三峰ボルダーその3

2001年4月16日記
 今期初めて、久し振りに三峰に行った、ジムの仲間4人と一緒に。一年振り三回目である。

 前々回の笠間ではデジカメの電池を忘れ、前回の御岳では折角充電したての電池を入れて行ったにも関らず液晶画面の使い過ぎか、直に電池が無くなってしまった経験を活かし、今回は十分に充電をした電池に予備電池も用意した。

 靴も買ったばかりのカチ靴はまだ足が痛くなるので、普段から履いているベルクロ靴も用意する。多分最近ではこんなに気にして、ボルダリングに行く用意をしたのは初めてであろう。

 今回は三峰なので、電車で行く。一応西武池袋駅午前7時55分発の秩父鉄道三峰口行きの電車に乗る事になっている。

 千葉からだから丁度良い電車が見つからず、今回も約30分前に到着する。

 電車は既にホームに入っている。案内放送では先頭の4両が三峰行きと言っているので、空いている後ろ4両を見ながらホームの前の方に歩く。所が、車両の行き先表示は長瀞・寄居となっている。おかしいなとは思いながらまた後ろの車両に移動する。

 発車少し前に仲間が4人で現れる。席はまだ空いている。所が、近くのハイカーらしき人達が、電車の表示が間違っていて今直していると言う。やっぱりと、外に出て確認すると、我々の載った車両は長瀞・寄居行きに変わっている。発車まで時間が無いので、慌てて前に移動する。幸い席はまだ空いていた。

 自分を差し置いて言うのもなんだが、相変わらず中高年が多い。ほとんどの客がハイキングシューズにザックを背負い、ザックにはステッキが刺してある。我々のようなサンダルや大きなマットを丸めた荷物を持っている人達はいない。どう見ても我々だけが他の客と異質だ。まぁ、大抵どこに行っても大きなクラッシュパッドを背負ったボルダラーは異質ではあるが。

 去年の三峰口は村営バスに乗る客で混んでいたが、今回は混んではいない。その代わりといってはなんだが、屋台のそば屋が店をだし、駅前の食べ物やが2〜3軒店を空けている。秩父湖行きのバス停にも人が並んでいる。三峰はこれからがシーズンなのだろう。

 仲間がそばを食べたいと言うので、バスを15分位後に出る中津川行きのバスにする。このバスは先に発車したバスよりは空いている。といって、先発のバスが混んでいた訳でもないが。

 このバス、メロディーバスと言うらしい。停留所では無い所でも乗り降りが出来るらしい。バスが近付いたことを知らせる為に音楽を流しながら走っているらしい。乗っている我々には聞こえなかったが。

 光石バス停で下車。170円。都会のバスより安い。この前乗った横浜市営バス等は210円も取られた。往復したら420円もかかってしまう。こちらは340円だ。

 バス停からは少し戻る方向に歩いて河原に降りる。降り口の途中で無くなる階段の先はいくらか歩き易くなっている。

 河原は相変わらずブルーシートの切れ端や鉄屑が目には付くが、いつもの河原である。最初のボルダーエリアに到着。

 仲間が変な岩が有ると言う。こんなボルダーは無かったと言う。どっかから流れて来たボルダーらしい。といっても、2〜3メートルの大きなボルダーだ。もしかすると掘れて地面から出て来たのかも知れない。

 所によっては下地が思いっきり2m位掘れているらしい。そう言えばなんか河原の形状が以前とは少し違う感じもする。

 いつもアップはここだから、今回は先に行こうと言う提案で、最初から徒渉してシルクハット岩の前に行く。

 何だか皆岩が高くなっている感じがする。何処も彼処も下地に岩が出ている感じがする。でも、いきなり2m位下地が上がって、核心が無くなってしまった課題も有るようだ。

 総じて、下地は相当に変化したようだ。全体的には下地が下がり、下地が悪くなった様だ。

 今回は相変わらず人間の状態が悪いのに加えて、昨日は、20人漕ぎの舟を人力でトレーラーから下ろし、建物の中に運びこむと言うボランティアをやってしまった上に、懸垂などの筋トレまでやってしまったものだから、全くの絶不調である。従って、デジカメでのカメラマンを主体にとの積もりである。

