小川山その2

2000年8月24日記
 8月18日の金曜日から22日の火曜日まで相棒と一緒に小川山に行って来た。今回はボルダリング専門と言う事ではなく、某クラブの夏合宿と言う事だったので、ルートが主体となった。でも、ボルダリングもやって来たので、その様子を少しだけ書いて見る。

金曜日

 早朝千葉発。途中瑞牆方面を偵察。なるほど来年の全国植樹祭に向けて道がすごく立派に整備されている。会場近くだろうと思われる所まで、さすが全線道幅を2車線までは広げてはいないものの、要所要所を2車線化し、全線に渡ってコンクリート製の丸木風のガードレールを設け、非常にきれいな舗装がなされている。信州峠への道からの取り付きも、新たに橋を懸け、集落を迂回するように全く新しい道が作られていた。やっぱりお金って有る所には有るんだと実感してしまった。どうせなら須玉から黒森迄の道も何とかしてもらえないかと、贅沢にも考えてしまった。

 例によって川上村1番のスーパー(だと思う)で買い物。9時開店の所、後から来たお客さんらしい一団が入って行ったので、我々も開店10分程前だが入店する。やっぱり「お客様は常に正しい」を社訓とする店だけあって、そんな客にも開店準備中の忙しい中わざわざ挨拶をしてくれる。このお店、刺身用のイカを一杯99円で売っていたりする。これ使えばイカそうめんが99円で食べられることになる。そういえば前回ここで298円のノースリーブのTシャツを買ったのだが、気に入ったので今回も持って来て、結局岩場で3日間も着る事になってしまった。なんとも不思議なお店だ。

 10時頃廻り目平に到着。仲間は既に用意を整え岩場に出かける所であった。従って、本日は我々は晴れてボルダリングに専念出来ることとなった。テント設営の後、林のボルダーに行く。やっぱり湿っぽい。目的の穴社員も湿っぽい。前回ホールドだけ触ったドンキーを触る。今回は限定なし。従って6級。でも、最初が難しい。他の課題も物色したが、なんかコンディションが悪そうなので他所に行く事にする。

 テントに戻ってから、結局ビクター方面に行く。まだキューブを見た事がなかったので、キューブの偵察に行く。でも難しそうだったのでパス。ビクターは比較的空いていた。先ずサブウェイに触る。核心までは結構スムーズに行けるようになっていた。しかし、核心は越えられない。左のまだ出来ていない5級にチャレンジしていた人が居たので小生も思い切ってやって見ることにする。この課題、高いので、結構恐いのだ。おかげでやっと登れた。裏に廻ってコンケープを触る。やっぱり左足にしっかり立てないから、右の足が上がらない。出口のリップ辺りのホールドを探って見るも成果なし。この課題も疲れる課題だ。その後何回かサブウェイに挑戦するも進歩無し。雨もパラパラ落ち出したので帰る事にする。まぁ、5級登ったからいいか。

土曜日

 昼過ぎに岩場で雨に遭い天場に帰る途中、雨も上がっていたし、時間も有ったのでビクターの下の道端の金峰山岩を皆で登る。8級とか9級なのだが、湿っている事もあって、結構むずい。皆が登ってしまうと、右のカンテを使って左のホールドは使わないとか、勝手な限定を付けて少し楽しむ。

 先に帰るという人もいたので、有志だけ残り、ビクターへ。と言っても、普段からボルダリングをやっているのは小生だけなので、ルートのグレードは皆んなとそんなに変わらないのだが、小生が易しい課題を教え、一応登って見せる。で、自分はサブウェーに挑戦する。しかし、昨日から全く進歩無し。ジムの仲間の若人に会う。その彼は日帰りだそうだ。といっても山梨の実家からとの事だが。相変わらず飛んでいた。

日曜日

 ルートから帰った夕方、食事の用意だけ澄ませ、早々にマットを担いで林のボルダーへ。先ず穴社員を触る。第一発目で遠い穴が取れた。でも、昼間5本もルートを登ったので疲れているのか、その後は成果無し。昨日モファットトラバースを登った人が見えて穴社員とエイハブ船長を登ったので、それを見学。穴社員のスタートを穴からいきなり始めていたので真似をして見たが、スタート時の足が違うのか巧くゆかなかった。誰も居なくなった頃合を見計らってエイハブ船長を触る。右のスローパーは当分取れそうに無い。

月曜日

 午前中にルートを登って、昼過ぎに帰るクラブの仲間を見送った後、相棒と二人で水晶スラブ下ボルダーへ出かける。昨日1日晴れていたので、今日は岩は乾いているようだ。先ずは涙岩の4級の課題に挑戦。手が無い。足も無い。これで4級か。笠間みたいだ。相棒は犬岩の10級を登る。こんなとこにも10級の課題が設定されている事には驚くとともに、感謝してしまった。次は角岩に転進。6級に挑戦。やっぱり難しい。でも、6級はまだ何とか出来るようだ。その下に有る小川山タンクスを触る。ガバガバのルーフをトラバースする課題だ。往復して4級。だったかな。片道しか出来ない。やっぱり疲れてる。

 時間ももう遅くなってはいたが、今まで行った事のなかったそら豆スラブ方面の屋根岩ボルダーを見に行く。道端岩の10級を相棒が登るというので試しに登って見る。ちょっといやらしい感じがしたので、もしかすると登れないかもしれないと言ったのだが、相棒は何回かのトライで登る事ができた。マッターホルンにも10級の課題があるので見に行ったが、時間切れで引き返す。帰りしな、まだ少し明るかったし、広い道にも出たので、奥の岩を見てみる。だが、伐採が入り踏まれた道が塞がれてしまっていた。

