御岳ボルダーその24

2001年 5月14日記

 一ヶ月ぶり位の御岳行である。ジムのいつもの若い仲間2人と相棒と4人である。

 早くも無く遅くも無い午前8時半に待合わせて出発。道は意外なほど空いている。全て順調に進み、途中日向和田のコンビニに寄って、御岳寒山寺駐車場に10時半に到着する。

 寒山時の駐車場はまだ空きが有る。やっぱり連休開けということか空いている。カヌーの人達もあまりいない。今回は別に目的が有る訳ではないから寒山時に車を駐める。

 仲間が、最近新しい課題が追加されたらしい、ロッキーボルダーが気になると言うので、ロッキーボルダーを見学する。

 この岩は鵜の瀬橋と楓橋の間の右岸の遊歩道の脇に有って、下地が悪いし高さも有るので、昔からトップロープで登られていた岩である。それを最近ノーロープで2本か3本登られたらしい。

 下地は遊歩道から岩に向かって左は少し平らなところがあるが、すぐ後ろに岩が有り、狭くなっている。それより右側は下に結構大きな岩が有り、スポッターを付けても恐い岩である。傾斜は少し被り気味である。暗い感じがするし、正直、あまりそそられる岩ではない。

 右岸から左岸の鵜の瀬岩を見ると、そんなに草に覆われている気配はない。例年ならこの時期この岩は既に草に覆われ、近寄るのも困難という感じになるのだが、例の下地の土木工事のお影なのだろうか、今年は十分に近づけるようだ。

 鵜の瀬岩から始める事にする。

 草茫々状態になるには1週間ばかり早いかなという感じではあったが、岩の下には草はない。近所の排水が流れ込んでいるのか、下に敷いた瓦礫の間を水が流れ、地面がなんとなく湿ってはいるが、また、なんとなくネコの糞の匂いがするような気はするガ、取り付くのにそんなに大きな支障はない。

 仲間2人は、アップの後、鵜に取り付く。小生はこの岩は被っているから、アップになりそうな課題が無いので、いきなり本番モードである。

 一番左の6級の課題が未だにマット無しでは登れないのでいるのだが、その課題を仲間がアップで登ったので、それを一生懸命見物する。普通はスタートのガバを引き付け、その上のガバをデッド気味に取るのだが、それが恐くて出来ない。その仲間はそこをハイキョン気味にスタテイックに取った。あんな風にも取れるんだと、すかさず小生も真似をさせてもらう。

 取れた。この課題はそこが取れれば上はガバばかりで問題はない。初めてマット無しで登った。ちょっぴり嬉しい。

 この課題、一番左だから高さはそんなに有る訳ではないが、スタートのすぐ横に7〜80cmのコンクリートブロックが有り、デッドで取るホールドを取り損ねるとそのコンクリートブロックに激突しそうで恐いのである。小生にとっては、右隣の5級の課題よりも難しいと感じる課題である。

 仲間2人はお互いにスポットしあいながら、何回と無く鵜に挑戦している。お天気は最高、従って日当たりは抜群である。当然熱い。指もぬめる。でも、幸いと言うか、この岩は少々被っている。この岩のすぐ上流側には鵜の瀬橋が架かり、少し大きな木も有るので、意外と日陰が有るのである。岩の取り付きも直接日は当たらない。意外と熱くはないのである。

 ただ、湿気ているせいか、隣がネコの砂場のせいか小さな虫が多い。顔の周りに寄って来る。それさえ気にしなければ意外と快適である。

 小生は右隣の5級の課題は以前既に登っているので、そのまた右の2級の課題に挑戦する。

 この課題はあまり取り付く人は多くはない課題の様だ。現に仲間もそこに課題の有る事を明確には認識していなかったようだ。

 先ず左手フレークチックな4本の指が入るガバでスタートし、すぐ上の横リスというか結構掛かるカチを取るのだが、このスタートホールドが高く、被っていて、足も良いのが無いので、なかなか離陸出来ない。足を高く上げると手が伸びきっているので力が入らない。