 とは言いながら、新しいカチ靴で先ずはウォーミングアップをする。ものすごく細かいカチスタンスに靴の爪先で乗って登って見る。十分に立てる。やっぱりカチ靴は素晴らしい。調子に乗って仲間がやっていた所に取り付く。離陸出来ず。まぁ、今回はこんな所にしておこう。

 今日は非常に良い天気である。日差しも結構有る。岩の日に当たっている所は暖かくなっているらしい。だから、既にぬめるらしい。従って、グレードもアップしているらしい。

 仲間が池田カンテを登るのを撮影する。そのアングルでは逆光になるので、岩に隠れなければレンズに日が差し込んでしまうので、岩の影に隠れて撮影する。

 この池田カンテ、或は一輪車の課題だが、下地が掘れてしまって岩が出てしまっている。ムーブ自体には元々岩の基部の自分自身のスロープから取り付くから影響は殆ど無いのだが、登に当たっては、精神的にも、また落ちた時にも大変な障害となる。将に昔の忍者返しの下の岩と同じ状態である。裏の飛びつきマントルも高くなっている。

 無名峰の裏に回ると、そこは反対に2m位下地が上がったらしい。従って其処に在った課題の核心が埋まってしまったらしい。

 どくろ岩の下地も数少ない下地の上がった一つらしい。カンテなどは取り付きが1m位も上がったようだ。このカンテを仲間が登る。そのシーンを遠くから撮影する。

 岩影に隠れ、持参したマットに腰掛けて食事をする。Tシャツ1枚だからなんか寒い。仲間に寒いと言うとそんな日陰にいるからだと言われる。それもそうだ。日向にマットを広げて寝転がる。今度はまぶしい。なかなか巧くは行かない物だ。

 あまりごろごろしていても仕方が無いから、そこら辺の岩に触る。皆が登っていたどくろ岩のカンテも触る。下地が上がったから易しくなったらしいのだが、離陸が出来ない。足が最初のスタンスまで上がらないのだ。手を使って足を無理に上げるのだが乗り込めない。

 それこそ、「つまらないパート?番」の課題を登る。ここまで来てつまらない課題でもないのだが。

 こまめに靴は脱いでいた積もりだったのだが、やっぱり足が痛くなる。仕方が無いから古いベルクロ靴を履く。でも、一度足が痛くなると緩い靴でも直に足が痛くなってしまう。困った物だ。

 ここは総じて高かったり、下地が恐い。登れる課題も少ないと草もち岩迄移動することにする。

 ここから草もち岩迄は岩と岩の間のすごく狭い所を通っていたのだが、今回はその隙間に木や木の根っこ、ゴミ等が詰まり、通れなくなってしまっている。仕方が無いから、10級位の所をよじ登って岩を越える。

 途中ベーゴマ岩を偵察する。ここは下地が下がり、きれいなSD課題が出現したようだ。

 草もち岩まで行く。この岩の下地は岩だから変化はない。隣のゼブラ岩も下地は岩だから変化はない。

 仲間はペタシをやっている。小生ともう一人の仲間はゼブラ岩とか、岩のトンネルを潜った先の家出息子岩等の適当な課題に触る。

 ゼブラ岩の上級者への登龍門が気になっていたので触って見る。隣のペタシを登っている仲間に登り方を教わる。スタートのホールド、スタンスは小生の考えた物で良かったようだ。

 この岩の真ん中辺の下に少し大きな岩が挟まっている。要はその岩を使わずにその岩の右から出れば良いようだ。

 手はあまり良くない。足もそこそこ悪い。靴をカチ靴に履きかえる。離陸は出来る。でも、次の足が無い。足を探す。左の少し大きめの石の上辺りにスタンスが有る。こっちに行っても良いのだろうか。良いことにしよう。次は手か。左に少し悪い手がある。これも使っちゃえ。

 足を上げて、やっと岩のふくらみの上に立てた。そこから少し傾斜のきついスラブを登る。僅かな斜めに走るリスに乗って上に上がる。手はリップに届くがホールドは無い。そのリスを頼りに右に行ったり左に行ったり。将に右往左往する。

 少し左に寄った時にそのもっと左に良さそうなスタンスを見つける。足を踏み替えて左に寄って左足をそこに上げてやっと岩の上に立つ。それを見ていた仲間が恐かったと言う。小生も少し恐かった。

