御岳ボルダーその42

2002年 7月13日記
 週末の天気がはっきりしないので特に予定は入れなかったこの土日だったが、予想に反して天気も良く、クラブの仲間も行くといっていたので、日曜日の昼から相棒と一緒に御岳に出かけることにした。因みにクラブの仲間は朝の7時に待合わせて行くと言う事だったので、当然別行動となる。

 どうせ昼間は暑いからと、1時過ぎに家を出る。日曜のこの時間だから、近くのショッピングセンターの横の交差点で少し渋滞したが、それ以外の道は空いている。4時前には御岳に到着する。しかし、玉堂美術館の上の駐車場は満員である。何時に無くカヌーの自動車が多いようだ。鮎釣りも落ち着いて、カヌーを再開する人も増えたのだろう。仕方が無いから発電所の駐車場に行く事にする。

 途中、御岳山の登山口に行く途中に田中君という岩があるらしい事を思い出し、それを見に行くことにする。

 発電所の先の御岳山登山者用の駐車場に車を入れ、そこから少し歩く積もりだったのだが、この駐車場はまだ工事中である。そこは今年の冬頃から工事をしていたからもう終わっているだろうと思っていたのだが、まだ終わっていないようだ。いったい何時まで工事をするのだろうか。若しかして、ただ閉鎖されてしまっただけなんだろうか。仕方が無いから、そのまま御岳山の登山口方向に進む。

 走っていれば右側に見えると言う事だったのだが、右側は沢になっていて、岩が有りそうな感じはない。途中、右側に工事用の車両が置いて有る少し広めの路側帯みたいな所が有り、車も止めて有ったので、そこに車を止める。

 その石には二段の課題が一つだけしかないというらしいので、一応靴は持ったが、特に支度はせずに歩きだす。沢沿いの少し狭い曲がりくねった少し登りの道である。ザックを背負ったハイカーらしい人達が降りてくる、日陰も有ったりする、そんな道である。歩き出して間もなく、少し開けた所に出て来る。左側には小さな神社もある。バスのUターン場所もある。その先には赤色の欄干を持った橋も出て来る。昔はここを結構多くの人達が歩いたのだろうか。今は営業をやっていないらしい旅館風の建物や、既に朽ち果てた自転車と荷物の一時預り所等もあったりする。

 橋を渡ると道が少し広くなり、右側に汚らしい中位いの岩が見える。あれだろうか。手前の結構大きな木が伐採された跡らしい草むらを分けながら岩に近付く。上は木で覆われ、側壁は苔で覆われている。掃除をしたような気配はない。沢側に廻って見る。丁度小さな堰堤のすぐ上に有るので、その堰堤を使って沢床に降りる感じになる。沢床といっても、せいぜい1mかそこらしか降りないのだが。

 沢側は被っており、苔は付いてはいない。しかし、薄暗くて、おまけに岩も黒くて、ガチャガチャしている感じでどこをどう登るのか見当が付け難い。出口も木に覆われていて、どこをマントルするのかもわかり難い。当然チョーク痕も無い。基部に歯ブラシが2本落ちているので僅かに誰かが登ったのだなとわかる程度である。下地は悪くはなさそうだから、少しは遊べたのかもわからないが、なんとなく意欲をそそられなかったので、対岸に渡って石の写真を撮っただけで、早々に道路際で待っていた相棒の元に戻る。

 道路に出ると、右足の親指の爪の付根辺りがチクチクする。素足にサンダルだから、なんか刺でも刺さったのだろうか。それらしい所を爪で押して刺を押し出すような操作をやって見たが、すっきりはしない。場所も特定出来ない。そんなに大きな痛みではないからそのままにする。

 発電所脇の駐車場に戻って、着替えをして、マットを担いで、デッドエンドに行って見る。途中マットを背負った若者集団とすれ違う。

 デッドエンドの岩の基部が濡れている。デッドエンドのスタート付近のアンダーの大ガバの所からはしみだしがあるようだ。下地も湿っている。石自体は基部を除いて乾いているから、デッドエンド横断だったかの課題以外は登るのには支障が無い様だが、なんとなく登る気がしない。ここは日陰になっているから涼しいのだが、虫がいるのをすっかり忘れていた。何度か小さな虫に食われてかゆい思いをしていたのだった。