 少しごちょごちょやっていたら、仲間が登ってくれた。ちょっと見て、被った部分のスタンスになりそうな部分をチョークアップしている。やっぱり、足がわかりにくいときはそうするんだ。

 この仲間の足にはいつも感心する。彼の真似をすると登れる事が多いのである。リーチ的にも小生とほぼ同じなので、彼のムーブはいつも参考にさせてもらっているのである。今回も6級の課題のハイキョンを拝借させてもらったばっかリである。

 彼は小生よりももっと左のスタンスを右足で使い、身体を振って上のホールドを取っている。これか、真似をしたら、初めて離陸が出来、次のホールドがとれた。そうすると欲が出て来る。足をクロス気味に移して、ハイステップで次のホールドを取る。そのホールドを持ち替えて、次のホールドを探して、ってやっていたら、疲れて落ちた。でも、そこまで進んだ。その先がホールドが悪そうだが、展望が出て来た。

 落ちる時に、仲間がスポットしてくれているのに気付いた。ありがたい事だ。ここは落ちる事を前提にしているから、また、下地に瓦礫が敷かれているから、その瓦礫の間を水が流れているのでマットが少し濡れてしまうのだが、マットを敷いていた。でも、小生が登る時は仲間がスポットをしてくれるのである。なんかすごく申訳ない気はするが、やっぱりありがたい。

 すごく大きなマットを背負ったボルダラーが隣の砂箱岩に行った。そのマットは本当に大きかった。

 仲間も小生もその後何回かそれぞれの課題に挑戦し、日も高くなって来たので、移動する事にする。でも、この時間では、何処も日が当たっていると思われ、涼しいと思われる所は少ない。向いの命下さい岩にも日が当たっている。そこで、遊歩道岩なら日陰であろうと、遊歩道岩に行く事にする。

 今まで、この遊歩道岩を目指して歩いた事はない。いつもは、歩いていると横に岩が現れる、と言うパターンだ。今日は遊歩道岩を目指して鵜の瀬橋から歩いたものだから、意外と遠かった。

 遊歩道岩は想像通り日陰で、下地に草も生えていない。いつもなんとなくじめじめしたイメージがあるが、乾いていて、すごく快適である。皆で遊歩道岩の前に陣取り、トラバース1級に挑戦する。小生も部分的に挑戦する。

 この岩はガチャガチャしていて、ホールドはそこそこ有るのだが、足が無い。岩の腰下というか、下の方が丸っこくなっていて、そこが被った状態になっている。そして、その部分にスタンスが乏しい。従って、見た目は被っていないし、ホールドもそこそこ有るのに、ホールドが持ち難い。で、やっぱり1級なのである。

 1級、初段を登っている仲間がなかなか成功しない。後半分の足の乏しいところのムーブは早いうちに解決したのだが、続けると、ホールド、スタンスが微妙な様で、また、前半が意外とパワフルな様で、出来ない。結局最後のガバが取れなかったようだ。

 1度などは、仲間の1人がそのガバを取って、マントルが返せないで落ちてしまった。もう一人の仲間も、右手カチから、左手一見ガバ風に外傾ホールドがなかなか保持出来ないでいた。どうも左足がしっかりと決まらないようだ。

 石の下半分がへっこんでいるから、足が見えないのである。それに、靴がカチ靴である。足裏感覚がよく掴めないらしい。

 小生も、その目の前の外傾ホールドを取るところだけをやる。そして、何回目かにデッド気味に取れる。少し休んでその先も続けて見る。で、なんとかその部分ができた。

 出来ると欲が出る。仲間に交じって、スタートからやって見る。左のカンテから右手縦カチ、あるいはその少し上のピンチ気味のカチから左手その右上の縦リスを取るのだが、ここがなかなか出来ない。仲間は簡単にやっているのだが。

 左足、左カンテにフックして見る。縦リスは取れる。しかし、次の身体の右斜め下移動が出来ない。結局その日はそこまでだった。仲間も何回か惜しいところまで行ったのだが、最後の詰めが出来ずに終わる。仲間はなんとなくすっきりしない様だったが、忍者返しに移動する事にする。

