御岳ボルダーその31そして小川山16

2002年 1月 9日記
 土曜日に御岳に行って、そのまま日曜日には小川山に行った。独りである。

 土曜日10時過ぎに家を出る。

 途中、首都高に乗った所で雨がパラつき出す。どうしようか迷うが、既に首都高に乗ってしまったので引き返すのももったいない。そのまま進む事にする。結局、雨はそんなに長くは続かず、環状線に入った辺りで止んだ。

 今回は独りだから、あまりお金をかける訳にも行かないので、首都高で高島平まで行き、あとは下の道を川越街道経由で所沢まで行き、青梅に入る。

 御岳に近付くと、日は照っているのだが、道が濡れている。結構降った感じである。なんか嫌な感じがする。

 道は空いていたので、1時前には御岳に到着する。

 玉堂美術館の上の駐車場に車を入れ、忍者返の岩に向かう。途中、とけたソフトクリーム岩を見ると、誰もいない。忍者返しの岩にも誰もいない。日は照っているのだが。

 忍者返しの岩を見ると、上から雨だれが落ちており、岩は所々濡れている。忍者返しのスタートホールドは完全に濡れている。一手目のホールドも濡れている。しかし、スタンスは大丈夫なようだ。

 一応支度をして、忍者返しを触って見る。濡れたスタートホールドに手をかけスタートし、第一手目を取る。しかし、滑って持てない。全く駄目だ。練習にもならない。

 クライマー返しを見に行くと、ナックルジャムのスタートホールドは濡れていない。しかし、左手のホールドとスタンスが濡れている。ナックルジャムを試してお終いにする。これじゃとけたソフトクリーム岩に行くしかないか。

 玉堂美術館の上の駐車場の前を通ると、前回自動車に乗せていただいた方が声をかけてくれて、忍者返しの岩の状態を聞くから、その状況をお話する。どうも駄目そうだと。

 とけたソフトクリーム岩に行くと、一人キックマントルに触っている人がいる。挨拶をして、反対の凹角側をみると、完全に濡れている。登れる状態ではない。キックマントル側しか登れないようだ。

 先客と少しお話をする。キックマントルが良くわからないと言うから、キックマントルを登って見せる。スタートのスタンスとかどれだったか良くは覚えてはいなかったので、スタートで足ブラになってしまったりして、手本と言うわけには行かなかったが、一回で巧く登れた。多分今迄で一番スムースにマントルが返って登れた。

 他は登れそうな所が無いから、先客と色々お話をする。青梅に住んでいる人らしい。羨ましい。

 日が陰って寒くなって来たから、もしかするとデッドエンドが登れるかもしれないと、デッドエンドの岩に行って見る事にする。先客はデッドエンドから来たとのことで、その時は直上は登れそうだったとの言葉を拠り所として。

 車に戻り、先客と発電所の駐車場まで行く。既に薄暗くなりかかっている。

 デッドエンドのスタートのアンダーホールドは見事に濡れている。従ってスタートが出来ない。あれだけのガバでも濡れていると持てないのだ。

 直上のスタートをやって見る。確かこんなムーブだったとやって見たら足が滑って向こう脛を強打する。痛い。よせば良いのに3回もやって2回も強打してしまった。

 暗くなり、寒くもなってしまったので、丸こんにゃく経由で帰る。例によって左岸は発電所の照明で明るいのだ。

 先客を御嶽駅まで送り、小川山を目指す。といっても、小川山で泊まる訳ではない。途中の道の駅辺りで寝る予定である。

 吉野梅郷から日の出町に抜け、高尾を目指す。途中、山田うどんがあったので、そこで夕食を取る。でも、まだ7時前である。

 高尾から国道20号で勝沼を目指す。その手前の笹子トンネルを抜けた所の大和村の道の駅で寝る予定である。

 途中道端に雪が現れ出すが、道路は乾いている。それに空いているから、8時過ぎには道の駅に着いてしまう。これでは少し早すぎる。それに、この道の駅は国道のすぐ脇だ。おまけに、少し寒そうだし。韮崎に道の駅がある事を思い出し、そこまで行く事にする。

