御岳ボルダーその41

2002年 6月19日記
 日曜日に相棒と二人で御岳に行った。

 ここの所、週4日のボルダリングが続いたので、身体が、特に指が壊れかかって来たし、風邪を引いたのか前夜から少し頭痛がしていたのと、梅雨入りによる天候の不順で、今週末はおとなしくしていようと思い、日曜日の朝からゴロゴロしていたのだが、昼頃になって、曇ってはいるが、昨夜から雨も降っていないし、頭痛もなんとなく収まって来たし、家でごろごろしていても仕様が無いからと、御岳に行って見る事にしたのである。

 2時近くに家を出る。どうせ、1〜2時間石に触れれば良いのだから。日曜日の昼過ぎだから道は空いているだろうがあんまり遅くなっても仕様が無いからと、首都高から中央道で行く事にする。雲は結構厚い。何時降り出してもおかしくないない感じである。一瞬若しかして奥多摩ではとの不安が過る。

 箱崎から高井戸と順調に進む。やはり渋滞は全くない。ラジオではサッカーのワールドカップの試合の実況をやっている。どことどこが戦っていたのかはあまりはっきりとは覚えていない。何しろ、その実況から情景を想像出来ないので、あまり熱心には聞いてはいなかったのだ。

 それでも、睦橋通りの滝山街道の陸橋を潜った先の交差点の右折で、反対車線に入ろうとしてしまった。これは、決してラジオに気を取られたのではなくて、道路の構造が悪いからなのだ。普通に右折すると反対車線に入ってしまう構造になっているのだ。だって、何でもない交差点なのに、交差している道路の中央分離帯が異様に広いのだ。おまけに右折する先が片側2車線なのである。従って交差点が異様に細長いのだ。こういう交差点には白線で誘導路をちゃんと書いておくべきなのだ。ったく、日本の交通警察は捕まえる事しかやらないで、こういう不適切な場所の点検と言うようなことは一切やらないから、それで事故を減らそうなんて考えてるようだから、事故が減る訳は無いのである。と、小生は考えるのだが。

 4時前に玉堂美術館の上の駐車場に着く。こんな天気だから、また、アユ漁が解禁され、カヌーをやる人も殆どいないから、そしてこんな時間だから、駐車場は空いている。といっても3〜4台分だが。支度を整え、マットを担いで、忍者返しの岩に行く。

 途中、トンネルの手前から溶けたソフトクリーム岩を覗くが、木の葉が邪魔をして見えない。春先までは十分に見えていたのだが。トンネルを抜け河原に降りる道に入ると、何だかじめじめしている。草の葉っぱは濡れているように見える。やっぱり林の中はまだ十分には乾いてはいないようだ。道も湿った色をしているし。

 忍者返しの岩には何時もの人とジムの仲間が一人、そして若者が二人いた。もっともジムの仲間もまだ高校生だが。そのジムの仲間に聞くと、今迄その仲間の仲間、即ち高校生軍団が少なくも3〜4人はいたらしいが、ロッキーボルダーの方に行ったらしい。

 現在小生の通うジムは幼稚園生、小学生から高校生まで結構若い人達が多いらしいのだ。しかし、それらの子達と小生とは通う曜日が違うようで、小生の通う曜日は結構年期の入った人達が多いのである。従って、ジムの仲間といっても、そうしょっちゅう会う仲間ではない。

 何時もの人は何時もの如く蛙をやっている。若者3人は忍者返しをやっている。小生もいきなり忍者返しに触る。しかし、アップが充分ではないから、そして、指がまだ十分に回復していないから、ガバカチを持つ手の指が痛い。やっぱり今日は家で休息していた方が良かったかと一瞬後悔する。

 忍者返しの下には若者が持って来たらしいテント用の銀マットが敷いてある。小生の持参したマットは相変わらず二つ折りのまま小生用の椅子と化している。相棒ももう一つのマットに座っている。

 子供返しを触って見る。当然左手は十分に掛かるガバカチでスタートする。しかし、右手の細かい縦カチが持ち辛い。足を決めて離陸をしようとするが身体が上がらない。

 忍者返しを触る。スタートの右手の位置が決まらない。左足スタートのスタンスがまた低くなったような気もする。何だか離陸に苦労する。思い切って左足に立って左手を上のガバカチに持って行くが、このムーブがやっとである。まだまだ疲れが取れていないのだろうか。でも、一応スローパーから次のカチのサイドを触る。

 何回かこのパターンを繰り返す。で、たまにクライマー返しのナックルジャムを試みる。

 このナックルジャムだが、ここの所殆ど進展が無い。小指や人差し指の掛かりは感じるのだが、力を入れるとすごく痛くてとても力を入れる気にならない。それより何より、力を入れてもそれが効いている感じが無い。なんか抜けそうに感じられてしまう。痛いくせに力を入れると抜けそうな感じである。当然、効けば上がると言われる足も遥かに上がらない。

 マミ岩の一番右の課題が気になるので独りで見に行く。マミ岩の下地はまだ湿っている。何か敷かないと靴が濡れてしまうくらいだ。

 子供返しの離陸が出来るようになって来る。離陸して、右足を一歩踏み出して飛んで見る。距離的にはそんなに無いから、飛ばなくとも届くはずである。でも、あと少し届かない。何回かやっていたら、届いたのだが、手は止らない。前にやった時も届いても止らなかった。何故だろう。基本的には止める気が無いからなのだろうか。

