈夫だ。慎重にマントルを返す。

 何回目の試技になるのか、やっと登れた。自分的には2級位にして欲しいが、多分3級位だと思う。でも、登れて本当に嬉しい。

 さっきから、登れないから帰ろうとか、疲れたから帰ろうとか言いながら、結局は気になってかえれなかったのが、気持ちよく帰れる。でも、こうなったらもう少し、なんて考えてしまう。

 一応今日で帰る事になっている。そうゆっくりもしていられない。既に12時近い。で、本当に帰る事にする。

 もと来た道を戻り、元の分岐まで戻る。道はそのまま直進しているので、そのままその道を進と、この道はなんと45号線を橋で越えていたのだった。道理でわからない訳だ。結局その先北侍浜駅に行く道にT字で交差していた。

 途中、そのT字のところのお店で買い物をし、軽米を目指す。

 北侍浜駅の横を通って久慈からの395号線に合流し大野町に出る。この大野町で農協スタンドを見つけたので給油する。ここのハイオクはリッター115円。高速の117円と大して変わらない。久慈では107円の所があったのに。

 大野町には道の駅が有るので寄る事にする。ところが、この道の駅では一人一芸交流会とかが催されており、駐車場は超満員。駐車場の上の草地も臨時の駐車場になってはいるのだがそちらも満杯のようである。

 一旦駐車場に入っては見たものの、身動きが出来ないくらいなので、早々に退散する事にする。ということにはしたのだが、なにせ身動きが出来ないから、なかなか駐車場からも出られない。やっと抜け出して、走り始めたら道の脇に臨時の駐車場が有り、係員が誘導している。

 駐車場が有るなら、おなかも空いている事だし、入ろうと言う事になり、道の駅に寄る事にする。

 臨時の駐車場が何ヶ所か出来る位だから人でも半端ではない。回廊市と称して、地域の住民の団体やお店が回廊状の通路の片側にお店を出している。そこで、甘酒を売っていたので相棒と二人で甘酒を買う。

 その回廊には屋根が有り、所々にベンチとテーブルが有るのだが、そのテーブルの一つに座って甘酒を飲む。隣も老夫婦だ。我々と同じ、子供に見捨てられた老夫婦だろうと相棒が言う。年格好が我々より少し年寄りのようだから、そうかもしれない。

 相棒が田楽を買って来る。おでんも買って来る。それらを二人で食べる。まぁ、これが夫婦と言う物なのだろう。

 地域の産物を売っているところを見て回る。一昨日の道の駅とほぼ同じ感じでは有るが、こちらの方が山野草の出展がいくらか多そうだ。ついでだしと、ここで、土産を買う事にする。南部煎餅の詰め合わせだ。ここで買う事も無いが、ここで買っても可笑しくはないし。

 相棒がレジでお金を払うと三角クジをくれる。開くと当りだとか。景品は堆肥15kgである。当然、車で来てますよねと尋ねられてしまった。

 去年も栃木の道の駅のくじの景品でラジオをもらったし、この侍浜行は憑いているんだかなんだかわからない旅行である。お影で他を見物する事を止めて堆肥の袋を担いで早々に車に引き上げた。本来はもう少しゆっくりする積もりだったのだが。

 途中九戸への分岐を通り軽米ICから八戸道に乗った。

 大野の道の駅ではほとんどの車が岩手か八戸のナンバーであったが、さすが高速道路、半分は首都圏ナンバーである。と言う事は、それらの車はほとんどが首都圏域まで帰るのであろう。ラジオでは既に福島トンネルで渋滞が始まっている事を伝えている。

 途中前沢辺りからだったろうか速度制限が50kmになっている。来た時は雨と言う事もあって50km制限になっていたのだろうと思っていたが、晴れていて道路が乾いていて50km制限である。混んでいるからと言う事なのだろうか。それ以外は考えられない。しかしほとんどの車は100km位で走っている。

 小生は急いでもしょうがないからと、80km位で走る。でも、なんか納得がいかない。

 後ろに赤色燈が見える。パトカーだ。そう言えば下り車線を赤色燈を点灯して走るパトカーを2〜3台目撃した。でも、あれに追い付かれると50kmに押さえこまれる可能性がある。それはまずい。幸いパトカーまでは5〜6台の車がいる。この際逃げてしまえ。周りの車の流れに合わせ、100km位にスピードアップする。いつのまにか後ろに居た車は我々を追い越し、後ろには少し距離を置いて2台の車しかいない。皆考える事は同じか。

 まだ点滅する赤色燈が見えている。どう見てもパトカー自身も80km位は出している感じだ。何時までも付いて来る感じである。じゃぁ、この50km規制はなんなんだ。単なる注意を喚起するだけのものなのか。

 前方に速度取り締まりレーダーが見える。なんか気持ちが悪い。一応80km迄減速するが、これで速度オーバーで捕まった日には泣くに泣けない感じである。普段の安全運転と何の違いも無いのだから。環境的にも全く同じなのでから。混んでいるとはいっても首都圏の中央や関越の事を思うと、まだ空いているほうなんだから。

 長者原SAにガソリンを入れるべく立ち寄る。しかし入口からすごい混みようである。入口に止っている車の横を抜けて中に入ると、入口に止っていた車はガソリンスタンドの行列だったらしい。そんなこと知らないから、もうその列には並べない。余裕を持っての給油行動であったから、そのままSAを出る。

 福島トンネルを先頭に15km渋滞しているとの情報だったのだが、福島トンネルに入る直前から混み始め、トンネルを抜けた後しばらくその渋滞が続いた。どうも東北道の渋滞情報はあてにならない様だ。来る時も電光掲示板による情報と実際の渋滞状況は合っていなかった様だし、今回も電光掲示板、電波による道路情報ともに実態とは違う感じがする。一般ラジオの情報なんかてんであてにならない。もしかすると、首都圏に比べると走行状態をモニターするセンサーが少ないのかもしれない。多分この時期とお盆以外は渋滞なんて無いのだろうから。

 盤越道もあの変な渋滞が結構あり、アダタラ高原SAでは、すごく混んでいる中、レストランで並んで猪柳川を食べたこともあって、目標であったその日のうちに帰りつく事は出来なかったが、なんとか、そこら中渋滞の中の岩手侍浜ボルダリング行も無事終わる事ができた。

 無理だと思っていた写真のボルダーも登る事ができたし。


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作成年月日 平成13年 5月 8日
作 成 者 本庄 章