 甲府市内に入った所辺りから雪が降り出す。道も白くなり始める。自動車のスピードも全体に落ち出す。

 韮崎の町に入り、道の駅に到着する。既に道は白い。10時に近いし、ここで寝る事にしよう。

 大型自動車が2〜3台エンジンをかけたまま停まっている。乗用車も結構停まっている。皆ここで寝るのだろうか。

 寝袋をだし、窓ガラスを僅かに開けて寝る。

 夜中に目を覚ます。窓が僅かに空いているので寒い。ガラスが曇るのを嫌ってのことなので、羽毛服を着てまた寝る。

 5時頃にまた目を覚ます。寒い。風が強い。仕方が無いから風上の方の窓を閉める。少しは暖かくなるだろう。

 6時頃また起きる。まだ明るくはなってはいないが、湯を沸かしコーヒーを飲む。少し暖かくなる。また寝る。

 8時頃目を覚ます。既に明るい。当然だが。でも風が有る。寒そうだ。

 インスタントラーメンを作って食べ、8時過ぎに出発する。昨夜よりは雪は消えているようだ。

 須玉インターを越えて、清里方面に向かう。途中道に雪が残っている所が現れだす。ノーマルタイヤだから、ゆっくりと走っている自動車について、恐る恐るゆっくりと走る。

 川上村への道に入ると道は真っ白である。少し走って見たが、その先下り坂になる所で諦め、チェーンを付ける事にする。しかし、適当な場所が無いので、少し引き返し、老人センターだかの前の広場を借りて長靴を履いてチェーンを着ける。小生の自動車のチェーンは少しきつめなのでジャッキアップしなければ着けられない。少し面倒臭いが、仕方が無い。

 この道は殆ど自動車が通らないが、小生の自動車のスピードが遅いため、何台かの自動車に追い付かれる。その都度脇に避けてその自動車をやり過ごす。

 結局、廻り目平までチェーンを外す事無く、また道路の雪も消える事無く行く。廻り目平への入口のそばやだかの先の林道からは轍はない。降雪後はだれも通っていないようだ。

 キャンプ場のゲート脇の駐車場に車が一台停まっている。屋根には雪がうっすら積もっている。昨夜から置いて有ったのだろう。ここまでの道の轍は消えていたから。そして、金峰山にでも登っているのだろう。

 上の駐車場には誰もいない。雪も結構積もっている。多分10〜15cm位は積もっているのだろう。これではボルダリング所ではない。長靴を履いて、何も持たずにカメラだけを持ってクジラ岩の前迄行く。

 下地も完全に雪が付いている。当然上には雪が積もっている。掃除をするのは相当に大変そうだ。多分不可能だろう。

 エイハブ船長を触って見る。長靴で第一手目のポケットを取る。左足を上げて左手の縦カチを取りに行ったが、長靴だから身体が上がらない。手が届かない。だめだ。

 穴社長のスタートホールドを触る。右足をスタートスタンスに置いて見る。こっちは全く離陸が出来ない。

 一応写真を撮って、水晶スラブ下のボルダーエリアに行って見る。先週は雪が溶けていて殆ど雪が無かったのだが、今回は真っ白である。富士山岩もすっぽりと雪に覆われている。

 入口岩のトラバース課題を触って見る。この課題は仲間の師匠に勧められた課題なので、ホールド、スタンスを探る。上に雪が被っているので上の方のホールドはわからなかったが、ともにあまり良くなさそうだ。

 ここまで来たのだからと不可能スラブまで行って見る。静かの海は、シートやマットがあれば下の方だけは出来そうだったが、生憎と何も持ってはいない。

 小川山タンクスを見る。被っているから岩の面に雪はない。岩の基部の下地は一部出ている。トラバースだから、靴が有れば出来そうだ。悔しいから長靴で取付いて見る。一手を出すが、やっぱり足がしっかりしないから巧くゆかない。残念。

 序だから雨月岩まで行く。そこから石の魂がすぐ前の様に見える。ここまで来たら石の魂まで行かねばなるまい。結局遊歩道を分岐岩まで行ってしまう。

 雪が長靴の中に入ってしまって、足が冷たい。分岐岩からの林道は日陰だから雪も深い。益々長靴に雪が入る。ここ暫く雪路を歩いていないから、昔の感を失ってしまっているようだ。

