御岳ボルダーその44

2002年 9月30日記
 天気予報では、土日とも雨とのことだったので、日曜日に某ジムで行われるボルダリングコンペに出る積もりで居たのだが、日曜日になって見ると、余りに天気が良かったので、相棒と二人で急遽御岳に行く事にした。

 急遽行く事にしたので、相棒が洗濯などを済ませてからとなり、家を出たのは1時過ぎになってしまった。途中日の出町の増戸と言う所を通るとお祭りをやっており、神輿とすれ違った。そう言えば、ここの祭りには以前も出会った事があったっけ。

 道が空いていたので、その後、梅ガ谷峠を越え、吉野街道に出て、御岳には3時過ぎに到着した。

 少し迷ったが、デッドエンドも久し振りだったので、デッドエンドに行くことにする。こういう時に限って玉堂美術館の上の駐車場が幾つも空いている。そんなものだ。

 発電所脇の駐車場で支度をしていると、マットを背負ったボルダラーが一人歩いて行く。吉野街道を歩いて来たようだ。

 杉林の中に入ると、道がまだ濡れている。あんなに日が照っていたのにと思う一方、少々不安になる。途中乾いている所もあったが、デッドエンドに近付くとまた濡れている。でも、一応デッドエンドに降りる道を少し下ってみる。が、人のいる気配はない。もう少し下って、岩を覗くと、案の定、岩の下部は濡れている。仕方が無い。

 一瞬どうしようか考えたが、中州ボルダーに行ってみる事にする。中州ボルダーのジャンピングフックは、下地が上がっていて、簡単に下から飛びつける状態だったので、先ずはその状態を確認したいと考えたのだ。登り返して中州ボルダーに行く。

 途中、中州を覗くと、手に持ったトポらしいものと岩を見比べているボルダラーらしい人が一人見える。

 行くと、やっぱりボルダラーだった。そしてやっぱり、デッドエンドが濡れていたので、こちらに来たようだった。

 ジャンピングフックは何処かと聞かれたので、下地の加減を確認する積もりで、ホールドに触りながら、この辺からあの辺に飛ぶのだが、今は下地が上がったからやさしいだろうと答える。事実、下地がいくらか下がったとはいえ、相変わらず高めである。レインボーハングの方は元に戻った様であるが。

 先ず、ジャンピングフックを飛んで見る。本気では飛ばなかったが、上のリップが取れそうな感じだ。この状態で飛んでもしょうがないから、スタティックバージョンをやって見る。先客はレインボーハングをやっている。

 浅い縦に走るクラックの小さなホールドを左手で持ち、右側のフェースの一寸したアバタみたいな所を右手で持って、左足で離陸し、右足を適当に置いて、右手を左斜め上の斜めのカチに見えるホールドに飛ばして見る。左足は滑り易く悪いし、右足は殆ど置けない様なスタンスだから、バランスが悪く、狙ったホールドに手は届いた物のとっても持ち切れない。

 2〜3回やって見たが、出来そうに無いから、先客を残して、他に移動する事にする。沢を渡って対岸の遊歩道を発電所方向に歩く。途中、丸こんにゃく岩が有るので、覗いて見たが、下地は完全に水没していた。沢が僅かに増水気味だから当然と言えば当然だが。

 後は忍者返しか、と言う事で、車まで戻り、玉堂美術館上の駐車場に移動する。所が、駐車場が満員である。まさか満員とは思わなかったし、時間ももう5時近いから、また別の駐車場に行く訳にもいかない。混んでいる時に良くやる、この駐車場の入口の半分のスペースに車を止める事にする。この入口は優に車2台がすれ違える幅が有るのだ。半分塞いでも車の出入りに支障はない。

 忍者返しと、とけたソフトクリーム岩とどちらに行くか迷ったが、最近はどうも忍者返しが登れそうにないので、とけたソフトクリーム岩の凹角の右直上をやる事にして、そちらに行く。

 とけたソフトクリーム岩に行くと、先程のジャンピングフックの先客とまた出会う。なんか、歩いて来た方が早かったようだ。

 先客が凹角の右を登る。一瞬競合するかと思ったが、先客は上に抜けて、キックマントルの方に行った。これでマットを借りなくても済みそうだ。

 下の砂が少し湿っているから、人工芝を敷いて、クラックに左手をかけて、左足を上げてスタートする。カンテは使わない。右手でリップの上のクラックの小さなホールドを持って、足を上げて左手をリップ直下のクラックに移そうとするのだが、これが出来ない。これを2回か3回繰り返す。

 どうも足が悪いようだ。足を置けそうな所を探る。クラックの下の方はまだ少し濡れていて黒く光っている。でも、結構大きなスタンスがあるから、そこなら足が置けそうだ。

 やって見る。しかし、身体がカンテ側に有って、少し横を向いているから、クラックのスタンスには足が外エッジでしか置けない。そうすると、そのスタンスは少し凹んでいてトウを入れる様に置かないとならないから、巧く乗る事が出来ない。そのままでは使えない。

 中州ボルダーから車に戻るだけですでに汗ばんでしまった位に今日は蒸し暑い。既に背中が汗ばんでいて、なんとなく気持ちが悪い。で、思い切って上半身裸になってしまう。見ると先客も裸になっていた。

 足を上げ過ぎているのかも知れない。身体を少し斜めにして、最初のクラックの左手をレイバック気味に持っているから、どうしても足を上げたくなってしまうようだ。

 足をスタート時のまま左手を上げて見る。すると、左手がリップ直下のクラックに上がる。それで、身体を凹角の中に引き込んで、凹角左の時に右手で使うリップの所のカチを少し飛ばし気味に触る。なんかもっと指がかかったはずなのに、全く指がかからない。

