御岳ボルダーその67

2007年10月16日記

 連休最後の日の翌日の火曜日に、相棒と二人で御岳に行った。先日の台風の影響の確認が主な目的であった。

 土、日、月の連休に、金曜日と火曜日の休みが加わって、5連休になった。しかし、相棒に用事があったので、小生一人で瑞牆辺にでも行こうかと目論んでいたのだが、相も変わらず、木曜日の夜、何だかんだで、家を出そびれ、そのまま金土日を家でうだうだと過ごしてしまった。

 続く月曜日は雨だった。しかし、それまで雨だった翌火曜日の天気予報が晴れに変わったので、最終日だけでもどこかに出掛けようと考えていたところに、相棒が用事で実家に行くが一緒に行かないかとの誘いがあった。それでは火曜日に御岳にでも行かないかと反対に誘って見ところ、行くというので、それではと、相棒と一緒に相棒の実家にお邪魔することになった。

 その夜は、相棒と一緒に、相棒の実家に泊めてもらった。

 翌朝、御岳に行く積もりで、テレビを見ていたら、傘を差した女性アナウンサーが出てきて、渋谷は雨が降っていると言っていた。確かに空は薄暗く曇っていた。続く天気予報を見ると、その後雨になると言っていた。

 御岳は諦めて、そのままテレビを見ていたら、やっぱり相棒の実家でも雨が降り出してきた。しかし、平日の昼間、相棒の実家でゴロゴロするのもと思い、どこか行くところは無いかと考えていたところ、先日ジムの仲間が、先の台風で多摩川が大増水し、御岳の下地が変わったと言っていたことを思い出した。そして、御岳の状態の偵察に行くことを思いついた。それを相棒に話すと、賛成してくれたので、相棒と一緒に御岳に行くことになった。

 相棒の実家を10時ちょっと過ぎに出発した。最初はたまには中央道に乗ってみようということで、甲州街道から高井戸インター方面に入って行ったのだが、途中、中央道は高井戸からは乗れないとの看板が現れた。なんだか、今までほとんど走ったことの無い道だと思って走っていたのだが、高井戸からは中央道には乗れないことをすっかり忘れていた。

 そのまま環八から甲州街道に戻り、立川からは新奥多摩街道を走って行った。

 走りながら、八王子に道の駅ができたことを思い出したので、その道の駅に寄ることにした。

 途中から国道16号に別れ、以前調べて大体の見当をつけていた場所に向かった。

 中央道の八王子インターに近づくと、道の駅の看板が現れた。16号から一旦滝山街道をに入ってから回り込むのかと思っていたのだが、16号から直接回り込めるようだ。インター手前で右折し、新しい道に入って行った。途中、駐車場はその先の左側200mだとの看板が現れた。左側を注意しながら走ったのだが、それらしいところは現れず、交差点になってしまった。仕方がないから、左折しようとしたのだが、その時に、直進方向の前方右にある道の駅の看板が目に入った。しかし、既に曲がり初めていたので、そのまま左折し、少し先でUターンしてきた。

 再び先ほどの交差点にくると、前方右にそれらしい建物が見えたので、そのまま直進したら、右側に道の駅への入り口があった。先に見えた交差点の先の看板と言い、なんだか分かりにくく入りにくい道の駅だった。

 中に入ると、交通整理をする係の人がいた。駐車場は、そんなに広くないということもあって、結構混んでいた。駐車場を回り込んで進むと、もう一人整理の人がいた。

 トイレに寄り、建物の中に入って見た。広いスペースで、野菜や色んなものを売っており、その奥には食堂があった。食堂からは八王子ラーメンを注文した人の番号を呼び出す声が聞こえてきた。

 関東地方の道の駅のマップとスタンプ帳をセットしたものを売っていたので、それを買った。マップは小生用、スタンプ帳は相棒用である。

 お弁当を売っていたので、手作りらしいコロッケの弁当を買った。本当はハンバーグ弁当が欲しかったのだが、ハンバーグ弁当は既に売り切れていたのだった。

 相棒が、ここで食べるか聞いてきたので、時間を確認したら、既に12時になっていた。八王子ラーメンの声を聞いた時に、昼時ならラーメンも良いが、まだ早いなと思ったのだが、既に昼時だったのだ。それで食堂は混んでいたのか。それにしても結構混んでいた。平日の昼間だというのに、なんだか小母ちゃんが多かった気がする。何か近くにイベントでもあったのだろうか。

