御岳ボルダーその27

2001年10月 2日記
 この日曜日に、暫く振りで相棒と御岳に行った。

 天気予報は夕方から雨。空も朝からどんよりしている。しかし、午前中に三鷹の方に行く用事が有ったので、そのついでにちょっと足を伸ばしてと、御岳まで行くことにした。

 用事を終え昼食も済ませて御岳に向けて走り出すと、既に、僅かに雨が降り始めている。今回は最初から天気が悪いのはわかっていたし、先日の台風の影響の視察を主な目的ともしていたので、少し迷いはしものの、そのまま進む。

 道は、甲州街道を立川まで行ったのだが、空いている。総ての信号を1回でクリアする。今回は道が全般的に空いているようだ。

 3時頃に御岳に到着する。

 忍者返しの岩の上のトンネルの入口の手前の歩道の上に車が1台止めてある。多分ボルダラーの車であろう。

 玉堂美術館の上の駐車場が空いている。こんな天気だから観光客も少ないだろうし、この時期カヌーイストも少ないようだ。ここに車を止める。

 雨はソコソコ降っている。道路も濡れ始めている。準備という準備も無く、傘をさして歩き出す。行く先は忍者返しの岩である。

 途中、車道から下のとけたソフトクリーム岩近辺が見える所がある。なんとなくボルダラーがいるようにも見える。

 忍者返しの岩の前には4人程のボルダラーがいて、忍者返しの岩の下で雨宿りをしているようだ。

 我々は白狐岩の方に行く。

 川の水はまだ灰緑色をしており、少し増水気味である。台風から暫く時間が経っているというのに、まだダムの水が濁っているのであろう。

 聞いていた通り、また忍者返しの岩の下地が上がっている。忍者返しのスタートの真下が、人為的に10〜20cm位い掘られた形跡は有るが、それでもスタートの次の左手のホールドが、リーチのある人だと、もしかすると持てるかもしれない位である。

 白狐岩の一つ下流の、難しい5級や6級のある丸っこい岩の下は大きくえぐられ、忍者返し側の課題は益々難しくなってしまったようだ。

 10人位の集団がやってくる。1人か2人の人が全くの素人を連れて来たという集団である。白狐岩のトラバースの課題の下にシートを敷き、その課題に取り付き始める。我々はマミ岩の方に行く。

 マミ岩は殆ど変化は無い様だ。しかし、既に岩は濡れている。

 右の3級の課題の左手で使うことのある小さなポケットを見ると、何だか穴が大きくなっている様な気がする。以前は完全な丸い穴だった記憶が有るのだが、左方向に穴が広がっている気がする。既にチョークが一杯ついていたので、良くはわからなかったが、岩が欠けたかなんかで、穴の形状が変わったようだ。とはいっても、持った感じはそんなに良くなった訳でもないから、難しさは変わらないのかもしれないが。

 折角ここまで来たのだから、偵察だけというのももったいないので、雨の日でも何とか登れる、マミ岩の上の遊歩道脇の汚い岩に行く。

 案の定この岩はまだ濡れていない。だけではなく、遊歩道の縁石が飛び出し、そこに落ちると恐かった段差が砂で埋もれている。これはラッキーである。

 一番左のSDの、被りに弱い小生にとってはとっても5級に思えない課題に取り付く。

 スタートホールドから右手、左手と出して、次のホールドがわからず、それを探っている内に落ちる。

 次のホールドを探し、何とか見つけて、再度トライする。が、方向が悪いのか、しっかり持てずまた落ちる。

 先程の10人位の集団がマミ岩に来た。あんなに濡れているのに、どうやら取り付いているようだ。結構恐いと思うのだが。

 今度は、足を少し上げてからそのホールドを取る。持てた。再度足を上げてリップをやっと掴む。少し左の方だが、良しとしよう。

 今度はそのスタートから右上する3級の課題をやって見る。右手を外引きのカンテに飛ばす、のだと思うのだが。その右手が止らない。

 少し足を上げて突っ張るようにそのカンテを持って見る。持てることは持てる。と思っていたら、手が外れた。その勢いで少し空を飛んで尻餅をつく。下地が良くなっているから、こんなことも出来る。

 更に足を選んで試すと、しっかり持てたが、動けない。確か以前できたことがある筈なのだが。こんなムーブだったのだろうか。多分違う気がするのだが、思い出せない。

 今回は無理と諦めて、忍者返しの岩の前に戻る。すでに誰もいない。

 忍者返しを触ってみる。幸いまだ濡れてはいない。

 スタートのホールドの右手の持ち方を色々やって見る。下地が上がったから、今迄みたいにすぐに腕が疲れることはない。

 最初は、最近ずっとやっていて、どうも余り巧く行っていない感じのする、下引き気味のホールドでスタートする。次の左手がデッド気味になるがなんとか取れる。その手をもっと持ち易い所に修正して右足を上げ、右手を取りに行く。右手がスローパーに止まる。身体を上げて、右手を飛ばす。次のホールドの左面を触って落ちる。

 今迄の最高到達点と同じ所まで行けた。

 最近は、大体第1回目がその回の最高到達点ということが多いから、まぁ、これは妥当な線だ。しかし、今迄、第一手目の左手の最初に持った場所をもっと良い場所に変えるなんていうことは出来なかった。でも、今回は余裕でできた。だから、スローパーが楽に取れた。それに、飛ばした右手がはっきり見えた。何処を触ったかが見えた。

 少し休んで、またやって見る。今度は、下引きホールドスタートは変わらないが、左足をほんの少し捻り気味にやって見る。なんだかそんなには変わらない。でも、今回は左手は1回で持つ。次のスローパーも止まる。が、右足が外れ足ブラになる。一瞬耐えて、足を元に戻そうとして、力尽きて落ちる。

