御岳ボルダーその39

2002年 4月30日記
 連休の初日、相棒と御岳に行った。

 連休はジムの仲間と再びとあるボルダーエリアに行く予定なのだが、初日の午前中にちょっとした用事が有り、それを済ませてからとあるボルダーエリアに直行する予定を、それでは現着が3時か4時頃になってしまいもったいないからと、御岳で遊んでから行くことにした結果である。

 そんな関係で、御岳に1時過ぎに到着する。途中、連休初日の土曜日と言うのに、首都高、中央道ともに混む事は無かった。

 どこに行くか決めておらず、またなんとなくまたデッドエンドかと考えていたのだが、玉堂美術館上の駐車場が空いていたので、そこに入る。

 忍者返しの岩も、特に目標も無いので、とけたソフトクリーム岩に行く。途中、トイレの前で、仲間が何時も買うと言うお饅頭を売っていた。小生、このお饅頭をまだ食べたことがない。というか、売っているのを見た事がない。折角だから買って見ようと相棒に話すと、財布を持っていないと言う。小生も持って来なかった。しかたが無い。

 とけたソフトクリーム岩の前には先客が3名。何時もの人と、以前ジムでお会いしたと言う人と関西からの人であった。

 何時もの人は水際カンテ。ジムでお会いした人はキックマントル。関西からの人は初段のトラバースをやっている。小生は特に何処と言う事も無く岩を触る。

 最初は凹角のずっと右の方のアンダーというやさしい所。ここが、未だに易しく登れない。四角い大きな出っ張りの横とか下とかにガバが有るのだが、それを巧く使えない。その辺のホールドやスタンスを確かめながら登って見る。そのお影か、今回はまあまあ易しく登れる。

 裏に廻って、スラブを触って見る。最近はどうも少し高いスラブが恐くなってしまって、なんかあまり登る気がしないのだが、久し振りにスラブを登って見る。ところが、出だしがなかなか出られない。手も足もこれと言う物が見つからない。

 ああだこうだやってみて、やっとスタンスを決めて出る。グレード的にはやさしいから、登りはしたが、なんとなく安定性に欠ける気がした。

 すぐ隣でキックマントルをやっているので、真似をして、キックマントルをやって見る。スタートホールドがもう一つしっくり来なかったが、左足でスタートする。右足に乗り込んで、右手から左手を返したのだが、その左手に乗り切れず、落ちる。今回はこんなものだろう。

 なんとなく凹角左をやって見る。右手クロスでリップ上のカチを取り、左足を開いた所で剥がされる。

 凹角の右に行って見る。右足カンテの顕著なスタンスに乗って、右手を探る。以前登った時は確か右手を開いて右の方にガバっぽいホールドを持ったとの記憶から、右手のホールドをリップからその下辺りに探るが、それらしい物は見当たらない。おかしいなと思いながらなおもしつこく探るが、見つからないので諦める。

 それを見ていた関西の人が、なんか限定が有るのかと聞くから、黒本の課題は特に限定は無いはずだと答える。しかし、話している内にトラバースの課題と勘違いしていた事が解る。小生はトラバースはやったことがないからわからないと再度答える。

 このトラバースの課題は改訂版黒本から乗った課題である。凹角からスタートして右の四角い出っ張りの所辺りを目指してリップをトラバースして行く課題の様だ。

 今度は少し気合を入れて凹角左をやって見る。ここはリップのマントルが未だに安定したムーブで出来ていない。危なっかしいバランスで、細かいカチを何とか使ってやっとこさマントルをしている状態である。今回はそのマントルをスマートにやりたかったことを思い出したのだ。

 右手クロスでリップ上のカチを取って、足を左に開いて左手もリップ上のカチを取る。そこからのマントルを、ビデオで見た某ボルダラーの、右足をクラックに置き左手を返してマントルすると言うムーブを真似て見る。すると、あっさりと左手が返り、右手で岩のテッペンを持つ事ができた。左足を上げる時にちょっと膝を使ってしまって、スマートさに欠けてしまったが、安定して登る事ができた。

 関西からの人を真似てトラバースに挑戦する。凹角から右のカンテに出て、右の方の少し遠いリップ下のガバを取ってそのガバに左手を添え持ち変えるというのが最初の核心のようだ。足があまり良いのが無いし、右手が開いているから、左手を寄せて持ち変えるのが難しい。

 最初は関西の人は、凹角の上の方のリスを使っていたのだが、小生がリップの縁をアンダー気味に持つやり方をやったら巧く行ったのを真似て、凹角のリスを使わずにカンテを廻り込む事ができた。

 カンテのスタンスに左足を乗せて右手でリップをアンダーに持つと、リップ上の細かいカチに左手が持って来れる。その手で右のリップ下のガバを取る。そこからがなかなか出来ない。

 関西の人は何回目かにリップをトラバースして上に抜ける。でも、なんか初段ではない感じがすると言う。後日この課題の設定者に確認した所、やっぱりスタートからリップを廻り込む所が上に上がり過ぎていたようだ。カンテのしっかりしたスタンスまで上がってしまってはいけないようだ。まぁ、上に上がったとしてもソコソコ難しい気はするから1級は有るのだろうが。

 どうしてもリップ下のガバで持ち変えが出来ないので、そのガバのすぐ横のカチを使って左手をガバに寄せて見る。最初は失敗したが、3回目か4回目にそこの部分は成功する。しかし、その先のリップのスローパーでのトラバースが本当の核心の様だから、先はまだ長い。当然スローパーまで手を出すことすら出来ずに落ちる。

 その後、1回か2回だけそのガバを左手で持ち足を送ろうとしたが、結局その後はガバすら持てなくなってしまった。やっぱり疲れてしまったようだ。明日はとあるボルダーエリアに行く訳だから、本日はこの辺と言う事で引き上げる事にする。

 すでに何時もの人は忍者返しの岩に移動しており、ジムで会った事のある人はいなかった。関西からの人と少しお話をし、引き上げる。その時、関西の人が、よくあんなカチを持てるなと感心してくれる。確かに、非力なパワークライマーはいつのまにかカチラーになっていたようだ。

 5時前に駐車場に戻り、家から持参した魔法瓶鍋のクリームシチューを食べる。さすが、鍋ごと魔法瓶に入れてしまう鍋だから、まだ熱いくらいである。それにフランスパンを食べたら結構おなかがいっぱいになってしまった。

 今夜はとあるボルダーエリアでテント泊の予定である。5時頃御岳を出発し、柳沢峠経由で一路とあるボルダーエリアを目指す。

 これからとあるボルダーエリア編に繋がるのだが、一応以上で御岳編は終わることにする。


戻る

作成年月日 平成14年 4月30日
作 成 者 本庄 章