御岳ボルダーその43

2002年 9月24日記
 この3連休の最後の日に相棒と一緒に久し振りに御岳に行った。2ヶ月振りくらいになるだろうか。

 連休前半の2日間は用事が有り、最後の日も午前中用事が有ったので、連休最後の午後のみとなったが、外の岩自体が久し振りだったので、御岳に行く事にしたのだった。

 午前中の用事が済み、昼食のために入った蕎麦屋で1時間近くも待たされてしまったため、御岳に付いたのが既に4時近かった。

 用事があったのが三多摩地域だったため、また、以前新青梅街道で渋滞を経験していたため、五日市街道を走って見る。五日市街道は新青梅街道に比べると、片側一車線しかなく、細いのだが、新青梅の様な、信号待ち毎に2回、3回待ちと言う事も無く、それ程ストレス無く走れる。

 途中、雨が落ち始める。フロントガラスに雨粒が付くので、雨が降り出したとわかる程度だし、奥多摩方面の空も暗くはないので、そのまま、御岳で雨の降っていない事を祈りつつ、進む。

 拝島付近で道が少しごちゃごちゃし、何時もの睦橋通りに入り損ねたが、そのまま案内板に従って五日市街道を進み、あきるの市の市役所の付近で何時もの道に入ることができた。

 日の出町から何時もの梅ガ谷峠を越え、吉野梅郷の所で吉野街道に入ると、道が濡れている感じである。軍畑を過ぎる辺りからは完全に濡れている。ここまで来てしまったからもう仕方が無い。玉堂美術館まで行き、吉野街道脇の駐車場に入る。時間も時間だから、駐車場は空いていた。

 支度を整えながら、久し振りの御岳だったので、とけたソフトクリーム岩近辺にするか、忍者返しの岩近辺にするか迷ったが、とけたソフトクリーム岩はまともに雨を受けただろうと考え、忍者返しの岩に行く事にする。

 今回は、どうせ、一生懸命登る訳でもないと、マットは置いて行く。

 トンネルを抜け、林の中の道に入ると、やっぱり下が雨で濡れている。どうも相当に降ったようだ。まぁ、最悪岩に触るだけでもしょうがないと思いつつ、最初にマミ岩の前に行って見る。下地は湿っているが、岩は濡れてはいない。これなら登れそうだ。

 忍者返しの岩の前に行くと、何時もの人の何時ものカメラがセットされており、何時もの人がいる。他には誰もいない。ご無沙汰の挨拶をし、少しお話する。

 御岳はやっぱり少し前におお粒の雨が降っようだ。でも、すぐに上がったらしい。そして、我々が着く少し前に日が指し始めたらしい。丁度良い時間に着いたらしい。どおりで濡れていたわけだ。

 ここも久し振りだったので、白狐岩やその下流の岩を少し偵察する。

 何時も苦労する5級とか6級の課題のあるスラブチックな岩は濡れている所が残っている。もう一つ下流の2級のトラバースのある岩は、下地の穴が埋まり、今迄出来なかった2級のトラバースが出来るようになっており、ホールドにチョークがついていた。しかし、下地が湿っていたから、今回は諦める。

 戻って、白狐岩を見る。トラバースの課題は出来そうだ。マントライクの出だしを石の上に乗って触りながら、次のホールドも探って見る。左上のガバを使わないとすると、相変わらず、次のホールドがわからない。この課題は、もしかすると、小生にとっての永遠の課題なのだろうか。そんな気がしてしまう。

 右に廻って、3級の課題とその右隣の4級の課題を見て見る。下地に、こんなに岩が出ていただろうか。確実に下地が悪くなっている。3級の課題なんかもう小生には出来ないかも知れない。わざわざマットを敷いてまで挑戦する気も無いし。

 戻って、ストレッチをして、靴を持ってマミ岩の前に行く。相棒は忍者返しの岩の前で石を拾っている。

 マミ岩右、3級、の課題が、左手カンテをスローパーチックに持ち、右手タテカチでスタートし、それから左手少し高いポケットを取って登ると言う登り方では綺麗には登れていなかったのだ。ポケットがどうしてもデッド気味になってしまっていたのだ。それがなんとなく気持ちが悪かったので、先ずはそのムーブをやって見る。

 左足を少し高く上げて、その足に乗り込み、左手でポケットを取りに行く。少しデッド気味では有るが取れる。身体を上げて、右手を上の水平なホールドに伸ばす。しかし、濡れてはいないが、なんとなく湿っており、何時ものように両手を添えて身体を支える事が出来ない。従って足が見えず、足を上げることが出来ない。マットが無いから、思い切って足を上げる事も出来ない。仕方が無いから飛び降りる。

