御岳ボルダーその8

2000年5月27日記
 5月21日の日曜日、前回の雨にもめげず、また今回も天気が悪いというのに、相棒といっしょに御岳にいってしまった。

 この土日は、小川山に行く予定であったが、生憎の天気で、土曜日は朝から雨だったこともあって、小川山行きを中止し、日曜日は近くのジムに行く予定にしていた。しかし、日曜日は、朝には何とか雨も止み、天気予報も昼には晴れるとのことだったしジムも混みそうだったので、思い切って外に行く事にした。笠間も考えたが、茨城県は昼からもくもりとのことだったので天気の良さそうな御岳に決めた。

 そんな訳で、出発は10時。あまり遅いとまた天気がくずれそうだったので、少しだけ早く出た。道は空いていた。

 寒山寺の駐車場も玉堂の駐車場もいっぱいだったので発電者脇の駐車場に行く。自動車から降りたら、また雨粒が。でも、空は明るいし、降り出す気配も無いので、デッドエンドの岩に行く。

 下地はまだ乾いてはいない。しかし、岩はなんの問題もない。さすが川に面する方の苔は乾いてはいないが、デッドエンドの課題の有る面はチョーク痕がはっきりと残っている。もしかするとこの面は濡れなかったのかも知れない。

 デッドエンドの下にマットを敷き、準備完了。相棒は川に面した10級の課題へ、小生は一寸したウォーミングアップの後デッドエンドに取り付く。

 キョンで次のホールドを取りに行くムーブを試す。よし、届いた。ホールドを探っている内に落ちる。またトライする。あれ、届かない。手前で剥がされてしまう。何が悪いんだろう。足はここで、ここにやってこうしてるんだけど。2〜3回同じ事をやる。ますます剥がされる時間が早くなってしまう。段々むきになってろくに休まないでやった物だから少々疲れてしまった様だ。

 しばらく休んで、ゆっくりとこの足をこう置いて、こっちの足をここに乗せて、こっちの足はここにキョンだな。待てよ、この足をキョンする時に、こっちの足は無意識に踏み変えてたんだ。そうだったのか、だから今まで、このキョンがきつくて足が決まらず途中で剥がされていたんだ。と、ゆっくりと丁寧にムーブを検証し、その結果を再確認する意味で再度そのムーブをおさらいする。よし。満足して休憩に入る。

 相棒が1手が出るようになったというので、見に行く。なるほど飛び付きではあるが、右ガバから左上のスローパーを持つ事が出来るようになっていた。昨日の土曜日に近くの体育館の壁に久しぶりに相棒と行ったのだが、相棒が、その時今まで苦労して登っていた壁が大分楽に登れるようになっていたからやっぱり自分も大分進歩していたのだと思った、と言う。確かに、これといって一生懸命練習をしたという訳ではないが、小生といっしょに外の岩に行って、その都度やさしいところでは有るが色々と触っていたので、上達しない訳はない。でも、その先は、そのやっと取れたスローパーがあまり良くないので、これから大分時間がかかりそうである。

 小一時間位ではあったが一応お互い満足したので、ここは切り上げ、忍者返しの岩に行く。途中、以前デッドエンドの岩から見える岩に課題が設定されたと聞いていたので、見てみることにする。

 その岩は、濡れている事もあったが、あまりきれいでもなかったし下地もあまり良くなかったので、偵察だけに留め先を急ぐ。途中、吉野街道からとけたソフトクリーム岩を見ると2人位ボルダラーがいるようだった。

 忍者返しにも先客として初めて会う親子がいた。普段はルートを登っているらしい。息子さんは御岳は初めてだそうだ。

 岩はやっぱり少し濡れている。特に忍者返しのスタートホールドが濡れている。岩の割れ目から水がしみ出している様で、少し拭って見たのだがどうしても水が少し溜まってしまうようだ。全体的にも所々しみだしみたいな感じで濡れている。

 忍者返しの課題は、そのスタートホールド以外は乾いているようだったので、マットをセットして取り付いて見た。やっぱり、指先が少し濡れてしまう。チョークを付けてそれを叩き落とすということをやって見たが、窪みみたいな感じになっているから、殆ど効果はない。しょうがないから、そのままスタートして見たが、手が滑ってしまって、第1手目が取れない。思いっきり後ろに飛ばされてしまった。その後2回程挑戦したがやっぱりだめだった。

