小川山その22その3

2008年 8月24日記

通算で6日目 小川山の3日目である

 またしても朝早めに起きてしまったので、小生のみ、入り口岩からウイスキーボトルの岩、鯨岩を回てみた。昨夜の雨のせいか、地面も湿っていた。

 戻る途中、上でテントを張っているボルダラーと少しお話をした。多分昨日声をかけてくれたボルダラーだ。

 本日で最後ということで、食事後、テントを畳んだ。

 昨日ビクターで一緒だった我々の上の方にテントを張っていたボルダラーがまた声をかけてくれた。湯河原に住んでいるといって、名刺を下さった。そして、何時も一人なので、湯河原に来たら連絡を呉れと言った。桃源郷辺りをフリーソロに行くことが有るかもとか、少しお話をしてしまった。

 隣の千葉からの老夫婦にごあいさつをし、お名前を伺った。小生がいつも行っているジムにもお出でになることがあるようだった。

 入り口岩に行くことにした。以前、小生のお師匠さんから、ここのトラバースの課題を薦められた事が有ったし、日当たりも良さそうだったので、多分乾いているだろうとの理由からだ。

 途中キャンプ場のボルダーの一番上の岩によった。昨日4歳の息子が行ってみたいといっていた岩だったのだ。多分触るのは初めてだ。

 カンテの左の8級の課題を触って見た。右手カンテ、左手フレークだったか。でも、足がなかった。落ちた。8級で落ちてしまった。

 気を取り直し、足を探し、離陸したらリップが取れた。しかしあまりよくはなかった。マントルもひざを使ってしまった。

 右面の9級をやって見た。カンテとポケットを使って登るのだが、こちらは9級だった。でも、8級よりもこっちの方が見栄えはよい。そんな気がした。

 8級のSDバージョンは3級となっている。多分カンテとポケットで離陸するのだろうが、とてもできる気はしなかった。トラバースの2級もあるのだが、カンテの回り込みがありえないようにみえた。共に触らなかった。

 そこそこ遊んだし、息子も近くの小さな岩に何度も登って満足したようなので、入り口岩にいった。

 この岩にはラブリートラバースという、1級と初段の課題がある。以前お師匠さんに勧められたのはその課題だ。

 左端のカンテを触って見た。ちなみに8級である。右のフレークのリップとカチホールドで離陸し、左上の一段下がったリップのホールドを取れば終わりという感じの課題だ。

 左のカチはリップが少し丸まっているから、あまり良くはない。右のL字型のフレークもガバではない。足もそれほど良い訳ではない。と言い訳をして、リップのガバを取りにいったら、届かなかった。

 ホールドを、ああだこうだやったあげく、結局最初のホールドで離陸したら、やっと一段下のリップのガバが取れた。またまた膝でマントルしてしまった。

 次は真ん中の7級だ。

 ホールドがない。おへその辺りにサイドホールドはあるが、いささか低すぎる。リップに薄いまんじゅうのようなホールドが見えるが、そこを取りに行くためのホールドがない。地面からでも届くなんとなく削った様にも見える水平のカチホールドがあるのだが、いくらか外傾しているので、持ち切れない。右手もリップ下にいくらか持てそうなホールドがあるものの、なんとなく心もとない。

 一応その左右のホールドで離陸を試みたが、離陸がやっとで手を出すどころではない。一度などは両手がすっぽ抜けて後ろに飛ばされたものだから、よろけて尻餅を付いてしまった。

 一応そこは諦め、その右隣の7級を触って見た。左隣で使った右手のホールドを両手で持つと、真下からなので結構効く。手が効けば足も効いてくる。こちらは1回で登れた。多分、これが7級だろう。

 再度、真ん中の7級を触って見た。今度は、おへそ辺りのサイドガバと右上のリップの丸いホールドを両手で持って、左足は少し左のフレークの縁のようなスタンスで離陸し、右上のリップのホールドを取りにいったら、リップが取れた。後は結構足があったので、やっと登れた。

 続いて、左カンテの右の5級の課題を触って見た。スタートはL字のフレークのリップだと思う。結構効くホールドだ。しかし、リップまでは結構ある。そして、足がない。左手でL字の縦を持って見たり、下を両手で持って見たりしたが、結局登ることはできなかった。

 残るは右側の壁の4級のスラブだ。しかし、結構苔が残っている。右下の方はまだ濡れている。5級が登れないのに4級のスラブは無謀だろう。おまけに一部にはまだ水も浮いているし。そうも考えたが、どうせ遊びだと取り付くことにした。