 ソフトクリームを売っていたので、相棒と一緒に食べることにした。店の前に行くとジェラートもあると書いてあった。相棒にジェラートってなにかと聞くと、相棒が店員にジェラートとソフトクリームはどう違うのか聞いた。店員曰く、ソフトクリームは、ジェラートよりも空気を沢山含んでいるとのこと。それではと、ジェラートにした。

 外に出ると、来た時に僅かに降り出していた雨も、大分降っていた。

 御岳の寒山寺の駐車場にはそこそこ自動車が停っていた。カヌーの自動車も何台かあった。

 玉堂美術館の上の駐車場は空いていたので、そこに自動車を停めた。

 雨は僅かに降ってはいたが気になるほどでは無かったので、傘と、お弁当と、念のために道具一式の入ったザックを担いで、忍者返しの岩に行ってみた。

 勿論誰もいなかった。下地は、結構上がっており、下の石は完全に砂に覆われていた。いつものスタートホールドも十分に下から持つことができた。子供返しのスタートも、いきなり左手のしっかりしたカチが持てた。

 岩を見ると、それほどは濡れてはいない。下の方で遊ぶには十分の感じだった。

 早速、ジーパンのまま靴を履き、チョークバックを下げて忍者返しを触って見た。

 スタートホールドが大分に欠けていて、左手はサイドを持つ感じになる。しかし、やはり、濡れてはいないが、なんだか持ち憎い。いきなり少し被った所のスタートだから、離陸が出来なかった。

 少し休んで、また触って見た。左手がすっぽ抜け、落ちた。左手が抜けなければ左上のホールドが取れたのに。

 そのまま忍者返しの岩の下で、相棒と二人でコロッケ弁当を食べた。

 手作りコロッケということで、そこそこの味を期待したのだが、たいして美味しくなかった。それでも、黙って食べていたら、相棒が、このコロッケ美味しくないねと言った。やっぱり美味しくは無かったようだ。

 その後、また忍者返し、そして子供返し等を触ってみた。忍者返しはもう少しで次のホールドに手が届きそうだったが、結局は離陸のみを2回ほど繰り返しただけだった。子供返しも、もう少しで次のホールドの位置に指先が届きそうだったが、これも、一回のみでやめてしまった。

 クライマー返しのナックルジャムを少し触って、一番右端のカンテを少し見て、白狐岩の下流の岩の下地を見に行ってみた。ここは下地が岩盤だから、ほとんど変わらないのだが、岩の下は大分掘られていたようだ。

 荷物をもって、マミ岩の方に行って見た。

 マミ岩はやっぱり濡れていた。下地は、余り変わらなかったか、少し下がり気味だったか。

 上の遊歩道の縁の岩に行こうとしたら、そちらのほうから人の声が聞こえてきた。行って見たら、3、4人のボルダラーだった。

 近づいて、こんな天気によく来るねと、自分の事は棚に上げて言って見たら、前日からの計画だし、どなたかが先に家を出発してしまったので、仕方なく皆ついてきたのだと。気合が入っている訳ではないとか。

 ここの2級はまだ登れていない課題だ。靴も履いたままだったので、触って見た。

 最初のキーとなる親指のかかるカチホールドで体を上げ、そのままクロス気味にリップ直下の三角形の頂点のホールドを取りに行くというムーブをやって見た。以前、ここを登った仲間たちのやっていたムーブだ。

 そのホールドで離陸し、少し左を向いて、足を少し前後に突っ張って、右手を出してみた。今までなら左手が耐えられず、右手を伸ばせなかったのだが、その時はしっかりと右手が伸ばせた。少し左手がおぼつかない所が有って、完全に右手が伸びて、ホールドに届くというところまでは行かなかったが、もう少しで届きそうな所まで手を伸ばすことができた。半分戯れの試技だったから、我慢してより手を伸ばそうとはせず、そのまま降りてしまったが、もう少し条件がよくなれば、なんだかできそうな気になってきた。

