野呂川のボルダーに行ってきました

2003年 8月27日記
 ジムの仲間と相棒との7名で金曜の夜から日曜にかけて山梨県の野呂川ボルダーに行ってきた。

 金峰山でも行こうかと思っていた矢先の金曜日の夜、仲間のメーリングリストに野呂川行きの計画が流される。金峰は他に行く所も無いからとの理由で行こうかと考えていた所だから、未だ行ったことの無い野呂川の誘いに即乗ることにする。

 仲間は何時もの所で待ち合わせ、甲府市内で一泊するとの事だったので、我々は何時もの天場に直行し、土曜の朝合流することとする。

 そんな訳だから、少しゆっくり目の23時頃に家を出て、空いている中央道を甲府南まで走り、富士川沿いの、市川大門から国道52号に合流する道を走る。

 既に1時を廻っていると言うのに、この富士川沿いの道は結構自動車が走っている。他のシーズンにはこの道を同じような時間帯に走ることが結構有るのだが、その時にはこんなに自動車は走ってはいないように思う。やはり夏なのだろうか。

 国道52号に合流すると、前の自動車が結構なペースで走っている。これ幸いと後に続く。

 早川町方面には中富町の先で国道と別れるのだが、前の自動車も早川方面に入って行く。結局我々の目的地である天場までそこそこのスピードで先行してくれるその自動車を追走する形となり、途中2台の自動車が左に避けてくれるなど、大変に走りやすく、且つスムーズに走ることができた。

 下草が夜露で濡れていたが、テントを張り、2時過ぎに寝る。

 朝7時過ぎに、太陽熱に炙り出されるように、日の当たっているテントを這い出すと、もう一台自動車が止まっており、その脇にテントが建てられている。近寄って見ると、仲間の自動車である。どうやら一人のようだ。メーリングリストではこの計画の最初のメンバーだったのだが、その後の連絡がはっきりとは取れなかったメンバーのようだ。

 ここは、快適な東屋が直ぐ脇にあるのだが、ここの管理を任されているおばーさんがやってきて、「だめだよー」と言われてしまうので、日の照っているテントの横で朝ご飯の用意をする。

 程なく、仲間も太陽に炙り出された様で、起き出して来る。聞くと、帰りが遅かったらしく、仲間に遅れてしまったので、一人で来ることになってしまったようだ。3時頃に到着したらしい。

 食事を済ませ、暫くすると、一台の二人乗りの自動車が入ってきて、東屋で朝食を取っている。そう言えば、東屋に何時もの使用禁止の張り紙が無い。使っても良いのだろうか。しかし、おばあさんにまた何か言われるのも嫌だしと、日の当たる所で、暫く仲間の到着を待つ。

 もう一人、埼玉に住む仲間が、もしかするとここで落ち合うかも知れなのだが、来ていないので、甲府に泊まる仲間と合流した様だとか話していたが、9時半を過ぎても仲間は現れない。どうしたんだろう。

 既に10時近いのに例のおばーさんも現れない。どうしたんだろう。何時もなら7時には、「もう朝だよー」とテントを揺すりに来るのに、夏だから娘さんか息子さんの所にでも行っているのだろうか。

 朝食を取っていた人たちも居なくなり、余りにも暑いし、おばーさんも来ないからと、東屋の中で話をしながら暫く待つ。

 10時頃に、おばーさんが現れる。と同時くらいに仲間の自動車も到着する。埼玉の住人の単車もいっしょである。

 おばーさんが近寄ってきて、東屋を「使っても良いけど、汚しちゃだめだよ」という。やはり、使っても良いことになったようだ。

 おばーさんに付き合っているとまた長くなってしまうので、相棒一人だけがおばーさんの相手をしつつ、出発の準備をし、早々に出発する。

 来る途中、去年までは無かった「奈良田−広河原間時間通行止め」と書いた看板が道端に沢山立っており、気になっていたのだが、行けば分かるだろうと、仲間の後に続く。

 奈良田の先で、道の脇の少し広くなった所に自動車を誘導され、一台一台交通規制を説明した紙を渡され、その説明を受ける。我々は、前の自動車の仲間だと言うと、紙だけをくれた。