 神路橋を渡って左岸の遊歩道を御岳駅の方に歩き出す。今日はハイキングもどきの日になってしまった様だ。

 丸こんにゃく岩の前にはピクニックの親子が遊んでいる。下地は出ているようだ。しかし、降りて確認はしなかったので正確な事はわからなかったが、石の基部はどうも水が付いている感じがする。まぁ日曜日だから、多分そうだろう。雨も続いたし。

 御岳大橋の下の落ち込みで水量を確認すると、普段と変わりは無い様だ。もしかすると普段の今の時期にすると少し少ない位いかも知れない。何故そんなことがわかるのかと言うと、って、まぁそんなことはどうでも良い話だから、また今度ということにしよう。

 ジャンピングフックの岩に若者らしい裸族集団がいる。丁度日が当たっている最中だ。今の時期の日の当たっている最中では、あの岩は大分にきついと思うのだが。

 とけたソフトクリーム岩に行く。誰もいない。荷物を置いて石に触る。フリクションも悪くは無さそうだ。しかし、準備をしてまで登ろうという気にはならない。なにしろ、ここまで歩いて来ただけでもう汗を少しかいてしまっているのだ。

 一応石に触りながらストレッチをする。特に足首のストレッチを繰り返す。飛び降りた時、足首が曲がらず足首に強い負荷がかかってしまう現象を少しでもやわらげる目的である。

 7級だったかの課題を裸足で登って見る。最初は手の手順が合わずに、右手のガバが取れず、てこずったが何とかごまかして、何時も見落としてしまう右足のスタンスにしっかりと足を乗せて上に抜ける。ここは何時もてこずる所なのだ。だから何とか簡単に登ろうと、最近何回か登った事のあるところだ。

 降りて来て、その左隣の5級だかのマントルの課題を登って見る。こっちはどちらかと言うと得意系だからすんなりと登る。

 相棒もお茶を飲んで一休みできたと言うので、忍者返しの岩に移動する。途中、御岳小橋の袂から吉野街道下の斜面に入っている踏み跡が有るのだが、これが以前から気になっていたので、思い切ってその踏み跡に入って見る。忍者返しの岩から吉野街道に登る道の途中に沢に沿って斜面をトラバースする様に見える踏み跡が有るので、もしかするとその道に繋がっていればとの期待を込めて登り出す。

 途中少しトラバース気味になる所も有るが、基本的には上へ上へと登って行く。そして、結局トンネルの手前の吉野街道の歩道の柵の所に出る。近道は近道なのだが、歩道の柵を越えなければならないのが難点である踏み跡であった。改めて、吉野街道から沢側の斜面を偵察して見たが、最近撤去された鉄の遊歩道があった壁の上に当たるから、歩けるような場所は無さそうだった。

 トンネルを抜けて沢に降りる道を下って行くと、クラブの仲間と出会う。帰る所の様だ。あまり登れなかったと言うから、このくそ暑い時の日中になんか登れる訳はないと言ったはずだとまた言ってしまう。何しろ、本日は都心では30度を越えているらしいし、熊谷か何処かでは35度にもなっていたらしいのだから。

 忍者返しの岩の前に行くと、既に5時だというのに、結構人がいる。ジムの仲間の一人もいる。忍者返しをやっているグループと虫をやっているグループの様だ。まぁ、いつもそんな感じなのだが。

 本日初めての靴を履く。その時、まだ少し痛い足の親指を見ると少し水脹れみたいに腫れた所がある。刺ではなくてなんかの毒虫に刺された様だ。触って見ると少し硬い感じである。靴を履いても破れたりはしなさそうだ。少し安心する。

 いきなり、子供返しを触って見る。最初少し心配したが、離陸はできた。こんなにいっぱいいる中で、いきなり子供返しを触って、離陸が出来なければやっぱり恥ずかしいから。

 4〜5人の若い女性に交じって忍者返しを触って見る。相変わらず最初のホールドが持ち難い。何だかどんどん悪くなる感じである。恐らくここが最初の核心なのだろう。そんなことを考えながら離陸したら、手がすっぽ抜けて第一手目から取れない。恥ずかしい。

 ちょっとだけ休んでまたやったら、やっと第一手目を取るが次のスローパーに止らない。女性達は新たにできた左足のスタンスを使って、結構楽そうに第一手目を取っている。しかし小生はそのムーブは、やりたくないので、やらない。

 暫くしてまたやったら、スローパーがやっと取れたが次の手が出ない。なんだかやる気が無いからなのだろうか。それに、最近は最初はガバを持っても指が痛いから、最初の一発目のパワーも出て来ない。まぁ、一手ずつは進んで来たから、アップ不足と言う事にしておこう。

