御岳ボルダーその62

2006年 7月 5日記

 日曜日の日に、この時期、行くところは結局御岳しかないということで、またしても相棒と二人で御岳に行ってきた。

 土曜日は例によってうだうだしてしまったし、少し前の天気予報では雨だった翌日曜日が、雨は夜遅くからとの予報に変わったので、日曜日の朝、御岳に出かけることにした。

 雨は降らないとはいえ、いつ降り出してもおかしくないような空模様だったが、10時前の出発予定を大分遅れて、11時過ぎに出発した。

 首都高、中央道と、渋滞も無く順調に走り、八王子の町に入った頃に、またしても雨が僅かに落ちてきた。他に転進するにしても資料は持っていないから、行く当ても無い。まぁ、仕方が無いから行くだけ行くかとは思いながら、相棒に、どうしようかと尋ねてみたら、期待通りに「ここまで来たのだから行くしかないでしょう」と言ってくれた。

 しばらくは、フロントガラスには雨粒が落ちてくるものの、道路は濡れてはいなかったのだが、青梅に入る手前の梅ヶ谷峠までくると、さすが、道路の濡れが目立つようになってきた。やっぱり駄目なのかなぁと、少し落胆しながら、吉野街道に出ると、相変わらず雨粒は落ちてはいるものの、道路は濡れてはいなかった。多分まだ大丈夫だろう。

 御岳渓谷に近づくに従い、周りの山から渓谷の上に掛かる雲がなんだかいかにも雨という感じになってきた。

 玉堂の上の駐車場は何台分か空いていた。

 こんな天気でも登れるところとは忍者返しの岩しかない。支度を整え、忍者返しの岩を目指して歩き出した。途中、傘を忘れたことを思い出したが、取りに戻ることはしなかった。

 忍者返しの岩に近づいても、人の気配は無かった。やっぱりなとか思いながら、岩の前に行くと、何時もの方が一人だけ居られた。ストレッチのようなことをされていたから、まだ来て間もないようだった。

 挨拶をして、近況など、少しお話をした。

 相変わらず雨は落ちてはいたが、岩が濡れているという程ではなかった。

 白狐岩の下流の岩の、上流面の左側の課題を触ってみた。確か7級ぐらいだったかと思うが。

 ちょうど目の高さくらいに両手で持てる、ガバに近いホールドがある。そのホールドで離陸をしようとしたのだが、よい足が見つからなかった。この岩は、腰の高さくらいまでが引っ込んでいるというか、被っているのだ。腰から上は寝ていて、そこそこガチガチしているから、足さえあればなんてことの無い課題なのだが、足が悪いから、離陸が出来ないのだ。この課題も今までにすっきりと登れたためしがないのだ。

 両手ガバ気味では離陸できないので、そこより少し上のホールドを探してみた。でも、もてそうなホールドは見つからなかった。離陸できれば、左側の丸っこいカンテ状のところのガバホールドが取れそうなのだが。

 その右側の、以前某ボルダラーに足を教わって登ることのできた課題を触ってみた。

 こちらは、ガバに近いホールドが無いから、左側よりは難しい。でも、そのスタンスを教わったときは、それほど難しくは無かったと感じたのだが。

 この岩、最近は触る人が殆どいないのか、結構苔が戻っている。特に右側の課題付近などはチョーク跡は全く無く、大分苔が生えている。おまけに下には大きめの岩が出ている。こんな雨模様の状況で無理して登る課題でもない。ということにした。

 また左側の課題を触ってみた。少し左に寄って、左側の丸っこいカンテを触ってみた。なんだか持てそうな場所があった。このホールドを使ってみるか。そのカンテのホールドと、水平のガバに近いホールドで、足を腰の辺りのリップに上げてみたら、離陸が出来た。これで良いのかなぁ。少し疑問を抱きつつ、慎重に上に抜けた。

 その丸っこいカンテの左側の沢面の凹角状の所を登って見た。ここも右側のカンテを使って離陸したら、楽に離陸が出来た。あとはホールドもスタンスも豊富だから、右側の課題よりはやさしかった。

 持参したマットを忍者返しの下の地面から出っ張った岩にかけて敷いて、久しぶりに忍者返しを触ってみた。

 下地が大分に下がっていた。何時ものスタートホールドは、下から手が届くか届かないかという、ぎりぎりの高さになっていた。スタートスタンスは、今までの左足のスタンスの下に、ちょっとしたテラス状になったスタンスが現れていた。

 そんな状態で、どうやって離陸するのだろう。何時ものスタートホールドの下のガバスタンスはホールドとしては、上の部分が欠けてしまっているから、ガバホールドにはならないし。因みに以前下地の低かった時代には、そのまだガバだったホールドで離陸をしたと聞いていたが、今の状態ではそのホールドでの離陸も難しいだろうし。

 右側の「子供返し」のホールドを探ってみた。

 こっちはもっと厳しかった。離陸に使えそうなホールドは見つからなかった。従って、離陸の目処は全く立たなかった。

 マミ岩に行って見る事にした。

 途中、水の歌岩の裏側の課題が未だ登れないでいたことを思い出し、寄ってみた。

 ここも相変わらず触られている気配が無い。真ん中辺が丸ぁるく凹っこんで、上半分が僅かに被った状態になっている壁の真ん中に縦に一本クラックが走った場所がある。そのクラック沿いに登る課題だ。高さは2mちょっとだから、一歩踏み出せれば上のリップが取れて後はやさしいマントル、だったと思うのだが、そのリップが取れないのだ。

 クラックから左に外れたリップなら、低くなるから、簡単に取れる。しかし、真上のリップは頭の上に覆いかぶさっているし、高さも高くなっているから、なかなかそのリップが取れないのだ。おまけに一歩踏み出すスラブ状の面にはスタンスになりそうな場所も見当たらないのだ。

