御岳ボルダーその49

2003年 9月25日記
 彼岸の中日に御岳に行ってきた。久しぶりに相棒と二人である。今回は午前中に用事があったので、午後からの御岳となった。って、最近の御岳は何時も午後からなのだけれど。

 最近それまで乗っていた自動車を壊してしまったため自動車を買い換えたのだが、それにカーナビをつけてしまったので、そのナビに従い、なんの疑いも無く五日市街道方面に走り出す。

 このカーナビなのだが、余り良く知らない場所でのドライブには抜群の威力を発揮する。しかし、空いている道を走ろうとすると、それなりのオプションを付け、どこからか渋滞情報を仕入れなければならないらしい。小生のカーナビにはそんな豪華なオプションは付いていないから、極普通の距離の短いであろう道を指示してくる。その指示に従って進むと思い切り街中を走らされる。お陰で、信号を何回も待たされる。おまけに、このカーナビ、踏み切りの指示が無い。詳細モードの地図上にも書かれていない。お陰で、踏み切りの手前の駅前のタクシー専用待機所に間違って入ってしまったり、その後相棒のあと40mらしいとの言葉に惑わされ、踏切を渡った直後の交差点を通りすごしてしまったりと、散々な目に遭ってしまう。

 そんなアクシデントにもめげず、ぶつぶつ言いながらも暫く走ると、どこかで見た風景になってくる。なんだ、ここに出るのか。だったらあんな街中を走らなくとももっと空いた道を知っていたのに。もうカーナビなんか使うものか。と言いながらも結局カーナビに導かれ、やっと五日市街道に入る。なにしろ、このカーナビ、走っている最中には色々と設定を変えることが出来ないようになっているのである。従ってそれまでの設定に従って走るしかないのである。

 ほぼ一年前にもこの五日市街道を走ったのだが、その時にはそれほどのストレスも無く走ったとこの紀行では報告されている。ところが今回は、土日の雨に続く火曜日の彼岸の中日と言うことから墓参りが集中したということも有ってか、結構混んでいる。これならいつもの甲州街道を走ったほうが速かったかと、またもぶつぶつ言いながら、途中立川辺りでやっと脇道にそれ、カーナビの目的地を何時もの睦橋通りに設定し直す。しかし、結局元の五日市街道に戻り、拝島から国道16号にでる道を指示されてしまう。地図を探って見ても、ここまで来てしまっていると、それしかないようだ。仕方が無いと納得して走り出す。っつたくもう。

 拝島の駅の近くの16号で、睦橋通りに右折するレーンに並んだのだが、殆ど動かない。なんだろう。ずうっと止まりっぱなしで全く動かないからとカーナビの地図の先を見に行くと、その先でも新奥多摩街道から睦橋通りに出られそうなのである。ままよと右折レーンから外れその交差点を直進する。

 カーナビの指示に従い小さな交差点を右折し、何時もの新奥多摩街道に出て睦橋通りに左折するレーンに並ぶ。このカーナビは指示を外れても、その時点で再度経路の探索を自動的にやりなおしてくれるので、この点だけは少し感謝ではあるが。

 しかし、ここも動かない。どうしたんだ。いらいらしながら暫く待つと少し動き出す。そんなことを何回か繰り返し、やっと何時もの交差点を左折する。で、やっぱり今までと同じ事を繰り返す。そうか、この睦橋通りが動かないから、さっきの右折レーンも殆ど動かなかったのか。なにしろ一回の信号で1台か2台しか右折できなかったようだから。迂回して少しは正解だったようだ。

 奥多摩街道からの抜け道の出口がこの睦橋通りに合流する場所で凄く混んでいる。抜け道から睦橋通りに合流した車が、そのほんの少し先の信号のこれまた自動車の詰まっている右折レーンに入る為に道の真中で止まってしまって、直進車を遮ってしまうのだ。その為、ここから渋滞が始まっていたようだ。そこを抜けるとスムーズに走り出す。

 12時ちょっと過ぎには五日市街道に入ったと言うのに、既に3時を廻っている。カーナビの最初の到着予測時間を1時間以上も上回っている。御岳到着は4時頃になってしまいそうだ。

 何しろ、今度の自動車は今までの自動車の半分くらいしか馬力が無いものだから、何時もの道を何時もよりは少しもたもたと走って、御岳に到着する。それでも何とか4時前には到着した。

 最初はデッドエンドに行く予定でいたのだが、玉堂美術館の上の駐車場が空いていたので、そこに車を駐め、忍者返しの岩に行くことにする。

 途中の杉林の中の道にはまだぬかるんでいる所がある。この状態だとデッドエンドはだめだったかもしれないと相棒と話しながらマミ岩の近くまで行くと、結構人がいる。忍者返しの岩の前にも6〜7人の人がいる。

