小川山その15

2002年 1月 2日記
 ジムの仲間2人と3人でまたまた小川山に行った。今回は一応小生の所属するボルダリングチームの正月合宿である。

 夜八時に西船橋駅に集合、小川山を目指す。

 途中ガソリンを入れると、そのスタンドの人がヘッドライトの球切れを教えてくれる。2〜3日前からなんかヘッドライトが暗いと思っていたが、やはり球が切れていたようだ。そこはセルフのスタンドだったので、どこか自動車用品屋を探そうとしたが、年末休みの夜だから有ったとしても開いているかどうかわからない。少し大きめのガソリンスタンドに入って球を換えてもらうことにする。

 ところが、小生の自動車のヘッドライトの構造が少し特殊だったのか、球をヘッドライトのケースの中に落としてしまったりで大幅に手間取り約1時間遅れでようやく走り出す。

 湾岸、首都高、ともに空いている。渋滞を示す電光掲示板も真っ黒である。

 中央道の八王子インターに差掛かると、パイロンで車線規制をしており、パトカーや装甲車、そして警官がうじゃうじゃいる。年末の暴走族対策の様だ。ヘッドライトの球を換えておいて良かった。以前、ヘッドライト切れを警官に指摘され、その場に車を置いて帰れと言われた経験が有ったので、胸を撫で下ろす。

 須玉で中央道を降り、清里経由で川上村に向かう。先週よりは雪は少ない。ところが、廻り目平に近付くと、先週よりも遥か手前で道路が真っ白になり出す。雪が乾いているのかノーマルタイヤでもそこそこ食い付いてはくれるが、圧雪状態なので、安全のために早めにチェーンを付ける。

 廻り目平に着くと、先着の仲間のヘッドランプが見える。挨拶をして、その脇にテントを張って眠る。

 今回は小生の夏テンではなく、仲間のゴアのテントを借りる。このテント、機密性が良く、隙間風は全く入らない。このテントを借りて良かった。

 さすが、12月末の廻り目平は寒い。シュラフにシュラフカバーをかけ、羽毛のチョッキを着ていても寒い。途中3回ほど起きてしまった。

 朝方、自動車が来て、エンジンをかけたまま駐車し始める。明るくなり出して、やっとエンジンを止め外に出て来たようだ。人数も多そうだ。一頻り人の声が続いて、やがて静かになる。金峰山にでも行ったのだろう。

 先着の仲間のテントでも声が聞こえる。まだ6時頃なのに。

 8時過ぎに起きだし、仲間のテントに移り朝食をとる。仲間の連れは金峰山に行ったらしい。

 山梨の仲間が来る。もう一人の山梨の仲間も来る。みんなで林のボルダーに行く。

 事前の情報によると、雪は消えたとのことだったが、先週よりも雪が多い。前日にでも降ったのだろう。

 仲間の一人が帚を持ってクジラ岩の上に登り雪掻きを始める。雪はさらさらしているから、きれいに掃除が出来るらしい。先週よりもやりやすいらしい。腕がパンプしたと言いつつ、結局穴社長を登れるようにしてしまった。

 前回もここで会った山梨の人が一人でやって来る。一緒に行動する。

 前回同様、穴社長を触る。今回もフリクションは抜群だから、離陸後の第一手目が取れる。まぁ、その後何回やってもその先は行かなかったが。

 エイハブのレッジのスローパーを、他の人と同じスタンスでスタティックに取ろうと何回かやって見たが、結局スタティックには出来ない。やっぱり足を上げて少しデッド気味に行くのが小生のムーブのようだ。

