御岳ボルダーその64

2007年 3月23日記

 水曜日の祝日に相棒と二人で御岳に行った。前回同様、今回も序の御岳だ。ということは、御岳も半年振りということか。

 朝9時前に家を出たのだが、途中、都内で用事を足していたため、御岳に着いたのは既に4時近かった。って、本来は都内での用事がメインで、御岳は序なのだが。

 ここ何回か、この序の御岳で、結構自動車の渋滞に悩まされていたので、今回は何とか渋滞を避けようと、意気込みは良かったのだが、結局は、新青梅街道の渋滞を避けようと入った裏道の先が旧青梅街道に繋がっていたため、その旧青梅街道の渋滞に嵌ってしまった。甲州街道、青梅街道、新青梅街道と、どれをとってもどこかで渋滞しているようで、その辺をウロチョロしながら青梅に入るのは、結局はどこかで渋滞につかまるということの様だ。あんまり悪あがきはしないほうがかえって早かったりするという、これまでの経験則がここでも当てはまるようだ。次回からは、素直に、旧青梅街道、新青梅街道で青梅に行くことにしよう。

 それにしても、小金井、小平辺りから御岳を目指すとなると、高速に乗るにも一般道を行くにも、どっちにしても渋滞がどこかで付きまとってくるという、甚だ自動車の走りにくい環境のようで、時間が掛かってしまうのは仕方がない様だ。

 ちょうど玉堂美術館の上の駐車場に一台分の空きがあったので、そこに自動車を停め、支度をして忍者返しの岩の前に行ってみた。

 すごい。すごい人だ。最近の御岳はこんなに人がいるのか。驚いていたら、現在は埼玉に在住する、我がボルダリングチームの仲間の一人に会った。以前は一緒に色々なところに行っていたのだが、我がチームの活動のアクティビティーの低下もあって、最近は殆ど会うこともなく、久しぶりに会う仲間だった。彼も一人で来ていたようで、ちょうど帰り支度をしているところのようだった。

 先ずはアップにと、8級だったかの課題のある白狐岩の下流の岩に行ってみた。その8級だかの課題は、離陸が意外と難しく、小生にはすんなりとは登らせてくれない課題なのだ。

 手はガバなのだが、足が分からない。腰の辺りのリップの下にスタンスを探すが、なかなか良いものがない。手を左右入れ替えたり、足を左の方に少し外れたところにおいてみたりしたが、離陸が出来なかった。スタートホールドとなるガバの上にはやはりガバがある。それを取れれば登れるのだが。

 諦めるには少し悔しかったから、しつこく足を捜してみた。ちょっとした岩の欠けたところが見つかったので、そこをスメアで離陸してみた。離陸は出来た。しかし、手に頼ったスメアだから、その手が離せない。身体を引き付け、手を出してみた。少し遠かったから、僅かに届かなかった。

 別の足を捜してみたが、新たなスタンスは見つからなかった。仕方がないから、その足で再度挑戦してみた。今度は十分に引き付けて、手を飛ばしてみた。かかった。

 次の足はどこだ。キョロキョロしてみたが、リップの上の丸っこいところには顕著なスタンスは見当たらなかった。仕方がないから、適当に左足をスメアしてみたが、力が入らなかった。しょうがないから、右足をはずし、右ひざをリップのところにかけて身体を引き上げた。なんだか物凄く無様な登り方だった。

 忍者返しの岩は触れそうにないので、白狐岩の一番右端の4級の課題を探ってみた。

 スタートはここだったっけ。で、二手目はどこだ。ここか?いやここじゃない。じゃぁどこだ。思い出せない。下地は相変わらずジメジメしている。靴が濡れる。靴は良い。マットが濡れてしまう。それはまずい。何しろ、防水が全くない足拭きマットだから、濡れてしまうと他にも支障が出てしまう。あまり登る気が無かったからか、頭の中を色々な事が駆け巡った。で結局、その課題は諦め、その左の3級の課題を探ってみた。

 下地は相変わらずジメジメしていた。しかし、1回ならばと、マットを敷いて、離陸してみた。次は左足を左の方に。思い出しながらやってみたが、左足のフックが出来なかった。

 そういえば、その左のマンとライクも登れていない。上のリップのガバにぶら下がってみた。足はこの辺だろうか。そして、手は。左のガバは使ってはいけなかったはずだ。あの岩の天辺だろうか。遠すぎる。またもその先、諦めた。

 荷物のところに戻ると、久しぶりに会った同じチームの仲間が帰る所だった。

 今度は、水の詩岩の忍者返し側の、上の方が丸く少し被ったところの課題がまだ登れていなかったことを思い出し、それを触りに行ってみた。その課題は2、3ヶ所指先だけが僅かに入るくらいの狭いクラックというかリスが縦に走っており、そのリスを使って上の被ったリップを取りに行く課題なのだが、その壁は丸く湾曲しており、下半分はスラブになっているのだ。そのスラブのところに、ちょっとしたテラスというか、外傾した傾斜のゆるい面があるのだが、そこに左足を上げてリップを取りに行くというムーブが未だ出来ていなかったのだ。