火曜日

 今日は我々だけなのでゆっくり起きる、といっても、6時には起き出す。晴れている。朝食の後、大気は不安定との天気予報にテントをたたむ事を考えたが、まだ乾かない事を理由に止める。少しのんびりして9時頃林のボルダーへ行く。

 さすが火曜日の午前中では鯨岩と言えどもボルダラーはいない。先ずはクジラ岩の潮吹き穴をやってみる。全く出来ない。左隣の課題も同じ。マントルという事だが、スタートの手でマントルみたいだ。難しい。続いて、ウイスキーキャップでウォーミングアップ。相棒も10級を登る。本体の右面の右端のカンテの6級の課題を登る。バランスも悪いし手もない。これで6級か。また思ってしまったが、やれば出来るものだ、一撃とはいかなかったが。正面に廻って6級の課題。少し被っているのでやっぱり一撃はできなかったが、何とか登った。その左の4段を挟んだ5級の課題に挑戦しようと思ったのだが、高いのでやめた。

 ちょっときつ目のウォーミングアップも済んだのでいよいよ穴社員へ、と思ったのだが、その前にちょっとと、スパイヤーのスラブの4級に挑戦する。1歩目が上がらない。でも、その下に足を探したり手を探ったりしながら何回となく挑戦を続ける。相棒もその右のカンテの9級に挑戦している。ともに昨年のリベンジである。

 親子におばあさん連れの一家が来る。夫婦で、メインのボルダーマットにゾーンも持って、ブラシ付きのステッキまで持っている所が我々と一緒だったので、一瞬相棒と笑ってしまった。

 小生のやっていた課題に旦那の方がトライ、というよりも教えてくれる感じでトライ。地面を蹴って上のホールドを取りに行く。その手も有るのだろうが、それでは4級ではない。じわじわと上がれなければこの課題の意味もない。ように思う。小生はそうしたかった。でも、出来ないから一緒になって飛びついてしまった。それでも、やっぱり出来なかった。その左の5級は今回はスタテイックに登る事ができた。確実に笠間の成果は出ているようだ。昨日までのルートでも結構スラブに強くなっているのを実感した。我々は穴社員に転進したが、その夫婦は我々と一緒で、奥さんが相棒のやっていた9級の課題に挑戦し、旦那は4級の課題に挑戦していた。

 穴社員は前回の小川山で絶望的な感じにさせられたのだが、今回は穴が持て、次の遠い穴を取れるようになった。左手の穴の持ち方を変えたのでそこそこ持てるようになったのだ。次はクロスですぐ上の穴を取りに行くのだが、ここが出来ない。なぜ出来ないのかわからないが、出来ない。ガバそうに見えた細長い穴なのだが、何故か持ちにくい。身体が上がると駄目だ。ようくようく見るとほんの僅か被っている。そのせいだろうか。何回かトライするのだが、段々その遠い穴が取れなくなってきてしまった。でも、サブウェイよりは可能性が有りそうな感触は得る事が出来た。次回頑張ることにしよう。

 子連れ一家が帰って誰も居なくなったので、またしてもエイハブ船長に触って、写真を撮ってもらう事にする。右スローパーに初めて飛んで見た。飛ぶ体勢はできそうな感じまで行った。足が低かったから、全く届かなかったが、左手が少し効く様になったようだ。この課題も忍者返し同様、小川山にくれば必ず触る、自分の技術のバロメーター用の課題とすることにしよう。1時も廻ったので今回の小川山はお終いとする事にする。指を見ると先っぽの皮が無い。無い訳じゃないのだが相当に薄くなっている。これじゃぁまた湯飲みが持てないかも。

 少し遅い昼食の後、これまた恒例の川上村の大きなスーパーで買い物をし、お土産も買って、韮崎で道の駅に寄って、甲府昭和までとことことことこ20号を走り、中央道に乗ったのだが勝沼から先20kmの渋滞との事だったので、勝沼で再び20号に戻って、秋山村を抜けて、相模湖からは高速道路で千葉まで帰って来た。

 以上でおしまいだがついでだから書くと、多分全て高速をつかった方が早かったとは思うのだが、お金を出してまで高速をのろのろ走りたくないねとか言いながら、のんびりと抜け道を使って帰って来た。でも、地図では20号をそのまま行っても、秋山村を廻っても距離はそんなに違わないように見えるが、抜け道は実際は道が相当ぐにゃぐにゃ曲がっているので、距離も時間も多く掛かるように思う。従って、この回り道は自分の責任で使用してもらいたい。

 やっぱり5日も連続でクライミングをするとそこらじゅうが筋肉痛だ。とくに前腕の内側の筋肉などは痛重い感じだ。それにしても、何故体重がこの5日間で1kgも増えてしまったのだろうか。普段の食事よりも粗食だったというのに。クラブの合宿と言う事で土曜日の日に皆とビールを飲みながら夕食をしたのが効いたのだろうか。だとすれば目標体重が低すぎるのかもしれない。今までの目標を1kgアップすることにしようか。筋肉も少しは増えて来ている事だし。


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作成年月日 平成12年 8月26日
作 成 者 本庄 章