 一応挨拶をすると、そのうちの一人は知り合いであった。良く見るとその人の連れの一人も知り合いであった。でも、何時もの人はいない。

 ここ忍者返しは下地が上がったと言う情報もあったが、今回はそれほど上がっているというほどでもない。沢の水位もそれほど高くは無く、何時もの今の時期の休日並といったところか。

 下地の砂はまだ乾いてはいない。やっぱりコンディションはあまり良くはなさそうだ。支度を整え、先ずはアップにとマミ岩に行く。

 3〜4人の人が居り、マットが敷かれていたが、マットの敷かれていない4級の課題の所の少し左の所に人工芝を敷き、そこを登って見る。

 今まで気が付かなかったのだが、探せば結構細かくは有るがカチが幾つかある。そのうちの一つを使って、離陸し、途中の大ガバも使って、左のカンテ状のところ目掛けて登って見る。

 降りてきて、今度は4級の所を、今度は途中の大ガバを使わずに登って見る。また降りてきて直ぐにその4級の少し右からスタートする。しかし、結局上部では4級の課題と合流してしまう。

 すこうし休んで、3級の課題をやって見る。ここにはマットが敷かれているから、そのマットをお借りすることにしてスタートする。

 左手はパーミング気味のホールド、右手は立てカチ、左足をカチスタンスに上げ、右足は右に流してのスタートである。そして、左上のポケットをスタティックに取る。最近やっと出来るようになったムーブである。

 左手のポケットで体を上げ、右手を右上の水平のカチホールドに上げる。両手を添えて適当に足を上げ、右足をちょっとしたリップ状の上に上げる。そこに乗り込めばこの課題はほぼ終わりである。結構綺麗に上に抜ける。

 そこに居た人の一人から御岳にはよく来るのかと聞かれるから、まぁ、結構来ていると答える。

 彼らが小生のムーブを真似ようとするから、左上のポケットを直接取ってしまった方が楽だと教える。でも、彼らにはなかなか体が上がらなかったようだ。

 忍者返しの岩の前に戻り、少し休む。その横で、2人連れの一人が蛙をやりだす。

 その人のマットがジッパーが付いていたりで少し面白かったので、その人とお話をする。そのマット、そのジッパーで縦に並べて連結が出来るらしい。テントマットには最適らしい。どこのなんと言うマットかは聞かなかった。

 久しぶりなので、忍者返しを触ってみる。スローパーからの核心で落ちる。

 虫の出だしをやっている人が居たので、その人と少しお話をする。

 実は小生には、虫の出だしであるこの忍者返しのスタ−トホールドから忍者返しの一手目のホールドを右手で取るというムーブが未だに出来ていない。その人もそのムーブをやっていたのだ。

 某ボルダラーと良く登っている人かと聞かれるから、まぁそうだと答えると、もう一人の仲間は元気かと聞かれるから、最近某所でちょっとした負傷を負ったらしいが、近く外国に行くらしいと答える。この人、一時山梨に居たことがあって、この某所も行ったことがある人らしい。某所は岩がいっぱい有るのかと聞くから、小生も2箇所しか行ったことが無いから全貌は分からないが、全体的には結構あるのではないかと答える。

 とまぁ、結構色々な人とお話をしながら、忍者返しに挑戦する。

 知り合いの一人が忍者返し横断をはじめる。見ると、スローパーから次のホールドを取るのに、右足を小生の足より一段上に上げている。

 この足のスタンスだが、以前はガバスタンスだったのが、そのガバが欠けてしまったため、以前よりは少しだけ低くなってしまっているのだった。そのために小生には核心が取れないのかもと考え、その人のスタンスを真似て見たが、少しだけせせこましい為、そのスタンスまで足を上げるとスローパーを取りに行けなくなってしまう。結局、そのムーブは2回くらいやっただけで元のスタンスに戻さざるを得なかった。

 もう一人の知り合いが子供返しをやっているので、小生もまねをする。しかし、人工芝でスタートするものだから、靴の砂が綺麗に取れず、足が滑ってしまう。

 先に蛙をやっていた人がこの子供返しに挑戦する。で、3回目くらいに最初の遠い一手が取れて上に抜ける。この人、この遠い一手を取った後に足ブラになりながらも登ってしまった。普通はこの一手は足が切れると止まらないと言われているホールドである。確かに取るまでは足が残っているのだが、取った直後に足が切れている。あれでも耐えられるのだろうか。