 林道からウイスキーボトルの岩が見える。写真を撮ろうとしたが、ファインダーを覗くと木ばっかりでよくわからない。写真は諦める。反対の雪の付いた屋根岩の写真を撮る。

 駐車場に戻り、きたない大岩迄行こうとして、金峰山荘の駐車場まで車を降ろす。すると、金峰山から降りて来た二人の登山家と出会う。自動車を置いていた人達だ。少しお話をする。金峰山の小屋も今日で閉めるのだとか。最後の客だったらしい。

 そこに、自動車が一台やって来る。若しやと見ると、やっぱり例の山梨の人である。

 彼は毎週小川山に来ているらしい。これからも来るとか。お互いに物好きなものだ。

 山梨の人と別れ、車でビクターまで行く。さすが、今回はこの林道脇には車はいない。金峰山に登る人も殆どいないようだ。

 サブウェイは出来そうなので支度をする。大きなシートは無いから落ちたらそれまでである。落ちたら靴が雪塗れになるからだ。

 出だしにだけにマットを敷いて、靴を濡らさないように慎重に履いて、取付いて見る。小さな足拭きマットだから、場所が少し外れているから出難い。無理して何とか取付く。が、足が滑る。出られない。取り付けない。思い切って出て落ちたらお終いだ。慎重にならざるを得ない。

 再度試みる。やはり出られない。足が滑ってしまう。やっぱり氷点下でのボルダリングは無理なようだ。

 さっきの山梨の人が現れる。彼もまだこのサブウェイは出来ていないらしい。

 荷物を畳んで引き上げる事にする。ところが、岩の上の雪の上に敷いた足拭きマットが凍り付いてしまっている。おかげてマットの裏の貴重な防水用のゴムが一部破けて剥がれてしまった。

 きたない大岩の横に自動車を停める。ここもトラバースなら出来そうだ。

 二人で岩にぶら下がって遊ぶ。キャンパシングで少し遠いホールドを取ったりして遊ぶ。山梨の人が帚やデッキブラシを取り出して下地やホールドの雪の掃除を始める。小川山ジャンプの終了点迄掃除している。本気で登るようだ。小生は寒いからパンを食べながらそれを眺める。

 岩の上からは雪が解けた水が流れている所がある。日が当たっているから寒くても雪は溶けるようだ。そこは結構濡れている。

 下に大きな人工芝を敷いて登りだす。しかし、やっぱりホールドが濡れているらしく、登り辛いらしい。2回か3回やって見て、結局止めてしまう。やっぱり登るのは無理なようだ。

 暫くお話をして別れる。

 帰り際に石南花エリアに寄って見る。このエリアは来るまでは若しかして登れるかもと期待していたエリアだったが、やっぱり雪がきちっと付いていて、簡単には登れなさそうだ。でも、忘却岩のトラバースならば出来るかもしれない。少し写真を撮って引き上げる。

 道は来た時よりは雪はなくなっている。しかし、日陰に入るとしっかりと残っている。なるべく残っている雪を踏みつつそろそろと走る。そのため後ろに自動車が着くと道の横に寄って後続車をやり過ごす。

 川上村を抜け心配していたつづら折りの登り道に差掛かったが、殆ど雪はない。ここを抜ければもうすぐ国道なのだが、その先の約3kmの下りを考えるとチェーンをはずすわけにはゆかない。

 はたして、国道に出ても雪は少しだが残っている。日陰では路面も見えない程に残っている。チェーンをはずさなくて良かった。

 長い下りが始まる。雪も結構沢山残っている。暫く雪が続き路面の見えない場所もある。慎重にゆっくりと下る。幸い道は空いている。でも何回か後続車に追い付かれる。その都度適当な所を見つけて道を譲る。しかし、ほとんどの自動車は追い抜いてもその先スピードを上げて走り去る事をしない。やっぱり相当ゆっくり走っているようだ。

 長い峠も終わり、チェーンを着脱するための駐車場が現れる。もうこの先大きな上り下りはない。標高も大分下がった。道の雪も大分減って来た。と思う。駐車場に入りチェーンをはずす。

