小川山その7そして御岳その16

2001年 1月 1日記
 天気予報で12月31日の天気があまり良くなさそうでどうしようかと迷っていたのだが、ジムの仲間2人が小川山から電話をくれたのと、天気予報が少し好転したので、相棒と小川山に行く事にした。

 31日朝7時頃出発。道は空いている。ただ、中央高速道で、暴走族の取り締まりとかで、凄く沢山の装甲車的バスやパトカーがパイロンを立てて道を狭めたりとかしていた。

 今回は道が凍っている事を警戒し、須玉インターから清里経由で川上村に入ることにする。

 途中、道がなんと無く濡れているので、雨でも降ったのかと思い、途中のガソリンスタンドで聞くと雨は降っていないという。川上村に入って少し走ると、道端に僅かに雪が残っている。その所為で道が少し濡れていたのか。

 何時もの様にナナーズに寄る。入り口の横にある水道で水を汲もうとしたのだが、その水道の前に正月用品を売るテントが張られており、水を汲む事は諦める。中に入ると結構混んでいる。やっぱり大晦日だ。

 廻り目平に近づくと道端の雪が多くなってくる。キャンプ場への入り口の分岐からは道が完全に真っ白な所が出てくる。登りだから、そろそろとだましだまし走ってキャンプ場に入る。やっぱりキャンプ場には雪が所々残っていた。

 金峰山荘前には3台、駐車場には4台程の車が置いてある。結構人が入っているようだ。

 前回とほぼ同じ所に仲間のテントを見つけ、我々もその横にテントを張り、汚い大岩方面に行く。

 途中、自動販売機の前辺りにテントを張っている人達が居る。結構賑やかそうだ。また1台の車が来た。

 汚い大岩の上には少し雪が残っている。岩の下には雪は無いが、前の道は完全に真っ白。仲間も見えない。

 これではボルダリング所では無いという感じだ。先の打ち合わせでは汚い大岩か水晶スラブ下辺りにいるとの事だったが、これでは水晶スラブ下は雪かもしれないので、ビクター辺りに居るかもしれないと、足跡が沢山有る自動車の轍を使って、ビクターに行く。

 ビクターへの小沢は雪で真っ白。足跡も無い。やっぱり水晶スラブ下かと引き返す事にする。

 このビクターへの道の脇には車が7〜8台置いてある。足跡もいっぱい有るし、金峰山へでも行っているのであろうか。

 足跡を辿って、水晶スラブ下辺りまで行った所で、相棒が来ない。もしやと戻ってみるとやっぱり別の方に入り込んでしまっていた。でも、見通しが凄く良いので直に見つかった。

 分岐岩の所から水晶スラブの方に行く。こっちも足跡がある。なんか人の声がするような気がしたのでコールをかけるが返事はない。相棒を待って、水晶スラブ下の方に下って行くと、果たして仲間2人がいた。一番左の5級の課題に取付こうとしていたようだ。こんな雪の中でよくやるものだ。

 この課題の上には雪が乗っている。出口のホールドも雪に隠れているようだ。どうもこの石の上に出る事は出来そうに無い。と言う事で、静かの海をリップの右の方を取る迄をやろうと言う事になる。

 下は雪なのでマットを敷く。何時もの様に靴を履いたまま歩く訳には行かない。いちいち靴を脱いだり履いたりしなければならない。面倒くさい。

 静かの海は3段だ。出来るはずはない。しかし、リップまでなら小生でも遊べそうだ。仲間はリップの右のホールドまで行くが、小生は左の奥のホールドを取る所までしか行けなかった。そこまでは何となく笠間のワシントン倶楽部みたいな感じだ。

 仲間の一人が小川山タンクス(往復で4級)をやるというので見物に行く。これは被っている所のトラバースだから、下に雪は無いし、問題はない。が靴は少し濡れてしまうようだ。お陰で惜しい所で足が滑って、結局往復はならなかった。小生? 疲れるからやらない。

 昨日スパイヤーが出来たとの事だったので、そっちに行ってみる事にする。が、途中話に夢中になって分岐の道を見過ごしてしまったので、ビクターに行く事にする。

 ビクターの沢側の下は、少し被っているので、1mくらい雪が無い所がある。そこにマットを3枚敷いてサブウェイ3級をやる事にする。この3級は難しい3級だ。仲間の一人はこの側の1級とか2級とかのランジの課題は幾つかやっているがサブウェイはやった事が無いらしい。幸いスタートの石も乾いている。