 この林道は南アルプス林道と言うらしいのだが、その林道は朝4時半から12時迄が登りになり、13時30分から17時までが下り、18時30分から20時までが登り、21時30分から22時30分が下り専用になるらしい。それ以外の時間は通行禁止らしい。2〜3時間毎の一方通行かと思っていたので、もしかすると少しは待たされるかと覚悟していたのだが、待つことなく通行することが出来た。

 野呂川のボルダーはこの南アルプス林道沿いの野呂川沿いにあるボルダーである。従って、広河原までは行かず、途中の林道に自動車を止め、沢に下りてゆくらしい。途中の林道の脇に結構自動車が止まっていたので、本来は駐車禁止、Uターン禁止らしいのだが、途中に停めても大丈夫のようだ。

 トンネルを幾つか潜り、側壁から流れ落ちる滝をやり過ごして、自動車が何台か止めてある場所に我々も自動車を止める。

 少し戻って、沢床に降り、2回ほど渡渉をして、少し沢を下る。

 沢にはフライを振っている釣り師が二人ほどいる。あの自動車の主は釣り師だったようだ。

 仲間は石伝いに渡渉するのだが、相棒がそれでは渡渉ができないので、靴を脱ぎ裸足になって沢に入って渡渉する。その為、仲間より少し遅れてエリアに到着する。

 仲間は既に水の中に入って泳いでいる。そう言えば、メールに海水パンツ持参と書いてあったっけ。でも、水に入ると体温を奪われ、凄く疲れるので、小生は海水パンツを用意してこなかった。それに、水も決して温かくは無いのである。仲間達の泳いだり飛び込んだりするのを相棒と二人で暫く見学する。

 大きなクラックが斜め左上に走る岩がある。下地は砂である。ここなら登れるだろうと取り付いて見る。

 例によって、出だしの足が分からない。クラックは下のほうが垂直になっており、少し凹角状になっているから、バランスが分からないのである。

 最初は正対で出てみたが、次の手で落ちてしまった。やっぱりオーソドックスにレイバックのようだ。

 僅かにアンダー気味のレイバックで、少しホールドが滑る感じがしたが、今度は何とか登れた。小生、レイバックは疲れるから余り好きではないのである。

 ここの岩は、変成岩の仲間の片麻岩というらしい。砂や泥が層状になって岩になったらしい。でも、流水に洗われているから、岩自体はつるつるである。あまりフリクションは効かないようだ。

 仲間もこのクラックを登り、その左側の薄被りの壁を登りだす。

 ここは、仲間が来る前に小生も触ったのだが、見た目には小さなカチがあり、高さもそれほど無いので、直ぐにリップが取れるかと思ったのだが、カチに見えるホールドが小生には持ちきれず、歯が立たなかった壁である。やはり、仲間も一撃とは行かないようだ。結局、離陸後のランジチックな一手でリップをとるというムーブになったようだ。

 この壁と右側のクラックのある面との間のカンテがなんとなく登れそうな感じである。仲間の一人がトライする。

 しかし、あまりフリクションの良い岩ではないし、何しろ、太陽で暖められた岩は、手を触れるだけで汗をかいてしまう状態だから、なかなか手ごわそうである。結局仲間の一人が成功したようだが。

