御岳ボルダーその34

2002年 3月 4日記
 日曜日に御岳に行った。相棒と一緒である。

 9時頃出発。道は空いている。

 吉野街道に入ると、吉野梅郷が梅祭りで、その付近が渋滞するが、少し進むと解消した。ところが、御岳の駐車場が混んでいる。発電所脇の駐車場もいっぱいである。先の御岳山登山者用の駐車場まで行くが、そこも工事中で使えない。仕方が無いから、発電所迄戻り、駐車場への取り付け道路脇に駐車する。

 先週に続いてデッドエンドに行く。今日は寒いから、相棒は誰もいないだろうと言ったが、先客が4名いた。内一人は先週もここで会った知り合いだった。

 支度を整えてアップをする。序にデッドエンドの抜け口のホールドを偵察する。思っていたホールドは意外に悪そうだ。そんなに悪くはないと人は言うのだが。

 降りて来て、例のなかなかすんなり登れない4級の課題を、左手の持ち方を少し変えてやってみたら、なんとなくスタティックチックに次のホールドが取れた。

 少し休む。

 先客の一人がデッドエンドをやっている。やっぱりムーブに迷っているようだ。

 このデッドエンドは決まったムーブと言う物は無い。というか、大半の人がやっているオーソドックスなムーブというものが存在しない。まぁ、おおざっぱには幾つかの代表的なムーブは存在はするが、人によって、特にリーチによって、それぞれの最適ムーブが違うようだ。

 スタートからの2〜3手のホールドは結構沢山存在する。しかし、そのどれもが皆悪いのである。それで先ずどのホールドを使うか迷う。そして、その先のポケット状のホールドを取りに行くスタンスは極端に少ないのである。あるスタンスで次のホールドに届かないと、全く違うムーブで全く違う場所のスタンスを使わなければならない。そのスタンスは大分高くなって、大分離れて2つ3つあるのである。少し被っているから、ちょっとバランスが悪いと剥がされてしまうし、その一寸したバランスがそれぞれの体形で微妙に違うし、手は良くないし。で、難しいのである。

 小生は、その辺を大分研究して、最近やっと一つの核心である、左手でポケットを取るムーブが決まりかけて来たのである。

 しかし、このポケットに今はデッドでしか届かない。で、まだ一回しかそのポケットを取れていないのである。なんとかスタティックに取りたいと思ってはいるのだが、それが出来ないでいる。でも、今のところそのムーブしか無いから、今回も一応そのムーブをやって見る。

 最初は、足が滑って、ポケットも取りに行けない。多分寒いからソールが硬くて滑ったのであろう。この寒さならソールはC4でもビブラムでも変わらないかもと思って、オリジナルのミウラを少し長く履いて、ソールを暖めてからやって見る。でも、あんまり変わらないようだ。で、やっぱり張り替えミウラに戻す。

 3回か4回でやっとポケットを取りに行けるようになる。人はあまり使わない左の方のポケットを中継に使って、足を上げて、左手と右手で引付けて左手を出す。剥がされる前にポケットまで手を出す。だからどうしてもデッドになる。スタティックに取る事を考えているから、手を出しているだけで、本気でポケットを取ろうとはしていない。従って、ポケットは取れない。

 荷物を持たず、靴とチョークだけを持った人が一人来る。何回か会った事のある人である。

 この人、デッドエンド左をぽんと飛んで、次はデッドエンド直上をさくっとやって、帰っていった。デッドエンド直上のポケットを下から伸びてスタティックに取っていた。そんなにリーチのある人には見えなかったから、しっかり左手のポケットが持てていれば、右手のポケットはスタティックに取れるのかも知れない。ポケットまでの距離を思わず計ってしまった。

 以前ここでお会いした人が独りでやって来る。

 同じ事ばっかりやっていても疲れるから、沢側のイギリス人のトラバースの面の右のカンテの課題を触って見る。

 右カンテの少し奥の親指が少し掛かるミリカチホールドと左手前のフェースの一寸したカチで身体を上げて左手でカンテを捕らえ、右手をカンテの少し奥の少し掛かる所にもって行ければこの課題は終わる。

 2回か3回やって見たが、カンテが甘くてなかなか止らない。さっき来た知り合いが登ってくれて、その人の左足のスタンスを使ったら、何とか登れた。やっぱり右足だけで立っただけではカンテは甘すぎて止らなかった。

 ついでに、隣の例の4級をやってみる。左手の持ち方をさっきやったもち方にして、右足を少しキョン気味にしてやったら、リップ下のガバがスタティックに取れた。これだ、この足だ。やっと解決した。