 1回目は例の所で落ちる。仲間はリーチが有るからそこは軽くクリアーするが、せせこましいからやっぱり足が邪魔だったのか、その先で落ちる。

 小生、2回目、その例の所を突破、その何手か先まで行く。出来る? 一瞬思ったが、伸ばした右足が滑り、敢え無く落。めちゃ悔しいぃですー。

 しかし、その後例の所の突破ならず。疲れてないんだけどなぁ。

 帰りに汚い大岩に寄り、側壁のカンテ1級を触る。ここは、昨日仲間が取りついていた所らしく、上の雪を少し払いのけたらしい。お陰で上に雪はなかった。

 何回かのトライの後、少し上のカンテを持って、左ヒールフックで縦カチをスタティックに取れた。しかし、これもその後再現せず。こんなんばっかりだ。嫌になっちゃう。1回出来ればその後は何回でも出来るようになれば、多分初段や2段が登れるのかも知れないが。

 さすが、5時に近くもなれば相当に寒い。素足で履いている運動靴が雪で濡れているから、足もジンジンする。なにもこんな時間までこんな条件の時にやる事はないのだが。

 例によって、レストランから温泉に行く事にするが、小生の車はノーマルタイヤなので、仲間の車に相棒と便乗させてもらう事にする。仲間の車はスタッドレスタイヤを履いているのだ。仲間は雪道は走った事が無いというので、小生が運転する事とする。

 国道に出て、予定していたレストランを見ると、店には電気が点いているのに看板には電気が点いていない。やっていないようだ。仕方が無いから海ノ口方面のレストランか定食屋を目指すが、そのレストランも休み。次の定食屋は駐車場の看板の電気が点いたのでそこに車を入れて定食屋を探すと、その定食屋は電気も点いていない。だったら看板も消せ!

 結局灯明の湯で夕食。ここは食堂部が有るのだ。ラストオーダーが8時だと言う事なので先に夕食を済ませてから、風呂へ。

 少しぬるめの露天風呂で大変にゆっくりする。月並みだが、極楽極楽。

 今晩は天気予報では晴れるので冷え込むとの事だったので、少し窮屈だったが、2重のシュラフに羽毛服を着て潜り込む。

 明け方前に目が覚めると、何やらサラサラという音がする。まさかとは思ったが、そのまさかで、雪が降っている。少し寒い。この調子だと太陽が出ず温度が上がらないかも知れない。とすると、もう何年も変えていないバッテリーでエンジンがかかるだろうか。そんな不安が過ぎる。ブースターケーブルも忘れてきてしまっている。そんな事を考えたらもう眠れない。時間は5時である。

 ごそごそとラジオを探し出す。付けてみるが、落ち着かない。相棒も起きる。少し話をするが、そんな不安が有るとは言えない。相棒はもう鼾をかいている。小生はその後もガサゴソと動く。少し白んでくる。寒いからローソクを点けてみる。少し暖かくなったような気がする。

 ラジオでは天気予報をやっている。どうやら北海道は雨から雪になるらしい。日本海側は雪らしい。太平洋側は晴れるが強風らしい。小川山が天気予報ではどこの地方なのか分からないが、この雪が積もる事は無いような気もする。でも、果たして太陽が顔を出して温度が上がるだろうか。

 やっと少し明るくなってくる。仲間のテントで話し声がする。ジッパーの音がする。こちらも顔を出して、「おはよう」。「どうする?」。「食事したら早々に帰るか」。

 我々の上の方にも1つテントを張っている人達がいる。その人達が車を動かしているようだ。

 意を決して、車のエンジンをかける。かかった。良かった。やっと安心した。温度計はマイナス6度だった。ほんとかな。少しエンジンを回してからテントに入る。

 安心したから少し寝る。といっても、ほんの少しだが。

 牛乳を沸かして、パンを食べて、テントを畳む。タイヤにチェーンを着ける。雪の中でのテントの撤収、タイヤチェーンの装着、ともに何年振りだろうか。多分十年以上振りだ。テントは何十年振りかだろう。

 雪と言ってもうっすらと白くなる位、積雪はせいぜい1cmだ。しかし、これからは少し下り坂だし、道には確実に雪がある。凍っているかもしれない。ノーマルタイヤで下るだけの勇気は無い。いや、そんなに無謀ではない。

