御岳ボルダーその36

2002年 3月25日記
 日曜日に相棒と御岳に行った。

 今回も途中用事が有ったので、甲州街道から、新奥多摩街道、睦橋通りを通って御岳に行く。

 睦橋通りがあきるの市の滝山街道と交わる辺りが最近整備され広くなっているので、その先が気になり、普段なら曲がってしまう滝山街道との交差点を直進し、その先を偵察する事にする。

 それまでは歩道部分も無い片側一車線の少し蛇行した道路だったのが、片側2車線のまっすぐな広い道路になって五日市街道に合流している。しかし、その分信号も整備され、その信号が悉く引っ掛かると言う、市街地特有のタイミングになっているため、スムースに走れない。おまけに、途中から右折した八王子から日の出町まで行く道が渋滞しており、予想外の時間を消費してしまった。若しやと思って走って見た道だが、この道は使える道ではなかった。

 日の出町に入ると雨がぱらつきだす。梅ガ谷峠では結構降って来る。しかし空はそんなに暗くはない。所謂天気雨の類だ。少し不安にはなるがそのまま進む。

 12時半頃御岳に到着する。幸い雨は殆ど上がっていた。

 途中の道の混み具合から若しやと思っていた発電所脇の駐車場は意外にも混んではいない。正規のスペースがいくつか空いていた。

 デッドエンドの岩に行く。今回はデッドエンド直上を触ってみようと言う魂胆である。

 デッドエンドの岩には先客が5人。内一人はジムの仲間である。他は、知り合いが1名、顔見知りが2名である。

 ジムの仲間はデッドエンド直上を登り、デッドエンド左に挑戦中だとか。

 アップで、右の方の4級の課題に触る。例の課題である。実は何日か前に以前の自分のビデオを見ていたら、この課題のスタートの足が最近の自分の足と違う事を発見したので、それを確かめるためでもある。

 最近の足は水平クラックの大きなポケットの一番右の一番広い部分に入れていたのだが、ビデオの足はその少し左の少し狭い所に置いている。このビデオを見た時に、確かキョンなどしなくてもリップ下の縦ガバが持てたはずだと言うもやもやした疑問がまたまたよみがえり、それがこれだったのかと気付いたのである。

 果たして、少し左の狭い所に右足を置いて身体を上げると正対のままスタティックに縦ガバが取れた。これでやっともやもやが解消した。

 今回ここで会ったこのジムの仲間に数日前に教わったデッドエンド直上のスタートの左足をキョンに置くというムーブをやって見る。ある雑誌のあるウエアメーカーの広告の写真が将にその場面なのだそうだが。そして、今日デッドエンドに来た本当の目的もこのムーブを試すことでもあったのだが。

 これも、以前はなんか変なムーブでもっと簡単に上のポケットに手が届いたはずだと、最近ずっと疑問に思っていたことである。で、やってみると、出だしがちょっと変な感じでは有るが、ポケットは確実に取れる。やっぱりこれもこれだったのだ。これでデッドエンドの岩での疑問が全てすっきりした。よかった。

 ポケットに届くようにはなったが、そのポケットが持てない。親指を使ってピンチで持って見てもすっきりしない。指2本だけで引っ掛けて見ても同じ。ポケットに指を入れてあれやこれや動かしている内に疲れて落ちる。そんなことを何回も繰り返す。

 デッドエンドをやって見る。小生のムーブでやって見る。ポケットを取って次のポケットを狙う。そのポケットに指が入る。瞬間に身体が開く。そのまま落ちる。スタティックに取れるかと一瞬思ったのに。残念。

 ジムの仲間がデッドエンド左をやっているので真似て見る。彼は左手アンダー気味のガストンで右手ポケットを取っている。それを真似る。左足に乗り込んで、左手アンダーを効かそうとするが、効かない。右手が全く出ない。

 左のカンテを触って見る。左足をカンテのちょっとしてスタンスに乗せてスタートする。あとはカンテを使って上に行く。カンテがリップ状になる所までは行くのだが、その先足が無く高さも増しているから思い切ってリップに手を送れない。下にはマットが何枚も敷いてあるからマットに飛び降りる。