 雪掻きをした仲間が何回かの試技の後、穴社長を登る。おめでとう。

 1時過ぎにはこのクジラ岩も日が陰り出す。寒くなり出す。石の魂の石に移動する。こちらはまだ日が当たっている。

 仲間はAITをやる。小生は石の魂のスタティックバージョンに挑戦する。って、ランジバージョンもスタティックバージョンも、二手目までも行けないから同じなのだが。

 適当にホールドを探して取付いて見たが、どのホールドを使うのか良くわからない。適当にホールドを見つけてやってみるが、離陸出来ない。

 仲間におおざっぱなホールドを教えてもらう。この課題は良く見ないと使うホールドがわかり難い。なんかガチガチした岩なのだ。スタートは間違っていなかったようだ。

 左手と右手のカチと左足でスタートし、左手の痛いカチを取る所が、やっとできた。が、その先の右手が出ない。

 少し休んでまたやったら、左手の人差し指に穴があいた。

 右手を少し親指をかけるようにしてやっと離陸し、左手の親指と人差し指で摘まむような痛いホールドを持つのだが、そこで指に穴があいてしまった。

 他の仲間にこの課題をスタティックバージョンで登ってもらう。その仲間の足は小生の足とは違う。スタートホールドも微妙に違う。

 小生は左足を少し左のスタンスに置き、左手も左の効かない水平カチで出ていたが、その仲間は右手のスタートホールドのすぐ左下のやっぱり効かないカチで、足はそのすぐ下のスタンスで離陸している。そして、右手を取るところでは右足を右の方のカチに持っていっている。

 小生もそのスタートのスタンスとホールドを真似して見ると、さっきよりずっと楽に左手が取れる。そして、左手を外引き気味に親指と人差し指でピンチ気味に持ち、右足を右の方の斜めのカチスタンスに突っ張ったら右手が取れた。しかし、良くはない。そして、左足を上げて見たが、左手は次のポケットの遥か下だ。もう少し何とかしなければともがいて見るが、当然落ちる。でも、足一つでこうも違う物か。毎回が新しい発見である。

 このムーブは最初のムーブに比べるとあまり力はいらない。と思って、またすぐに取付いたら、一手目が取れない。スタートスタンスに乗り込めない。やっぱり、それなりに力を使っているようだ。

 仲間が、右手のホールドからポケットを取りに行くムーブを教えてくれる。サイド持ちでインサイドフラッキングだとか。

 右手ホールドを教えてもらった様に持ったら、確かに上から持つよりは持てる。しかし、それで横なんか向けない。やっと横を向いて見たが届かない。左足がインサイドなんかには入らない。やっぱりここが核心のようだ。別の仲間が、ランジバージョンは出来るが、このスタティックバージョンは出来ないといっていた。

 穴社長を登った仲間ともう一人の仲間はAITに挑戦している。すでに日は陰っている。寒い。

 もう一人の仲間は凹角の課題をやっている。この課題は以前小生は登った事があるのだが、出だしが結構きつい課題である。小生も触って見るが、凹角に上がれない。

 また石の魂に触る。横持ちが出来なくなって来る。そこに届かなくなって来る。第一手目が取れなくなって来る。やっぱり疲れて来る。

 仲間はAITがもう少しの所まで行っている。結構便数を出している。別の仲間の凹角もまだ出来ていない。

 本当に寒くなって来る。皆疲れて来る。やる気も消えて来る。そろそろ潮時と言う事で下る。

 金峰山に行った二人はテントで寝ているようだ。

 仲間の一人は、寒いからと、日帰りする。明日は休むとか。我々は仲間の車でナナーズまで買い物に行く。道の雪は少し融けているようだ。

 今夜は皆で鍋である。金峰山に行った2人を除いて、昼間に合流した山梨の人も合流し、我々のテントで6人で夕食を始める。

 ナナーズで買った百円の缶ビールも加わって、結構酒の進む仲間も出る。で、結局1時過ぎまで色々としゃべる。

 翌朝、8時過ぎまで寝てしまう。

 外に出していたポリタンクの水は凍っている。豆腐は高野豆腐になっている。相当に冷え込んだようだ。

 金峰山荘の駐車場には観光バスが停まっている。それも2台もらしい。さすが百名山だ。ご来光ツアーでも組まれたのだろう。それにしても運転手はどうしたんだろうか。

 中年の女性が一人でやって来る。川端から歩いて来たらしい。この時期に一人でバスで来るなんて大変な根性だ。帰りは増富温泉に降りるとか、増富側の登山口からは三が日は臨時のバスが出るんだとか。昨日金峰山に行った仲間の話だと金峰山頂の小屋には80人位の人がいたらしい。そこに泊まってご来光を拝むのだろう。よくもまぁそんなにも物好きな人達がいるものだ。