 忍者返しは諦めてマミ岩の方に移動し、SDスタートの課題をやってみる。3手迄は行くがその先が出ない。おんなじ事を何回も繰り返す。このスタートは被っているから何回もやるとものすごく疲れる。スタンディングスタートでやって見る。これは何回もやっているので、結構スムーズに出来る。所が、出口はまだ濡れているし、スタンスも苔が着いている所のスメアで、その苔が湿っているから、マントリングがむちゃくちゃ厳しい。落ちるかと思った。よく調べてからやるべきだったと反省する。

 そんなこともあって、マミ岩を諦め、命下さい岩に行く事にする。またしても、途中遊歩道脇の岩に寄り道する。この岩は鵜の瀬岩から来ると、忍者返しの岩の手前の遊歩道を川側に1段下がった所に有る丸っこい岩で、7級の課題と1級のトラバースの課題が有る岩である。今まで触った事がなかった岩なので寄り道をして見ることにしたのである。

 まだ見た事のなかった川側の面にまわってみる。なんかすっきりしない岩だ。9級の課題も下がすっきりしないから、相棒にも勧めなかった。遊歩道側に戻り、岩を触って見る。なんか湿っている。それでも登ってみようと準備をし、よくよくみると、光っているとばかり思っていた所がしっかりと濡れていたのでやっぱり止めることにした。

 命下さい岩は乾いていた。早速正面の2級の課題に取り付く。この課題、前に2回登っている。しかし、1回目は石の上から飛びついてのスタート。2回目は左隣のSDスタートのスタートホールドと思しきガバに乗ってしまっての完登だったので、まだ本当の所は登れないでいる課題である。

 右足スタートが出来ず、その下のスタンスを左足でスタートしようとしていたのだがそれがなかなか出来ずにいた。それが、今回、3回目くらいの試技でスタティックにスタートできた。おぅできた。しかし次の足が決まらない。ほんの僅か右上のスタンスなのだが、見えにくく、そんない大きくないので、なかなか乗れない。場所をしっかり確認し、再度挑戦。乗れたが、しっかり乗れていない為か左手が保たず、伸び上がる事が出来ない。次は左手に意識を集中しての挑戦。乗れた。伸びた。岩の上に手が届いた。出来た。やっと出来た。正真正銘の2級の課題が出来た。嬉しかった。

 やっと2級が出来た。一番やさしい2級だろうが、出来た。両手でスタートし次のスタンスにしっかり立てれば終わる課題では有るが、そのムーブが出来た。もろリーチ物という感じでは有るが出来た。決してリーチが無い訳ではないが有る方でもない。そこそこのリーチだからやっぱり嬉しい。まだ出来ない3級がいくつもあるが、2級ができた。

 この試技を相棒がビデオテープに納めていたので、早速再生して確認する。確かに少々木の葉が邪魔ではあったがきれいに映像が納められている。多分これを他人に見せた所で、何が難しいのか、何が嬉しいのか全く理解されないだろう事は百も承知してはいるが、本人にとっては結構嬉しいものである。なにしろ、この課題の失敗している映像が少なく見ても30回位は記録されているのだから。

 さー今度は忍者返しだ。

 調子に乗って右隣の2級の課題を触って見る。全く歯が立たない。これが登れないと2級を制覇した事にはならない。気長に挑戦するか。何にしても2級は登ったんだから。(後日談だが、この課題は下地が下がり初段位になってしまっているらしい。現在は2級よりは大分難しいそうだ。少し安心。)時間はまだ4時を少し回った所だが、切りも良いし、これで切り上げる事にする。

 帰り際忍者返しの岩に寄ると、とけたソフトクリーム岩にいたと思しき若人2人がマミ岩にとりついていた。気持ちよく中央の4級の課題を裸足で登ってみせ、ますます気持ちよくなって自動車にもどった。

 帰りはあきる野から睦橋通り、奥多摩街道経由で立川に出、甲州街道を使って首都高に乗った。別に意図的に下の道を選んだ訳ではなかったのだが、途中中央道のインターの掲示板には高井戸で相当の渋滞が有る事を示していたので、これまた気を良くしてしまったのだった。


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作成年月日 平成12年 5月27日
作 成 者 本庄 章