 クラックの中ほどには僅かにチョーク跡が残っていたが、スラブ面にはうっすらと緑の細かい苔が生えており、おまけにそれが湿っていたから、登れる状態ではなかった。それに、以前教えてもらったムーブも全く思い出せなくなっていたし。その岩の向かい側の遊歩道のすぐ脇の丸っこい岩も触ってみたが、やはり足の状態が悪すぎた。何しろ、靴のソールは濡れっぱなしだったのだ。

 マミ岩の正面の3級の課題を触ってみた。この岩の下地も下がっていた。

 右手目いっぱい右の縦カチ、左手左の滑々のピンチホールド、足は。以前使ったスタンスには足は上がらない。その下の少し引っ込んだ、ちょっとしたテラス状をスタンスにして頑張ってみたが、左手ピンチチックなスローパーが持ちきれない。手が外れて後ろに飛ばされそうな感じなのだ。マットもスポットも無いから、思い切って離陸が出来なかった。

 その左側の凹角を触ってみた。

 実はこの課題もなかなかすっきり登れないでいる課題の一つなのだ。

 少し左に寄って、適当なホールドを見つけて、膝辺りのちょっとしたテラス状の出っ張りに足を置いて離陸したら、素直に離陸ができた。なんだかその左のホールドって限定があったんだっけ。まぁいいや。ここも足が滑るから、慎重に上に抜けた。

 降りてきたら、相棒が持参したおにぎりを渡してくれたので、おにぎりを一つ頬張った。結構大きなおにぎりだった。

 忍者返しの岩に戻るときに、玄関岩の上流面を触ってみた。この岩は上に覆う木が無いし、壁は被ってはいないから、相当に濡れていた。2歩、3歩と登って見たが、いくらか高い岩だし、落ちたらいやだからと、そこから飛び降りた。

 忍者返しの岩の前に戻ると、3人組の若者が来ており、岩の下にはマットが何枚か敷かれていた。

 敷きっ放しにしていた小生のマットを見ると、表面は結構濡れていた。そんなに感じなかったが、結構雨は降っていたようだ。

 白狐岩の上流面の3級の課題を触ってみた。

 両手を目いっぱい広げて、丸っこいカンテを抱え込んで、右足を突っ張り気味に離陸してみたら、離陸が出来た。左足をカンテの左の方に回してヒールをフックし、左手を出そうとしてみたが、下には岩が出ているし、外れて落ちると岩の上に落ちそうだったので、左手を上のクラックまで伸ばすことはしなかった。

 何時もの人は「蟹」を、若者たちは「虫」をやっているようだったので、小生は「忍者返し」を触ってみた。

 目いっぱい背伸びをして、右手をスタートホールドに持ってゆく。その手で身体を支え、左手を右手の脇に持ってゆく。そんな感じでスタートホールドを保持し、右足をちょっとしたテラス状のスタンスで離陸をしてみた。離陸は出来た。左足を何時ものスタンス辺りより少し高いところの、結構利きそうな場所に持って行ってその足に乗ろうとしてみた。全く乗り込むことが出来なかった。手が引き付けられなかったのだ。

 今度は何時ものスタンスで次のホールドを取りに行ってみた。足は滑ってしまった。

 また少し上のスタンスでやってみた。そうしたら、何時もの人が、スタンスは何時ものスタンスだと教えてくれた。やっぱり何時ものスタンスか。でも、以前の何時ものスタンスとは形は大分に違ってしまっている。この岩は結構変化の激しい岩なのだ。その辺の岩の形状の変遷を、何時もの人が若者に説明していた。

 スタートホールドの左手の持ち方を、少し左のサイドの少し指のかかる位置まで移してみた。それで、手を引き付け、左足に乗ってみた。左手が次のホールドまで届いた。しかし、足が切れ、落ちた。

 このあまり良くない条件の中で次のホールドに手が届いた。なんだか少しうれしかった。

 その後も、2回か3回、次のホールドに手が届き、ホールド面に指が掛かったのだが、足が切れ、落ちてしまった。

 雨が強くなってきた。もう駄目だ。ほかの人達も帰り支度を始めたので、小生も帰り支度を始めようと、持参していた折り畳みの傘を広げようとしたのだが、しばらく使っていなかった古めの傘だったせいか、なかなか心棒が伸びてくれず、留め金が利いてくれなかった。やっぱり自動車に積んであった普段使っている長い傘を持ってくるのだった。

 マットを畳んでみたら、やっぱり表面に水が流れるほどに濡れていた。そして、砂がべっとりとついていた。おまけに、外に出していたペットボトルも砂がついていた。濡れた砂ははたいても落ちないから、そのまま荷造りをした。

 駐車場に戻ると雨は一段と強くなった。トイレの前で雨宿りをしながら、一応荷物の砂を落とし、ペットボトルの砂を洗い流して荷物を纏めなおした。

 なんだかだで、出発したのは4時頃になっていた。

 帰りはまだ早いからと、睦橋通りから新奥多摩街道で甲州街道にでた。甲州街道は相変わらず混んでいた。

 新宿から日比谷、勝鬨と進み、豊洲方面に左折するところにまで来ると、豊洲は直進するように案内板が出ていた。そこから直進したら海になってしまうのにと思いながらも、案内板に従い直進したら、新しい橋が出来ていた。この勝鬨の先で左折するところが意外とわかりにくかったのだが、これで大分わかりやすくなった気がする。

 湾岸道路は渋滞も無く7時過ぎには千葉に着くことが出来た。

 最初から、天気が良くないことは承知で出かけたボルダリングだから、いくらか岩に触ることが出来ただけでも良しとしようか。


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作成年月日 平成18年 7月 5日
作 成 者 本庄 章