 先のボルダラー達が移動していったので、一人で少しカンテの3級の課題を触って見た。3回か、4回か位やって見たが、カンテというか、リップが持ち切れず、できる気はしなかった。

 靴を脱いで見たら、靴の裏は砂だらけだった。払っても叩いても砂は落ちなかった。やっぱり本気でトライする条件ではないことを再確認した。

 とは言え、何処も何も登らないというのも何なので、先のボルダラーの一人が登っていた、左側の6級だか7級だかの課題の所を登って見た。最初は左の方のガバホールドは使わないようにしようとしたのだが、結局はそこを使わなければ登れなかった。最後はリップに左足をかけ、その足に乗り上がった所で、完全に立ち上がることなく、同じ所を降りてきた。

 そこから少し上流にあるトラバースの課題が登れるかも知れないとは思ったが、今回は登ることを目的に来た訳ではなかったので、鵜瀬橋の方に移動していった。

 途中の遊歩道脇の岩の下地はそれほど変わっている感じではなかった。

 次は命下さい岩に行ってみた。この岩のちょっと下流にあった東屋は川側の柱の何本かが流失してしまったようで、半壊状態だった。そのためか、鵜瀬橋から下流の遊歩道は通行止めになっていた。

 命下さい岩の下地は、正面の下に有った石も流されてしまっており、いくらか下地が下がっていた。岩が雨で濡れており、確認することはできなかったが、多分、正面の2級の課題は、大分に難しくなっているであろう。

 鵜瀬橋から、ここのところ殆ど下地が水没していた岸辺の三角形の岩の下地を見たら、少し上がったように見えた。相変わらず取り付きがちょっとした水溜になっていたが、川の水が少し増水気味ということを考えると、これからは取り付けるようになったのかもしれない。

 鵜のある岩、砂箱岩は直接見には行かなかったが、橋の上から見る限り、恐らくそれほどの変化はないように見えた。特に鵜の岩は、多分殆ど変化はないだろう。

 対岸の遊歩道を上流に向かうと、外灯のある、現在は登攀を自粛している遊歩道脇の岩の所にロープが張られ、その先通行止めにとなっていた。確かに忍者返しの岩の対岸の辺りの遊歩道が崩れているように見えたから、そのためなのだろうか。ロープを跨いで、少し先に行って見たら、その先で、そこの住人らしい人が石垣の補修のような事をしていたので、そこから引き返して来た。

 遊歩道を少し戻り、公衆トイレのちょっと先の、オッターズの艇庫のある脇道、って誰もオッターズの艇庫なんて知らないだろうが、その脇道で奥多摩街道に出た。

 その辺りの奥多摩街道を歩くことは滅多にない。相棒は多分初めてだろう。

 御嶽駅前から御岳園地に降りると、公衆トイレの前から御岳小橋、玉堂美術館のルート以外の場所は全て立ち入り禁止になっていた。もちろん、その規制を遵守すれば、とけたソフトクリーム岩にも行けない状態であった。

 でも、そんなの関係ねぇー、とばかりに、とけたソフトクリーム岩まで行って見た。

 とけたソフトクリーム岩の山側の砂が大きく持って行かれてしまい、そのハングが大きく露出していた。見方によっては、ハングのリップにぶら下がると、岩が傾いてくるのではないかと思われる位に下の砂がさらわれており、岩肌が露出していた。

 凹角の方に回って見ると、こちらは砂が少し乗っており、それまでよりは離陸が楽になったようだった。

 側壁の、5級とか6級とかの課題のある所はあまり変わりないかいくらか砂が戻った感じだった。

 水際カンテ、キックマントルの辺りは、水没は免れたものの、やはり下地は低いままだった。

 このとけたソフトクリーム岩の下地だが、以前、恐らく20年位い前までは、下地はもっと高く、凹角などは地面から凹角の出口のリップに手が届く位であったはずだ。下地は今のように川に向かって下がっているということはなく、ほぼ平らに川の縁まで行っており、そこから急激に流れの縁まで下っていたのだ。それが、河岸段丘とでもいうのか、その肩、所謂リップがどんどん山側に後退して来てしまったということのようだ。ここ20年程の傾向のようだから、多分この先もそのリップが川側に前進するということはないだろう。あるとすれば、川床全体が上昇するほどの量の砂が流れて来た時ではないかと思う。この傾向は、上流の小河内ダムができてからこの方続いている現象なのかも知れない。とすれば、恐らくリップが川側に張り出すことは無いということかも知れない。