 イギリス人のトラバースをやって見る。狭いトラバースだから疲れる。2手か3手ですぐ止める。

 また雨がぱらつきだす。今度は結構岩が濡れだすくらいに降り出したようだ。といって、本降りになる様な空模様ではない。

 再びカンテをやって見る。リップの所はさっきよりは余裕がある。足を色々探って手を動かしたら、岩が濡れているから手が滑る。落ちた訳ではないが、なんか危なそうだから飛び降りる。

 もう今日は終わり臭い。支度をして一足先にお暇する。

 河原に出て、まだ未練があるから、中州ボルダーを見に行く。雨は上がったようだ。

 相変わらず下地は高い。ジャンピングフックをスタティックにやるのをやってみようと思ったのだが、下地が高いから、どのホールドでスタートしたのかもう忘れてしまっているから、どの辺からやれば良いかがわからない。

 対岸に渡って丸こんにゃく岩に移動する。途中、対岸のデッドエンドを見ると手を振っている人がいる。多分前回デッドエンドで一緒になった忍者返しの仲間であろう。我々が去った後に来たようだ。我々も手を振り返す。

 丸こんにゃくの手前で、また、相棒が中年のハイカーの夫婦に小生のマットは何に使うのか聞かれている。今回は棒の先につけた束子も持参していたから、その束子の使いみちも聞かれている。その夫婦は本当に理解したのだろうか。岩から飛び降りるためのマットだとか、岩を磨くための束子だとかの説明に対して。大いに疑問である。

 丸こんにゃく岩は乾いている。登れそうだ。荷物を置いてパンを食べる。

 丸こんにゃく左をやって見る。今迄は下の方のスタンスに左足で立ってスタートしていたのを、今回は市販のビデオで見た様に左の少し高い所に置いてやって見る。

 多分以前はそのスタンスではスタートが出来なかったと思うのだが、今回はスタート出来る。よし、この足だ。しかし、そのスタンスは少し左の方だし、ポケット気味ではあるが、方向があっちを向いているからかかりはさほど良くはない。

 なかなか飛ばした右手が止らない。場所も良くは分からない。そばの岩を使って上を偵察する。

 何回目かで右手が止りだす。左手をすぐ目の前のホールドに飛ばす。両方ともカチチックなスローパーだから、やっとしがみついているから、その先が動けない。足も離れてしまう。2〜3回繰り返す。

 それまで履いていたリソールした靴に履きかえてみる。フリクションには定評のあるソールだ。

 多分その所為ではないとは思うが、手もしっかりと止りだす。再度、上を偵察する。左手の次に取っていたホールドの左奥にカチホールドがある。これを使えば身体が上がりそうだ。

 スタートして右手を飛ばして左手を左奥に飛ばして見る。少し届かない。さっきまで使っていたホールドで中継して見る。なお悪い。

 中継せずにやって見る。何とか届いた。次はその上のガバだ。その一段下にややガバがあるので、それで中継してやっと上のガバを掴む。しかし、足が無い。ばたばたしていたら落ちた。おしぃ。

 左足の乗り方を研究する。掻き込むような感じで乗らなければ駄目だと気付く。

 しっかりと左足に乗る感じでスタートする。右手を出す。少し楽な気もする。左足に乗り込む感じで少し身体を上げて左手を左奥に飛ばす。届いた。なんか余裕で届いた。右手も余裕で取れる。足を探る余裕もある。なんか少し後ろの岩がお尻の辺りに触った気もするが、力をかけた訳ではないからと、あまり気にしない。左足を上げると簡単に岩の上に立てた。やった。やっと丸こんにゃく左が登れた。左足で登れたのだ。

 丸こんにゃく中央を触って見る。スタートホールドはなんとなく解る。しかし、スタートスタンスに足が上がらない。あと5cm位だと思うのだが、そこが上がらない。他のスタンスも探るが使えそうなスタンスは見当たらない。小生の芸風ではないようだ。