 登る事は登った。でも、これで良いのだろうか。今度はさっき聞いた仲間に登ってもらう。スタートのホールドは同じだがスタンスの足が反対だ。そして、右足をいきなり腰辺りの岩のふくらみの所に上げて乗り込んで行く。小生と全く違う。で、小生の登り方と違うというと、それでも良いといってくれる。やったー。上級者への登龍門が登れた。

 今度は左の課題に挑戦する。仲間の一人も一緒に登る。こっちも結構手強い。何しろ三峰の3級なのだから。

 仲間はその左のカンテを登る。そっちは少し易しいらしい。小生もやって見る。少し良さそうなスタンスに乗ってリップを何とか掌で押さえて膨らみに立ち上がる。

 その右の3級の課題はなかなか出来ない。靴をベルクロ靴に履きかえる。

 仲間が草もち岩の左の方のカンテを登り始める。下はしっかりしたスタンスが2ヶ所ある。そのスタンスには立てるのだが、その上のカンテが持ち難いらしい。

 仲間が登ったので小生も登って見る。足を踏み替えて上の方のしっかりしたスタンスに立つも、その先が動けない。疲れるから飛び降りる。

 もう一度次は上のスタンスに乗って、身体はカンテの右側のまま右手を少し開いて足を上げると教わったので、それをやって見る。でも、巧く出来ない。左手をカンテに手を返して乗せて、その手に足ブラで乗ってしまい身体、足を上げる。やっとリップを持つ。本人も恐かったが、見ている人はもっと恐かったらしい。

 またカチ靴に履き替え、ゼブラ岩の左に再度挑戦する。

 左手悪い縦カチ、右手少し窪んだ1本指カチ、左足スメアで立って、右足をカチスタンスに乗せる。そして、岩のふくらみで手を返してマントルをする課題なのだが、やっと手は返ったのだがなかなか足が上がらない。足ブラになって手を置き直して何とか足を上げる。やっと膨らみに立つ。できた。やっとできた。靴はカチ靴だから足が痛い。

 まだ30分位遊ぶと言うので、仲間の一人ともう少し上流に行く。小生だけ少し先の父岩の写真を撮って、すさまじい平らを見学する。

 実はこの父岩の横にあった赤ちゃん岩が流されて、5〜6m位転がってしまっているらしい。小さな岩ではないのに。

 戻ると、仲間は家出息子岩の真ん中の少し被った所に取り付いている。難しそうだし、疲れ気味だから、それを少し見学する。

 やっぱり少し難しいらしい。その右にトライ。そちらは登れる。見るとガバが有る。登れそうだから小生も真似をする。SD課題だったらしいのだが、小生は立ったまま届くホールドからスタートする。それでもやっと登る。

 左側のマントルや右側壁の易しいらしい課題に触る。右側壁のマントルは被っていて次のホールドが遠いから小生には少し難しく感じる。7級とされているけど難しくないかと仲間に話すと、三峰だから7級だろうと言う。やっぱり三峰じゃ無ければ6級は付くだろう。

 いろいろとガチガチしたホールドが適当にあるので、適当に限定しつつ2人で少し遊ぶ。

 草もち岩に戻ると他の仲間が帰り支度をしている。バスの時間まで20分位しかない。その次のバスだと1時間以上待たねばならない。小生も急いで支度をする。

 バス停には5分位前に着いた。

 来る時は西武池袋駅から三峰口まで直通で来たのだが、帰りはそういう電車がないので、お花畑駅から西武線の西武秩父駅まで歩いて乗り換えなければならない。おまけに、池袋行きが無いから、飯能で再度池袋行きに乗り換えなければならない。

 先ずは腹拵えと、西武秩父駅の中の食堂に入る。

 目玉メニューはすいとんセットとわらじカツ丼である。小生ともう一人がわらじカツ丼、残りの3人はすいとんセット。で、何故カツ丼がわらじなのかだが、カツが2枚入っていた。そういうことらしい。

 飯能行きの電車に少し走って乗る。もう6時過ぎだから、ハイカーらしき人は殆どいない。皆もっと早く、或は特急で帰ったのだろう。なにしろほとんどが中高年なのだから。

 飯能で乗り換えたら少しお客が増えた。で、直に池袋に着いた。やっぱり西武の急行は早いや。


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作成年月日 平成13年 4月16日
作 成 者 本庄 章