御岳ボルダーその9

2000年5月29日記
 はははははっ、またまた御岳に行っちゃった。この前の土曜日、相棒はお仕事だから一人で電車で行っちゃった。これはその時のお話し。

 ジムの仲間から、土曜日現地丸こんにゃく岩の前で11時に待合わせとのメールを金曜日の夜にもらって、急遽駆けつけた御岳。だからどんな面子かは詳しくはわからない。小川山ボルダリング行が天気の関係で流れ、日帰りの御岳に変更された由。

 娘を誘ったが、その日の朝になってドタキャン。急いで電車で駆けつけたが、立川でほんの1分か2分の違いで約30分の待合わせとなる。立川御嶽間は青梅線で小一時間もかかる。朝8時に家を出たのに結局約20分の遅刻で丸こんにゃく岩へ。

 先着の3名が丸こんにゃく岩の手前のやさしい課題で遊んでいた。言いだしっぺと思われる師匠はまだのようだ。小生もウォーミングアップの後に加わる。その後約30分遅れで師匠到着。これで全部かと思ったら後からまた2名加わった。都合総勢7名。

 カンテをSDスタートで挑戦している。小生も挑戦。左足のヒールフックとか、色々試みるも悉く敗退。でも、しつこく挑戦を繰り返す。手が焚き火の消し炭で黒くなってしまう。

 取り付きに鉄のアングルが突き出している、恐い10級に挑戦。その横のカンテも限定で登る。その横の小さな丸いつるつるの岩に師匠がマントルの課題を設定する。初心者の女性が登れない。最初の足が届かない。そこを師匠が「足無しで登ってみたら」の一言に乗り、変態ムーブを披露、そして岩の裏に頭から消える。一瞬皆で「だいじょうぶかよ」。

 右に回りこんだ少し下がハングしている岩の基部にとんでもないお土産が。で、残念ながらそこの課題が出来ず。が、その手前からトラバースする課題、1級を師匠が披露。岩の上のホールドは限定である。少し悪いホールドでクロスし、もっと悪いホールドで少し遠い隠れたホールドをとる。そこからもっと悪そうなホールドでトラバースし、上に抜ける。師匠以外出来ない。小生何ぞは最初のクロスが出来ない。それでも皆といっしょに一丁前に取り付く。ここがボルダリングの良い所なんだろう。ルートだったら顰蹙ものである。

 また思い出したようにさっきのSDスタートに挑戦。やっぱりだめだ。やっと諦める。

 皆で丸こんにゃく岩に移動。この岩は何回か見てはいるが、いつも下に水が溜まっていて、触る事が出来なかった岩である。所が今日は下に水が無い。いくらか湿っている所が残ってはいるが、概乾いている。この時期川の水位が低い訳では無い筈なのだが。どうしてだろう。そうか、今日は土曜日か。観光放流は行われていないのか。因みに、普段の日曜日の御岳では昼頃から水位が20cm位上がるのである。上流の小河内ダムが観光の為に放流するらしいのだ。多分そのせいだろう。

 この岩には10級と7級と4級が各1本、1級が3本設定されている。先ずは7級。皆登る。小生登れない。なぜだろう。人の真似をしているのだが。次の人がそれまでの人達より一つ下のスタンスを使って登る。真似して見たら登れた。うん、やっぱり7級か。正面の1級の課題にも挑戦。1手ものの課題である。身体はなんとか上がったが、次のホールドが取れない。やっぱり1級だった。師匠の推薦するチョックマン4級にも挑戦。小生、こおいう背中のフリクションを使ったり、膝を使ったりという、なんとなく胡散臭いムーブは得意中の得意である。マントルなんかですぐに膝を使ってしまったりする。ひとしきり遊んでデッドエンドの岩へ。

 丸コンニャク岩から対岸をデッドエンド方面に行く某ジムのボルダラー3人組を確認していたが、その3人組みがデッドエンドから移動する所だった。内2人はやっぱり知り合いだった。

