御岳ボルダーその28

2001年10月15日記
 日曜日に、ジムの仲間2人と3人で御岳に行った。仲間と行くのは久し振りである。

 今日は道が空いている。渋滞はない。久し振りに箱崎経由で行って見る。

 首都高で湾岸方面から新宿、中央道方面に行く時、主な経路が2つある。一つは、今回使った、新木場で湾岸から離れ、箱崎で環状線内回りに合流してから新宿方面に向かうもの。もう一つは、有明で別れてレインボウブリッジを渡って環状線外回りから新宿方面に向かうものである。空いていれば時間はどちらも殆ど変わらない。

 いつもは箱崎経由が少し余計に時間が掛かる事が多く、レインボーブリッジ経由で行く事が多い。しかし、今回は時間が同じと所要時間を知らせる掲示板に表示されていたので、久々に箱崎を廻って見た。距離的にはこちらの方が近い筈だ。それに、こちらの方が合流回数が1回少ないし、その合流もしやすいのである。レインボーブリッジ経由の合流部分は2回あり、そのいずれもが合流部分で2車線を1車線に絞られるので、そこそこ空いている時の合流がすごくいやなのである。合流の手前で1車線に絞って欲しいものだ。

 出発から2時間で玉堂美術館上の駐車場に到着する。駐車場が幾つか空いていたので、ここに止める。

 先ずは久し振りという事で、上流のデッドエンドの岩に行く事にする。

 吉野街道を少し上流に歩き、御岳大橋の脇から沢沿いの遊歩道に降りる。そして、道なりで御岳大橋の下の河原に出る。相変わらず水は灰緑色で増水気味である。普段よりは1m位は増水しているのだろうか。

 河原前方の岩の下にマットを背負ったボルダラーらしき人影がある。近付くとジムの仲間の様だ。2人で来たらしい。増水でできた水たまりに取り残された魚を本流に返してやっていた。

 その横の岩壁にチョークがついている。2mちょっとの岩壁になっているところだ。

 仲間の一人が触る。ガバホールドが2〜3箇所あるが、少々遠いようだ。登ればそこそこ難しそうだ。

 やはり、遊歩道も側壁からのしみだしか所々濡れている。雨の影響があちこちに残っているようだ。

 途中、2人連れの仲間とはデラシネボルダーで別れる。

 デラシネボルダーの前にはバーベキューをしに来たらしい若いカップルがいて、石の前に椅子を置いていたが、彼らがマットを背負って降りて行くと、その椅子を退けていた。

 デッドエンドの岩に行くと先客が一人いて、デッドエンドをやっている。

 デッドエンドの下地は、しみ出しの排水用の溝が掘られてはいたが、余り変化は無い様だ。

 目の前の沢の中の石にこの少し上流の中州に渡るためにいつも架けられていた丸太の橋が引っ掛かっている。台風の後にもまた増水したようだ。中州を見ると橋はかかってはいない。暫くこの中州には渡れないかもしれない。

 我々は沢側の壁でウオーミングアップを開始する。仲間は、久し振りの御岳ということと、花崗岩を登った直後という事も有って、頻りと岩がつるつるだと嘆く。

 沢側の下は水がついている。いつもの下降路からはこちらの取り付きに戻れない。そこで、簡単なカンテを登った仲間の下降路を確認する事にする。と、やっぱり、登った所を降りて来た。

 小生も、そのやさしい、といっても、そこそこやさしいレベルではあるが、そこを登って降りてくる。やっぱり降りるのに少し疲れる。

 例によって、その右隣の4級の課題に触る。仲間、少々てこずる。やっぱり。小生、ここは散々やっている所だから、何とか1回で登る。

 ここの下地は少し下がったようだ。ここにはイギリス人のトラバースという課題があるのだが、その課題がこのために、今迄少しせせこましかったのが、少し楽になったようだ。

 仲間がこのトラバースを始める。

 横に走るクラックのリップが大ガバになっている所からSDでスタートし、そのままそのクラックをトラバースする。これが低いし、足も乏しいから力がいる。

 両手スタートで左のクラックのポケット状の所に左手を出し、次のポケットを右手でクロスで取る。というムーブが一般的らしい。で、そこまではやさしいらしい。でも、小生にはそのクロスが出来ない。ポケットに指がうまく入らないのだ。