 その岩の横に大きいがそれほど高くはない岩があり、丁度マントルによさそうな少し外傾したバンドを持っている。

 一人が、そこを右手を返してマントルしようと頑張っている。しかし、なかなか成功しない。そこを、他の仲間が左足をバンド付近まで上げ、マントルを返す。

 小生もやって見たが、バンドのホールドが甘いため、小生には足が上がらなかった。

 仲間は、泳いだり、その岩の薄被りの壁に挑戦していたので、小生は、その近くの小さな小生にも登れそうな岩を探して取り付いて見る。

 最初は、お結びみたいな岩で、下が少しハングした面から、その左の寝ているスラブ面へのマントルチックなカンテの回りこみに挑戦する。

 甘いカンテを両手で掴み、右足で離陸し、左足をカンテの向こうのスラブに回して、その踵に乗り込むというのがそのムーブである。しかし、左足のスラブがつるつるでおまけに寝ているといってもそれなりの傾斜があるから、なかなか踵に乗り込めない。体重をかけて行くと滑ってしまう。

 踵を置く場所を奥にやったり手前にやったりしながら、スタンスを探し、やっと少し立てそうな場所を見つけてカンテを回り込む。

 次は少し大きな三角形の壁を持った岩で、その壁には途中にはっきりしたホールドがあり、その上はフレーク状のホールドがありそうな岩である。ほぼ垂直から上は僅かに寝た壁である。

 この壁には、途中から斜め上にリスが走り、その途中はポケット状になっている。ここをブラシで少し掃除をする。

 その掃除したポケットを左手で持って見る。しかし、右手が見つからない。ちょっとした凸凹を触って見るが、持てそうに無い。手の届く範囲で探すが、持てそうなホールドが無い。というよりは、足が良いのが無いから、少し指先がかかっても体が上がらない。

 そのポケットを諦めて、少し高目のフレークのサイドが持てるので、体が伸びきってしまう感じはするが、そこを持って少し体を振って離陸する。次はどうしよう。本当はそこから左上の岩の天辺を目指して登りたいのだが、良さそうなホールドが無い。右上の低いほうにはガバチックなホールドがあるので、そっちに逃げる。

 一度ガバホールドに逃げてしまったから、そこから直上してもしょうがないからと、そのまま右上しカンテの途中で岩の上に立つ。

 仲間も何人かが薄被りの壁を登ったようだ。

 小生は、その斜め左上の岩の天辺まで延びるカンテの右の方の地面からカンテが直接持てるところ辺りを触って見る。手はそこそこ有るのだが、足が全く無い。最初にそこを登りたいと思った辺りなのだが、諦める。

 そこから僅かに下流に少し大きな高い岩がある。岩の上に乗っている感じの岩である。

 その岩には、カンテ沿いにちょっとしたリスが走っているので、そこを使えばそのカンテの右側の垂壁が登れそうな感じがしたので、取り付いてみる。

 リスというか、浅いクラックというか、そんな溝に指をかけて、傾斜のゆるい面からカンテを回り込んで垂壁に乗り出す。スタンスはいくらかあるからそんなに難しくは無い。もう一歩上がって見る。しかし、その先のホールドが甘い。おまけに、そこの下地はスタートの場所より下に入っている石の分低くなっているので結構高い。おまけに落ちると下の石の結構急な面の真中辺りに落ちてしまう。怖くて一歩上げた足に乗り込めない。諦めて元に戻る。

 仲間がその岩の下流面に取り付きだす。

 その岩のその面は結構高くて、下1/3くらいがやや寝たスラブ面になっているのだが、そこから真中1/3くらいが垂壁で、その上が逆三角の凹角のように凹んでいる。下から1/3くらいのスラブとの境にはリスが走っていて、ホールドやスタンスとして使える状態である。そこの課題は、そのホールドとスタンスを使って上の凹角のリップを取り、その凹角の左のカンテを上る格好になるらしい。

 もう一つは、その壁の左のカンテを使って、細かいカチを繋いで直上するという課題らしい。いずれも小生の課題ではない。

 下地には空中に張られたような2本のケーブルがある。左のカンテを使う課題だと落ちたときにそのケーブルにぶつかりそうである。幸いそれは結構長いケーブルで、片一方が流木の塊に絡まっていたので、その流木への絡まりを解き、そのケーブルを後ろにずらす。

