先日の土日でジムの仲間と2人で小川山に行った。小川山その5
2000年11月28日記
金曜日の夜中出発。信州峠の下の塩川ダムの駐車場で仮眠する。ここの駐車場は、広いしトイレも有って道路からも少し離れるので、結構快適である。我々以外にも仮眠中の車が2台ほどいた。でも、下がコンクリだから少々寒い。
翌土曜日の朝8時頃起床、テントから顔を出すと初老のカップルが散歩をしている。その人が、寒くないですかと、当然のことを聞くから、期待に答えて、寒いですと答える。実際寒かったし。
9時頃駐車場を出発し、途中ナナーズに寄って、10時頃廻目平に到着する。ゲートが無い。キャンプ場はお休みだった。
適当な所にテントを張ろうとしたが、霜柱が立っており、なかなか適当な場所が見つからない。やっと中央の駐車場の上の方に場所を見つけてテントを張る。結構車は有る。
マットを背負って水晶下ボルダーへ。山梨の人達が3人、東京の人達が2人程いた。
先ずはイヌ岩の9級から。続いて10級、8級、10級と易しいやつを続けてやる。少し高いけど、ガバガバで結構快適。次は7級のトラバースだ。がこれは力がいる。先に山梨の人がやっているのを見て秘密のホールドもわかったのだが、そこまで行けずに敗退する。だから、トラバースは嫌いだ。
左に廻ってルナ4級に挑戦する。被ってるし、ホールドも良くない。やっぱり力がなく出来ない。やっぱり被りものも嫌いだ。最近はパワークライマーなんだけどなぁー。
山梨の人が静かの海に挑戦しているのを見ながら角石へ。仲間がヒッパルコス2級を登のを見学する。小生は左の7級、8級を登る。スラブチックで結構難しい。スラブも嫌いだ。
雨月岩に行く。まず、雨月岩の下の岩の9級を登る。続いて右の7級。なかなか登れない。何回かの試技の後やっと登る。次に3級の課題に挑戦。これはどちらかと言うとカチ。雨月に挑戦していた仲間が、小生の登っているのを見て、気分転換にと登る。その登り方を真似して、また何回か挑戦する。やっぱりなかなか登れない。左手のカチで身体を固め、右を取るムーブだったか。
雨月初段を仲間と山梨の人達2人で挑戦しているのをしばし見学する。さっき静の海に挑戦していた人も見学に来る。少し休んだのでまた下の岩の3級に挑戦し、やっと登る。やっぱり気合が十分に入った時に登れるようだ。これでやっと小川山の3級が3本登れたことになった。なんとなく嬉しい。だから、カチは好きだ。
さっき素通りして来た涙岩まで戻り、兼ねてからの課題となっていたホワイト・ティアーズ4級に挑戦する。3回いや4回、まあそんなところで、やっと登れた。どうしてだかわからないけれど、やっぱり嬉しい。4級って結構難しいんだ。
戻って、下の岩の2級に挑戦していた雨月挑戦グループに交じって小生も挑戦する。カンテを廻りこんでスラブを登る、そんな課題なのだが、左手が持てず難しい。結局できなかった。
雨月グループで唯一人、下の岩の2級に浮気しないで頑張っていた人が、雨月右初段に成功する。登れる時って、端から見ているとムーブが安定しているように見える。やっぱりそういう時に登れるのだろう。
そろそろ日も陰り寒くなって来たので、石の魂に移動する。ここもやはり岐阜からの3人がいた。仲間は石の魂に挑戦する。小生はその横の5級の課題に挑戦する。
ここの岩は、ガチガチしていて穴が一杯あって、痛い。結晶も指に刺さったりするようだ。仲間もそれで指に穴を空けてしまったようだ。
5級の課題は辛うじてクリア。その横の6級もやっと登る。ポケットみたいな、一寸した突起みたいな、ホールドみたいなのが一杯有るけど、どれもが決め手にはならない。それに、微妙に被っている。手が痛いし、結構きつい。
岐阜の人達が凹角4級を登っていたので、見学後、小生も登る。ホールドを教わったので、一応一撃する。ガバにカチだ。こういうの大好き。ついでにその奥の7級のマントルを登る。至って簡単。どうもこの辺の課題のグレードは良くわからない。さっきの5級や6級の方が4級の課題よりも難しいみたいだ。得て不得手って訳でも無い様にも思えるのだが。
仲間がテンペル・タットルを触りたいと言うので、奥の岩に行く。東京の人達が5人ほどいて、テンペル・タットルを飛んでいた。
この課題はスタテイックとランジで登れるらしいのだが、ランジの方が人気があるみたいだ。仲間も飛ぶ。小生はその左のフレーク8級を登る。リスには落ち葉が詰まっており、リップは苔々で、少し高かったし、最後は苔の上に立ってしまって、とても恐かった。結局この課題では、出だしで2回も足を滑らせて向こう脛を打ち、擦り傷を作ってしまった。