 仲間は、その先、甘いホールドを色々探り、色々なムーブを試している。すでに、この課題は登っているらしいのだが、で、その時は結構すんなりと登ったらしいのだが、その時のホールドやスタンスを思い出せないらしい。

 最初はスタート直後の右手の上の甘いホールドを使っていたが、程なくそのホールドを諦め、ずっと左のカンテ状の所のホールドを使うムーブに切り替える。何回かでそのホールドを掴むが、次の右手のタテカチでの身体の返しが出来ない。

 目の前のホールドを色々物色して、足を色々工夫して、結局成功する。

 もう一人の仲間と小生はクロスの次になかなか進めない。でも、もう一人の仲間は程なくそこを突破するが、次のカンテ状の所のホールドが遠いようだ。

 小生は、仲間2人のスタンスを真似てやってみたら、クロスでポケットを取る所までは行くようになったが、身体が返せない。ポケットが持ち切れないのだ。

 2人連れがやってくる。デッドエンドを始める。

 小生もデッドエンドを触り始める。

 デッドエンドは、前回、色々計測した結果、それまで追求していたムーブでは不可能と判定していたので、あまりやる気が起きなかったのだが、イギリス人のトラバースも出来ないしで、少し遊ぶつもりで取り付いて見た。

 他の人は左手アンダーと右手少し高いカチからスタートするのだが、小生には右手が少し伸び過ぎるので、一つ下の右手で右足キョン気味にスタートし、他の人のスタートホールドを取っている。そして、右手クロスで甘いタテカチを取るという所まではいっている。今回の他の人達も殆ど同じ所まで行っている。

 で、小生と同じく、左手の遠いポケットが取れない。

 そのうち、後から来た人が、その甘いタテカチから左足を左の直上のスタートホールドに上げ出す。最初はあのホールドであそこに足が上がるのかと思っていたが、段々身体が上がり出す。そして、遂に何回目かでそのポケットを捕らえ、リップまで行く。で、惜しくも落ちてしまう。

 それを見て、小生にも可能性が出て来たかも知れないと、小生もそれを真似て見る。なるほど、出来はしないが、可能性は見えて来た。あと5cm位まで手が伸びたのだ。これで、展望が開けた。再度挑戦を開始することにしよう。今回は大分疲れたから深くは追求はしないことにするが。

 その間、いつのまにかまた一人、人が増えている。

 左のカンテに2級の課題が設定されている。ここに来てすぐに触って見たのだが、出だしが良くわからなくて取り付かなかった課題だ。人も増えたし、他にやる適当な課題も見つからないので、触って見る事にする。

 仲間にスタートの方法を聞くと、最初に小生が想像した通りであった。しかし、左手のホールドがはたして耐えられるかどうかわからず、またスタートの左足も高かったので思い切ってやらなかったムーブである。ところが、仲間が登った後にやってみたら、離陸ができた。離陸が出来れば、あとのカンテのホールドはそこそこ持てる。

 この課題は、というか、この石は結構高くて、リップのマントルが恐い。この課題の最後のマントルも少し被っているから恐いらしい。ここで会った人もリップで落ちたらしい。小生も、リップのホールドを探っている間に手が腫ってきて落ちる。もう一人の仲間も結局落ちる。

 仲間がデッドエンドに参戦する。この仲間はすでにこの課題は登っている。で、その時のムーブを今回も試したらしい。しかし、ホールドが持ち切れず、身体が上がらないという。彼のムーブは右手スローパーで身体を上げる物だ。やっぱり、スローパーが十分に持てなかったようだ。今の時期では相当に悪いムーブらしい。