 忍者返しも、スローパーの先が止らない。ホールドには届いてはいるのだが。正対でやったり、キョン気味にやったり、何回やっても同じようなものである。次のホールドの横面を撫でるだけだ。

 今日はなんだかスローパーまで行くだけで疲れるのである。第一手目が特に疲れるのである。やっぱり湿気ていて、最初のホールドが持ち難いようだ。それで疲れてしまうようだ。そう言えばここに着いた時に何時もの人が、丁度良い時に来たと言っていたっけ。それまで湿気ていたのが風が出て来てやっと乾き出した所だと。とはいえやっぱり、条件は相当に悪いようだ。

 若者二人が帰る。そこで、小生が椅子にしていたマットをジムの仲間のために忍者返しの下に広げる。実は、子供返しを飛ぶ小生のためでも有るのだが。と言うのも、最近のここの下地は結構小砂利が出て来たようで、気を付けないと踵を小砂利で打ってしまうことがあるようなのである。現に最初に子供返しを飛んだ時に、不用意に飛んだようで、踵を少し小砂利で打ってしまったようだ。で、途中からマットを敷こうと思ったのだが、若者の銀マットを借りていた手前、途中から自分のマットを敷き辛かったのだ。

 ロッキーボルダーに行っていたらしいジムの仲間の仲間の内の一人が戻って来る。そして、仲間と一緒に忍者返しに挑戦する。

 小生は再びさっき偵察に行ったマミ岩に行く。そして、SDのホールドを触ってみる。とてもそこから次の手を出せる感じがしない。出来ればやってみようと思っていたSD直上などとてもトライ出来そうに無い。ではと、左手をポケットの下の真ん中のカンテ状の所からの3級バージョンをやって見る事にする。

 右手は右の方の縦カチである。左足に乗り込んで左手を上のポケットに持って行く。じつはここがなかなか出来なくて、暫くは次の上のポケットからスタートしていたのである。それを久し振りにやって見たのである。しかし、出来ない。ポケットを触っただけで身体を剥がされる。

 3回目位にやっとスタティックチックなデッドでポケットを取る。本当にやっと取る。立ち上がって、足は見えないから適当に探りながら上げて、両手で上のカチを持って、右足を傾斜の緩くなる場所までやっと上げてスローパーチックなリップに手を伸ばして、やっとこさ上に抜ける。

 何時頃になったのだろうか、ジムの仲間は別の仲間からの電話で帰り支度し、帰って行く。何時もの人もそろそろ帰る。その時、少しお話をしたら、やっぱり昼過ぎにパラッと雨が降ったらしいのだ。その後少しは乾いたらしいが、それでどうやら湿気ていたようだ。通りで、忍者返しのスタートホールドを持つとすごく疲れてしまったわけだ。

 何時もの人も帰り二人だけになる。空の靄も濃くなって来ているようだ。そろそろまた雨がパラつくのだろうか。

 対岸の大岩に釣り師が一人現れる。相棒のお昼寝マットに座ってそれを眺める。そう言えば、既にアユが解禁になっていたのだった。通りでカヌーイストがいなかった訳だ。

 釣れた。対岸の釣り師に小さな魚が釣れたようだ。また釣れた。またまた釣れた。今度はまだ釣れないか。あれっ、もう餌を変えるの。今度はなんかを引っ張ってる。おっ、釣れた。また餌を変えている。また餌を変えた。釣れた。今度は場所を少し下流に移した。また釣れた。そんな感じで、短時間に結構釣れた。こんなおじさん、今迄初めてだ。御岳にも釣れる魚が結構いたんだ。

 結局、そのおじさんはあまり長くはいなかったが、その間、ずっと見ていた。釣り人を見ている人が一番の閑人だと言うらしいが、マットに座って、将にボケーと見ていた。相棒とも殆ど話しをせずに。こんなにのんびりするのも本当に久し振りである。

 そろそろ帰ろうか。その前にもう一回と忍者返しに触る。益々スタートホールドが持てなくなっている。湿気が酷くなった事もあるだろうが、何だかんだでそれなりに疲れてもいたのだろう。次のガバカチに触って落っこちた。さあ帰ろう。

 トンネルを抜けた所で雨が落ちて来たような気がした。まだ少しは明るいから、いればいられたのだが、引き上げて正解だったようだ。

 駐車場に戻ると、小生の自動車のスモールランプが点いている。ここを出る時に若しやライトが点っ放しかと心配になったのだが、そのまま確認に戻らなかったのだ。やっぱり心配は当たっていたのだった。急いで自動車に戻ってライトを消し、少し落ち着いて、荷物をしまって、おもむろにエンジンをかける。かかった。何のストレスも無くかかった。良かった。

 実はこの自動車、殆ど手入れらしい事はやっていないから、バッテリーも、使い始めてからもう何年も経っているから、多分大分弱っているだろうから、エンジンがかからなかったらどうしようと、ドキドキ物だったのである。雪の小川山の朝に味わったドキドキ感よりは少しは少なかったが、ここに自動車を置いて帰る事を一瞬考えてしまった。

 今回もまた何時ものように新奥多摩街道から甲州街道を通って、何時もの西府中のハンバーグ屋の少し先の府中のハンバーガー屋で少し遅い夕食にする。今回のハンバーガーは少し食べ難かった。

 その後は渋滞も無く、首都高を使って、箱崎を廻って帰って来た。

 やっぱり、ボルダリング中毒になっちゃったのかなぁ。別にいいんだけど。


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作成年月日 平成14年 6月19日
作 成 者 本庄 章