もう大分寒くなって来たが、最後にクジラ岩に行く。
遊歩道から少し入るとクジラ岩がもう見える。この時期は本当に見通しが良い。
仲間はグロバッツ・スラブに挑戦する。出だしのポケットの処理に手こずるも何とかこなす。その後2回ほどの試技で上に抜ける。おめでとう。小生の目指す初段の課題だ。スラブ部分はそんなに難しそうではなく、下のフェースの部分が核心の様だ。
下部のポケットのクロスに挑戦するも歯が立たず。でも、この初段は何とかなるかもと淡い期待を抱く。しばらく夢を見る事にしよう。
やっぱり兼ねてよりの課題の潮吹き穴4級に挑戦。やっぱり出来ない。仲間も手こずる。でもやっぱり仲間は登る。そうやるのかと、またまた真似をする。なんか出来そうだ。2回、3回、できた。
もう暗くなりかかっていたが、エイハブ船長を触りに行く。先程不可能スラブで会った東京の人達がいた。
いつもは簡単に取れる右手のポケットが取れない。2回目、何とか取ったが、次の左手が持てない。今日はもう止めだ。既に暗い。指の皮も殆ど無い、かも。
もう暗くなってしまった道をテントまで戻る。今日会った人達は、ほとんどが仲間の知り会いだったらしい。皆うまい人達ばかりだった。こんな時期にこんな所に来る人達だから、そういう人達なんだろう。小生を除けば。
夕食は川上駅の近くの焼肉屋に行く。カルビクッパだかを食べる。辛い。が、おなかが一杯になった。次は風呂だ。海ノ口の灯明の湯と言う所に行く。空いていて気持ちが良い。ここは正月もやっているとの事だったので、正月は混むのかと聞いたら、スキーシーズンは混むと言う。折角正月の小川山合宿の時に来ようかと思ったのだが。
休息室でお茶を飲んで、ゆっくり休んで、アイスを食べて、少し自動車を飛ばして、テントに帰った。
朝、7時過ぎに起きる。10時間も眠ってしまった。外はまだ日はさしてはいないが、今日も天気は悪くは無さそうだ。でも、身体が痛い。
車の外気温計を見ると2度だ。駐車場には車が20台ほど有る。長野、岐阜、大阪、静岡、東京、千葉等など、この寒いのにこんなに仲間がいたんだ。
指の皮が無い。仲間も同じ。仲間は雨月をやりたいようだったが、結局今日は親指岩下ボルダーに行くことにする。小生はここは初めてだ。ここは総じて岩が小さく、易しい課題が多いらしい。そういう所は好きだ。
その前に、汚い大岩でウオーミングアップ。葉っぱが全然無い木々の間の枯れ草の上でストレッチをする。回りの木には本当に葉っぱが無い。既に暖かい日がさし始めている。明るくてすごく見通しも良い。風もないし、あんまり気持ちが良いので、かりんとうを食べて、少しのんびりしてしまった。横を世界的に高名なクライマーの一団が通る。マラ岩にでも行くのだろうか。
ウオームアップに正面の8級の課題を登る。腕が少し腫ってしまった。
いざ本番。これもやっぱり小生の宿題課題であり仲間も宿題としていた側壁のカンテ1級に触る。
前回はとっても止まる気がしなかった縦カチだが、立ち木を利用するチョンボムーブでスタティックに触ってその感触を確認してみると、何とか持てるかもとの感触を得る。仲間も、指の皮が無く、縦カチへのデッドが止らないと、そのチョンボムーブで縦カチを持ち、リップへのデッドのムーブを確認する。やっぱりリップに手が留らないようだ。
反対の側壁のスラブにも挑戦する。左の9級のスラブは登れるが、右の7級が登れない。例によって仲間に登ってもらう。今回は完全に真似るのではなく、参考にして、やっと登る。またまた、例によってこれが7級か。次は真ん中の4級。出来ない。仲間も出来ない。難しい。なんか秘密のムーブでも有るのだろうか。やっぱりスラブは嫌いだ。
また側壁のカンテに戻ってさっきの課題に挑戦。仲間が、チョンボムーブでのリハーサルの後、やっと成功する。小生も、仲間のアドバイスで縦カチがようやく取れた。よし、小生も今回の目標達成だ。指の皮がもう少しあれば、多分そのうち登れるだろう。
お互いに満足して、親指岩下のボルダーへ。枯れ葉でちょっとわかり難い踏み跡を辿ると、すぐにボルダーが見えて来た。木々に葉っぱが無いから離れていてもボルダーが良く見える。迷うことも無い。親指岩下ボルダーって結構近かったんだ。キャンプ場の水場からすぐだったんだ。
哲学岩の前に沢山人がいる。フィロソフィーをやっているようだ。我々は、葉月岩に荷物を置いて、先ずはタマネギ岩まで登る。ここは2級と3級の課題しかない。仲間は3級の課題を登る。