 こんなことは初めてだ。この右足は大ガバスタンスである。今迄、ここで足が外れたことはない。外れるなんて意識したことも無い。何故だ。

 悔しかったから、少ししか休まないで、もう一回やって見た。今度はスローパーの次のホールドをさっきよりも少し強く触れた。またまた最高到達点だ。やっぱり、少し強くなったようだ。

 また少し休んで取り付く。今度はスタートホールドを少し外引き気味に持ってスタートする。次の左手が静かに取れる。やっぱりこの持ち方の方が良いようだ。

 以前、このホールドは指の腹をポケットの縁に引っ掛けるように持った方が良いとの話しを聞き、その様に持つようになったのだが、どうも、小生には向いていなかったようだ。

 スローパーから手を飛ばすと、今迄触っていただけの感触から、少し引っ掛かる感触でホールドに触る。今迄より1cmか2cm位先を触ったようだ。もしかすると、もう少しでこのホールドが持てるかもしれない。

 また少し休む。そして、今度もスローパーまで行き、手を飛ばそうとしたら、また足が滑った。2回目だ。そんな馬鹿な。今度は足ブラから足を上げなおして体勢を整えた所までいって力が尽きた。でも、何で?

 実は、今回は外で履くのは初めてという、最近履き始めた新しいモデルの靴を履いている。

 この靴、人工壁で履いている限り今迄の靴と大差はない。そんなに滑るという感じも無かった。なのに、滑ってしまった。それも2回も。だから、完全に滑ったのだ。

 見ると、ソール部分が砂で白くなっている。そのせいだろうか。多分そのせいでは無いとは思うのだが。

 やっぱりこのメーカーのソールは滑り易いのだろうか。確かに以前履いていたこのメーカーのスリッパは滑り易かったのは事実だが。

 結局は、もう少し色々な場面で使って見ないと何とも言えないのだろうが。

 少し休みながら時計を見ると、既に5時近くなっている。雨も止みそうに無い。今回は全部のトライでスローパーを持ち、3回もその先のホールドを触ることができた。そして、その1回は指に引っ掛かる感触まで得た。大進歩である。大満足である。

 鵜の瀬橋からとけたソフトクリーム岩経由で帰る事にする。

 途中、命下さい岩を偵察する。下地が少し下がったような感じだ。そして、正面の命下さいの課題の取り付きに小さな岩が引っ掛かっている。下草はきれいに流され、水辺までなにもない。相当水が流れたようだ。

 対岸の下がプールになってしまった岩の下は相変わらずプールのままである。鵜の瀬岩は殆ど変化無し。砂箱岩は、鵜の瀬橋の上からしか見ていないが、下地が掘れたように見える。が、このエリアは余り大きな変化は無い様だ。

 忍者返しの岩の対岸を御岳園地方面に歩く。遊歩道より下の草は殆ど流され、ゴミが散乱している。所によっては遊歩道の上の林の中まで流木やゴミが散乱しビニールが引っ掛かっている。その辺まで水が来たのであろう。

 御岳小橋の下の広場の草も殆ど無い。遊歩道の上のベンチも半分砂で埋まっている。

 大分下地が上がったという、とけたソフトクリーム岩に行く。が、思ったほど下地は上がってはいない。凹角の取り付きも殆ど変わらない。アンダーだったかの取り付きが少し上がっただろうか。そのくらいである。もしかすると、水際カンテの取り付きも少しは上がったかも知れないが、まぁ、そんなに大きな動きはない。

 滑り台岩に行く。下地が少し掘れ、岩が出ている。滑り台の面はそうでもないが、山側の面の下の石が結構出ている。マット無しでは少し恐いかもしれない。

 オーストラリア岩の下地は、うっすらと砂が乗り、岩が隠れている。こちらは取り付き易くなったようだ。今迄のように岩で踵を打つようなことは無くなったようだ。小生にとっては嬉しい変化である。

 東屋のある階段の所まで上がると、その前の広場状の所は大きくえぐられており、敷石の一部が流されているようだ。ボルダリングには関係ないが、ここは大きく変化してしまったようだ。案内板の基礎部分も一部えぐられている。

 既に薄暗くなってしまったが、御岳小橋の袂の私の家を覗くと。こちらは殆ど変化無し。

 と、大体以上で偵察を終え、車に戻る。相変わらず雨は降っている。

 今回は道も空いているだろうと、中央高速を目指して八王子まで行くと、三鷹付近で17kmの渋滞とか。渋滞じゃしょうがないと、そのまま16号から奥多摩街道そして新奥多摩街道を使って立川まで行き、来た時と同じように甲州街道を走る。

 夕方の6時から7時にかけてだから、やっぱり道は混んでいる。渋滞していても中央高速の方が早かったかなとか相棒と話しをしていると、調布の先辺りで殆ど動かなくなる。変だ。いつもの渋滞ではない。信号が青になっても余り進まない。

 それでも、少しづつは進み、道路情報案内板の所までくると、環八沿線の火事とか出ている。段々進むスピードも落ちてくる。既に8時だし、丁度ファミレスがあったので、家に帰って食事にする積もりを急遽変更してここで夕食にすることにする。

 駐車場は結構いっぱいだったが、待ち時間も殆ど無く席に着くことができた。

 食事を終え、再び道に戻ると、道は大分流れるようになっていた。

 その後は、環八の交差点までそれ程渋滞することも無く進み、その先も渋滞なく、家に帰りつくことができた。

 相変わらず少し強めの雨が降っていた。


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作成年月日 平成13年10月 2日
作 成 者 本庄 章