クライミングは最後はやっぱりムーブだ

2001年12月21日記
 昨日、2ヶ月位いずっと挑戦していたジムのボルダリングの課題ができた。現在の自分の限界グレードの課題だ。

 130度の壁の課題で、その壁の中に付けられた三角錐の出っ張りによって作られたルーフの下面に付けられたホールドを使ってその三角錐の上のカンテのホールドをカンテとともに取るところが有るのだが、それがずっと出来なかった。

 ルーフの下面のホールドは少し小さい円筒の出っ張りのようなピンチで持つ少し持ち難いホールドで、そのホールドで身体を壁に付けるのはなかなか難しかったため、足を色々探ったり、ヒールフックで身体を押さえて見たり、少し下のスタンスから飛びつき気味で取りに行って見たりと、いろいろ試してみたが、身体が伸びきってしまってホールドが持てなかったり、どうしてもデッドになってしまってホールドに触っても保持出来なかったりと、なかなか巧く行かなかった。

 暫くは、少し下のスタンスから、少し飛びつき気味に取るしかないかと、そのムーブをやっていたが、最近はそれでは駄目だと、再び足を掻き込んでデッド気味にホールドを取るムーブに変えていた。

 そして、昨日、そのルーフ下のホールドを外引き気味に引っ張る様に持ち、スタンスの端を押すように乗ったら取れるかもと閃き、それをやって見たら、身体が壁に入り、次のホールドがスタティックに取れた。

 今迄はホールドをピンチで持っていたので、身体を壁に付ける方向の力が得られず、足を掻き込んでも、腰が入らなかったのが、そのホールドの側面を引っかける様に持って、足を突っ張る様に置いたために、身体の対角線にしっかりと力が入り、スタテイックに次のホールドを取りに行けたのである。

 ホールドやスタンスへの力の架け方、身体の力の使い方で、今迄全く取れなかったホールドが取れたのである。今迄使っていなかった身体張力が有効に活かされたのである。これはやっぱりムーブである。力が付いたからではない。力が活きたのだ。だから、このムーブをしていれば、多分もっと早くにこの課題が出来ていたであろう。

 ホールドには、それをより小さい力で持つ事の出来る持ち方、力のかける方向が有ると言う事は、知ってはいたし、それを人にも言っていた。しかし、それは極顕著な場合の極基本的な場合でしか活かされなかった様だ。つまりムーブのバリエーションを知らなかったという事である。

 やっぱりムーブと言うのは色々な場所での色々な状況下で、数多くのものを体験して身体で覚えなければ駄目な様だ。今回の場合でも、多分、これがほんの少し状況が変わるともう応用が出来なくなってしまうであろうことは、この先想像に硬くはない。

 多分、このムーブを先に教えられていれば素直に登れたかもわからないが、反対に、このムーブを自覚しなかったであろう。つまり、人から教えられる事は、それを何回も何回も意識的に繰り返せば別だが、一過性に通り過ぎる事が多いように思う。その場では登れても、巧くはならないように思う。

 しかし、ある程度同じような経験を自分自身で考え繰り返しやっていれば必ずそのうち身についてくると思う。そしてだんだんと、強くではなく、巧くなって行くのであろう。

 人に教えられる事も大切な事ではあるが、やっぱり、効率は悪いが、自分でムーブを探り、自分で解決する事をしなければなかなか巧くはならないのであろう。自分で考えることが巧くなる道なのであろう。

 やっぱりクライミングはムーブなのだった。基礎的な力に裏打ちされたと言う前提を消すことはできないが。


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作成年月日 平成13年12月21日
作 成 者 本庄 章