 そのままオーストラリア岩に回って見たら、こちらもいくらか下地が下がっており、モンキーカンテの取り付きは難しくなったかも知れない。反対に、山側のモンキー何とかという課題辺りはやり安くなったかもしれない。

 私の家は、多分変わってはいないだろう。

 ピンチオーバーハングの岩に行ってみた。

 下地は大分に下がっていた。ピンチをピンチするのがやっと位まで下がっていた。美術館からの排水が岩の下に流れ込むかどうかは確認できなかった。

 一端自動車に戻り、発電所脇の駐車場に移動した。さすが平日、駐車場は空いていた。

 デッドエンドの岩までの道は、川から結構高いので、台風の影響は無かったようだ。この道が影響を受けるようでは発電所にも影響が出るだろうから、当たり前と言えば当たり前だが。

 デッドエンドの下地は、今まで露出していた丸太が無くなり、その代わり少し小さ目の岩が並んでいた。そして、岩の基部は、わずかに下がり気味ぐらいだったが、全体的には、多分砂はいくらか戻ったような感じだ。これまでよりは平らになっていた。

 イギリス人のトラバースの下地は、多分殆ど変化は無かったようだ。しかし、川に面した所の下地はいくらか下がった感じだった。今までのプールもしっかりと存在していた。

 その少し上流の神路橋への遊歩道は、両脇の植物が大分に荒れていて、遊歩道を塞ぐ形になっていた。

 管理釣り場の中洲から対岸への橋は既に復旧されており、中洲に渡ることができた。

 中洲の岩を見に行ったら、中洲も多分復旧されたようで、以前とそれほどは変わってはいなかった。

 対岸の遊歩道を発電所方向に戻り、丸こんにゃく岩に行ってみた。

 丸こんにゃく岩の手前の、1級のトラバースのある岩の下地は大分に下がっていた。

 丸こんにゃく岩の下地は、心持ち下がった気はするが、恐らくは、殆ど変わってはいなかっただろう。ただ、右の方の下地は下がったようで、1級から3級だかに格下げになった課題は、少しはグレードが上がったかも知れない。

 杣の小橋迄歩いたのだが、通行止め箇所は無かった。その先、どこで通行止めになるのか下流方面に歩いて行ったのだが、デラシネの岩の対岸の辺りまで歩いても、通行止め箇所は出ては来なかった。恐らく、上流側からは通行止めの箇所は無いのかも知れない。

 あまり先に進んでもと、御岳大橋の少し上流辺りから来た道を引き返した。

 杣の小橋を渡り、発電所脇の駐車場に登って行くと、駐車場への入り口、即ちトイレの脇の所で通行止めになっていた。要は、御岳小橋を除き、御岳遊歩道は全面通行止めということのようだ。確か、御岳園地への入り口辺りにそんなふうなことを書いた紙が張ってあった様な気がする。

 とくにボルダリングを一生懸命やった訳でも無かったが、既に4時を回っていた。

 いつもの道を戻り、珍しく八王子から中央道に乗ったのだが、そのころには既に暗くなりかけていた。

 帰りは再び相棒の実家により、用事があるという相棒を残して、自分一人で家まで帰った。

 小雨の中の偵察という、今までにあまりやったことの無い御岳行だったが、結局は少し遊んだりしたし、普段あまりすることの無い観光チックな事もやってしまって、それはそれで結構楽しめた。これからはこんなボルダリング行が増える気がした1日だった。

 やっぱり雨が降っている平日は空いていたのだった。


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作成年月日 平成19年10月16日
作 成 者 本庄 章