 忍者返しはすぐ隣と言う感じである。しかし、岩の前に行くと大勢人がいる。カヌーの学生さんも居るからすごく多い。鵜の瀬岩で見た特大のマットも敷いてある。試しに従来のラージサイズのマットと比べたら、約倍あった。

 忍者返しを見る。スタートのスタンスが欠けているみたいだ。いつもここで出会う人に聞くとやっぱり欠けたらしい。数センチ程低くなったがかかりは良くなった様だ。良く見ると他にも、スタートホールドの下のスローパーから手を飛ばす時に乗るガバスタンスも真ん中辺が欠けて無くなっている。結構あちこち欠けているようだ。で、どちらかと言うと、特に忍者返し等は、そのたびに易しくなっているような感じがする。

 ここで、最近ジムであ会うようになった若人と会う。一人で電車で来たらしい。

 その彼が忍者返しをアップで登る。スローパーから飛ばした手が一瞬外れそうになったが、そのまま上に抜ける。なんか危なっかしい感じはするが、それで登れてしまう。落ちないのだ。仲間が、やっぱり若いんだなぁという。自分があんな足で行ったら落ちてしまうとも言う。小生もそんな風に感じた。でも、初段はその日のうちに登ってしまうらしい。やっぱりうまいんだろう。いや強いのか。

 仲間は子供返しやクライマー返し、虫等をやっている。小生は忍者返しに専念する。

 第1回目。スローパーが持てない。第2回目、同じく。第1手目はいつもより楽に取れるようになった気がするのだが、どうしてなんだろう。鵜の瀬岩の被ったところをやりすぎたせいなのだろうか。何しろ鵜の瀬岩の被りは御岳の中では半端ではないから。

 十分休んで、3回目。第1手目、何だかしっかり持てている。スローパーが取れる。左手を引き付けて、右手を飛ばす。距離は十分だ。が取れない。取ろうと言う気が無いのかと言われそうだが。

 4回目、スローパーから飛ばして、少し短いが、十分に届いている感じなのだが。

 5回目、少し焦って、トライしたら、スローパーを持つのがやっと。これでは駄目だと、また十分に休んで、6回目。やっぱりスローパーが取れない。今日はこれで終わりか。

 鵜の瀬岩で被ったのを何回かやって、遊歩道岩で、足の悪いのを頑張って、まあ忍者返しで頑張って、今日は相当に頑張ってしまったと思う。仲間も今日は何便も出ますねと言ってくれる。やっぱり傍目にも頑張ったみたいだ。もう6時近くなっている。周りにいた人達も全て帰ってしまった。

 最後に途中で合流した若人が丸刈りを見たいと言うので、丸刈りの岩に寄る。やっぱり草に取り囲まれている。出来ない事は無いのだろうが。少しホールドやスタンスを触って、再び鵜の瀬岩に行く。

 例の若人は鵜を触る。小生は、マットを敷かずに5級の課題を登って見る。どうせ出来ないと思ったのが、出来てしまう。疲れている筈なんだけど。調子に乗って左の6級をキョンを使わずにやって見る。マットが無いのに出来る。やっぱり強くなっているようだ。一応これを今日の収穫としよう。

 この岩は虫がいる。夕方は余計にひどい。足がかゆくなってしまった。

 途中から合流した若人も千葉なので、少しきつくはなるが、5人で一緒に車で帰る事にする。

 左岸を歩いて、楓橋を渡った所で、仲間が寒山寺の鐘を突いて、自動車に戻った。

 帰りは、いつもの如く、睦橋通りから奥多摩街道を通って甲州街道に出て、西府中のびっくりドンキーで食事をして、永福から首都高に乗った。何れも行きと同じく道は混んではいなかった。

 びっくりドンキーでは、約1ヶ月前にもらった期限切れ直前の割引券を使う事ができた。今回の御岳行は、この割引券を使うと言うのがそのもう一つの目的でも有ったのだ。


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作成年月日 平成13年 5月14日
作 成 者 本庄 章