 その彼、デッドエンド直上、正確には勅使河原美加の半生というらしいが、それに挑戦を始める。まだ登れていないらしい。

 この課題もデッドエンドと同じく、リーチがあると易しくなる課題のようだ。彼はぎりぎり届かないらしい。で、今迄登れなかったらしい。ポケットを左手でとって、次のポケットが遠いのだ。

 でも、遂にデッドエンド直上を登る。うれしかったらしい。よかった。

 小生は再びカンテに挑戦し、完全にてっぺんまで行く一手手前で左足のヒールフックからカンテの上に出てしまった。本当はもう一手先で格好良くマントルを返したかったのだが、まぁ、一手だから良いか。

 先程の2人ずれの仲間がくる。今日はデッドエンドも盛況である。その後もまた一人とか、2人連れとかが来たりしたから、都合10人以上も居たのだろうか。前回の我々だけのボルダリングもそれはそれで楽しかったが、このような知らない人同士、とは言っても何人かはどっかで見た事のある人だったりするのだが、一つの石で遊ぶのも楽しい物である。

 さっき、カンテの課題を一緒に登った人が小生に××さんですかと聞く。一応そうだと答えると、その人は小生のホームページを見てくれている人だったらしい。その人も若くはなく、小生の主張に賛同してくれているらしい。だからどうだということもないのだが、なんだか嬉しいものである。で、その人と少しお話しをする。

 2人連れの仲間が、ここでは連れの人の登る所がないからと、先に移動する。

 我々も、その後少し適当に遊んで移動する事にする。

 荷物を片付けて、拾った木の枝に結び付けたブラシを回収して、お昼寝マットを背負って、遊歩道まで上がった所で、何か変な感じがする。なんか少し寒い。そうだ、フリースを忘れた。やっぱり歳か。嫌だ嫌だ。

 神路橋を渡って対岸の遊歩道を御岳園地まで行く。途中何ヶ所か遊歩道を工事している所がある。やっぱり台風は結構きつかったようだ。御岳園地の東屋の前も結構大きな工事になっている様だったし。

 そのまま鵜の瀬橋まで行く予定であったが、とけたソフトクリーム岩が傾いたとの噂を検証すべく、とけたソフトクリーム岩に寄る。2人連れの仲間がいた。

 他にも2人連れがいて凹角等で遊んでいたので、我々も遊び始める。

 仲間が、水際カンテを登る。ここは下地が少し上がり、スタートが少し楽になったようだ。右手もホールドが一手先を持てるようになったようだ。

 この岩、沢側に10度位傾いたとの噂だが、どう考えても傾いたようには感じない。10度も傾けば絶対にわかると思うのだが、登った感じは今迄と変わったとは感じられない。下地の傾斜が変わったからそう感じたのではないだろうか。

 久々に凹角の右隣の課題を登って見る。ホールドがはっきりせず落ちる。この石、靴を替えてからと言うものどうも登れなくなってしまったような気がする。この課題しかり。凹角も靴を替えてからは1度も登れていないのだ。多分に気分的な気はするのだが。

 その課題、仲間に登ってもらった後にやったら登れた。足を見落としていたようだ。まぁ、そんなものだ。

 仲間が、下流面の一番山側の課題をワンハンドで登る。真似をするが、出来ない。小生の芸風とは合わないようだ。仕方が無いから、そこの四角い箱みたいなでっぱりのリップを使ってマントルを始める。足がないから出来ない。またも仕方が無いから、左のスタンスを使ってやってみる、しかし少し左過ぎるようで、出来ない。