 久し振りに鵜の瀬岩まで行って見る。途中トラバースボルダーには沢山の人がいた。

 鵜の瀬岩には昔ジムで良く一緒になった人がいた。一生懸命鵜をやっているようだった。なんか邪魔するような感じだったし、下地が濡れていたので、忍者返しに移動する。

 鵜の瀬橋を渡ると、そこから下流側、即ち、ロッキーボルダー側の遊歩道は通行禁止になっている。崖崩れの危険のある箇所を補修しているようだ。3月いっぱいは通れないらしい。

 忍者返しの岩の前には10数名の人がいただろうか。結構人がいた。対岸から見た時にはそんなに人はいなかったのだが。

 白狐岩の方に沢山の人がいるが、忍者返しの岩の前にはあまり人はいない。で、忍者返しの岩の前の人達には結構知った顔がいる。というか、見た事のある人が多くいる。まぁ、大半が常連さんというところだろうか。

 忍者返しの岩では虫と蛙をやっている。蟹のトラバースをやっている人もいる。小生は子供返しを触って見る。

 左手はカチで、右手はあまり利きの良くないカチである。右足を少し右に出して飛んで見る。当然届かない。

 右足を少し右に出し過ぎか。スタンスから次のホールドまでの距離を計って見る。意外と距離はない。足はもう少し下でも良さそうだ。足を下げて飛んで見る。指がホールドを捕らえる。が、止りはしない。で、すごく痛い。多分この課題も芸風ではないのだろう。別の岩に有れば多分触らないだろう。そう思いながら何回か飛ぶ。

 例によって、クライマー返しのスタートホールドを触る。なんとなく止りそうな感じはするのだが、もう一つの決め手が無い。決まりだすと本当に決まる、と登れる人は言うのだが。

 また知り合いが現れる。さっきの鵜の瀬岩の人も来る。トラバースボルダーで遊んでいたと言う人達も来る。先程の奥の集団は引き上げるようだ。相変わらず出入りは激しいようだ。

 トラバースボルダーで遊んでいたと言う人の中に、以前お会いした人がいる。最近はあまりお会いしなくなってしまって、少し寂しく思っていた方だ。小生よりは大分以前からボルダリングで御岳に見えていたという、多分同じような年格好の方だからだろうか。

 いつのまにかその方々も引き上げる。そして、以前会った事のある二人組が現れる。そのうちの一人が忍者返しを登る。それを見て小生もやって見る。やっぱり核心で落ちる。その人が、スローパーから手を飛ばす時に以前は足をキョン気味にしたと教えてくれる。これは試さねばなるまい。

 やって見ると、スローパーの次のホールドに止る。よしと、飛び降りる。すると、教えてくれた人が勿体ないと言う。既によれているから、この先で落ちたくなかったからと答える。実は止りはしたがしっかりとは取れてはいなかったのだ。

 1回ではまぐれかもしれないからと、2回目もやって見る。すると、2回目も取れる。今度もあまりかかりは良くはなかったがクロスから先をやって見る。足が決まらない。やっぱり落ちる。相当によれているようだ。なにしろ、デッドエンド直上と丸こんにゃくで相当に指を使ってしまったから。それでも取れるのはやっぱり相当の威力だ。

 教えてくれた人と一緒に子供返しを何回か飛ぶ。結局ホールドを触ったのはその後は1回だけだった。

 キョンを教えてくれた人とお話しをしている時に、クライマー返しの上の方の岩が大きく欠けているのを発見する。後で知った事だが、クロスで取りに行くホールドが有った部分らしい。くっきりと剥がれた跡が残っていた。

 5時半になったので、帰る事にする。

 発電所の脇の駐車場で支度をしていたら忍者返しであった2人連れの人がマットを背負って帰って来た。特に親しい訳でもないから挨拶は無しに我々が先に出発する。

 帰りはいつもの道で牛丼屋に寄って高井戸まで帰る。しかし、道は今までよりは混んでいる。特に甲州街道は渋滞といっても良いくらいに混んでいた。やっぱり年度末なんだろうか。ラジオでも高速道路の混雑を伝えていた。


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作成年月日 平成14年 3月25日
作 成 者 本庄 章