御岳ボルダーその33

2002年 2月25日記
 久し振りに相棒と日曜日に御岳に行った。

 11時頃御岳に到着。そろそろ梅見の季節である。

 今回はデッドエンド狙いなので発電所脇の駐車場に行く。ものすごく空いている。こんなに空いているのも久し振りである。

 デッドエンドには先客が一人。以前お会いした事のある人であった。毛糸の帽子を被っていたので、最初は見た事のある人だなぁと、少しじろじろ見てしまった。彼もデッドエンドを狙っていたらしい。

 彼もアメリカに何回かクライミングに行っているので、少しビショップのお話をする。やっぱりキッチン付きのモーテルでボンズのお世話になっていたらしい。ボンズクラブはやっぱりぜひ入るべきだったらしい。

 アップもそこそこにデッドエンドに触る。デッドエンドは本当に久し振りだから、ムーブも忘れかかっている。さすがホールドは忘れてはいなかったが、足は完全に忘れている。お影で右手の縦カチが取れない。

 今回はゆっくり攻める積もりだから、ここで少し休む。

 2人組みがやって来る。静岡からの人達らしい。

 何とか縦カチを取って、デッドエンド直上で使うポケットを使って、直上のスタートホールドに足を上げようとしたが、足が違うみたいで、どうしても上がらない。両手が塞がれているから、得意の手によるサポートも出来ない。

 そんなことを2〜3回繰り返した後、やっと足が上がるようになる。上がったらそれに乗り込んで縦カチを引付けて、本来のポケットを取るのだが、そのポケットの位置がわからず、迷っていたら落ちてしまった。

 デッドエンドの右の壁を登っている人がいたので、そこの4級の課題を教える。そして、やって見る。相変わらず1回では出来ない。こんな感じで、とお茶を濁す。

 この課題、実は2年程前にはリップ下のガバをスタティックに取っていたのだ。それが、その後スタティックに取れなくなり、デッド気味にしか取れなくなってしまったのだ。それも、調子が良くないと取れないのだ。何なんだろうかこの課題は。不思議である。

 足がデッドエンド直上のスタートホールドのスローパーガバにやっと上がったのだが、その足が滑ってしまった。しっかり乗せた積もりだったのに。今回はソールを張り替えた靴も持って来ていたので。その靴に履き替えて見る。

 以前から思っていたことなのだが、暫く前に、花崗岩で威力を発揮するカチ靴に変えてから御岳の課題が登れなくなってしまったのだ。カチ靴に変えたお影で、足の力の弱い小生でもミリカチスタンスに立ち込めるようにはなった。しかし、こと御岳に関しては、一部の課題を除いて過去に登った課題でも登れなくなってしまった課題が多いのである。その代表がとけたソフトクリーム岩の凹角である。右はまだ良いのだが、左は手も足も出ない状態である。どうも靴を変えたせいではないのだろうかと思っていたのである。

 この足が滑ったのをきっかけに、その張り替えカチ靴に履き替えて見た。すると、スタートのスメアがなんかすごく効いている感じがするのだ。

 小生の場合、他の人がいきなり取る右手のホールドが取れないので、左手アンダー、右手少し下のカチで、両足スメアのキョン気味の体勢でスタートする。この足が心成しか良く効く気がするのである。これまでの寒い時期には殆ど感じなかったこの差が、少し暖かくなってきたので、なんか感じられるようになって来たみたいだ。気を良くして、少しきつめのこの靴を履く事にする。

 先客の知り合いが引き上げる。少し巧そうな二人組がやって来る。その人達と、なんだかんだお話しをしながら、何回も挑戦を繰り返す。

 スローパーガバに乗り込んで、身体を引付けて、ポケットを狙って左手を出す。的が外れて中指と薬指しか引っ掛からない。落ちる。次は的は良かったが、指がポケットに入らない。

 何とかスタティックに手が出ないかと、スローパーガバのスタンスを調べる。この辺にこう乗って見てはとか考える。やって見る。左足を左に流して見たり。で、何が功を奏したのかわからないが、やっとポケットを取る。

 ポケットに何とか3本の指が入っている。右足を次のスタンスに上げて身体を上げる。左手の指が段々滑って、ポケットから1本の指が外れる。すぐにもう1本も外れてしまう。遂に1本指になってしまう。右手はどこを取れば良いのか。すぐ目の前のホールドなのか。左手の最後の1本指も外れそうだ。駄目だ。