 仲間も真似をしだす。やっぱり、仲間は出来る。まぁ、ともに有段者なのだから当然では有るが。

 小生、足を一つ右によせたらできた。その後、仲間がその足も無しにマントルを返したので、そのムーブを真似して見たが、出来る物ではなかった。

 2人連れの仲間を残し、忍者返しの岩に移動する。

 先客は2人、一人は虫、一人はクライマー返しをやっている。

 小生ともう一人の仲間は忍者返しである。まず、小生が取り付く。ホールドを色々探って、なんか落ち着かない。こんなに持てなかっただろうか。一応位置を決めて、出ようとしたが身体が上がらない。駄目だ。疲れてる。デッドエンドで頑張り過ぎた。

 とけたソフトクリーム岩で会った2人がくる。白狐岩の課題が登れないらしい。小生は昔一度登った課題だが、最近は触っていない課題である。

 両手を開いて石を抱え込み、左足でも石を抱え込んで左手を上げて行く課題だが、左足が決まらない。みっともないけど敗退する。

 再度意を決して忍者返しに挑戦する。右手の位置が決まらなかったが、適当に持って、スタートする。左手を取って、右足を上げ、身体を上げて、右手をスローパーで中継して、右手を飛ばす。指がホールドを触るが、少し距離が足りない。でも、こんな状態でそこまで行けた。大変に満足する。そして、久々に広げた例のお昼寝マットでくつろぐ。

 2回目、正確には3回目か。スローパーから目標をしっかり見て手を飛ばす。実は今迄飛ばす先を余り見ていなかったのだ。というよりも見るだけ身体が上がっていなかったのかもしれない。

 右手がかかった。身体が止まった。でももう少ししっかりと止っていれば、と考えた瞬間落ちる。でも、2〜3秒は留ったと思う。やったぁー。って、登れてはいないのだが。届いた。

 仲間も挑戦する。もう一人の仲間も彼は登れる筈だと言う。小生も絶対に登れると思った。

 最初の一手が出ない。まだ馴れてないのか。左足の最近出現したスタンスを教える。それを使うと一手目がとれた。が、スローパーの先が止らない。距離は十分なのだが。その後2回か3回同じような感じを繰り返す。

 2人ずれの仲間が先に帰る。

 とけたソフトクリーム岩で会った人がその仲間の液体チョークを見つける。丁度対岸をその仲間が通ったから仲間が大きな声で呼び止めその事を伝える。

 振返ると、仲間が忍者返しの核心を越え、その先のクロスから次のホールドを取っている。あれ、いつのまに、という感じだったが、遅れ馳せの応援が始まる。最後は慎重にとの声の中無事上に抜ける。おめでとう。初めての1級らしい。有段者なのに。は余計か。

 小生、その後2回位スローパーの先のホールドを触るが、止らずに終わる。

 白狐岩の下流の下がえぐれた岩を触って見る。やはり少し難しくなってしまったのか。

 一番やさしい所を登る。何とか出来る。仲間が来たので、その右、またその右を登ってもらう。スタンスを真似すると登れる。やっぱりそういうものなんだ。なんか面倒くさいから足なんか適当にやっていた。それに、手も少し持ち難いとすぐに諦めていた。でも、少しくらい甘くても、何とか身体が上がるようになったみたいだ。今日の、デッドエンドでも、忍者返しでもそんな風に感じたから、多分本当にそうなって来たのかも知れない。そんなことは自覚していないから、スタートホールドで持てないと感じるとすぐに諦めてしまっていたようだ。これからはもっと自信を持たなければ。

 すでに薄暗くなって来た。そろそろ帰る事にして、最後の忍者返しに挑戦する。スローパーから手を飛ばす。既にホールド、スタンスが見え難くなっている。戦闘意欲はすでにまったくない。要するにやる気が無い。当然方向も少し外れ落ちる。やっぱり、気合だ。

 御嶽駅前の中華料理屋で中華丼を食べて帰る。帰りも、途中の湾岸の反対車線が事故で相当に渋滞していたようだが、こちらは何事も無く2時間位で帰りつく。

 今日は登れはしなかったが、大変に収穫の多い一日だったようだ。次は忍者返しが登れるかも。だったら良いのだが。


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作成年月日 平成13年10月15日
作 成 者 本庄 章