 タイヤハウスに雪がいっぱい凍り付いており、隙間が殆ど無い。従ってタイヤの裏に手が入らない。車を適当に動かした後ハンドルを目いっぱい切る。チェーンを着ける時はジャッキアップしなければならなかったが、はずすのはその必要はなく、大分楽だ。気も楽だし。

 チェーンをはずして、しかし、そのために、また慎重に走り出す。雪が残っている所も出ては来るが、傾斜も無いし、スピードも相当に落として走るから問題はない。ブレーキも効く。

 いつも寄って行く温泉の近くまで来る。今回も寄って行く積もりでいたが、時間も少し早いし、今回は少し早めに帰ろうと、少し迷いはしたが、素通りする。

 カーブの所に「この先トンネル内凍結注意」という看板が出ている。元々スピードは出ていないが、少しスピードを落としてカーブに入る。すると、その先のトンネルではなく洞門という片側に窓が空いているトンネルの先に赤色燈が点滅しており、自動車が停まっている。急いでブレーキを踏むと、これが効かない。自動車はそのままゆるゆると前に進む。路面が凍っているようだ。スピードが落ちる気配はない。スピードは歩く程度のスピードだから、万が一ぶつかっても怪我は無いとは思うが、でも焦る。対向車は、赤色燈をつけた自動車に遮られ、無い。対向車線は凍ってはいないようだ。ハンドルを切って対向車線に入る。やっぱり対向車線に氷はなかったようで、やっと停まる。よかったー。またゆっくりと自分の車線に戻って、そろそろと前に進み停まる。

 後続車が来る。が、後続車はちゃんと停まってくれる。重ねて良かった。

 2〜3分位したら前の車が動きだした。救急車の横を抜けると、その先にぶつかっている2台の乗用車がある。そして、人がタンカーに乗せられて救急車に乗せられる所だった。

 この洞門は中でカーブしており、路面が凍っていたために反対車線に飛び出した自動車が対向車にぶつかった様だ。結構大きな事故のようだ。以後気を付けなければ。

 その後も何ヶ所か洞門が出て来るが、凍結注意の看板はない。しかし、スピードを落としてそろそろと進入する。勿論後続車にも十分に注意して。

 佐久に近付くと雪も大分少なくなり、やがて道路の雪も殆ど消える。回りの山の雪も大分消えているようだ。

 いつもなら、佐久から254号線で峠越えをして下仁田まで下るのだが、その道の状況がわからないし、結構長い下りになるから、今回は下仁田まで高速を使う事にする。高速ならば雪が有れば何等かのアナウンスがあるだろうし、それなりの対策も取られているだろうから。

 高速の途中で眠くなってしまったので、横川のパーキングエリアで10分位仮眠することにする。寝袋もあるし非常に快適に。それにしても、今日は長い連休の最後の日と言う事でこのパーキングも混んでいるようだ。

 目が覚めた所でまた走り出す。まだ6時過ぎだ。でも既に暗くはなっている。

 下仁田で高速を降り、富岡のいつものセルフのスタンドでガソリンを入れてひたすら245号線を走る。

 寄居の手前で、そのまま川越から高島平まで行って首都高に乗っても、花園から熊谷に抜けて、栗橋から庄和町で16号に出ても対して変わらないのではないかと考え、途中から245を離れ花園を目指す。

 花園の手前で少し道がごちゃごちゃするが、その先は結構何回も通った道である。迷う事無く16号にでる。

 柏の辺りを走っていたら牛丼の看板が目についた。そういえば少しおなかが減っている。もうじき9時だ。家に帰ってから食事をと思っていたのだが、牛丼を食べた方が楽だと考え次の牛丼屋の看板を探す。と、程なく次の牛丼屋があったので、そこに入る。

 そこそこ混んでいる。けっこう皆牛丼を食べている。狂牛病の影響もやっと減って来たようだ。

 途中順調に進み、10時過ぎには家に着く。今回は途中高速に乗ったり、道が空いていた事もあって、佐久から全て含めて6時間位で帰る事ができた。途中、運転中はそんなに眠くも無かったし。

 最後に、雪国にノーマルタイヤで行く事はもう止めよう。例えチェーンを持って行ったとしても。


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作成年月日 平成14年 1月 9日
作 成 者 本庄 章