 ケーブルが無くなり、下地は少しは良くなったが、岩の状態は石焼ビビンバの石状態であるから、最悪である。左のカンテに挑んだ仲間は早々に諦める。

 その右の上が逆三角の凹角状になった所に挑んだ仲間は何回と無くトライを繰り返す。

 左手が凹角の逆三角の頂点のホールドに届き、その持ち替えのところまで行く。そのホールドは手がいっぱいに伸びきった状態でやっと届く距離だし、そのホールドの効く所は少し奥の所らしく、届いてもなかなか持ち替えの体制に入れないようだ。

 何回かのトライの後、その効く所がやっと分かり、持ち替えの体制に持ち込めたのに、持ち替えがならなかったから、その仲間はなかなか諦められないらしい。

 先に戻った仲間のところに戻ると、仲間はまた泳いでいる。凄く楽しそうである。どうしようか結構迷ったが、意を決して小生も泳ぐことにする。

 岩陰で、下着を脱ぎ、クライミングパンツだけになって、水に入る。やっぱり冷たい。流れの中に泳ぎだし、上流に向かって泳いで見る。しかし、流されて遡れない。必死で平泳ぎをするが落とされる。ほんの1分かそこらだったが、岸に寄り水から上がる。どっと疲れる。

 仲間が、以前小生が話した変な泳ぎ方を見たいというので、よせばいいのにまたまた水に入る。流れに出る。そのまま落とされる。直ぐに岸による。またまた疲れる。

 仲間はまだ例の課題に取り付いている。他の仲間は岩の上で寝ている。また別の仲間はその仲間のトライを見学している。

 そろそろ4時近くになったので、4時20分に引き上げるという仲間より一足先に相棒と小生は出発する。

 朝の天場に戻る途中で、仲間の一人が新しい課題があるらしいボルダーエリアに寄ると言うので、皆で付いて行く。しかし、その課題の下は水がついていて取り付けなかった。

 仕方が無いから、それより少し上流のエリアに行こうとしたが、増水気味の沢を渡渉できない。そのまま引き返す。

 朝の天場に戻ると、一台の自動車が止まっており、テントが建てられている。親子連れのキャンパーだ。今まで我々以外のキャンパーをついぞ見ることは無かった場所なのに、やはり夏のようだ。そう言えば、ここに戻る途中にもデイキャンプらしいテーブルを広げた自動車を2台も見かけたっけ。

 町に買出しに出かけた一人と、明日用事があるので帰ると言うもう一人を除き、今度は堂々と東屋で炊事をし、色々とお話をする。

 7時を廻っても買出しに出かけた仲間が帰ってこない。途中食事でもしているようだ。

 それから程なく買出しの仲間も加わり、夜遅くまで色々とお話をする。

 気持ちが良さそうだからと東屋で寝る仲間と別れ、相棒と二人でテントを建てその中で寝る。

 朝、5時頃に子供の声で目がさめる。なんでキャンプに来た子供達は早起きなのだろうか。

 昨日と同じく、太陽に炙り出されてテントを抜け出す。既に8時近い。隣のテントは相変わらず元気である。

 仲間はまだ東屋で寝ている。しかし、一部の人には日がかんかんと当たっている。やっぱり若いのだろうか。

 いくら若者でも、暑さにはかなわなかった様で程なく全員が起きだし、各人各様に朝食の支度をし、身支度を整える。我々もテントを畳み出発の用意をする。

 本日は、昨日より少し下流のエリアに行くらしい。自動車を停める場所が余り広くないらしく、一人出来た仲間が他の仲間の自動車に合流し、自動車2台で出発する。

 目的の場所に着くと、既に自動車が1台停めてあり、あと2台分のスペースは無い。仲間の自動車は少し先の場所に停めると先に進み、小生の自動車だけをそこに停める。

 沢床までは広い道が降りているので、昨日よりは少し楽に沢床に降りることができた。といっても、昨日も途中までは道を降りたからあまり変わらないのだが。

 本日も我々二人が少し遅れる。でも、昨日よりは少し沢の水が減ったようだ。

 途中、どこを渡渉するか迷ったので、相棒を残して偵察に出ると、仲間達も途中から引き返して来るのが見える。

 仲間が落ち着いた場所を確認し、相棒と二人で渡渉をする。ところが、最後の最後で乗った岩が動いたらしく、相棒が水の中に四つんばいになってしまう。お陰で上半身がずぶぬれとなってしまった。