 雪の中を、近くのボルダーにぶら下がって、登ろうとしてみたが雪が付いている運動靴が滑って登れなくて、でもこれで一応2年に渡って、2世紀に渡って、2千年紀に渡って、小川山でボルダリングをした事にして、4人で3台の写真機で変わり番こに3人ずつの写真を撮って、お互いにおめでとうを言い合って、一応やる事だけはやって、廻り目平を後にした。

 途中、結局雪で登る事は出来なかったが、仲間が登りたいといった玄関岩に寄って、下の道に出た。やっぱり、晴れている。川端下では道路の雪も完全に融けていたのでそこでチェーンを外し、ナナーズまで行くともう雪は無かった。日が照っていて暖かそうだったが、途中の温度表示はマイナス6度だった。とすると小川山はもっと寒かったのかも。

 帰りも清里経由、須玉から中央道に入る。空いている。霞んではいるが富士山が奇麗に見える。温度は9度みたいだ。川上村はマイナス6度だったというのに。何と言う事だ。

 高速に入ってすぐのサービスエリアで小一時間過ごした後、まだ10時前だしということで、御岳経由で帰る事にする。道は大月から小菅、丹波経由とする。

 この道、凄い山道だ。曲がりくねりながら思いっきり山の上に登って行く。でも晴れていて暖かい。峠に駐車場が有ったので、そこに停めてみたが展望は無い。尾根筋の林道の様な道を少し登って小さなピークまでいったがやっぱり展望はない。残念。途中富士山が奇麗に見えていたのに。

 結局結構時間がかかって、この道は失敗とか言いながら、2時少し前に玉堂美術館の上の駐車場に着く。

 相棒は、なんか具合が悪いというので、車に残して、忍者返しの岩に行く。マットが3枚。結構人がいる。少し人が多いので、小川山で濡れていたし相当に汚れていた小生のマットを乾かしながら掃除をする。

 2つの集団が移動し4人になったので、ほんの僅かのウォーミングアップの後、忍者返し1級に取付いてみる。スローパーが取れない。最初の右手がなんかしっくり来ない。

 水の詩岩の裏とかその前のスラブとかを少し触って、また忍者返しに取りつく。スローパーは取れたが、その先には行かない。

 マミ岩に行ってみる。さっき移動した一団がマミ岩右のSDをやっているようだ。マットを借りて小生もやってみる。この課題、2級だからまだ出来ていない。一番下のガバホールドを両手でスタートする。今まで突破できなかった少し遠い左手がいきなり取れた。足も上がった。でも、その先のホールドがわからない。

 先にやっていた人達も同じムーブでその先が出来ないという。左手ピンチが持てて足もあがったので、これでもし右手が遠い縦カチを取れれば、スタンドアップのスタートと同じになると気付く。なんとかその縦カチが取れれば出来るかもしれない。展望が出てきた。

 ガバ両手スタートだと疲れるので、その次のホールドとの両手スタートでやる事にする。先の人達もそうしている。SDとは尻が着いていれば良いとの解釈もある。

 左足に乗り込んで、なんとか縦カチが取れるようになった。が、左手が出ない。そこの所だけやってみる。右足を下げて、左足を移動すると、左手が出せた。少し休んで、そのムーブでやったら、上の小さなボケットが取れた。足にも立てた。その後少しもたもたしたが、何とか出来た。

 やっと、マミ岩右のSDが出来た。それももっと時間がかかると思っていたのが出来た。ガバ両手スタートではなかったが、お尻マットからのスタートだから、まあいいや。ムーブは全部出来ているし、核心は繋がっているのだから。今度の時に両手ガバでやる事にしようか。

 小川山のサブウェイといい、確実に身体張力が付いてきたようだ。素直に嬉しい。

 忍者返しに戻って、やっぱりスローパーまで。でも、スタートの右手が決まって、次の手がスタテイックに取れるようになった。

 4時近くなって、寒くもなってきたから、お仕舞にする。2級が1本出来たから、今年中には忍者返しも登れるようになるだろうから、まあいいや。

 仲間がもう一度1月中に小川山に行きたいと言っていたが、もう雪が降ってしまったから、もう雪は融けないだろうから、多分無理だろう。


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作成年月日 平成13年 1月 1日
最終修正日 平成13年 1月 2日
作 成 者 本庄 章