侍浜その2そして再び種差海岸
2006年 6月 3日記
「みさわ」道の駅で朝5時半に目を覚ます。何しろ夜10時には寝てしまったからいつまでも寝ていられないのだ。外は意外と寒かった。
朝食にラーメンを作ることになったのだが、できれば自動車の外で炊事をしたい。道の駅の向かい側も斗南藩記念観光村とかいう公園の大きな駐車場になっている。どうやらそちらも道の駅の一部らしい。こちらは道路の脇で何の塀も無いが、そちらは塀に囲まれていて、大きな杉のような木もある。そちらに移動して、外でラーメンを作り、外でラーメンを食べた。
この道の駅のそこら中にラムサール条約に登録された仏沼だかなんだか沼だかにはトイレが無いと書かれた案内が出されている。このなんとか沼って何だろう。行って見るかということになった。
今は湿地帯の大半が干拓されて農地になっている場所で、なんだかという貴重な鳥の繁殖地になっているらしい。ただの涸れた芦原だった。鉄パイプで組まれた展望台の脇の駐車場所で、ちょうど8時15分だったし、電波状態も良かったので、連続テレビドラマを見てしまった。
国道338号線を走っていると、淋代海岸というところを通る。なんだか淋しい海岸らしい。どこか海岸に出られそうな場所を探しながら走っていたら、トイレ付の駐車場が現れた。一先ずと寄ってみたら、そこは、なんとか公園のちょうど入り口だった。
トイレを済ませ、その公園に入って行くと、砂浜に高い展望塔が立っていた。その塔の前には真っ赤で大きな飛行機の模型が飾ってあった。ミスビークル号だかの模型らしい。初めての太平洋無着陸横断飛行の出発点を記念して作られた公園だったらしい。展望塔の上に登り、淋しいらしい海岸線を眺めてしまった。
国道45号線沿いの昨夜寄った全国区のスーパーの脇を通ったので、昨夜貰ったガソリンの割引券を使うべく、そのスーパーに寄ってみた。
青森で育成された「つがるロマン」とかいう米を売っていたので、10kg袋を思わず買い込んでしまった。
特に行く宛が無いので、一先ずは侍浜でもと、八戸から国道45号線を南下した。
階上を過ぎ、種市に差しかかると、地元の海産物や農産物を売る店が集まった場所があったので寄ってみた。道の駅の物産館の様な所だ。
観光コースから外れているからか、何しろ安い。大きなニシンの丸焼きが200円だったので、つい買ってしまった。外にも、うに飯、ホヤ飯なども買ってしまった。
ある店にトコロというものを売っていたので、相棒が店の人に何かと聞いて見たら、知らない人は買わない方がよいと言われてしまった。ただただ苦いトコロの根の佃煮だったらしい。都合40分程も居てしまった。
この45号線を走り始めた時は、以前種市で夕食を食べたときに時化か何かで食べることの出来なかった「ダイバー定食」を食べようという事だったのだが、先程お弁当を買ってしまったので、その「ダイバー定食」を食べ損ねた食堂には寄らなかった。
その時は、その種市の食堂までは結構遠く感じたのだが、今回はなんだかすごく近く感じてしまうほど早目の、1時ちょっと前には北侍浜のキャンプ場に到着してしまった。
早速見晴らしの良い所で昼食にしようと、先程買い込んだお弁当とニシンの丸焼きを持ってキャンプ場に行ったのだが、風があり、結構寒かったので、海岸まで降り、ついには、海も見えない、海水プールの中の日だまりで昼食にした。
日が当たって居たから結構のんびりとしてしまい、1時間以上もうだうだして居たような感じだった。
せっかく来たのだからと、重い腰を上げ、以前見つけられなかった、イーハトーブエリアだったかを探しに行った。
そのエリアはキャンプ場のエリアの隣ということだったのだが、浜に降りる降り口が分からなかった所である。今回はキャンプ場の外れからすぐ先に見つかった踏み跡を入って見たら、そこがそのエリアだった。
しかし、相変わらず昔の岩雪のトポの岩や課題が分からない。あちこちと歩き回って、たまたま写真のあった「ドラゴンエッグ」という課題をやっと見つけたので、それを基準にその他のいくつかの岩や課題が見つかった。何時ものパターンといえば何時ものパターンなのだが。
そんな中で、ボルダー課題として紹介されているのは、「卵割線」という課題のある岩の課題だけであったので、その岩を触って見た。
まず「卵割線」だが、下地が悪い。岩がゴロゴロした所の1m位の岩の上からのスタートである。落ちる訳には行かない課題だ。
その1m位の高さの岩の上に乗り、スタートホールドを探ったら、結構悪かった。スタートスタンスも決して良くはない。何とか離陸はしたが、その先のホールドもそれほど良くはない。下地が良ければ、多分行けるホールドなのだろうが、落ちる訳には行かないから、そのホールドで一歩上がる勇気が出なかった。グレードも確かbだから、難しくはないのだろうが、諦めざるを得なかった。
その面の右の面にも課題がある。しかし、ここも下地が悪く、すぐ後ろに大きな岩もある。無理する事なく、そのすぐ後ろの岩の上からスタートしてしまった。
ここの場所は大きな岩が幾つか重なったような感じになっており、それらの岩と岩を移動するのが少し面倒である。幾つか確認しなかった課題や岩もあったが、それらは、一応ルートの課題だったので、探す事なく引き上げた。
その他には別に登りたい場所も課題もない。まぁ、そこからは一番近いと言うことで、ボックスボルダーに行って見ることにした。ボックスボルダーはこのイーハトーブエリアの隣である。