 昨日帰った仲間がまたやって来る。「あれーまた来たの。」「天気が良かったから。」だそうだ。

 金峰山に行った仲間を加えて水晶スラブ下に行く。山梨の二人は林のボルダーに行ったらしく来なかったが。

 お正月はやっぱり富士登山だと、皆で富士山岩を登る。

 左のカンテのノーハンド登山道を、少し雪が残ってはいるが、登る。小生ともう一人は恐いから手を使って登る。別の人は、長靴で途中のスラブを登ってしまう。

 仲間とその富士山岩の上の隣山石のガバホールドの課題を登って見る。足はしっかりとしたスタンスがある。手は巨ガバが2つもある。そして、上のガバを取れば終わる。そういう課題で、難しくは無いらしいのだが、なかなか出来ない。仲間の一人が右足を高く上げて、マントルでなんとか登るが、難しそうだ。小生にはその右足が上がらない。

 左足のキョンとか、右手のスローパーとか、右足を乗せたり左足を乗せたりとか、登れない二人で色々とやって見るが、どうしても出来ない。

 左の高い所にスタンスになる所を発見し、それを使って見る。出来るかもしれない。ということは最初は出来なかったのだが、仲間がそのスタンスで登る。小生も登る。そのスタンスを使うとそのグレードという感じもする。でも、やっぱり自分のムーブで登れると嬉しい。

 顕著なスタンスがあるから、そこからSDはできないかと言ってみると、出られないとか、そそらないとか言っていたが、やってみたら面白いらしい。右足を逆上がりの要領で頭の上まであげ、トウフックをかけて登る。面白いムーブである。別の仲間は普通のムーブで登る。結構面白いとか。小生クラスの課題ではないが。

 不可能スラブの前には山梨の二人組がいる。静かの海をやっているらしい。

 アップの後、仲間が虹の入江を登る。二回目に登る。山梨の人も登る。小生は核心が出来なかった。やっぱり易しくはない。やっぱり初段なんだ。

 仲間の一人が林のボルダーに行く。

 小生は、涙涙をやろうとするが、風が通って寒い。どうもこのエリアは日は当たるが風も通るので寒い。屋根岩ボルダーに転進する事にする。

 途中、雨月岩の前を通るのだが、そこは風があまり来ず暖かそうだ。我々三人組はそこに残り、他の二人組は屋根岩に行く。

 雨月を触って見る。

 スタートホールドは、ガバだと思ったが、決してガバではない。その先のカチが小生にはカチではない。足を上げて見てもそのカチが持てない。2回位で諦める。仲間は以前のムーブを試みて、若しかして行けるかもと何回か繰り返したが、左手が持てないようだ。

 もう一人の仲間はその下の岩の真ん中の課題をやっていたようだ。

 再び石の魂に行く。ここは右からと左からと両方から風が来て決して暖かくはない。

 仲間はAIT、小生は石の魂を触る。が、指が痛い。仲間も痛いらしい。身体も思うように動かない。仲間も昨日のようには行かないらしい。そうこうするうちに日が陰る。途端に寒くなって来る。持ちも落ちる。3時を廻っている。今日はこれまで。

 屋根岩に行った2人が200m位先の林の中に見える。そこはまだ日が当たっている。しかし、そこまで行く気力なし。

 林のボルダーに行った仲間を求めて林のボルダーに行って見る。冬の日に取付いている二人組みがいる。しかし、仲間はいない。

 キューブに行くとも言っていたからと、キューブにいってみる。そこにもいない。道の脇に日帰りの仲間の車らしいものがおいてあるのを見つける。

 仲間に会えないので、再び水晶スラブ下に行くが、やはりいない。屋根岩もいないだろうと、そこから駐車場に引き返したら、屋根岩に行っていた仲間が車の中にいたので、挨拶をして先に帰ることにする。

 道の雪は大分融けていた。この分なら来週も?

 例によって温泉に入って、そこで夕飯を済ませて佐久に寄って帰る。今回は佐久インターから高速に乗る。空いている。最後まで空いていた。東北道への道と常磐道への道との分岐点も殆ど自動車がいない。こんなことは初めてだ。

 10時頃には西船橋に着いた。


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作成年月日 平成14年 1月 2日
作 成 者 本庄 章