 もう少し左手のポケットがしっかり持てれば、そして、もう少し元気が有れば。まぁ、たらればを言っても始まらないが。

 でも、遂に第一核心を突破した。多分忍者返しと違って、この核心は日に何回かは越えられそうだ。なんとか見通しがついて来た。もうじき登れるようになるであろう。

 既に日が陰ってしまって少し寒いので、明るい気分で本日のデッドエンド挑戦を終了する事にしよう。

 今回もお休みマットと化したマットを背負って丸こんにゃく岩に行く。丸こんにゃく岩はまだ日が当たっていて暖かかった。

 左は相変わらず次の足がわからず、足ブラでぶら下がれないので諦める。右足は新たに出現したスタンスを使わないで登って見る。

 左手はミリカチ、右手は少し奥のなんとなく効くカチ。右足は新たなスタンスの上の一寸したリスでスタート。左手を飛ばして見る。なんか止りそうに無い。左足を探して見る。なんか幾つか置けそうな所がある。なんたって、今回は張り替えカチ靴だ。どこでも足が置ける、気がする。

 このスタートの右手のリスのカチだが、このホールドって、元々有ったのだろうか。あまりにもかかり過ぎる気がする。ここも前回の増水で掛かりが良くなってしまったのではないだろうか。なんかそんな感じがしてしまう。

 スタートして左足を左上の一寸したスタンスに置いて見たら、左手がスタティックに少し引っ掛かるホールドに置けた。これで左足をもう少し上に送れれば石の上にしっかり乗れ、右手がガバまで伸ばせる。でも、既に力は終わっている。何も出来ない感じだ。まぁ、デッドエンドで頑張ったのだから仕方が無いが。

 ここも日が陰ってしまって寒くなって来た。忍者返しまで移動して見る事にする。

 途中発電所の駐車場の下の杣の小橋が工事中で通行止めになっている。このまま駐車場に帰るにはまた神路橋まで戻らなければならない所だった。

 沢では相変わらずカヌーの連中が元気良く練習をしている。水量も大分増えて来て、冬場減っていた水量がいつもの水量に戻りつつある様だ。

 御岳小橋も工事中の様だ。どうやら塗装工事中らしい。向こう岸の現在は通行禁止となっている鉄の遊歩道様の橋も近く撤去工事が行われるらしい。そのためにカヌーの通行止めを知らせる紙の札があちこちに釣り下げられていた。

 溶けたソフトクリーム岩に人がいたので、ここも久し振りに寄って見る。程なく先客が帰ったので、独りで凹角の左の課題をやって見る。勿論張り替え靴でである。

 左手でリスを持ってスタートし、右手クロスでリップ上のカチを取りに行く。ここが今迄出来ないでいた。しかし、今回は2回目でここまで行く。が、その後、足を巧く拾えないのと、手がどうすれば良いかわからないのとで、結局は登れなかった。まぁ、もう今日は終わっているから。

 忍者返しに行こうと、御岳小橋を渡っていると、溶けたソフトクリーム岩にまた人がいるのが見える。良く見ると、どうも普段お世話になっている山の仲間の様だ。相棒も、橋を渡らずに遊歩道を鵜の瀬橋方面に行ってしまったようなので、引き返して、相棒を呼び戻し、再び溶けたソフトクリーム岩に行く。

 やっぱり山の仲間だった。彼の仲間3人と山に行った帰りだそうだ。またここで少し遊ぶことにする。

 7級だったかの課題を登って見る。なんだか違うみたいで難しくなってしまったがなんとか登る。その左の5級の課題もなにかが違うようだったがなんとか登る。やっぱりよれているのだろうか。

 ここはやさしい課題が無いと言う事で、皆で滑り台岩に行く。この岩の沢側は10級クラスである。山側は下地が掘れたようで少し恐い。従ってそっちはやらない。最後は正面の6級の課題だ。ここも未だにすんなりとは登れない。なんとか登る事は登り、面目だけは整えたが。

 仲間の連れはそこを登る。指が強い様だ。その右のカンテも登れると教えると、そこも登る。そこは2年位前になるか、ジムの仲間とこの岩で散々遊んだ時に小生がやっと登ったカンテだ。まぁ、小生も彼に続いて登る事はできたが。

 それではと、溶けたソフトクリーム岩の凹角の右の壁の3級の課題を紹介する。この課題は小生が最初にできた3級の課題で、結構登り易く感じる課題だ。

 久し振りだったから、2回位かかってしまったが、何とか登る。仲間の連れも挑戦するが、マントルが出来ないようで登れなかった。

 そろそろ電車の時間だと言う事で仲間が帰る。我々も帰る事にする。

 いつもよりは少し早めだから、例によって甲州街道経由で帰る。途中、いつものハンバーグ屋も飽きたということで、奥多摩街道沿いの牛丼屋で牛丼にする。今回はけんちん汁もつけたので、なんとなく幸せな気分になった。なにしろ最近は殆ど外食をしていないからなぁ。

 今日は久し振りに、疲れたなぁー。


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作成年月日 平成14年 2月25日
作 成 者 本庄 章