 ここの下地は悪くはないのだが、砂の上に小さな石が載っているので、運が悪いと、そのうちの一つだけ上に飛び出した石の上に着地してしまう。で、運が悪く、小さな石の上に飛び降りてしまったため、足が少し痛かった。

 その浮いた小石を均し、足を確認し、再度挑戦する。今度はスタティックにポケットを取る。上のホールドを取り足を探るが、どうも足がスタンスに乗らない。少し粘るが、また飛び降りる。

 スタンス間の位置関係や距離を再確認し、また取付く。ポケットを取ってから、足の位置を目で確認し、右足を置いてから上のホールドを取るが、やっぱり左足が上がらない。次のスタンスの場所が、全く見えないから、わからない。どうも右足を置く場所が悪い様だ。どうも左過ぎるため左足が上げ辛いようだ。

 今度も右足のスタンスを目で確認し、さっき使ったスタンスの少し右の少し凹んだ場所に足を置いて上の水平ホールドを掴む。足が載っているから両手で持ってもホールドに不安はない。相変わらず次のスタンスは見えないが、はっきりとしたスタンスだし、位置関係も改善されたので、探りながらでも足が置ける。

 身体を上げ、右足をリップに上げ、左足も一寸したカチスタンスに上げる。岩が湿っぽいが、スタンスははっきりしているし、傾斜が寝て来るから滑る心配はない。何時もはおっかなびっくりで取っていたような気のする一番上のリップを取って上に抜ける。

 4回もかかってしまったが、何とか安定して上に抜ける事ができた。最近は指を傷め気味だったこともあって、人工壁では確実に下手になっていたので、本当に下手になってしまったのかと心配していたが、この傾斜ならば今までよりは確実に登れたので、少し安心した。

 忍者返しの岩に戻って、改めて下地を見ると、忍者返しの下の以前の石が出ている。亀返しも出来るようになったようだ。でも、忍者返しのスタートホールドには手が届く。子供返しの左手の高いガバチックなカチホールドにも手は届く。少し安心する。

 人工芝を敷いて子供返しに取付いて見る。一応離陸は出来、右足も上げる事はできた。しかし、なんとなく飛び辛く、まともに飛びはしなかった。でも、ソコソコ手は延びた。これで、今日の子供返しはお終いにする。

 クライマー返しのスタートホールドを触る。スタート時に乗る石が結構出た状態になっている。小指、人差し指共になんとなく掛かるようになって来た気がする。左足を上げて見る。10cm程足りない。もう少しだ。

 休息時に寄り掛かる隣の岩で、足を上げるためのストレッチをして見る。足の裏は丁度又の辺りまでしか上がらない。クライマー返しの時の足はそこから更に10cm位上げなければならない。足を少し開いて見たが、そこまで上がる気は全くしない。10cmは絶望的なのだろうか。

 折角来たからと、忍者返しに触って見る。スタートホールドの右手の位置を色々と探って見る。このホールドは斜め細長いポケット状のホールドとでも言えば良いのだろうか。なんか持ち辛いホールドである。

 先ず、人差し指と中指の位置を探って見る。色々探るが、基本的には人差し指と中指の2本しか揃えては入らない。薬指と小指はどうしても段違いな場所になってしまう。

 師匠からこのホールドは人差し指のジャミングだと言われたのだが、彼は我々が右足で使うスタンスを左足で使い、我々とは反対の方向を向いてスタートするのでジャミングになるのかも知れないが、どうも我々のムーブではジャミングにはならないような気がする。

 色々探っていたら、一番上辺りが人差し指と中指が少し余計に水平に掛かる感じがする。しかし、そうすると親指の掛かりも良くはなるのだが、薬指と小指がはみ出してしまい、3本指で持つ感じになってしまう。人差し指、中指を下げると、その水平の場所に薬指小指が入り、5本の指で持てるのだが、人差し指、中指の掛かりが悪くなり、折角5本の指で持ててもあまりしっかりとは持てない。

 このホールドをガストン気味に持てば、指の第二から第三関節位まで掛かるので、その様に持つと言う人もいるのだが、ガストンで身体を次のホールドが取れる所まで持って行くのもきついムーブになり、小生には持ち切れない。

 結局、5本の指をかけて、どの指が効いているのかなんとなくわかり辛い感じで持つしかないかとの結論に落ち着く。

 人工芝を敷いて、スタートして見る。第一手目をやっと取る。足を上げる。しかし、駄目だ。諦めて降りる。やっぱり情けない結果になる。心配した通り、確実に力が落ちてしまったようだ。