 大分休んでからまたやって見る。スローパーの先を取りに行くが届かない。あと僅かなのだが。

 以前ここで良く会った人が来る。今日は犬はいないようだ。

 例のナックルジャムを試す。足を上げて見る。あと5cm位届かない。もう少しだ。また一生懸命ストレッチをする事にしよう。そうすれば今冬には足が上がるようになすだろう。まじめにストレッチをやればの話だが。

 何だか喉が乾く日である。相棒からお茶をもらって飲む。そんなことを何回も繰り返す。

 ザックの中をかき回していたらパンの袋がが出て来た。何時のパンだろう。見ると賞味期限が10日位切れている。丁度おなかも減っていたし、これを逃すともう食べられないかもしれない。これはもう今食べるしかない。封を切って匂いを嗅ぐとパンの匂いがする。大丈夫そうだ。マットに寝そべりながらパンを食べる。

 ジムの仲間は白狐岩の3級の課題をやっている。その課題は小生は大分前に登ったのだが、最近はまた登れなくなってしまった感じの課題だ。だから、あえて触る事はしない。

 また忍者返しを触る。スローパーからの次の一手はキョンで取れば少し楽になる事を思い出しやって見る。次のホールドの横を撫でる。もう少しだ。やっぱりキョンは少しだけ有効の様だ。

 また子供返しを触って見る。飛んで見る。距離的には届いているのだけどなぁ。

 またナックルジャムをやって見る。以前良く会った人が普通の人よりも少し左のスタンスを使って左手を取っているのを見て真似して見たが、足が滑ってしまってしっかりとは置けない。ある人が、ナックルジャムが決まれば足が上がるようになると言っていたが、二つ折りにしたマットの上から離陸した人がしっかりと次のホールドを取っていたから、ナックルジャムが決まっても足は上がらないかも知れない。とすれば、そこなら足が上がるのから、少しそのスタンスを使う練習でもやってみようか。

 ここも何だか小さなブヨみたいな虫がいっぱいいる。ブヨでは無さそうだから小ブヨとでも言うのだろうか。そいつが血を吸うからかゆくてしょうがない。時間と共に段々酷くなる。

 段々人が減って最後は我々とジムの仲間と以前良く会った人の4人になる。既に7時である。まだ明るい。もしかすると今が一番日の入りが遅いのだろうか。でもそろそろ暗くなるから引き上げる事にしよう。

 ジムの仲間と別れ、吉野街道まで登って、発電所の駐車場まで歩く。さすが薄暗くなって来る。途中小学生らしい子が相棒に話し掛けて来たらしい。聞けば発電所の入口の山葵屋の子らしい。その子と少ししゃべりながら歩く。ボルダリングは戯れにやった事はあるらしかった。

 車に戻ると、さっきの以前良く会った人がいる。この人は何時もトンネルの所に車を止めているので聞いて見たら、玉堂美術館の上の駐車場のトイレが掃除中だったのでこちらに来たとのことだった。

 さすが7時半になると暗くなって来る。途中、家に米が無いと相棒がいうので、通り道の以前良く帰りにアイスを買いに寄ったスーパーに寄る。このスーパーに寄るのも久し振りである。ここ5〜6年は寄った事が無かったかも知れない。懐かしかったので、以前良く食べたアイスを買ってもらう。

 睦橋通りのカードしか使えない初めて寄るセルフのスタンドでガソリンを入れて、新奥多摩街道の何時もの牛丼屋に寄って夕食を済ませてから帰る。途中ラジオでは高速道路の渋滞を伝えているが、甲州街道は何時に無く空いており、全く渋滞なく永福まで走る。

 途中まで窓を開けて走っていたのだが、風が強く、ラジオが聞こえ難いので、軟弱にも窓を閉めクーラーを入れて見る。やっぱりクーラーはそれなりに快適だから、結局その後は真夏でも滅多に入れる事のないクーラーを入れる事になった。

 永福からは首都高に乗ったが、さすが首都高は渋滞が有り、珍しくレインボウブリッジ経由よりも5分早い葛西まで30分で行くと言う箱崎経由で帰る事にする。

 箱崎からは何の渋滞も無く順調に走り11時には家に着いた。

 何しに行ったんだかよくわからないボルダリングではあった。


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作成年月日 平成14年 7月13日
作 成 者 本庄 章