 何とかその指のかかるリスを持って、離陸したら、離陸ができた。そのままリップを取りにいったら落ちた。しかし、2回目にはリップが取れ、上に抜けることが出来た。

 やっとこの課題が出来たか。でも、マントルは、左手で持ってはいけない場所に足をかけてしまったから、若しかしたら今回もチョンボかも。でも、真上のリップが取れたから、それはそれでよいということにしよう。

 玄関岩の裏の壁が目に付いた。そういえば、この壁も長いこと触っていなかったっけ。下地は半分以上水没しているが、その水溜りの真ん中辺に石がいくつか敷かれている。靴を濡らすことはない。その石に乗ってから壁の真ん中辺に取り付き、少し登ってみた。

 右の方に行ってみたのだが、その上のカンテ付近のホールドが乏しそうだった。少し降りて、左側の傾斜が少し寝ている辺りのスタンスで左の方に行ってみた。そっちならその先ホールドがありそうだったので、そのまま少し左に寄って上に抜けていった。

 荷物を置いた忍者返しの岩の前に戻ったのだが、忍者返しの岩は相変わらず混んでいたので、マミ岩の方に行ってみた。女性が二人で、大きなマットを2枚敷いてトライしていた。

 どうしようか迷いながら眺めていたら、一人の女性が右の3級の課題を上に抜けていった。この課題、既に何回も登ってはいるが、最近は少し下地が下がったようで、登れないでいる課題だ。人が登るのを見ていたら、自分も登りたくなってきた。でも、下には大きなマットが2枚も敷かれていた。まっいっか。岩に触ることなく、荷物のところに戻っていった。

 改めて、忍者返しの岩の前は人が多かった。心持下地も狭くなっている気がするから、そのせいもあるのかもしれないが。再びマミ岩に戻っていった。

 意を決し、マットをどかさせてもらって、取り付いてみた。

 ちょうど腰、或いは腰より少し低いところ辺りのリップの顕著なスタンスに右足を直接乗せて離陸してみた。右手は縦カチ、左手はパーミングチックなホールドだ。離陸は出来たが、左手が離せなかった。左足の位置が悪く、しっかりと体重がかけられなかったようだ。

 少し休んで、またやってみた。今度はしっかりとガバスタンスに足をかけていたから、しっかりと左足に乗ることが出来、左上のポケットを取ることができた。その手で立ち上がり、上の水平カチを取りにいったら、手が届いた。しかし、なんだか意外と悪かった。こんなだったっけ。手をずらせてよいところに持ち替え、両手を添えて胸くらいの高さのリップの上のスタンスを探していたら、わざわざはずしたマットをわざわざ戻してくれている人が見えた。マットは要りませんとか言うのも大人気ないから、そのまま、足を上げ、上に抜けた。

 たしか、この課題は、一般的には今回小生の使ったスタンスでポケットを取りに行くのだが、小生はそのスタンスではなかった気がする。普通の人のムーブが出来なかったような気がするのだ。

 何となく普通のムーブで出来たので、何となく嬉しかった。

 なんだかフリクションが物凄く効く気がした。いつもなら手が滑る感じのする、スタートの左手のスローパーピンチチックなホールドが以外に思えるほどもてるのだ。なんだかそんな気がした。

 そのまま、遊歩道の脇の、汚い目の岩を見に行ってみた。その岩の真ん中辺の2級の課題がいまだに登れていないのだ。

 行ってみて、以前散々ムーブを研究していた頃のホールドやスタンスを探してみた。どれだったかなぁ。このホールドでキョン気味にリップのホールドを取りに行っていたんだったっけなぁ。そう思って、実際にホールドを触ってみると、なんだか違う気がした。じゃぁどれだったけ。ここも以前のホールド、スタンスを全く思い出せなかった。

 マミ岩に戻り、残された一人の女性と二人で、登ることにした。女性は3級の課題、小生はそれが登れたから、その左の4級だかの課題だ。因みに、その女性は、小生が最初にそこに行ったときにその4級の課題を登っていたのだった。

 マットは1枚になっていた。その女性の使う大きなマットの左に小生の小さなマットを置き、登りはじめた。

 この4級の課題もなんだか離陸が難しい課題だ。左手はカンテ状になったところのちょっとしたホールド、右手は薄いフレークの端だったかでやっとこさ離陸して、左手のホールドの上の方のやはりカンテ状になったところのカチに持ってゆこうとしたのだが、足にしっかりと立っているわけではないから、なかなか左手を離せなかった。少し頑張ってみたが、やはり落ちてしまった。

 次は、同じホールドで離陸し、左手ではなく右手を出してみた。少しポケット状のホールドがあったような感じの壁をなでてみたが、ホールドは見つからなかった。もう少し上のようだった。

 次は、左足を少しだけ良さそうな場所に移し、右肩を上げ、そのまま右手を伸ばしてみた。指がちょっとしたホールドに引っかかった。身体を起こし、左足を上げてみた。目の前少し左に、カチホールドが見えた。それを取るべく、左足をもう少し良さそうな場所に移そうと動かしてみた。体が剥がされた。