 落ち着いた所で、焼けた岩の上に広げておけば直ぐに乾くだろうと、相棒は濡れたものを脱ぐ。

 仲間は荷物を置いた直ぐ前の少し大きな岩でウオーミングアップをはじめる。この岩は下流面がスラブ壁、沢面が僅かに寝たのっぺりとした適当にポケットのあるフェイスになっている。

 いきなりフェイスはきつそうだったので、小生はスラブからはじめる。

 見た目はいくらか難しそうに見えたが、薄いフレークが剥がれた跡のようなカチホールドやスタンスが沢山有って、見た目よりはやさしかった。でも、なんとなく滑りそうな岩肌だから、やっぱり少しは怖かった。やっぱりスラブはあまり好きになれないようだ。

 スラブの真中辺を登って、そのスラブの右端もカンテを使って登って、沢側のフェースに行って見る。

 ここは途中に大きなポケットがあり、易しそうに見えるが、やはり抜け口が悪そうな感じである。仲間に続けて登って見ると、想像以上に足がよく、結構楽に登れてしまった。

 一人でもう少し下流の石を見に行くと、下が大きくルーフになった岩がある。その上はやや斜めに走る段差があるので、そこそこ登れそうな岩である。しかし、下地があまり良くなく、ホールドも遠そうなので、どうも小生の課題ではなさそうだ。

 一度仲間の元へ戻る。

 仲間がさっきのルーフの岩の方に行ったので付いてゆくと、その岩の隣の小さな岩でマントルをしている。右、あるいは左と足を上げてマントルをしている。見る分には易しそうなのだが。

 そのうち、小生が最初に目をつけたルーフの所を仲間が登る。そして、今度はルーフの中からスタートして登る。結構面白そうな課題では有るが、怖そうだし、やっぱり疲れそうだ。

 別の仲間がさっきマントルをしていた所を触りだす。

 なかなか手が返らない。やっぱり難しそうに見える。小生も真似をして見る。

 この岩のリップにはホールドが3つ位あり、左のホールドが結構持てるし、少し低くなっている左のリップに足を上げれば楽そうだったので、そっちをやって見る。でも最初は落ちる。

 仲間は右の悪いホールドでマントルをしているから足が上がらないようだ。小生も真似をしたが全く足が上がらなかった。

 最初の左の方のマントルで、足を上げる所を少し手前にしてやって見たら、何とか出来た。でも、岩の天辺にマントルすると言うよりは岩の少し横を回りこんで這い登ると言う感じになってしまうから、あんまり格好良くは無い。

 仲間の一人が、最初に来たときに下地を整地していた、中州の岩の大きく被ったところに取り付き始める。

 岩を触って、離陸して2手目で落ちる。続いて、その先のムーブを探る。その先も2手位で飛びついて落ちる。まぁ、大きく被った壁を細かいホールドで登る状況ではないから、その後直ぐに諦めたようだ。

 最初に登った岩の上流面に廻って見ると、仲間がいたので、仲間のもとに行く。その仲間の前には一本のクラックが走り、登れそうである。実際仲間は登ったらしい。しかし、下は石だから落ちるわけには行かない。

 どうしようか悩んだが、仲間がいたし、ホールドもそんなに悪くなく最後まで有りそうだったので、思い切って取り付いて見る。確かに一部甘目のホールドもあったが、そんなに悪くは無く、上まで抜ける。まぁ、5〜6級というところだろうか。怖さグレードを入れて4〜5級というところだと思う。小生には丁度良いグレードである。