茄子岩の8級。登る。その右の長茄子5級。ムーブがわかり難い。右のカンテを使って仲間が登る。真似をして、出来ない。甘いカンテと左のポケットで出るのだが、結構きつい。足を開いて、ズリズリとせり上がって、左でリップの縦ホールドを取るのだが、これがきつい。肩の力がいるのだ。こういうの大ッ嫌い。何回かで左のリップの縦ホールドが取れた。次は右足を上げて、が、その足が滑った。くやしい。やり直すも力が戻らず失敗。少し休んで再挑戦。左取れるが動けず。悔しいけど疲れているから諦める。
芋石に移動し、7級の課題を試みる。出来ない。やっぱり疲れてる。またまた仲間の真似で何とか登る。例によってスラブだ。次は柿石。7級の課題を登り6級の干柿に挑戦。マントルなのだが、多分辛うじて登る。マントルも嫌い。
葉月岩の小川山マントル5級へ。嫌いだから、出来ない。右のスラブ7級、嫌いだから、何回目かで登る。オハチ尾根8級はリップのトラバースだ。これはさすがに1撃。当然か。
露岩へ。左のカンテ沿いの7級のスラブの課題に挑戦するも、難しい。笠間の感触を思い出し、レイバックで何とか登る。その横の9級と8級のスラブは登る。多分一番右の7級も登る。3級のスラブは仲間は登ったが、小生はだめ。左足に立てない。
この課題は、飯田から来たと言う女性がずーっと挑戦していた課題だが、左小さな2つの浅いポケットで立ち、左足に立ちこんでゆく。この立ちこみが核心のようだ。例によって離陸が出来ない。左手が耐えられない。先の女性のそのホールドの持ち方を見ると、下のポケットには親指を懸けている。真似をすると、離陸ができた。左足を上げてポケットに入れるのだが、それは出来ない。で、すぐに諦める。先の女性はその後の度重なるトライによってついに登ったようだ。やっぱり若いっていいな。
次はコブ岩のコブ頭7級。好きだから、1撃。哲学岩の7級は、登ったんだっけ。あんまり多いから忘れてしまった。
漆石は、縦ダイク6級、スラブ7級を登る。4級は駄目。疲れた。
最後に哲学岩の正面の5級に挑戦。先程からフィロソフィーをやっていた人達が付けたであろうチョーク痕がいっぱいあって、何だかわからなかったが、なんとかリップを取ってマントルをしようとして、指がズルっと滑って、落ちる。痛い。皮が無くなるよー。少し休んで、リップを少しトラバースして、落ちそうで恐かったけど、何とかマントルを返す。良かった。
相当にくたびれた。日も陰ってしまったので帰る事にする。
ここは石がそんなに高くなく、下地も傾斜している所が多いので、下手にマットを敷いておくと、マットとともに滑り落ちそうで、折角持って行ったマットは殆ど使わなかった。特に厚くて大きいマットは全く使わなかった。唯担いで行っただけだった。お影で、帰り際に大事な大事なマットを忘れそうになってしまった。
キャンプ場からの帰りがけに、この時期でないと触ることの出来ない、玄関岩に寄って、少し登る。正面の9級。石に乗って右手奥のアンダーポケットの淵を取るのだが、きつい。で、2撃。情けない。一番右のクラック9級。これは易しい。少し被ってても、ガバガバは好きだ。6級の課題は恐いから上を右に逃げる。でもやっぱりもう一度と、マットを敷いて、仲間に登っている最中に見えない足を教えてもらって、なんとか登る。これって完登じゃ無いけど、まあいいじゃないの。
完全によれよれ。だめ。もう登れない。
ナナーズでコーヒーを飲んで、信州峠から明野村のふるさと太陽館の風呂でゆっくりして、南アルプス、八ヶ岳、富士山を眺めて帰途に付いた。
途中、僅かに渋滞は有ったもののほぼ順調に帰葉した。
今回は2日間、ほぼ晴れて、目一杯ボルダリングを楽しんだ。特に2日目はやさしい課題を沢山登った。スラブも登った。マントルも返した。初日も入れると、カチカチも、ポケットも、色々と一杯一杯登った。数えて見たら登れたやつだけでも合計35本は有るようだ。その外にも登れてないのとか、何回も何回も失敗したやつとか、易しいのが多いとはいえ、相当に登ったと思う。お影で指の皮はほぼ無くなってしまった。でも、多分これで相当に上達した事だろう。そう思う事にしよう。そうすればもしかするとそれが本当になるかもしれないから。
そして最後に、今回は大変なことを発見してしまったので報告しよう。それは、小生は非力なパワークライマーだったと言うことだ。常々パワークライマーだという自覚はあったのだが、今回の小川山で、はっきりと非力なパワークライマーだったということを確信してしまったのだ。要は下手だと言う極当たり前のことだったのだが。
やっぱり疲れた。でも、楽しかった。寒くはなかったし。今年中にまた行こう。
出発地点に戻って総ての交通費を計算したら、何と1万数千円もかかっていた。でも、また行いこっと。グロバッツスラブを登れるようになる為に。