 段々ホールドが定まってきた。スタンスも乗りやすいところが分かってきた。何回も何回もやった末、やっとなかなか取れなかった目の前のカチが取れ、左足を上げることができた。体を上げると、目の前にカンテ状のガバホールドが見えてきた。確かそのホールドは使っても良かったような。ということにして、そのガバホールドを使って上に抜けた。なんとかやっと登れた。

 また荷物のところに戻ってみた。途中、水の詩岩の水の詩の面の怖い3級だかの課題を覘いてみた。出来れば登ろうかと思って覘いたのだが、一人で登る気はしなかった。

 忍者返しの岩の前に戻ると、以前ジムで一緒に登っていた女性が現れた。今は別のジムで登っているから、かれこれ2,3年は会ってはいないかもしれない女性だ。少しお話をして、その女性は別のところに移動していった。

 相変わらず忍者返しの岩は小生の入り込む余地は無かったので、白狐岩のマンとライクを触りに行った。次のホールドが、相変わらず絶望的に見えた。

 仕方がないから、またまたマミ岩に行ってみた。先ほ移動していった女性がいた。なんだ、ここにいたのか、ということで、その女性の連れも一緒に皆で登り始めた。

 その連れの人が、4級の課題をその女性に見せるために登ってくれた。みたら、カンテ状のところのアンダーホールドを使っていた。そうか、そういえばそんなホールドがあったっけ。

 先ほどはガバホールドを使ってしまったから、またその4級を登り始めた。今度はガバを使わずに。

 やってみたら、アンダーが取れ、そのアンダーホールドでガバを使わずにその上のリップのところ辺りのホールドが取れた。なんだかすごく簡単な様に感じてしまった。

 先の女性は相変わらず3級の課題に打ち込んでいた。ということで、二人の女性が3級に挑戦していた。

 小生は、3級の課題のSDバージョンをやってみた。リップ下の被ったところからのスタートとなるから、2手か3手で疲れてしまった。

 以前一緒に登っていた女性が、遊歩道の脇の小生が先ほど行った汚目の岩に行くというので、小生も一緒に行ってみた。すると、後から来た2、3人の男性のグループも一緒についてきた。

 その女性の連れが、そのグループの一人に課題を聞き、先ず左の方のカンテを右斜上する課題を登った。続いて、真ん中の2級の課題を登りだした。

 壁の中の鋭いエッジを持ったカチでリップ下の三角に少し凹んだところのホールドを取りに行った。そのホールドはもてないよと言おうとしたのだが、その彼はそこを持っているではないか。そして、リップのホールドを取って上に抜けてしまった。あそこが持てるのか。小生も真似しようと、取り付いてみたが、三角のところまでも手が届かなかった。

 続けて、3級のところを触ってみた。カンテのホールドが取れなかった。何しろ、ここの課題は結構怖いのだ。それに、以前登っているし。

 またマミ岩に戻って、SDを何回かやっていたら、すっかり疲れてしまった。相棒も少し寒いというので、忍者返しの岩に戻って荷物を持ってきて、小生のチョッキを貸してあげた。小生も寒くなってきたので、羽毛服を着ることにした。

 その後もSDをやったりしていたら、相棒がまだ帰らないのかといってきたので、まだもう少しといいながら、時計を見たら、既に6時であった。え、こんな時間。道理で寒いわけだ。ということで、ジャぁ帰ろうかと言うことになった。で、最後のダウンということで、一番左の6級だか7級だかのなんでもありの課題を登ることにした。その課題、一回で離陸が出来たから、やっぱりフリクションが良かったようだ。

 支度をしていたら、以前一緒に登っていた彼女達も帰り支度を始め、我々よりも先に帰っていった。

 上の車道にでる林の中の階段道を登り始めたら、すっかり暗くなっていた。暗くなるのはあっという間だった。

 自動車に戻ったら、自動車は3台しか残っていなかった。

 着替えをして走り出したら、真っ暗な中を忍者返しの前にいただろうボルダラーが続々とマットを担いでトンネル内の歩道を歩いてきた。以前の我がチームの行動を思い出してしまった。

 帰りは何時もの梅ヶ谷峠からあきる野を経由して、睦橋通りに出た。

 この通りには食べ物やが何軒かある。その中の何回か寄った事のあるハンバーカー屋で夕食にした。

 そこからは、ひたすら、新奥多摩街道、甲州街道と走り、あまり遅くなってもと、永福から首都高に乗った。首都高に渋滞は無かったので、何時もはレインボーブリッジを経由するのだが、行きと同じく箱崎経由で帰った。そちらの方が若干距離は短いのだ。

 お陰で、10時ちょっと前に家に着くことができた。やっぱり高速は楽だ。今度からは、やせ我慢はせずに、高速を使うことにするか。ずっと楽だから。


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作成年月日 平成19年 3月23日
作 成 者 本庄 章