 仲間は、来る途中に有った大きな淵で泳いでくると出かけていったので、小生と相棒はそのままマットに寝転んでお昼寝する。もう一人の仲間も残ってお昼寝のようだ。

 1時間も昼寝しただろうか。あんまり寝ていてもしょうがないと、ずっと気になっていた対岸の木陰の岩を登って見ることにする。

 相棒はこちら側から写真を撮ってくれるというので、小生だけ、靴を持って対岸に渡り、その岩に近づく。

 対岸からだと結構格好良く見えたのだが、実際はそうでもなく、簡単に登れてしまいそうである。実際、カンテの右も左もそれほど造作なく登る。唯一抜け口が苔があって少し滑りそうな気はしたが。

 その直ぐ上流に先の岩よりは少し大きな岩があるので、見に行くと、沢側の面はポケットがいっぱい有って登れそうである。下流面もホールドやスタンスが適当に有るので難しくはなさそうである。

 振り向くと、相棒がデジカメを持って沢を渡ってくる。急いでサポートに戻る。

 先ずは下流面を登る。下はなんと言うことは無かったのだが、抜け口がホールドが乏しく、少しひやひやしたが、何とかホールドを探し、上に抜ける。

 沢面に回り、ポケットの面を登って見る。

 ポケットは奥が結構かかり、しっかり持てるので、そのポケットを繋いでリップ下まで行ったが、リップ上にホールドが無く、探っているうちに疲れてきたので、そのままクライムダウンする。

 次は、その右の少し凹角状の場所がホールドがありそうだったので、右を目掛けて登っていったのだが、やはりホールドを見つけられずに降りる。

 暫く休んで、その右の上がハングした所を右側のカンテを使って登って見る。キョンを使ったりしてホールドを探って見たが、ハング越えは土台無理のようだと諦める。下から見たときもホールドらしきものは見えなかったのだから。

 でも、何とかこのハングの下から出て登りたいと思ったので、途中からカンテの右に回りこむムーブを探り、何とかカンテの右への回りみに成功する。後は少し寝たフェースだからと上に行ったが、意外とホールドが持ちにくく、結局右、右と逃げてしまってやっと上に抜ける。お陰で手が腫ってしまった。

 相棒のデジカメを受け取り、相棒をサポートして渡渉し、荷物のところまで戻る。

 昨日登れそうで登れなかった課題が気になると、昨日その課題に打ち込んでいた仲間が、少し涼しくなったからまた行ってみると、一人昨日のエリアに移動する。

 程なく泳ぎに行っていた仲間も戻り、結局皆が思い思いの場所で寝てしまう。

 結局今日は泳ぎの日だったようだ。約若干名を除いて。

 3時半になったので、相棒と二人で一足先に戻る。途中、釣り師の人が林道への登り口を聞くので、我々の降りてきた場所を教える。

 途中、適当な岩が有ればと思ったのだが、結局途中、渡渉地点の発見に気を取られ、適当な岩が見つからずに林道への上り口に着いてしまう。

 側壁を見上げると先ほどの釣り師の人が降りてくるのが見える。途中銀色の梯子が見えるからそこを登れと教えてしまったのだが、実際は銀色の梯子が見えたらその側壁を登ると踏み後があるから、そこを歩けと言ったつもりだったのである。しかし、その目標の銀色の梯子を登ってしまったらしく、その先が登れなかったらしい。降りてきた釣り師に下から声をかけ、その踏み後を行けと教える。

 荷物を置いて、その付近の岩を物色するが適当な岩は無い。大きな少し被った面をもつ岩が見えるので、近づいて見たが、その被った面にはホールドもスタンスも見当たらず、登るのは不可能のようである。裏に回りこんでも、登って面白そうな所は無い。