 まずはスタンスにチョークをつける。左下、その右上、そして左上の結構効きそうなスタンスにチョークをつけた。多分スタンスはそんな所だ。ホールドを探すと、意外と悪いものしか見つからない。4級だからそんなものだろうが。

 なんとか左手のわずかに丸く膨らんだ感じのカンテ状にホールドを見つけ、その手でスタートして見た。右手は数mmのわずかな穴だ。そんな穴がいくつかあるので、適当なものを使って見る。

 ホールドだけでは体が上らないのでじわじわと左足に立ち込んで見る。しかし、右足が上って行かない。つまりは離陸ができない。小生にはその足では少し高いのかもしれない。

 右下の濡れた壁にスタンスを探ると、なんとか乗れそうな傾斜の部分が見つかった。そこにチョークを付け、何回か拭き取ってスタンスにする。

 そのスタンスで離陸を試みると、3回目位に左足が上った。トーで壁を所々押さえながら左足を上げて行き、最初に使ったスタンスにのせると、なんとか壁に留まることができた。

 両足に立って次のホールドを探るが、ホールドが見つからない。少し左のわずかな薄いフレークのサイドがホールドに見えたので手を出して見たのだが、触ったと同時位に体を剥がされた。つまりは持って体が剥がされるのを防げるほどのホールドではなかった。

 外にホールドを探ってみたが、それ以上のホールドは見つからなかった。

 仕方がないからそのホールドをスタティックに取ろうと、何回かやって見たが、結局だめだった。仕方がないので、ちょうどすぐ後ろに生えていた木を利用して離陸し、左の少ししっかりしたスタンスに立ち込んで見たら、リップが取れた。多分湿気ていなければ、そのスタンスに立てるだろうということにした。

 ちょうど時間も11時ころになったので、帰ることにして、自動車に戻った。

 自動車に戻ると、なんとなく屋根岩の方面の空が暗くなり出してきた。また雨が降りそうな気配になってきたようだ。

 金峰山荘で会計をすると、4歳の息子は無料と言うことで、二人の2泊分の清算をし、カードに出車の処理をしてもらった。

 川端下の集落辺りまでくると、雨が降り出した。どうやらちょうどよいタイミングだったようだ。

 ナナーズに寄り、先に買って気に入ったベビーチキンラーメンの20個入りの袋を3つ買い込み、土産などその他の買い物を済ませて自動車に戻ったら、雨は止んでいた。

 信州峠に差しかかると雨が降り出した。外気温計を見ると18度だった。信州峠を越えると雨は強くなってきた。そして、急激にものすごい降りになってきた。前がほとんど見えないのだ。

 途中、いくらか弱くなった雨も、韮崎から高速に乗ったとたんに再びものすごい降りになり、前も良く見えなくなってしまった。

 そんな中、追い越し車線を大型トラックが80から90km位のスピードで追い越して行く。その際、そのトラックが撥ねた水飛沫が我が自動車のフロントグラスに降り注いでくる。全く前が見えなくなる。こちらも、60km位で走っているから、なかなかトラックの飛沫が消えてくれない。少しアクセルをゆるめたらやっと前が見えるようになった。実際にはそんなに時間がかかった訳ではないと思うのだが、感覚的には結構長い時間に感じ、結構怖い思いをしてしまった。

 相棒がこの雨をやり過ごすためにパーキングで少し休んで行こうと言ったのだが、なんとなく長くは続かない気がして、そのまま最初のパーキングを通り過ぎたら、間もなく雨は弱くなり出した。結果的に休む必要はなかったということの様だった。

 中野トンネルを過ぎると雨はほとんど止んでいた。

 つぶらのトンネルを抜けると急に暑い空気が窓から吹き込んできた。すると相棒が、まるで暖房でもいれたようだと言った。実は、小生達は、冷房が余り好きではなく、雨が止むと、窓を開けて走っていたのだ。しばらく走り、外気温計を見ると、32度だった。

 その後、首都高でいくらか渋滞はあったものの、順調に走ることができた。

 製鉄所の脇を通ると、相棒が臭いから窓を締めて冷房をいれてくれといった。確かに硫酸匂的な匂いがしたので、冷房をいれ、外気温計を見ると、35度だった。

 娘の家に寄り、無事4歳の息子を送り届け、夕食をごちそうになった後、家路についた。

 家に着いたのは、9時前だった。

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作成年月日 平成20年 8月24日
作 成 者 本庄 章