 師匠にデッドエンドを登ってもらう。登り方を忘れたらしく、これ、悪いなぁ。これも悪い、と言いながら幾つかの方法で登る。結局ほとんど参考にならない。だって、彼が悪いというホールドは小生には全く持てない。今までに1回か2回触って、ホールドではないと判断したものばかりなのだ。でも、小生が一生懸命取ろうとしていたホールドは手が反対だった事が判明。従って、今まで小生がやろうとしていたムーブでは登れない事は確認出来た。

 そこにもう1人出現。なんと軍畑から歩いて来たんだとか。これで8名になった。軍畑からは結構有る筈だ。

 その人がデッドエンドを登ってくれる。あれ、あんなムーブがあったんだ。もう1人と2人で真似をしてみる。なんと、今まで取れなかったホールドが取れるではないか。それも、クロスで。あとはああやって、こうやるだけだ。が、取れたはいいが良くはない。場所を探っていたら落ちた。あんなんで足が上がるのかなぁ。でも、これで大前進。あと4手だ。って、まだ3手しか進んでないか。どっちかって言うと次が核心かな。1級を登る人が出来ないでいる所だから多分核心だろう。

 もう一人の人がイギリス人のトラバースに挑戦する。すると、他のもう一人の人がホールドとスタンスを教えてくれる。結構細かいし、足も悪い。でも、リーチはあんまり関係無さそうだ。ここも、ムーブを教わって小生もやって見る。次の手が取れた。ここが一つの核心の様だ。今までは窮屈だったし、力技と思っていたから、あんまり真剣にこの課題には取り付かなかったが、ここ御岳にはあまり2級の課題がないから、これからはデッドエンドといっしょにこの課題もトライする事にしよう。これが出来てからマミ岩のSDの2級に挑戦する事にしよう。そのうちこの人達からホールドやムーブを教えてもらえるかも知れないし。なんかイージー。

 いつもは昼食をまともにとると言う事は殆ど無いのだが、今回は相棒に作ってもらったおにぎりを3つとも全部食べてしまった。それだけ頑張ったのかなぁ。そうとも思えなかったが。

 師匠や仲間はデッドエンドの左のカンテ、下部トラバース等をやっている。小生は、もうそろそろ疲れてきているので、ただボッと見ている。イギリス人のトラバースに挑戦していた人が未だに挑戦している。頑張ってますねと声をかけたら、そんな覚めたこと言わないで下さいと叱られてしまった。と言われても、小生は疲れてしまって頑張れないのだからしようがない。

 デッドエンドの下でイギリスやフランス、ドイツ等のボルダリングの話しをしている。そばで聞くとは無しに聞いている。あぁ、小生も定年になったら、相棒といっしょにフォンテンヌブロー行きたいな、等と思いながら聞いている。フォンテンヌブローは天候が悪いらしい。30日滞在して、10日しか登れなかった人もいるらしい。やっぱり、行くのは定年後だな、とかも思いながら聞いていた。

 最後に中州ボルダーも行こうとのことだったが、時間も時間なのでここで切り上げる事とする。そして、殆ど全員、本当に満足して、御嶽駅前の中華料理屋へ行く。

 この中華料理屋は相当に古いらしい。昭和22年当時の写真が店に飾ってあった。梁には沢山の芸能人のサインが飾って有る。千葉紘子のサインもあった。しかし、千葉紘子を誰も知らない。どしてなんだ。小生が仲間だと思っていた人も知らないという。そんな馬鹿な。彼女を知らないなんて。

 御嶽駅で登りと下りの電車の時間を見間違えて、皆でトイレに行ったものだから、タイミング的には30分に1本の電車に遅れてしまった。しかしそこは超ローカル線のこと、待っててくれて間一髪で乗る事が出来た。座れなかったけど。


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作成年月日 平成12年 5月29日
作 成 者 本庄 章