 そこから沢沿いに廻って見るとマントルが出来そうな小さな岩が有ったので、荷物まで戻り、靴を持ってくる。

 リップを持って、離陸して脚を大きなスタンスに上げたら簡単にマントルできてしまった。余りにも易しすぎた。

 相棒がデジカメの準備をしていたらもう岩の上に居たと言うから、もう一度そこをマントルする。

 他には良さそうな岩も見当たらないので、仲間達が来るのを河原で少し待ったが、4時半になっても現れない。仕方が無いから自動車まで先に戻る。

 自動車のところには一人昨日の課題に打ち込んだ仲間が居た。やっぱり他の仲間はまだのようだ。

 既に4時45分である。仲間達はまだ来ない。一人戻った仲間が、その仲間達の自動車まで先に戻って行く。

 5時になってもまだ来ない。林道を自動車がまだちらほらと下っては来るが、仲間の自動車は降りてこない。

 5時10分くらいだったろうか、やっと仲間の一人が上がってくる。良かった。我々だけ先に下り、天場で待つことにする。

 パンフレットには通行可能時間内に規制区間を通り抜けなければならないと書いてある。通行可能時間は1時30分から5時であるから、5時には奈良田のゲートを出ていなければならないことになるので、何か言われるかと覚悟して下って行ったのだが、何もいわれること無く、ゲートを開けてくれた。登り時間までは1時間30分の間があるから、6時30分までは登り車は来ない。従って、6時30分までにゲートを潜れば干渉はしない理屈だから、5時30分くらいまでは別に何も言われないのかも知れない。

 ここで一つ疑問が起こる。何時までに上の広河原のゲートを通らせてくれるのだろうか。おそらく広河原から奈良田までは遅くとも1時間くらいのようだから、5時まで通らせてくれるのだろうか。相棒が聞いてみればと言ったが、既に遅れているから、聞くだけの勇気は無かった。

 天場に着くと程なく仲間の自動車も到着する。

 支度をしていると、おばーさんがやってくる。背中にリュックを背負っている。途中、追い越したおばーさん二人連れの一人がそのおばーさんだったと相棒が言ったのだが、余りにも背筋が伸びていた気がしたので、小生は違うと思っていたのだが、やっぱりそのおばーさんだったようだ。まぁ、やっぱり元気なようだ。

 途中、学校を改造した早川町営の温泉に寄り、7時頃に早川を後にする。

 夕食は以前寄ったことのある台湾家庭料理の店にする。

 中華丼を頼んだのだが、一番最後に運ばれてきた。それを見て仲間が前回も中華丼が一番最後であせったと言った。そんなことすっかり忘れていた。ここでは中華丼は禁句のようだ。

 仲間二人が頼んだ杏仁豆腐が伝染し、他の仲間二人も追加で杏仁豆腐を注文する。小生も杏仁豆腐には目が無い方なのだが、今回はじっと我慢をしてしまった。

 ここで分かれ、それぞれで帰ることにする。

 中華料理屋から少しは並んで走っていたが、安そうなセミセルフ方式とかいうガソリンスタンドがあったので、急遽そのガソリンスタンドに寄る。当然そこで仲間とは別れる。

 そのスタンドで、国道20号にでる道を教えてもらい、20号に出て、勝沼の20号の片側1車線になる所に来ると、前を走る自動車が先ほど分かれた仲間の自動車であることが判明する。

 多分、前を走る仲間はこのことには気がつかなかっただろうが、上野原の高速の乗り場の直前の信号までずっと後ろについて走っていった。しかし、その信号で小生の自動車が捕まり、分かれることとなってしまった。

 中央高速は上野原から小仏トンネルまで渋滞していたが、ゆっくりでは有るが流れていたので、ほぼ順調に都内に入る。

 時間も時間だったし、高井戸の降り口が1km渋滞していたので、そのまま首都高を走り家に帰った。それでも到着は1時を僅かに廻っていた。

 今回も非常にのんびりとしたボルダリングであった。持参したクラッシュパッドも結局は御昼寝マット以外には使わなかったし。いや、今回のクラッシュパッドは昼寝のためにこそ持っていったマットだったのかも知れない。そんなボルダリング行であった。


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作成年月日 平成15年 8月27日
作 成 者 本庄 章