岩盤を降りたり、登ったり、ボックスボルダーもこんなに行きにくかったかと思いながら、ボックスボルダーの下に到着した。
まずはハングドッグフライヤーJrか。確かレイバックでは登れていなかったはずだ。
レイバックでやろうとしたのだが、クラックに指が入らず、レイバックスタイルになれない。やっぱりレイバックは無理だった。
前回、その面の一番左の所も登れなかった記憶がある。すっきりした垂壁の下1/3位の所に水平クラックが走っており、その上は細かいカチホールドという課題だ。易しい課題らしい。岩盤の上に持参した薄めのパッドを敷き、取り付いてみた。
なんだか前回よりも登れないみたいだ。前回はもう少し上まで行ったような。2〜3回挑戦したが駄目だった。
下から岩を眺めていたら、カンテが使えそうに見えた。カンテを使ってしまうか。途中からカンテを使って上に抜けた。本当はカンテは使いたくは無かったのだが。
再びハングドッグフライヤーJrを見て見た。これも、普通に登って見よう。
普通に登ったら、何とか登ることが出来た。所で、この課題、前回は普通の登り方で登れていたんだっけ。
この岩の周りにはあまり課題は無い。もうすぐ4時にもなる。そろそろ引き上げるか。
駐車場まで戻り、コーヒーを沸かしていたら、八王子ナンバーの自動車が1台やってきた。見ると、以前御岳でお会いした方だった。
色々とお話をしていたら、この方、種差海岸でも登ったことが有ったらしい。聞いてみたら、「ヨウボウザキ」とかという場所で登っていたとか。芝生海岸の手前らしい。入り口に看板もあるらしい。どうせ時間はある。これはぜひ行って見なければ。
その後奥でテントを張っていたその方にご挨拶をして、既に5時近かったが、そのまま種差海岸を目指した。
階上からうみねこラインに入り、種差が近づいてきたので、「なんとか崎」の看板に気を付けながらゆっくり目に走ったのだが、そのまま芝生広場の前に出てしまった。
おかしい。でも、そんな、「なんとか崎」的な地形も無かったし、第一、海側に入る道もなかったはずだ。そうか、あの方は八戸からの行き方を言っていたのか。とすると、この先か。
そのまま八戸方面に走って見た。道路の脇にちょっとした駐車場のある、大山崎だかなんだかの看板が見えたので、寄って見た。付近を捜してみたが、良さそうなボルダーは見つからなかった。
また、その先に進んだら、「葦毛崎」の看板が現れた。前回も寄った場所だ。そういえば、「ヨウボウザキ」では無く「ヨウモウザキ」だかと言ったのかも。道から少し入ると突き当たりに駐車場があるとも言っていた。ここにはちょっと道から引っ込んで立派な駐車場がある。そうか、ここは「アシゲ崎」なのだが、若しかするとここのことだったのかも知れない。勝手にそう決め、展望台から浜のボルダーを眺めて見た。岩は駐車場からは少し離れた場所にかたまってあった。
岩の見えた辺りまで自動車で引き返し、駐車スペースを探したら、道路の反対側にスペースがあったので、そこに自動車を停め、浜に降りていった。
そろそろ6時になるが、まだ十分に明るい。まだまだ岩は登れる。
ここの岩はなんだか赤茶色の岩だが花崗岩ではなさそうだ。2日前の午前中に触った被った壁の岩と似ている。
遊歩道脇の、適当な大きさの適当な岩を3つ4つ登って見た。少し被ったところ、やや寝たスラブチックなところ、少し大きな岩の、少し被ってはいるが、凸凹していて、ホールドがいっぱいある所、等などである。いずれも難しくは無いから、全て一撃した。というか、一撃できる所しか触らなかったのだが。
波打際近くに高さが2mちょっとのまん丸の、いかにもマントルをしなさいという感じの岩があった。これはマントルしなければ。
胸の辺りまでは垂直で、その上が丸いドームのような感じになっている。そのドーム状のところにはちょっとしたクラックが走っているが、その下の壁にはスタンスは殆ど無い。そのクラックで這い上がるという感じだ。
クラックは、ガバではない。といって持てないわけでもない。そのホールドで身体を引き上げて見た。そこそこ身体は上がるのだが、ドームの傾斜がそれ程寝てはいないし、そのクラックのホールドは少し奥になるから、足が上がらない。
上着を着てトライしていたのだが、段々本気になってきて、上着を脱ぐ破目になってしまった。
身体を引き付け、腹をドームに乗せ、膝をドームのリップに掛ける。なんとかその膝で這い上がろうとするのだが、フリクションが効かないから、ただただもがくだけであった。
何回挑戦しただろうか、やっとのことで、膝を使うことの出来る所まで身体を引き上げることが出来、岩の上に立つことが出来た。疲れた。既に6時半になっていた。
段々薄暗くなってきたので、その後は2つか3つの岩を登り、引き上げた。
この葦毛崎では、多分極一部の岩しか触らなかったが、ここにはまだまだ岩はたくさんあった。面白いかどうかは分からないが、多分結構遊べるエリアであろう。
芝生公園のトイレに寄り、手を洗って、7時頃に種差海岸を後にした。
明日は丸々レスト日の予定だ。今まで行きたい行きたいと思いながら行けなかった小岩井農場にでも行くか。ということで、盛岡を目指すこととなった。
カーナビをセットすると、八戸経由の道を指し示した。何となく引き返す様で、変な感じがしたが、そのままカーナビに従ったら、結構山道を走らされてしまった。
9時過ぎに「石神の丘」道の駅に到着したので、そこで寝ることにした。