 知り合いは、一度しっかりとそのホールドに手が掛かったのに持ちきれず、相当痛い思いをしたようだ。確かに、このホールドで指の皮をざっくりと切ってしまった人を複数知っている。それが怖くて思い切り取れないという言い訳を考えたくらいなのだから、相当に痛いのだろう。

 マミ岩の2級でもやろうかとマミ岩に行く。既に人は居ない。

 人工芝を敷いて、SDのスタートホールドを触る。一応手順を追ってみたが、こんなホールドだったっけ。これで、よくもまぁこんなせせこましいところで足が左に出せたものだ。とかなんとか考えながらスタートする。やっぱり足を送れない。下地も湿っているしで、直ぐに諦める。そして遊歩道の上の汚い岩の2級を触りに行く。

 チョークで真っ白である。こんな岩でも最近は結構取りつく人が多いのかと感心しながら、下に人工芝を敷く。しかし、なんだか下地が濡れているし、ぬかるんでもいるようだ。人工芝に乗って岩を触ると、濡れている。びちゃびちゃである。こりゃだめだ。

 忍者返しの岩に戻ると、知り合いがマウンテンバイクに乗っている。というか、マウンテンバイクを立たせている。要するに止まったマウンテンバイクの上でバランスを取っているのだ。左足を流してバランスを取っているのだが、その左足もペダルに乗せて、マウンテンバイクに跨ろうとしているらしい。しばらく頑張っていたのだが、ついに左足をペダルに乗せた所で足が地面に着いてしまった。

 良く見ると、そのマウンテンバイクのリヤのギアはフリーホイールである。固定ギアではなかった。というより、ディレイラーが付いている。そうなんだ、ブレーキを使ってバランスを取っているのだ。てっきり固定ギアを使っているとばかり思っていた、というような事をそのマウンテンバイクの持ち主らしい人と少しお話をする。因みに、その人もネット上で時々噂をお聞きするクライマーだったようだ。

 戻ると、皆でクライマー返しをやっている。

 ナックルジャムのところを、その右下端の僅かなカチを持とうとしている人が居る。あんなところ持てたっけ。成功しないから持てないのだろうとは思うが。

 この岩、相当に変化が激しいようだ。あるいはそんな関係でその部分が出現したのだろうか。久しぶりにくるとそれまでの記憶が殆ど残っていないことを痛感してしまう。

 小生は、相変わらず忍者返しに挑戦する。相変わらずスローパーから核心部で落ちる。でも、何回もそこまでは行けるようになったのだから、やっぱり強くはなっているのだろう。それがなかなか成果に現れないのがもどかしい所なのだが。

 暗くなってきた。時計を見ると6時ちょっと前である。まだ6時にはなっていないのだ。それで既にこんなに暗いのか。改めて日が短くなったことを痛感する。

 知り合いの集団が帰り支度をしている。岩の下にはマットが一つも無くなった。さぁ、小生の時間だ。と一瞬考えたのだが、既に薄暗いし、疲れてきても居る。一手目の次のガバスタンスで足が滑ってしまったのを機に我々も引き上げることにする。

 何時もの様に梅ケ谷峠から日出町に出て睦橋通りにでる。何時もは新奥多摩街道に出て少し走ってから、あるいは甲州街道まで行ってから夕食にしていたので、夕食の時間が遅くなってしまっていた。そこで何時もは道の反対側だということで入ったことの無かった拝島の少し手前の睦橋通りに面したファーストフードの店に入って見ることにする。幸い交通量はそれほど無く、道路の反対側にある店に入ることが出来た。

 少し早めに夕食に有りつけたと言うことから、何時もよりは少し余計目にのんびりとしてしまった。

 後は何時もの通り、甲州街道から新宿、そしてカーナビの指示を無視して、日比谷、勝鬨、東雲、と通って湾岸道路にでる。

 湾岸に出る有明の少し手前で、カーナビが左折を指示する。何時も気になっていた辰巳方向への道である。ここを左折すれば、新木場へのショートカットになるのではと、ここを通るたんびに思っていた所なので、素直にカーナビに従って左折する。果たして、走りやすい、ちょっとしたショートカットだった。次回からはここを曲がることにしよう。

 その後は特に心配したほどの渋滞も無く順調に10時ほんの少し前に帰り着く。カーナビの帰着予想時間が10時半だったから、やっぱり最初にカーナビが指示した道よりは早かった様だ。

 今回も、ボルダリングというよりは、新しい自動車の試運転、特にカーナビの使い勝手の検証という感じになってしまったようだ。

 いい加減、もうそろそろまともなボルダリングをしなければなぁ。


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作成年月日 平成15年 9月25日
作 成 者 本庄 章