 何時もの人は虫をやっている。もう腰も大分良いのだろうか。

 第一手目を取るためのスタンスへの立ち方をおさらいしてスタートして見る。結構楽に第一手目が取れる。やっぱりこれか。二手目スローパー。そして、すぐに三手目を出す。届かない。かすりもしない。スローパーを取りに行く時の力強さが全く感じられなかったから、届く訳も無いか。

 何時もの人が帰る。二人だけになる。

 少し休んで、またやって見る。スローパーで落ちる。何時ものパターンだ。悔しいから、少し休んですぐにやって見る。スローパーを触る事すら出来ない。一人だと休む時間が短くなってしまう。やぱり駄目だ。

 もう既に5時だ。意識的に少し長く休んで、また忍者返しに触る。スローパーで落ちる。今日はこれでお終いだな。

 でも、まだ時間はあるから、再度二人でマミ岩に行く。

 出来る訳は無いが、マミ岩右のSDをやって見る。スタートは何とかでき、一手目が出たが、久し振りの外岩だから手が痛くて、二手目に行けない。手順もすっかり忘れている。そう言えば、この課題、一番下のスタートホールドの両手スタートでは登れていなかったような。で、なんとなく気になったような気がする。それで、またやってみようと思ったのだと思うが、今回は出来そうに無い。諦めよう。

 これも気になっていたマミ岩中央をやって見る。この課題、どうしてもスタートが良くわからないのだ。その都度、なんとなくごまかしてスタートしているような気がするのだ。この際だから、この岩を徹底的に登ることにする。傾斜は無いから回数も稼げるし。

 中央を斜めに走る凹角状のカンテを左手で掴み、右手もなんとなくカンテ状のスローパーを持って岩の上に立つ。そこですかさず左手で凹角状の内側のほんの一寸したルーフ状のお饅頭のようなアンダーを取ってみよう。ああだこうだ考えた末の結論である。やって見たらできた。スタートはこれか。

 右足を上げて上のホールドを探る。中央の斜めに走るちょっとしたバンド状のガバホールドは使わない事にしたから、ホールドが無い。3回位落ちた。

 ガバの少し手前にカチがある。ガバに限りなく近い位置にあるが、バンド上ではないから、良しとするか。そのホールドを使って身体を上げる。なんとなく疲れているから、その先バンド上にスタンスを求めず、スラブにスタンスを求める気にならず、バンド上のガバに足を置いてしまう。今回はまぁいいや。

 そのカチがなんとなく気になるから、今度は、アンダーで両足を上げ、そのカチの上のリップを取って見る。取れる事は取れたが、持ち直しの所で、やっぱり疲れているから、弱気になって、再びバンド上のガバに足を出してしまう。元気なら、そのスタンスを使わなくても何の問題も無く行けるのだが。

 なんだかんだ、結構遊んでしまい、手が既に死にかけている。時間も時間だし、そろそろ潮時のようだ。最後に、もう一回だけ忍者返しを触ろう。

 またまた忍者返しに戻って取付く。やっぱりスローパーは触っただけだった。

 6時少し前だ。丁度良い時間かも知れない。渓谷から吉野街道に登る道で暗くなる。吉野街道に出たら完全に暗くなっていた。こんなに急激に暗くなるのかと改めて驚いてしまう。

 駐車場に戻り、何だかだ少しがたがたして、出ようとすると、隣の車にマットを背負った外人さんが帰って来た。そういえば、我々が入った時にはその車はいなかったから我々よりも遅くにここに来たことになるのだが、彼らもこの近くでボルダリングをやっていたのだろう。それにしても、こんな時間までどこに居たのだろうか。といっても、我々と10分も違わないから、とけたソフトクリーム岩辺りにでも居たのだろうか。もう着替えも済ませ、車のエンジンもかけていたので、声をかける事無く出発する。

 帰りは例によって、睦橋通りから奥多摩街道、甲州街道、首都高で家に帰る。お影様で、途中食事をしたりしたこともあって、渋滞する事も無く順調に走る。と思ったのだが、最後の首都高の千鳥町出口で渋滞してしまった。まぁ、たいしたことはないから、概順調に帰る事ができたことにしよう。

 千葉は相当な集中豪雨があったようだ。道路が完全に水没している所があったのだ。それにしても、我々は大した雨に降られる事も無く、良かった良かった。


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作成年月日 平成14年 9月24日
作 成 者 本庄 章