 先客の2人も帰って行く。知り合い2人とその一人の人の連れと、この人も多分何回か会っていると思うが、4人でデッドエンドに取付く。

 先客の知り合いがポケットに一度止ったが、足が上がらなかった。

 小生は、どうしてもスタテイックに出来ないから、別の幾つかのムーブを試す。左の高いスタンスではなく、右下のスタンスに左足を一度アウトで上げ、右足を右の高いスタンスに上げる、左手に中継のポケットを使わず、それより右のアンダーチックなミリカチを左手で持って左足を上げる、等など。しかし、どれも今のムーブより悪い。今のムーブで左足の使い方を工夫するしかないか。

 結局たいした進展も無く、とけたソフトクリーム岩に行くと言う知り合いに付いて、とけたソフトクリーム岩に行く。神路橋の工事はまだかかりそうだ。

 滑り台岩、溶けたソフトクリーム岩、オーストラリア岩、それぞれに人がいる。それよりなによりすごいつり人の数だ。キックマントルの下では焚き火も行われている。若しかして、今日はヤマメの解禁日か。釣り人に聞くとやはりそうだった。この日の昼の12時に解禁になったばかりだった。道理で駐車場が混んでいた訳だ。

 そんな訳だから、とけたソフトクリーム岩の回りには釣り人がいっぱいいる。そして、竿を振っている。ルアーとかとは違うからそんなに竿を振りはしないが、大丈夫だろうか。

 そんな心配をよそに、ここの先客や知り合い達は水際カンテをやっている。真似して、小生も少し触る。

 この水際カンテだが、以前、下に出ている石からスタートするから下地が動いても関係ないと聞いた覚えがある。で今回下地に、今迄見えなかった石が出ている。スタートの石って、この石だったのか。しかし、石の位置が少し右よりな感じがする。石が隠れていた時はもう少し左から丸いふくらみに抱きついてスタートしたように思う。この石からだと丸い膨らみに抱きつけない。2回か3回やってみたが、自分のグレードではないから止める。

 凹角の右隣の3級の課題を知り合いがやっているので、小生もやって見る。右手で浅いポケットと言うよりはカチを取って左足に乗って左手を返して足を上げれば登れるのだが、マットを敷いていないし、無理する事も無いからと、手を返す事無く、そこで止める。

 何回か書いたと思うが、凹角左が未だ一回しか登れていないので、再度、ここを何とか登りたいと思っていた。幸い今回はそんなに疲れていないから、凹角左をやってみる。

 縦リスのホールドを取って、クロス気味にリップの上のカチを取る。凹角の右の壁をステミング的に使って足を上げ、左のリップの上の僅かなカチを探す。それを軸にして、なんとか身体をリップの上に持って行き、なんとかマントルを返す。危なっかしいバランスだったが、なんとか上に抜ける。そこまで行くのに2回か3回かかったが、何とか登る。やっとできた。

 降りて来て、足を見ると、張り替え靴である。前回登った時と同じソールだ。じゃあ当然だ。ビブラムソールで登らなければ。

 少し休んで、靴を履き替えて、再度挑戦。今度はリップのカチを左手で取り、その少し上の窪みを右手で取って、結局は左側のリップにマントルする。でも、この靴でも登れた。通算3回登った。この靴でも、スタンスをしっかり認識して登れば十分に登れるのだ。靴の所為でもなかったのだ。

 さっきの3級の課題もマットが敷かれている時に登ってみた。やっぱりマットがあるから、マントルも返す気になった。まぁ、登れたからってどおってこと無いのだが。

 凹角左に気をよくして、凹角左を左のリップに出ないで、一番高い所を目指して登ることに挑戦する。某有名ボルダラーのビデオでは、リスの左上のほうの出っ張り状のところを持って簡単にマントルを返しているので、その出っ張りを使って登ろうとしたのだが、その出っ張りにホールドなんか殆ど無い。リスを使ったりして一生懸命足を上げて、左手を返そうとするのだが、手が返る傾斜でもない。とっても歯が立たない。都合何回挑戦しただろうか、結局出来ずに諦める。

 4時近くになり、知り合いは帰ったので、相棒と2人になった。

 相棒を残し、オーストラリア岩に行って見た。ここのカンテの3級が未だに登れていない。デッドエンドで会った2人組みも帰る所だった。

 つるつるのカンテとスタンスを触って見る。右手のホールドになりそうな所を触って見る。どれもホールドにはなりそうに無い。スタンスも、皆滑りそうで恐い。下地の砂が湿っていたので、靴の裏を調べるとやっぱり濡れている。足拭きマットで拭いて乾く感じも無い。即刻諦めて相棒のもとに戻る。

 すでに4時を廻っている。今日は昼間から日差しが無かったから、急激に寒くなったと言う感じではないが、なんとなく寒くなって来ている。

 まだ明るくはあったが、帰る事にする。

 いつもよりは少し早かったから、甲州街道を帰った。ラジオではあちこちの高速の渋滞を報じていた。


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作成年月日 平成14年 3月 4日
作 成 者 本庄 章