 下からその辺のホールドを偵察する。同じ様なホールドが2つか3つ見える。しかし、下からでは指が掛かるのだかかからないのだかは全くわからない。どれだったっけ。

 気になったので、キックマントルの彼を見に行く。スタートのホールドの持つ所が意外と微妙だと話し掛けると、ひょっとして○○さんですかと聞く。そうだと答えると、小生のホームページを見てると言ってくれる。結構色々な人に見てもらっているようだ。

 忍者返しのスローパーから次のホールドを取る時にキョン気味にすると良いと有ったのでやって見たが巧く行かなかったとか。よくもまぁ書いた本人すら忘れかけている様な事を覚えていてくれる物だ。これからは余りいいかげんな事は書けないと反省する。

 凹角左のムーブをやって見る。クラックから右手クロスでカチホールドを取って見るとしっかりと指が掛かる。それは下の方のホールドだった。

 足を上げずに、左手で、そのカチホールドを取る。さぁ、足をどうしよう。この体勢ならさっきのクラックのスタンスが使える。ひとまずそこに右足を置く。続いて左足を少し開いて上げて見る。左手カチ、右手ボッチリみたいなものをピンチでしっかり持っているから、足は上がる。もう一歩右足をクラックのリップ直下辺りまで上げて見る。何とか右足も上がる。しかし、次の手が無い。ホールドに頼っているから足に立つ事が出来なくて手が放せない。例え放せたとしても次のホールドが見当たらないのだ。諦めて飛び降りる。

 この凹角の着地点の少し後ろに少し尖り気味の石が出ている。凹角の出口のリップ付近から飛び降りると、その辺に落ちそうである。だから、リップで頑張れない。どうしても弱気になってしまう。マットは無くとも、スポッターがいるだけでも違うのだが。

 先客がキックマントルを登ったようだ。さっきから何回か石の上から降りて来たから、もう登ったと思っていたのだが、それまではリハーサルだったようだ。その彼に、凹角の右直上を登ってもらう。

 彼は、凹角を巧くステミングして登る。やっぱりそうなのかなぁ。

 やって見るのだが、足が開かないから、そして、下の石が恐いからどうしても思い切ったムーブが出来ない。

 先客が、今度は自分のマットを敷いて、また登ってくれる。で、2〜3回位有り難く先客のマットをお借りする。でも、後ろの石が恐くてもう一手が出せない。

 発電所脇の駐車場の下のソマの小橋を渡っている時にその下をデッドエンド方面に移動して行った3人組が現れる。やっぱりデッドエンドまで行って、濡れていたので引き返して来たようだ。彼らは凹角の右の方のアンダーだったかの課題をやり出す。

 先客は再びキックマントルの方に移動する。

 再び人工芝で挑戦を始める。左のリップのカチは取って、クラックの右のフェースに足を上げるのだが、なかなか体勢が決まらない。クラックよりも左のフェースの足を色々変えて見るがやっぱり恐くて駄目だ。

 後から来た3人組の二人が凹角の右側のカンテの右にある3級の課題をやり始める。暫く、凹角に挑戦しながら見ていたのだが、なかなか登れないようなので、例のおせっかいで、そっちを触らせてもらう。

 最初は登れなかったが、2回目に登る。でも、左足が凹角の右のカンテの所まで行ってしまう。こんなんで良かったのだっけ。もっと足が他に有ったような気もするのだが。先客もそこを登る。ムーブは小生とは少し違って、右足をリップ近くのスタンスに上げて登る。小生は、左手を返して、左足をリップの上まで上げる。

 後から来た3人組の一人も登る。

 先客の彼が、ところで、とあるとは何処ですかと聞く。まぁ、とあるボルダーは公然の秘密みたいな物だから、××だと答える。すると彼、自分はアルパインクライマーだから近くは良く行くのだがという。秋にそこに行けば見えるはずだがと答えると、確かにボルダーはいっぱい有ったけど、皆苔が生えていたと言う。確かに。ボルダーがいっぱい有り過ぎて、手付かずの物の方が多いからなぁ。

 既に周りが薄暗くなり始める。3人組も先客も帰る。我々は、薄暗くなってしまって、スタンスも見え難くなってしまった凹角にもう一度挑戦して終わりにする。

 玉堂の上の駐車場に戻ると、隣の自動車のカヌーの人が帰り支度をしている。トイレに行って、手を洗って戻って来ると、なんか免許証の様な物が落ちている。見ると、名古屋の人の免許証の様だ。若しかしてと、支度をしていたカヌーの人に聞くと違うらしい。その人が別の支度をしていたカヌーの人にも聞いてくれたのだが、その人も違うようだった。最初に聞いた人が、駅前の交番に届けてくれると言うので、お願いして、その人と少しカヌーのお話しをして、先に帰る。

 もう既に真っ暗である。でもまだ6時にはなってはいなかった。

 帰りも日の出町で今度は山車に出会った。今回は以前に行き合った時よりもなんとなく賑やかな気もする。以前は屋台みたいなのは無かったような気がするのだが。

 例によって、新奥多摩街道から甲州街道に出て、以前入った事のあるハンバーガー屋で食事を済ませ、高井戸から首都高で帰って来た。今回は途中行きも帰りも渋滞は全く無かった。やっぱり前回は3連休だったんだ。


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作成年月日 平成14年 9月30日
作 成 者 本庄 章